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    【  2009年10月  】 

    吸血鬼を吊るせ 2-7

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.31 (Sat)

     7「それで?」 わたしを事情聴取したのは、表情から何を考えているのかまったく読み解くことができない、本山という中年の刑事だった。「さっき話したとおりだ。わたしと遥さんが入ったリビングルームには、三人の死体が転がっていた」「死体だと気づいたのは?」「入ったとたんにわかった。見れば誰でも一目で死体とわかる」「誰でも、というわけでもないだろう。昔なつかしのライフスペースの定説ジジイなら、生きていると強弁...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-6

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.30 (Fri)

     6 野村香の実家は、バスに二十分ほど乗り、停留所から十五分ほど歩いただけで、すぐに見つかった。あの人からは想像しづらいほどハイカラな家だ。「最近、多いんですかねえ?」 この目にはどうも北欧風に映る門構えを見て、わたしは思わずうなった。戸乱島と遥家に関わる人たちは、みな北欧が好きなのだろうか。「わたしにはアンバランスさが面白く見えますけど」 遥美奈が答えた。 窓からはぼんやりと明かりが見えた。こんな...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-5

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.29 (Thu)

     5 翌日、わたしは朝早くすっきりと目を覚ました。野村家への表敬訪問が控えていたため、「虎奇亜」に行くのを我慢したのだ。 身支度、着替えもするのも早々に駅前のマクドナルドで朝食を摂った。クリアファイルは当然持って行く。遥美奈にさっさと返してしまいたい。 土産を買うのを忘れていた。面倒くさいのでセブンイレブンに駆け込む。その結果、セブンイレブンには求めるようなものは売っていないことがわかった。それでも...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-4

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.28 (Wed)

     4 結局、この日も、夜の九時まで待ったにもかかわらず患者は一人も来なかった。 今度から完全予約制にしよう、とわたしは心に決めた。 クリアファイルを何度も読んで、失踪事件のあらましを頭に入れる。 遥美奈の書き込みによると、野村香が遥家を辞したのは一月二十八日。最初の失踪者、河内隆道が失踪したのは二月三日だった。四十五歳で、その筋ではちょっと知られた陶芸家だったために新聞の地方版の片隅に載ったのである...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-3-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.27 (Tue)

     3(承前)「それは、そうですが」「そうでしょう。その三件の失踪事件に、香さんが関わっていると考えること自体がそもナンセンスです。香さんには香さんの人生があり、いつまでもあの悲惨な事件と結びつけるのは誰にとっても有害でしょう。物証は何も上がっていないのですから」「桐野先生」 遥美奈はわたしをじっと見据えた。思わずたじろいでしまうような力が、そこにはあった。「……本当に、そう思ってらっしゃいます?」「も...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-3-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.26 (Mon)

     3「桐野メンタルヘルス」を職業別電話帳の病院の欄で探そうとしても無駄な話である。無論のこと臨床心理士でもない。見つけ出すには、各種療法の欄を懸命に探さなければならない。電話帳では「気の健康研究所」と「キルティング・セラピー日本」の間だ。 広告も打っていないこんな怪しげな診療所にくる客など高が知れている。せっかく時間を取ってはるばるやってきたにもかかわらず、やることが睡眠導入剤を飲んで寝るだけときた...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.25 (Sun)

     2 何かが鳴っている。うるさい。やめろ。やめてくれ。わたしは忘却のうちにいたいのだ。安逸から無理やり引っ張り出そうとするのはいったい何者だ……。 手を伸ばして愛用の腕時計のアラームを止めた。頭痛に耐えながら身を起こして文字盤を見る。十時をまわっていた。どうせ診察は午後からなのだ。自由業者の特権だ。 しかしひどい頭痛だ。きのうロシア人みたいにウォッカを流し込んだからだろう。日本人が西洋人の真似をすると...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 2-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.24 (Sat)

     第二部1「ウォッカ。ストレート。おかわり」 何回目のセリフだか、自分でもわからなくなっていた。実際そう発音していたかどうかも疑わしい。少なからぬ量のアルコールが、わたしの神経系統に作用し、下世話ないいかたを許せばべろんべろんの状態になっていたのである。 カウンターの向こうで、このバー「虎奇亜」を女手ひとつで切り盛りしているユミコが、頭を振って冷凍庫からストリッチナヤのびんを取り出した。薄暗い店内の...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-17

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.23 (Fri)

     17 その日わたしは警察で雑巾よろしくぎゅうぎゅうに絞られた。いくら絞られても、見たことを話すよりない。解放されたときにはもうボロボロだった。もちろん、警察は捜査の詳しい内容などひとことも教えてくれなかった。これから書くのは、週刊誌や新聞、インターネットなどで調べたところによる。 遥流子は田島信夫を殺したとき、どうも全裸だったらしい。返り血はその後風呂場で洗ったらしく、風呂場へ続く廊下と風呂場のタ...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-16-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.22 (Thu)

     16(承前) わたしは、まだしっかりしている左肩で、アメフトよろしく、遥流子に体当たりを試みた。 距離と筋力と敏捷性が足りなかった。六十八キロのわたしの身体は、遥流子にきれいにかわされ、わたしはたたらを踏んですっ転んだ。 遥流子がどたっ、どたっ、どたっ、と宮部看護師のほうに走るのが見えた。 なぜそんな身体で走れるんだ! 医学の常識というものが音を立てて崩れていくのがわかった。ナイトメア・ハンターと...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-16-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.21 (Wed)

     16 遥流子はぐっすり眠っていた。その寝顔は安らかそのものだ。「警察が来るまでいくらか時間があるでしょう。外はすごい雪だ。ここに住んで長いこのわたしがいうのだから間違いはない。それで、桐野さん、ミスとはなんです?」「その前に、流子さんの夢に入らせてください。杞憂だったらいいのですが」「話してください、桐野さん。わたしも流子の祖父です。ミスを犯したといわれて、孫娘の夢にそのまま入ってもらうわけにはい...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-15

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.20 (Tue)

     15『気象情報をお伝えします。まずは概況から……』『……日本海に発生した低気圧が、今夜から明日にかけて沿岸部一帯に降雪をもたらすでしょう。ところによっては吹雪くおそれもありますので、明日お出かけの際には注意してください……』 寒さで目が覚めた。 枕元の腕時計を見る。なんてこった。まだ五時じゃないか。とはいえ、ゆうべ床についたのが九時だったから、八時間は眠ったことになるのか。身体に八時間睡眠が染み付いてし...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-14

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.19 (Mon)

     14 はっと目を覚ました。 手をついて身体を起こす。遥美奈と目が合った。「桐野さん、姉は……?」「夢魔らしきものは倒しました。たぶん、きっと、これで……」 わたしの言葉が終わるのを待たずに、西方光太郎が叫んだ。「流子さん!」 遥流子のほうに目をやった。同じように横たわったままだ。「流子さん……流子さん!」 西方光太郎のその叫びに応えるかのように、遥流子がうっすらと目を……。 開けた!「お姉ちゃん! お姉ち...全文を読む

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    無題

    その他いろいろ

    2009.10.18 (Sun)

     からっぽの人間に雲が降る...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-13

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.18 (Sun)

     13 昨日に続いて再び遥流子の枕元に座った。そばにいるのは遥美奈と遥喜一郎氏に加え西方光太郎。「桐野さん……」 西方光太郎が、押し殺した声でいった。「お願いします」 このような状態にある婚約者を目の前にしているのだったから当然な反応だ。それはわかっていたが、わたしは責任を感じないわけにはいかない。「やれるだけのことはやりましょう。昨日のようなわけには行きません」 そういって、わたしは布団の横から手を...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-12

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.17 (Sat)

     12「……実際に夢に入るところを見せていただけるんですか?」「……見たって面白くもなんともないですよ」 西方光太郎はそう答えたわたしに向かい、憤然としていった。「面白いかどうかなんてどうでもいいんです。流子さんのそばについてあげていることで、少しでも意識が戻る可能性が増えればいいと思って……」「失礼しました。ごもっともです」 わたしと西方光太郎は仲良く二人並んで遥美奈の運転するプラドの後部座席に座ってい...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-11-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.16 (Fri)

     11(承前)「流子さんがお書きになった記事は、月刊てぃあらに採用されたんですか?」「ええ、三年前の二月号に載っているはずですよ」 そこまで目を通さなかった。「内容も羽谷姫についてのみですか?」「ええ、塚跡を重機で工事するのは反対だ、工事をするなら前に羽谷姫を安全なところに安置させるべきだってわたしがいったのを、流子さんがそのまま書いたものだから賛否両論が島中で渦を巻いて……学芸員と博物館は一躍渦中の...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-11-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.15 (Thu)

     11 部屋は乱雑だった。資料だの文献だのわけのわからないものが山のように置いてある。西方光太郎は、部屋の中で唯一ものを書くスペースが存在する、パソコンが鎮座ましましている机の前に座った。こういう部屋の主であるような人間と、遥流子みたいな潔癖症が結婚してうまく行くのか、人事ながら不安になる。 もっとも、わたしの治療が成功しなければ、うまく行くも何もないのだが。「ここ……いいですか?」 遥美奈が、もうひ...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-10

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.14 (Wed)

     10 軽トラックはさすがにパスし、わたしはプラドの助手席に座った。 無言のまま遥美奈は車をしばらく走らせた。沈黙に耐えかねて、わたしは質問をした。「博物館は広いんですか?」 ハンドルを握りながら、遥美奈はおかしそうに笑った。「こんな島ですよ。予算なんてありません。流行の、テーマパークみたいなのを期待してらっしゃいましたか?」「あんな金食い虫、こういう平和な島には必要ありません。テーマパークを造ろう...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-9

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.13 (Tue)

     9 朝食を終え、わたしは香さんが持ってきた当時の月刊てぃあらと戸乱新報の山と格闘するはめになった。月刊てぃあらは地元のPR誌で非常に薄い。戸乱新報も地元のことしか書いていない、小さくて薄い新聞だった。しかし、遥流子は月刊てぃあらに五年も連載しているのだ。量は膨大にならざるを得ない。いいだしたのがわたしとはいえ、正直全部に目を通すのは無理だ。西方光太郎と会うまでの間に、読める限りを読んでおこう。 バ...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-8

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.12 (Mon)

     8 結局、一人ですることは何もなくて、ふらふらと屋敷の中を歩いた。 廊下の角を曲がったところで喜一郎氏に出会った。「おはようございます」「おはようございます、桐野さん。年寄りは朝が早くていけませんな。今日も五時に起きてしまいました。桐野さんも、ずいぶんと早い」「きのう早く寝ましたからね。仕事柄、八時間ぴったりで起きる癖がついているので。着替えていると、香さんが来ましたよ。あの人も早いですね」「朝早...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-7-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.11 (Sun)

      7(承前)そうだ、忘れていた。遥流子にはたくさんの自筆のエッセイがあったはずだ。「戸乱新報と月刊てぃあらのバックナンバーはありますか? できることなら、ぜひ見たい」「流子様のお部屋に、火事以来のものはたしか全部そろっていたと思いますが」「後で読ませてください。お願いします。使っていたパソコンは?」「流子様はパソコンなんか使ってらっしゃりませんよ。もっぱら原稿用紙です」「そういえばボタンがたくさん...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-7-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.10 (Sat)

     7 目覚めはすっきりだった。枕元の時計を見る。六時ジャスト。昨日寝たのが九時だから、八時間以上は眠ったことになる。悪夢も見なかったし、これで精神面の疲れは完全に取れた。……はずだ。 結局昨晩は、「FAIRNESS」を見ながら遥流子の過去のことについて話を聞いたが、これといったものは何もなしで終わってしまった。遥流子は、スポーツはテニスを愛好しており、政治は無党派層の、入れるなら自民というタイプで、小...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-6

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.09 (Fri)

     6「桐野さん、あなたが姉の夢の中で最初に見た生きている壁というのは、どんなものだったのですか?」 かなり広い食堂でわたしたち三人は顔を突き合わせ、それぞれのお膳で夕食を取っていた。この西洋館に和食は似合わない気もするが、日本人である以上、米の飯と味噌汁を食わなければ力が出ないのだろう。 わたしは大根と魚の煮つけをつつきながら答えた。「手触りは肉の感触でした。暖かくて脈打っているところから、生きてい...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-5-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.08 (Thu)

     5(承前)「映画はいくつか見ていましたが」遥喜一郎は「FAIRNESS」とタイトルを挙げた。香港映画出身の著名な監督のもので、最近のヒット作だ。「しかし、夢に出てくるほど影響を受けたとは思えません。流子は、アクションばかりでつまらないといっていましたから」 それがかえって夢に出ることもあるだろう。映画を見ないわたしは、何とかして筋を思い出そうとした。「その映画には、しゃれこうべみたいなものは登場し...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-5-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.07 (Wed)

     5「……のさん、桐野さん!」 身体が揺さぶられる。何があったんだ……? わたしは……。 頭を振って、しゃんとさせた。そうだ、わたしは桐野。ナイトメア・ハンターだ。「美奈さん?」 遥美奈はおろおろとして見えた。窓に目をやると、辺りはすでに暗くなっている。そうとうな時間がかかったらしい。「桐野さん……よかった。姉の額に手をお当てになったと思ったとたん、倒れ込まれて……姉の夢に入っておられたんですか?」「ええ。ど...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-4-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.06 (Tue)

     4(承前) 迷うまでもなかった。わたしは「手」を差し込み、その穴の中に入っていく自分をイメージした。入るべきでない理由は百万と思いついたが、好奇心がほっておかなかった。それに経験則からいってもこんなときは本能に任せるべきだ。医者の取るべき思考としてはあるまじき態度かもしれないが。 今回は経験則が勝った。 穴をくぐり、気がついたらわたしは、荒野のど真ん中に突っ立っていた。先程までの血に満たされた異様...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-4-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.05 (Mon)

     4 夢の中に入る。口でいうのは簡単である。だが、実際そこで何が起きているのかは、わたしにもよくはわからない。物理的に脳の状態を同じように持って行き、同調させるのか、ユングの「集合的無意識」が何らかの関わりを持っているのか、古代からの神話や伝承が正しく、われわれのよく知る三次元のこの世界とは別に、「夢の世界」というまったく別次元の豊穣な世界が広がっているのか……。もう、何とでも思ってくれ、だ。 まあ、...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-3-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.04 (Sun)

     3(承前)「わたしが夢に入っても、傍から見ると何も変わったところはないでしょうね。もし、敵が弱い夢魔なら、わたし一人でもなんとかなるでしょう。強い夢魔だったら一度退却して、それから作戦を練る。器質性の脳の病気、あるいは精神病だったらわたしには手も足も出せない。大病院にかつぎこんで、専門的な治療をなさることです。確認ですが、流子さんは医学的な検査は受けられたんですよね?」「もちろんです。医者は何も説...全文を読む

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    吸血鬼を吊るせ 1-3-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.10.03 (Sat)

     3 やたらとだだっ広い家だ。部屋がいったいいくつあるのだ。何度目かの角を曲がったところで、老人は扉を開けた。 そこには、大きなベッドに、一人の女性が寝ていた。厚い布団がかけられてはいたが、顔色は良くはない。布団の横には点滴の機械が置かれており、そうとう長いことこの状態らしいことがわかる。 その顔は、遥美奈にそっくりだった。「流子です」「美奈さんのお姉さんですか」「美奈からお聞きになったのですか?」...全文を読む

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