更新履歴

    さわりを読む▼をクリックすると更新された内容の冒頭部分がご覧になれますので、久しぶりのご訪問の方はこちらで未読・既読のご確認ができます

    日付別の更新チェックはカレンダーの日付をクリック ▼

    【  2009年11月  】 

    早期発見早期治療

    SF

    2009.11.30 (Mon)

     「で、患者は?」 医師の問いに、看護師は手元のボードを見て答えた。「今、処置をしました。とりあえず、異常個所のサンプルを採りましたので、ごらんになってください」「患者はなんていってる」「自分はガンじゃないのかって」 医師はシャーレに入ったサンプルを解剖顕微鏡で見た。「どうですか? やはり……」「悪性のガンだ。間違いない。検査を受けてもらいに来てよかった。今なら、患部が非常に小さいから、手術と放射線で...全文を読む

    PageTop▲

    エドさん探偵物語:18 依頼人は怪獣

    探偵エドさん(童話掌編シリーズ・完結)

    2009.11.29 (Sun)

     依頼人は怪獣 私立探偵のエドさんは、がらんとした映画館の中で、ぶつぶつこぼしていました。「ひとりで見る恋愛映画なんて、ちっとも面白くないな。しかも悲恋ものだなんて」 急な用事ができたとかで、映画を誘った相手に断られてしまったのです。 それでも一本目が終わり、次の作品が始まりました。怪獣映画で、ティラノサウルスが街を破壊している様子が大写しされました。「どうせ見るならこっちのほうがいいな」 エドさん...全文を読む

    PageTop▲

    空を飛びたかった女の子の昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.11.28 (Sat)

      窓から空ばかり見ていて飽きないかって? ううん。そんなことないよ。あたしは、空が好き。青い青い、空が大好き。 いつから空が好きになったのか? わからない。覚えてないよ。気がついたら、空にあこがれていたんだ。いつか、ほんとに空を飛んでみたいって思ってる。女だてらにこんな理系コースを選んだのも、大学に入って、パイロットの試験に合格するためなんだ。ちょっと、笑わないでよ。あたしはまじめなんだから。 こ...全文を読む

    PageTop▲

    樹になった龍の昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.11.27 (Fri)

      だからわしはそんな計画やめろといったんじゃ。先祖の教訓をなにひとつ学ばなかったのかお前らは。いいか、あれはそもそもじゃな。昔、昔……。 昔、昔、この地方には龍が住んでいました。鱗がある見上げるような身体からは長い首が伸び、大きな翼を振ってゆうゆうと空を飛ぶその姿を、目にしなかった人は一人もいませんでした。 しかし、龍はこの地方の人々からは恐れられ、憎まれているのでした。 龍も、生きているからにはな...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-6

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.26 (Thu)

     6 携帯で消防を呼んだときには、すでに地下室の炎は押しとどめようがなくなっていた。金がなかったせいか、スプリンクラーが不良品だったらしい。警察と消防の事情聴取に、わたしたちは、羽谷姫のミイラが自然発火して地下室に燃え広がり、それを消そうと消火器を使ったものの、炎の前にはどうしようもなく、西方光太郎は炎に巻かれて死亡したと答えた。あらかじめ口裏を合わせてあったことはいうまでもない。防犯カメラはストリ...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-5

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.25 (Wed)

     5「桐野!」「桐野さん!」 坂元開次と遥美奈の声で我に帰った。「大丈夫ですか、桐野先生。やはり、このミイラは火葬にすべきでしょうか?」 西方光太郎がおろおろとした声でいった。「ああ……大丈夫です。羽谷姫の思念は破壊しました。思ったより、手ごたえがない相手でしたね」 手ごたえがない?「しかしそれでも、うちの博物館で、危険なものを展示していては、イメージにさしさわりが……」 わたしたちの背後、階段を背にし...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-4

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.24 (Tue)

     4 一時間の航海の後、遥美奈は、船から慎重に車を降ろした。船が小さくて車が大きいから、どうしても狭く感じてしまうのだ。「大丈夫ですか?」「どれだけこの島で暮らしていると思っているのよ」 戸乱島は、朝の船の入港を受けて、活気にあふれていた。過疎の問題を抱えているとはこの光景からは信じられない。とはいえ、よく見ると働く人々の間には白髪頭が目立った。「このまま博物館へ?」「昨日のうちに西方先生には連絡を...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-3

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.23 (Mon)

     3 新聞記事は、二人がいったことを裏付けていた。一面こそ、国会の新法制定問題に当てられていたものの、社会面は数段ぶち抜きでセンセーショナルに報じていた。わたしの顔や名前は出ていなかったが、坂元開次がいうとおり、このままでは全国にこのまずい顔がさらされるのも時間の問題だ。 今の時間帯に開いている店のうち、熱いコーヒーが飲める店ということで、最寄りのジョナサンに入った。朝食にしてはヘビーかもしれないと...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.22 (Sun)

     2 六時になり、二人が目覚めた。「おはよう……ずいぶんと早起きだな、桐野」「てやんでえ。わたしを夕食にも誘ってくれなかったくせに」「あまりにもよく寝ていたので、起こしそびれたのよ。サービスエリアのたぬきそばでもよかったら、ぶって叩いてでも起こしたんだけど。高速を降りたところのセブンイレブンで、おにぎりを四つ買っておいたけど、気づかなかった?」「気づきましたよ。ごちそうさまです。でも、少なくとも、暖か...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-1-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.21 (Sat)

     1(承前) 遥美奈はちらりとカーナビの時計を見た。「船の関係上、明日ね。港に着いたら、ビジネスホテルに飛び込みで部屋を取るか、または車の中で一夜を明かすかしなくちゃならないわ」「慣れてるだろ? 坂元」「春だから車の中でもなんとかなるか」「まだ寒いだろうがな」 遥美奈は、しばらく黙ってからいった。「どうして、ナイトメア・ハンターなんかになったの?」「わたしに聞いているのですか」「ほかに誰がいるのよ」...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 3-1-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.20 (Fri)

     第三部1「どこまで行くつもりなの」「戸乱島まで。全てはそこから始まったのだから」 ビートルの運転席でそう答えたわたしに、遥美奈は呆れたとでもいいたいような調子で言葉を続けた。「この非力な車でそこまで行けると思うの?」「戦後ドイツの屋台骨を支えた名車に、なんてこというんだ」「悪いことはいわないわ。あたしのプラドに乗り換えましょう。そうすれば、坂元さんもいっしょに乗って行けるわ」 確かに、悪くない提案...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-25

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.19 (Thu)

     25 はっと我に返った。ビートルの運転席。遥美奈が心配そうにわたしを見ていた。 時計に目をやる。「十五分か」 頭を振って身を起こした。疲れた。コーヒーが欲しい。 その前にやることがあった。遥美奈には残酷な話だったが。 携帯を取り出した。本山刑事の携帯の番号を押す。『おれだ』「桐野だ」『自首しに来たのか?』「タレコミだ」 隣で遥美奈の表情がこわばるのがわかった。『聞こうじゃないか』「野村香を見つけた...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-24

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.18 (Wed)

     24「なんだよここは」 坂元開次がビートルの窓に顔を突っ込んで聞いてきた。「見てのとおり、冷凍倉庫だ」 わたしたちは「中川冷蔵」という小さな冷凍倉庫会社の前にいた。これで三軒目だ。「さっきから同じような会社ばかり。こんなところに、なにがあるんだ」「うまく行くと、手がかり。下手をすると、破局かもしれん。それはそれとして、現在流行中の、駐車禁止おじさんが来たら起こしてくれ。わたしは少々寝る」「夢に入る...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-23

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.17 (Tue)

     23「早かったじゃねえか」 ミラにもたれてペプシ・ツイストを飲んでいた坂本開次は、わたしたちに向かって藍色の缶を掲げて見せた。「まあね」 わたしは遥美奈の前でビートルのドアを開けた。「遥さん、どうですか。ミラ並みに狭いですが」 遥美奈は無言で助手席に乗り込んだ。「目的は果たせたのか、桐野」「イエスかつノーだ。求めていた情報は手に入ったが、それが本当に目的に対して役に立つ情報なのかどうかはわからない...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-22

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.16 (Mon)

     22 アシスタントの若いのに案内され、応接室へ通された。 昔来たときは出がらしのお茶しか出てこなかったが、なんと今日はコーヒーが出てきた。インスタントだろうが、クリームと砂糖もついている。遥美奈を連れてきたせいだろうか。やっぱり美人といると得だ。「調査を担当した北村が参ります。しばらくお待ちください」 そういって若いのは出て行った。「先生、もう一度お聞きしますが、香さんは本当に、冷凍倉庫に?」「わ...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-21

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.15 (Sun)

     21 森村探偵事務所は、八王子の隅にある、八王子にしては規模の大きな探偵事務所である。 駐車場の空きスペースに、わたしは愛車のフォルクスワーゲン・ビートルを止めた。坂元開次の車はまだ来ていない。 しばらく待った。煙草を吸わないたちなので、やれることといったら、行きがけに買ってきたカツサンドを食べ、クールミントガムを噛むことくらいしかない。 サンドイッチを食べ終わり、クールミントガムの三枚目を口に入...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-20

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.14 (Sat)

     20 一週間が過ぎた。テレビは戸乱島の四人死亡事件、練馬の五人殺害事件、そして八王子の診療所襲撃事件のつながりを求める番組でいっぱいだった。被害者であるにもかかわらず、わたしや遥美奈の映像が次から次へと流れ、週刊誌は書きたい放題だった。匿名掲示板など、見る気にもなれない。 わたしはワンルームの前で終始うろうろしているだろう記者を思い、診療所の扉と天井の修理代を大野龍臣に頼まなければならないだろうこ...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-19-2

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.13 (Fri)

     19(承前) 至誠が天に通じたのか、ふらふらになりながらも立ち上がることができた。意志の力もバカにはできないといういい証左だ。「きやがれ、この野郎」 大声を張り上げたつもりだが、喉から出たのはかすれ声にすぎなかった。 それでも、遥美奈に今にも手をかけそうだった小野瀬孝史が、ゆっくりと振り返ってこちらを見た。視線には意志も知性も感じられなかったが、それだけに、なんともいえぬ不気味な迫力があった。 警...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-19-1

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.12 (Thu)

     19「遥さん!」 わたしは鍵を開いて扉を開けた。コート姿の遥美奈が、疲れ果てたような足取りで入ってきた。開けっ放しでは物騒なので、再びドアに鍵をかける。誤解されたかとも思ったが、気がついていないようなのでそのまま診察室へとうながす。 椅子を勧める。なにか口にするものを探そうとして、飲み物がクリスタルガイザーしかないことに気がついた。 向かい合って座り、気にかかっていたことを訊ねる。「どうしてここに...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-18

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.11 (Wed)

     18 ……ゆっくりと目が焦点を結んだ。 なじみの壁。なじみの床。なじみの毛布になじみのベッド。いつもの診療所だ。時計を見る。四時半だ。 わたしは頭を軽く振った。どこか身体に脱力感が残っている。肩が凝ってしかたがなかった。精神的に疲れたというより、単に齢なのかもしれない。 椅子に座りなおして、横たわっている小野瀬孝史を見やった。 目を覚ますのをじりじりして待つ。 ごく弱い睡眠導入剤しか投与していないに...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-17

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.10 (Tue)

     17 ……入っていった。 わたしは気がつくと、ユトリロが描いたような街に白衣姿でたたずんでいた。 人一人いない、冷たい殺風景な景色なのに妙に存在感がある。自分が景色の一部になってしまった感じがするのは、白衣なんかを着ているからだろうか。 早く小野瀬孝史を見つけなければ。 わたしはあてもなく歩き始めた。 現実世界とは違って、夢の世界の探索は、精密な地図に従って動くようなものではない。なにか行動すること...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-16

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.09 (Mon)

     16 森村探偵事務所の口座に手付金を振り込んでから、診療所に向かった。受付で、島田女史に頭を下げた。つられて、向こうも頭を下げた。目を合わせると、女史はびっくりしたような顔をしていた。 今日もまた例によってマスコミ連中の襲撃を受けたが、数は昨日に比べてもまだ少なかった。この調子で減ってくれることを切に望む次第だ。 島田女史にはこれから山と殺到するであろう電話に対応していただかなくてはならない。わた...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-15

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.08 (Sun)

     15 この調子で夜まで聞き込みを続けたが、それ以上のことはわからなかった。 わたしはとぼとぼと帰宅の途についた。 野村香によく似た若い娘とはいったい誰なのだ。子供がいても、確かにおかしくない齢だったが、遥家の住み込みを長年勤めていたことからその可能性は薄い。 他人の空似か、それとも。 わたしはぶるぶると首を振った。 まさか、ストリゴイの力で若返ったのか。 ありえない話ではなかった。半年間寝たきりの...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-14

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.07 (Sat)

     14 新宿。 わたしはマクドナルドの一席に座ってコーヒーとにらめっこしていた。 つい先ほどまでは財布とにらめっこしていたのだが。 自分の懐具合も考えずに行動してしまう悪癖は治っていないらしい。わたしの場合、悪癖というよりは一種の病気かもしれない。 そんなわけで、コーヒーが目の前にある。ここに含まれているカフェインだけで、頭脳をフル回転させなければならないのだった。 まずはどこから考えるべきか。やは...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-13

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.06 (Fri)

     13 自分が夢の中にいることを自覚して見る自分の夢というのは、いつになっても変な感じだ。よくマンガや小説などで、異世界に飛ばされてしまった主人公が、自分が体験しているこれは夢なんだ、と無理に思い込もうとするシーンがあるが、これとは気分的にかなり違う。 あえていうとしたら、世界のほうが半覚醒状態にある感じ、だろうか。 わたしは醒めているのに世界はまだ半分眠っている……。 眼前に広がる光景が、またその感...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-12

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.05 (Thu)

     12 外に出てみると、昨日あれだけいたマスコミ関係のかたがたは半分から三分の一程度になっていた。「都内で精神療法を営む男性」では、ニュースを一本でっち上げるのは無理だろうと判断したのだろうか。 安心したのは少しばかり早かった。わたしを認めるやいなや、彼らはわっとばかりにマイクをつきつけて取り囲んだのだから。 仏頂面で人間の壁をかきわけた。 あいつらのいうことなんか、なにも聞かない。なにも。 それで...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-11

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.04 (Wed)

     11……『次は、新宿、新宿です』 アナウンスに、わたしは読んでいた『マンモスの発掘』という本から目を上げた。夜の山手線は、酔客と、酔っていない客と、酔っているかいないかわからない客とでいっぱいだった。 自分にできることは野村香を追うことだ、と思って電車に乗ったものの、どこへ行けばいいのかわからない。結局、自分のワンルームに帰るしかなかった。 本を閉じて、鞄にしまう。窓の外を見た。ビル街の明かりが、右...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-10

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.03 (Tue)

     10 夜が白々としてきた。ネット上でのわたしに関する記載の後には、無数の匿名氏による罵倒の言葉が踊っていた。そんなものをいくつもいくつもいくつもいくつも読んだ後には、いわゆる匿名掲示板というやつが大嫌いになっていた。あんな世界を放っておいたら日本はダメになる。そう考えるわたしは老人になったのかもしれない。まだ四十にもなっていないというのに。 一晩パソコンと向かい合っていたにもかかわらず、新たなこと...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-9

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.02 (Mon)

     9 その日、わたしは診療所には行かなかった。ひたすらワンルームに籠ってテレビを見ながら過ごすつもりだった。 島田女史には携帯で、当分診療所を閉めて欲しいといっておいた。先生、明後日の高校生はどうしますか、というのが島田女史の返事だった。わかった、行く。しかし新たな患者は取らない。医者の倫理には反するが、しかたないだろう。 先生は、いつも自分の都合に合わせて医者になったりやめたりするんですね、といわ...全文を読む

    PageTop▲

    吸血鬼を吊るせ 2-8

    3 吸血鬼を吊るせ(完結)

    2009.11.01 (Sun)

     8 警察署の出口には、かなり消耗した様子の遥美奈がいた。「桐野先生」「遥さん……大丈夫ですか?」「ええ。なんとか」 オレンジ色の衣服が色あせて見えた。「……香さんが、やったのでしょうか?」 遥美奈はかすれるような声でわたしにそう聞いた。「警察は、そうだと見ているようですね。遥さん、あなたも、そう思っていたのでは?」 そうでなければ、そんな服は着てこない。「うっすらとは……でも、まさか死体が三つもなんて……...全文を読む

    PageTop▲

    前月     2009年11月       翌月

    Menu

    最新記事

    最新コメント

    カテゴリ

    FC2ブログランキング

    ランキング

    アルファポリス「第9回 絵本・児童書大賞」にエントリーしました。 どうぞ読んでいってくんなまし。

    カウンター

    おきてがみ

    検索フォーム

    Powered By FC2ブログ

    今すぐブログを作ろう!

    Powered By FC2ブログ

    ブロとも申請フォーム

    QRコード

    QRコード