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    【  2009年12月  】 

    深夜の山手線

    SF

    2009.12.31 (Thu)

      飲みすぎた。新宿のゴールデン街は、心に傷を持つものにはあまりにも居心地がよすぎる。へべれけになって新宿駅にたどりついたときには、もう最終列車が出ようとしていた。 スイカを改札に押し当て、ホームに急ぐ。 閉まりかけたドアに滑り込んだ。中はわたしと同じ酔っ払いでいっぱいだった。 席のひとつに腰を下ろす。 わたしの家は山手線沿線にある。ぼんやりとしながら、暗い街の様子を眺めていた。 新宿……新大久保……高...全文を読む

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    擬人化時代

    SF

    2009.12.30 (Wed)

      朝が来た。おれはゆうべの酒が頭に残っているのを感じた。どうも重くて、吐き気がする。典型的な二日酔いだ。困った。今日は重要なプレゼンなのだ。だがおれは慌てなかった。 枕元の、インパーソネイターを手に取った。漢字に直すと、擬人化機だ。マイクのついた掃除機みたいな形をしている。 おれはノズルの先端を、肝臓に押し当てた。「肝臓か。一万円払う。だからもっと効率的かつ大規模にアルコールを分解しろ」 おれはイ...全文を読む

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    服喪

    SF

    2009.12.29 (Tue)

     「われわれは、今、すばらしい人を失いました……」 葬儀はしめやかに行なわれていた。しめやかに、全世界同時中継だった。世界中の瞳が、この老女の死を見つめ、そして深く深く悼んでいた。「……人類を危うく滅亡の淵にまで追い込むところだったあの『狂気大戦』の最後の生き証人として、故人は反戦運動にその身を捧げてこられました。故人のその情熱、徳、そして思索の深さと卓越した知性は、われわれに、この人が生きている限りは...全文を読む

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    コミケ情報

    未分類

    2009.12.28 (Mon)

     今冬のコミケ77において、1日目 Q-57a「Sai_taniya」さんのところで売り子の手伝いとチラシ配りします。ポール・ブリッツとはどんな面なのかいっぺん見てみたいと思う奇特なかたはぜひいらしてください。3日目のどこかのスペースで、ヤバいにもほどがあるバチ当たりなコピー同人誌を小部数委託販売しますが、あまりにヤバすぎるのでそちらはどうか皆さん捜さないでください(^^;)...全文を読む

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    かっさんのドキドキ☆ホロスコープ!

    SF

    2009.12.28 (Mon)

     『かっさんのドキドキ☆ホロスコープ! おひつじ座……今日の恋愛運は超ラッキー! ほんのちょっと決断し、一歩を踏み出すだけで、想いの人はあなたのもの! 悩む前に即行動が勝利の決め手。ラッキーカラーはピンクよ』 ……よくあるのよね、こういう雑誌には、こんな穴埋め記事。誰が信じると思っているのかしら。まったく、こんな記事載せるよりは、もっとべつなことに誌面を使ってほしいわ。子供だましよ。 ……ほら、やっぱり当...全文を読む

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    馬鹿には似合いの結末

    その他

    2009.12.27 (Sun)

      今日もわたしは、ショートショートをブログに載せるため、ワードの画面を立ち上げていた。タイトルだけは決まっていた。「馬鹿には似合いの結末」というのだ。タイトルとしてはなかなかいい響きの文句だ。皮肉で、残酷で、わたしの好みである。ショートショートはいつもタイトルとおおまかなプロットとオチを決めてから後は自由連想式に一気に書き上げるのだが、今日はまだ、どうするかが決まっていなかった。なに、これから考え...全文を読む

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    オワリハハジマリ ハジマリハオワリ

    SF

    2009.12.26 (Sat)

      超宇宙的規模での戦争は、最終局面を迎えていた。 赤の国と白の国、両陣営で、最終兵器が開発されたのだ。 それは、創言能力、言語によって物理法則や世界に影響を与える技術の粋を凝らしたもので、ただ、「オワリ」と呼ばれていた。 オワリの機能、それは、相手陣営の属する世界を「終わり」にさせることだった。 時が来た。 両陣営で、オワリは同時に作動した。 「赤の国は終わり」……。赤の国は終わった。 「白の国は終...全文を読む

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    呪い

    SF

    2009.12.25 (Fri)

     ケース:1 十八歳。女性。高校三年生。母ひとり子ひとり。復縁を求めてやってきた、母の元交際相手により強姦、妊娠。ナイフで胸を突いて死亡。クラスA。ケース:2 二十五歳。男性。土木関係の派遣社員。妻と幼い娘あり。工事中の事故により、右足を負傷。派遣契約を打ち切られる。貧困の中、妻が娘を置いて蒸発。生活保護は就労可能性が高いことから却下。娘は栄養不良と悪性インフルエンザにより死亡。二ヵ月後、首吊り自殺...全文を読む

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    詩人とクリスマスのない国の物語

    ファンタジー

    2009.12.24 (Thu)

     「お祭りしようぜ」 詩人は、友人たちを集めていいました。友人たちは、目をぱちくりさせました。「お祭りって……いったいなにをするんだよ」 友人たちは、不安そうに顔を見合わせました。無理もありませんでした。有史以来、いつから始まって、いつ終わるともしれない大戦争が、この世界を覆っていました。今は何度目になるかわからない停戦が結ばれていましたが、それがつかの間のことであることはみんなが了解していました。お...全文を読む

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    耳の聞こえないバイオリン弾きの昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.12.23 (Wed)

      ディスク? なに、お前またアルバム買ったの? よく金が続くね。いくら好きなアーティストだからって。 そりゃ、お前にとっちゃ他のミュージシャンとは比較にならないかも知れないがな。本当にいい音楽ってのはな、つまりはだ、ああ、なんといったらいいか。こういう昔話知ってるか? 昔、昔……。 昔、昔、ある国にバイオリン弾きが住んでいました。バイオリン弾きとはいうものの、その腕はおせじにもいいとはいえませんでし...全文を読む

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    復活しない日

    SF

    2009.12.22 (Tue)

     二〇一×年一月×日 このところ、老人の突然死が相次いでいる。インフルエンザによるものが大半らしい。まったく、新型であれほど大騒ぎしたのはそう昔の話でもないにもかかわらず、老人が死んでも別にそれほどたいしたニュースにならないというのは、人間というものをシニカルに眺めさせられることおびただしい体験だ。二〇一×年二月×日 老人の突然死はやまず、ついには乳幼児にまで飛び火し始めた。世論が騒ぎ始めた。ずっと昔に...全文を読む

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    大泥棒と盗まれた宝物の昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.12.21 (Mon)

      ……先生、たまには、先生の昔のことを聞かせてくださいませんか?。 ……昔のことなんか、聞くもんじゃない?  それもそうですけど、先生のようなかたを見ていると、どこかで聞いたこういう昔話を思い出すんですよ。 ええ、いいですよ。お聞かせします。それは、昔、昔のこと……。 昔、昔、あるところに大泥棒が住んでいました。手に負えない、冷酷非情な悪党というものがいたとしたらまさにこいつで、王侯貴族の宝石から、商人...全文を読む

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    日の下に新しきものなし

    SF

    2009.12.20 (Sun)

      ……それで、これに対する予算を通せ、とおっしゃるんですか? 正気でおっしゃっているんですか? いいですか、この事業仕分けは、無駄な予算をカットするためにやってるんですよ。 そもそも、費用対効果、ということを考えてください。この企画に、いったいどんなメリットがあるというんです? 目立った長所はない。 生産性も低い。 ひ弱で、もろくて、こんなものを作るという企画が会議を通ったことが信じられません。 と...全文を読む

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    手袋

    ミステリ

    2009.12.19 (Sat)

      いつかはおれのもとへも刑事がやってくるだろうとは思っていたが、こんなに早く来るとは思わなかった。「しのぶさんのことはお気の毒でした」 椅子に腰かけてから刑事は頭を下げたが、その目は上目遣いでおれを見ていた。マムシのような目だな、という印象を受けた。マムシなんて生まれてこのかた実物を見たことなどなかったが。「おつらいでしょうが、事件についてお話ししましょう」 いいから早く帰ってくれ、といいたかった...全文を読む

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    風評被害

    SF

    2009.12.18 (Fri)

     「タルタルステーキなんて、何年ぶりかなあ?」「手をさすり合わせるのはやめろよ。行儀が悪い」「だって、肉だぜ、生肉。いいか、肉のうまみというものは、生で食べてはじめてその真価を知ることになるんだ。原始人はそれが一番うまいということを知っていたんだ。火であぶるなんてことを始めてから、人間は堕落したんだ」「タルタルステーキだって、オリーブ油と塩コショウその他スパイスで味付けしてあるじゃないか」「うるさい...全文を読む

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    訓練を待ちながら

    SF

    2009.12.17 (Thu)

     「避難訓練があるはずだよな」「ああ。……そうだよ。そのはずだよ」「遅いな」「遅い」「さっさと避難しちまおうか」「……だめだよ。うちの避難訓練は、訓練だ、っていって本気で災害を起こすからな。うまくすれば大怪我で済むけれど、こないだは実際に死人が出て大問題になったじゃないか」「準軍事組織だから、しかたがないか」「しかたないね」「それにしても、今回はなにをしてくるんだろう」「わからない。先にわかってしまった...全文を読む

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    うそ

    ミステリ

    2009.12.16 (Wed)

      彼は口先だけの男だった。 悪いことに、本人もそれを自覚し、あろうことかそれを生計を立てる道にしていた。 本職の詐欺師でこそなかったが、それにどこまでも近い存在だったのである。 その日も、彼はとあるパーティーに来ていた。日本でも、ちょっとした有力者が主催するパーティーだった。彼はそこまで、嘘を嘘で塗り固めることで入り込んでいったのである。 部屋はどちらかといえば悪趣味さに傾いていたが、よく飾られた...全文を読む

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    ギャンブラー

    ファンタジー

    2009.12.15 (Tue)

     「お前さんは、結婚なんかできないね」 酒場でとぐろを巻いていたおれに、飲み仲間の一人がからんできた。「できるさ」 おれも酔っ払った頭で答えた。「面白え。じゃ、賭けるか?」 乗った、おれも乗る、という言葉が酒場中から聞こえてきた。あっという間にテーブルが銅貨で埋まり、おれは引くに引けなくなっていた。 飲み仲間たちはにやにや笑っていた。「期限は三日だぞ、ギャンブラー」「けっ」 おれはふらつく身体で立ち...全文を読む

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    背を測る男

    SF

    2009.12.14 (Mon)

      ……百七十八・五。 青年は、壁の身長計を真剣な表情で見た。 おかしい。計るごとに、微妙に狂っている。その差は大きい時で一センチにもなった。これは、誤差ですむ話ではない。 特に何も変わったことはしていないから、自分の身長に変化があったとは思えない。かといって、身長計が伸び縮みしたとも思えない。 青年は難しい顔で身長計に触れた。 誰かが、身長計に細工をほどこしているのか? 青年は首を振った。そんなこと...全文を読む

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    SF

    2009.12.13 (Sun)

     「胃潰瘍だということですね。これを飲んでください。小型カメラロボットです。完全バイオロボットですから、内部を写した後は消化されますのでご安心を」 わたしはカプセルと水を渡した。男は黙って飲んだ。 それにしても、犠牲者総数五十億人ともいわれる大虐殺事件の責任者と会うなど、医者をしていてそう何度もあることではない。わたしは興味津々で目の前の小男を見つめた。 男は浅黒く荒れた肌をしていた。この男が、銀河...全文を読む

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    絵の好きな王子様の昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.12.12 (Sat)

      なにを大口開いてぼけっと絵を見ているんだ。「死の世界」だな。この美術館でも有名な作品だ。芸術はわからないって? わからなくていいから見ろ。おれだってわからないのが多いけど、見ているだけで楽しいじゃないか、こういうの。 おれが絵に興味を持ったのも、この絵について、昔聞いた話が原因なんだ。話してやるから、よく聞け。いいか。昔、昔……。 昔、昔、この国に、絵を描くことが大好きな王子様が住んでいました。王...全文を読む

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    心理的影響

    ミステリ

    2009.12.11 (Fri)

      このたびはすみませんでした。まさか、この部屋に通したとたんに、お義母様が心臓発作を起こすなんて……。 特別養護老人ホームについては、最近、悪いニュースばかりでしょう。そのために、個室には、温度管理その他について入念な配慮をしていたつもりだったのですが。 すみません。個室に、あんな美しい飾り物までしていただいたのに……あの、綺麗な銀色の仮面については、どうしましょう? お返ししましょうか? はい、処分...全文を読む

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    虚栄のルビー

    ファンタジー

    2009.12.10 (Thu)

     「紅の女王とはあなたですか」 代官はいかにも頭の固そうな口調で訊ねた。一国の王に、非礼も極まりない不遜な態度であったが、ここは帝国の国境にある関所であり、そこの代官は、地方の小国の王族くらいなど屁とも思っていないのだった。「いかにも、妾がそうです。どうかなさったのですか」 穏やかな美しい声で貴婦人が答えた。王族らしからぬ略装のうえ、お供はわずか数名の騎士のみだったが、その紅の瞳を見れば、この婦人が...全文を読む

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    逃げ道なし

    ファンタジー

    2009.12.09 (Wed)

      勇者たちは、激闘の末、ついに「死の王」を倒した。 「死の王」は、苦悶のうちに最期の言葉を残した。「……わしを殺すとは、その強さはさすがと認めてやろう。しかし、お前たちへの真の災厄はこれからだ。いいか、世界からわしがいなくなるとは、この世にあるものの全てが『死ねなくなる』ということなのだ。お前たち生物が全地に満ちて、もはや増えることが許されなくなってもなお増えなくてはならなくなったとき、お前たちは自...全文を読む

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    ドッペルゲンガー

    その他

    2009.12.08 (Tue)

      最初に「それ」に気づいたのは、駅前広場の雑踏の中だった。 ぼくはいつものように、電車を降りてからバスターミナルまでの道を全力疾走していた。次のバスに乗らないと、一時間目の講義に遅刻してしまうのだ。うちの大学は、講義が早朝になるにつれて出席を取る割合も増えていくような気がする。 バスはまだ来ていなかった。客がバス停に行列を作って待っている。ぼくはほっとし、時間を確かめるため、駅ビルにある大時計を見...全文を読む

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    王様とスープの昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.12.07 (Mon)

      レストランに行こうって? やだよ、お前が行く店って高いから。一人じゃ行きたくない? とりあえず予算を話せよ。……うわ、なんだその金額。そんな額が払えるか。まったく、お前を見ていると、昔聞いた話に出てくる王様を思い出すよ。どんな話かって? 聞きたいか? 昔、昔だな……。 昔、昔、ある国に食べることが大好きな王様が住んでおりました。王様は政務も執らずに朝から晩まで食べ通しで、しかも毎食、珍しい食べ物がテ...全文を読む

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    鎧をまとった戦士の昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.12.06 (Sun)

      気張りすぎなのよ、まったく。試合前だからっていってガチガチじゃない。そんなことでは、とても試合になんか勝てないわよ。平常心、平常心。 なにか平常心が持てるようなことをしてくれ? そんなこといったって。 いいわ。ずっと前に聞いた話をしてあげる。いい? 昔、昔……。 昔、昔、ある国に、一人の戦士が住んでいました。戦士は、母親の身体から、胸当てをつけたまま生まれてきたのでした。王様も、司祭様も、皆が、神...全文を読む

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    大麦パンと詩人の昔話

    昔話シリーズ(掌編)

    2009.12.05 (Sat)

      このところ、お前、酒ばかり飲んでいるらしいそうじゃないか。そんなに毎晩飲んでいたら、肝臓や胃腸を壊すぞ。なにか、悩み事でもあるのか? なに。世の中が悪い? ろくなことがない? 時代が閉塞しきってる? そんなことでお前。だったら、おれがこれからする話をよく聞くんだ。いいか。昔、昔……。 昔、昔、ある国に、一人の詩人が住んでいました。 詩人は、生まれたときに、通りすがりの占い師から、「世の中を変えてい...全文を読む

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    決まり文句

    SF

    2009.12.04 (Fri)

      恒星間戦争はいつ終わるとも知れなかった。地球時間で一日のうちに、一ダースの惑星が破壊され、一秒のうちに何億という数の死者が出た。 そんな中でも歴史家は仕事をしなくてはならなかった。新たな本を書かねばならなかった彼は、その一ページ目を、よく知られた決まり文句で始めることにした。「無間に広がる大宇宙……」 書き間違いに気がつくことは終生なかったそうである。む-けん【無間】〔仏〕(ムゲンとも)1.絶え間...全文を読む

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    金貨騒動

    ファンタジー

    2009.12.03 (Thu)

      わしがこの村の代官だった時の話をしてやろうか。つまらない話だろうって? いいや、これでも、国を揺るがすような大事件で活躍したこともあるんだぞ。ちょうどいい、お前にもなにかの経験になるだろう。あれは、そうだなあ、今から三十年前……。 そのころは、わしらの国は外国との戦争の危機に直面しておった。はるか北の大国トッカルが、産出する金銀による豊富な財力をもとに、わしらの国を侵略しようとしていたのじゃ。 そ...全文を読む

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