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    【  2010年01月  】 

    天使を吊るせ 8-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.31 (Sun)

      宮沢りえなんて名前を聞くのは二十年ぶりくらいか。美人を引き合いに出すのならもうちょっと候補は他にもいるような気がした。 それよりも。「あの学長先生が、自らわたしたちに教えてくれるんですか?」「もちろんです」 尾道夫人は真剣な瞳でうなずいた。「マンツーマンで?」「まさか」 安本夫人がくすくす笑った。「そうすると、あたしたち全員にマンツーマンでやらなければならなくなりますわ。学長先生が、手に手を取っ...全文を読む

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    天使を吊るせ 8-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.30 (Sat)

     「だいたい、先生、カルトに腰まで漬かった人につきものの思考形態をとっていますよ。気づいてらっしゃいますか?」「カルト!」 わたしは怒りを感じた。 一瞬後、わたしはいったいなにをしにあの教団のもとへ行ったのかを思い出した。 思い出せただけ幸運だった。わたしは自分の頬に張り手を見舞った。「ど、どうかしました、先生?」 今度びっくりするのは島田春江のほうだった。わたしは苦笑いした。「いや、島田さん、あな...全文を読む

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    天使を吊るせ 8-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.29 (Fri)

     8「……それで、桐野先生?」 島田春江は夕方になってから診療所に戻って来たわたしを、いつまでも桃源郷で遊ばせておく気はないようだった。「その教祖とやらの姿を見たんですって?」「見た」 わたしはまだ自分がいるところがどこか現実世界でないような気分を味わっていた。精神障害の離人症に近いが、あれとは異なって非常に満ち足りて穏やかな気分だった。「ポスターなんかじゃ、あの人の魅力は語れない……」 光があった。そ...全文を読む

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    天使を吊るせ 7-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.28 (Thu)

      一瞬、自分が何を聞いたのだかわからなかった。脳細胞のシナプスが適切な電気火花を出して、ようやく頭に意味が姿を現した。「夢に入る、ですって!」「そうですよ」 この団体の教祖は、ナイトメア・ハンターなのか! あの理事長がわたしを手の内に入れたくなった理由はこれではっきりした。確かにそれは必要な人材に違いない。 同時に、森村探偵事務所がわたしをここに潜入させた理由も。北村め、今度会ったらサイゼリヤどこ...全文を読む

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    天使を吊るせ 7-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.27 (Wed)

      わたしは仰天した。「超能力?」 話を横で聞いていたもう一人の婦人が笑った。「そんな、尾道さん、そんなことをいうと新入生さんに悪いわ」 尾道と呼ばれた婦人も口元を押さえた。「ごめんなさい、確かにあれは、真理心理学を極めさえすれば誰にでもできることだろうけれど、あたしたちにしてみれば超能力にしか見えないわねえ」 話がいかがわしくなってきた。「どんなことができるんですか?」 たぶん、読心術か予言術だろ...全文を読む

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    天使を吊るせ 7-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.26 (Tue)

      学食はえらい混みようだった。半数の会員が昼休みを境に自分の仕事や大学やらに戻ってしまうにしては混んでいる。 理由についてもわからないわけではなかった。 わたしは券売機で三百八十円の食券を買った。そのまま奥のカウンターへ向かう列に並ぶ。 しばらく待つとわたしの番が来た。「Bランチ」 ランチはすぐに来た。味噌汁とご飯とザーサイと麻婆豆腐。 それらの載ったトレーを持ってうろうろと空いている席を探した。...全文を読む

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    天使を吊るせ 7-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.25 (Mon)

     7 わたしが「麗澄真理心理学研究所」の聴講生となって本部の建物へ日参するようになってから五日が過ぎた。 わかったことがあった。 この研究所は、凄まじいまでの集金能力を持っているということである。 凄まじいまでの集金能力といったが、信者というか会員というか、彼らひとりひとりが払う額は、払えないというようなものではない。それだけは断っておきたい。 だが、塵も積もればなんとやら、というのもまた事実だ。 ...全文を読む

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    天使を吊るせ 6-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.24 (Sun)

      島田春江は疑わしそうな目をしていた。「そんなに綺麗な人だったんですか」「綺麗なんてものじゃ……」 そう、あの沢守理事長の娘にして、「麗澄真理心理学研究所」の真の創始者である沢守澄麗学長は、綺麗とかかわいいとかで表現できる域を超えていた。 あのとき理事長は、メデューサに呪縛されたかのごとくポスターから目をそらせなくなっているわたしに、笑いながら語った。『すみれと読むんです。わたしの娘です』 誰の娘だ...全文を読む

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    天使を吊るせ 6-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.23 (Sat)

      顔を赤らめるのは、今度はわたしの番だった。 島田春江は上目遣いに、意地悪そうな目を向けてきた。「いたんですね」「い、いや……そんなんじゃない」「嘘をついてもわかります。いつも以上にわかります。いったいどんなかわいい娘だったんですか?」「そんなんじゃないったら」 わたしは手を激しく振って否定した。「ただ……」「ただ?」 わたしは島田春江の追及に、消え入りそうな声で答えた。「ポスターに写っていた若い女性...全文を読む

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    天使を吊るせ 6-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.22 (Fri)

     「あの人」 島田春江は少女のように頬を染めた。わたしよりも十は年上の島田女史が。「もう、あの人ったら、とっても優しいんですよ、桐野先生。この間も……」 島田春江ののろけが始まった。わたしはかぶりを振って診察室のドアを開け、さらに診察室の中にあるドアを開けて受付に入った。 島田春江ののろけ話に五分ほどつきあってから、くずかごにコーラの缶を捨てた。「……あたしに包みを渡してくれて、例のごとくぶっきらぼうに...全文を読む

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    天使を吊るせ 6-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.21 (Thu)

     6「どこへ行っていたんです? 桐野先生」 半ば虚脱状態で診療所『桐野メンタルヘルス』に戻ってきたわたしに、手伝いの島田春江女史が受付の中から声をかけてきた。「新興宗教……」 わたしはまだぼんやりとしながら答えた。 島田春江は、わたしの顔を三十秒ばかり凝視すると、首を振りながら背後の給湯室という名の流し台の下にある冷蔵庫からコカコーラの百六十ミリリットル缶を二本引っ張り出した。太り気味の身体も魅力の一...全文を読む

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    天使を吊るせ 5-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.20 (Wed)

      必要な人材などといわれたのはずいぶんと久しぶりだ。「それは、どうも……」 どうせ必要な人材といっても、猟奇事件関係者としての人寄せパンダと、初学者向けの読心の教材にされるのがオチだろうけれど。 でも、そんなことの前に、聞かなければならないことがあった。「これも案内してくれた杉内さんからうかがったのですが、わたしはなぜかこの研究所では有名人だったようですね。それも、わたしが夢に入れるという理由から。...全文を読む

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    天使を吊るせ 5-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.19 (Tue)

      沢守理事長は嫣然と笑った。嫣然という言葉がぴったりと来る笑顔だった。もっとぴったりした言葉を探すとなると……。 傾城だ。「面白いことをお考えのようですね、桐野さん」 わたしは頭をかいた。「いえ、お若いころはさぞやお美しかったのだろうと思いまして……ああ、今でもお綺麗ですが」「桐野さん、この心理学研究所では、お世辞は通用しませんわよ」 その言葉に、わたしは苦笑いした。「ほんとうにオープンな心構えでいな...全文を読む

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    天使を吊るせ 5-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.18 (Mon)

      杉内はその扉をノックした。「失礼します」 扉が開くと、中は分厚いじゅうたんが敷き詰められた部屋になっていた。 家具といい調度といい、どこかで見たことがある部屋だ。どこだろうと思い返していて、頭の中に、懐かしの「刑事コロンボ」などのアメリカ製のドラマが浮かんだ。あれに出てくる秘書室にそっくりだ。 この手のドラマで美人秘書が座っているはずの机には、きちっとした身なりの、細面の若い男が座っていた。「桐...全文を読む

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    天使を吊るせ 5-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.17 (Sun)

     5 とにかく、なんであれ偉い人に会うとなると緊張するものである。特に、意に染まぬものを酒酔い運転に見せかけて謀殺したなどという疑いをかけられているような団体の長ならなおさらだ。 わたしは杉内に導かれるまま、廊下をくねくねと進んでからエレベーターに乗せられた。どことなく、今まで乗ってきたエレベーターよりも豪勢さの面で違うようなエレベーターだった。 杉内は、わたしに秘密めかしていった。「直通ですよ。最...全文を読む

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    天使を吊るせ 4-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.16 (Sat)

     「わたしの特殊能力を、どうしてそんなに重要視されるんですか?」 わたしは心底困惑していた。おそらくは、森村探偵事務所と北村は、彼らがこういう態度を取ることを見越した上で、わたしを潜入調査へ赴かせたのだろうが……。「そのことについては、理事長が話してくれるはずです」 耳を疑った。「ちょ、ちょっと待ってください。理事長って、さっきの話をうかがったところでは、この研究所のリーダーみたいなかたじゃないんです...全文を読む

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    天使を吊るせ 4-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.15 (Fri)

      このわたしがわからないはずがないだろう、と反論したい気持ちだった。そういう経験なら、ナイトメア・ハンターとして、この数年間、毎日のように体験しているのだ。しかし、彼らに、わたしの能力をどこまで話していいものだろうか。「なにか、おっしゃりたいことが……?」 ままよだ。わたしは覚悟を決めた。「そういう経験なら、毎日のようにしていますよ。わたしには、特殊な力が、ナイトメア・ハンターとして与えられています...全文を読む

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    天使を吊るせ 4-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.14 (Thu)

      杉内は困ったような笑みを浮かべた。この男、困った状況に陥っても笑っていられるらしい。なんというか、さすがはこんな役をこなすような男だ。「痛い質問をされますねえ……」「変なことをお聞きしましたか?」 杉内は首を左右に振った。「いえ、当然のご質問でしょうね。これはぼくも聞いた話なんですが」 決まり悪そうだ。悪いことを聞いてしまったのかも知れない。「ぶっちゃけいってしまえば、単に学校法人認定の基準に通ら...全文を読む

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    天使を吊るせ 4-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.13 (Wed)

     4 ビルの中に効率的に配置された、ホールその他の施設群が、本物の大学にいるかのような気分にさせるに足りる重量感と威容を持っていたことだけは認めてやらねばなるまい。まったく、コンパクトながらこれだけ印象的なものを作れるというのは、日本人の省けるだけ無駄なスペースを省くという美意識に由来するものだろうか。 わたしは、これだけのものを作れる財力がどこから出てきたのかを考えるだけで恐ろしくなった。「総工費...全文を読む

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    天使を吊るせ 3-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.12 (Tue)

      教授か。 わたしは鼻白むのを感じた。 こんな凡才のもと医者でも一度はあこがれたことがある肩書きだったから、その言葉の発する妖しい魅力については知りすぎていたが、それでも、こんな団体が軽々しく使うのには嫌悪の情を禁じえなかった。「……どうかしましたか?」 杉内が長身を曲げるようにかがめ、下からわたしの顔を見つめていた。「……いえ。ちょっと」 わたしは適当な言葉でごまかしかけて、ここが名目上どういうとこ...全文を読む

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    天使を吊るせ 3-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.11 (Mon)

      係のものとやらは、やたらとにこやかな顔をした長身の若い男だった。針金というよりももうちょっと太く、ゴボウ、いやキュウリといった感じの若者で、頼りない大学生、という絵を描かせたらおおかたこうなるのではないかと思えた。「第三研究課程の杉内です」 若者はそう名乗って頭を下げた。 わたしもつられて頭を下げたが、顔に内心が出てしまったらしい。「なじみのない単語だったでしょうね」 わたしは苦笑いしてうなずか...全文を読む

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    天使を吊るせ 3-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.10 (Sun)

     「ようこそ。初めてのかたですね。よくいらっしゃいました!」 わたしはぎくしゃくと礼を返した。「あ、ああ、どうも」 そういって、ふと首をひねった。「あの……わたしが、ここに何をしに来たか、訊ねないんですか?」 受付嬢は、さらに顔をにこやかにして答えた。「お客様、ここは心理学研究所ですよ。お客様がどうしてここにいらしたのかくらい、身振りや行動から、一目瞭然というものです」「はあ……」 それが本当ならわたし...全文を読む

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    天使を吊るせ 3-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.09 (Sat)

     3 わたしは「麗澄真理心理学研究所」の建物に付属している駐車場に車を停めた。だだっ広い駐車場に、わたしのビートル以外にも六分の入りで車が停められていた。 初めて来るところだが、場所はすぐにわかった。こんな奥多摩のはずれにこんなばかでかい建物があったら、どんな頭の悪い人間だってすぐにわかる。 車を降りて、とっくりと建物を見た。 意外と、建物の感じ自体は悪くなかった。新興宗教と聞いて、もっと悪趣味なも...全文を読む

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    天使を吊るせ 2-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.08 (Fri)

      北村は相好を崩した。「受けていただけるのですか、桐野さん!」 わたしはコーヒーカップを取り上げ、飲んだ。「こういう話をしたときから、こういう反応が返ってくることはわかっていたんだろう。わたしは行動が読みやすい人間だからな」「確信はありましたが、それと実現することとは別です」「そのうち、策士策に溺れても知らないぞ」「わたしには真心もあるから大丈夫です。さて、やっていただきたいことですが、さっきもい...全文を読む

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    天使を吊るせ 2-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.07 (Thu)

     「……謀殺」 舌の上で転がすには、あまりにも禍々しすぎる言葉だった。「誰に殺されたと考えているんだ?」 わたしは今度こそ写真と新聞の切抜きを返した。北村は受け取り、元通りにファイルに収めて鞄に入れた。「それにつきましては、さらに事情をお話しせねばなりません」 北村はカップをどけた。「新興宗教について、どれだけのことをご存知ですか?」 わたしは首を振った。「まったく知らないよ。わたしは精神科医だ、医学...全文を読む

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    天使を吊るせ 2-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.06 (Wed)

     「どんなふうに見えますか?」 どんなふうとは。「ええと……幸せそうな親子に見えるな。真ん中のこの男は、こんな嫁さんと息子を持てるとは、きっとよっぽどの果報者だったんだろうな」 わたしは写真を北村に返そうとした。頭が良くて育ちが良くて性格も良かったら、顔まで良くなるものだ、という例証を見るのなんかはっきりいってねたましくてうらやましいだけだ。 北村は手で遮った。「なににつきあわされるんだという桐野さん...全文を読む

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    天使を吊るせ 2-1

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.05 (Tue)

     2 話は一ヶ月前にさかのぼる。「潜入調査?」 わたしは砂糖とクリームを入れたコーヒーをかき回す手を止めて、オウム返しに聞き返した。 相手、森村探偵事務所の調査主任、北村はそのニュース番組のアナウンサーみたいな真面目一本槍に見える顔を難しげにしかめながらブラックのコーヒーをすすった。「そうです、桐野さん。潜入調査をお願いしたい」 わたしはかぶりを振った。「そんなこといったって、北村さん。わたしはどっ...全文を読む

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    天使を吊るせ 1-4

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.04 (Mon)

      わたしのパトロン、いや飼い主である大野龍臣という老富豪は、未だにわたしに小笠原登志子の入院先を教えてくれようとはしなかった。わたしもあえて問おうとはしなかった。聞いても無駄であることがわかりきっていたからだ。 エレベーターが停まった。わたしは降りた。降りると、すぐそこに「売店」の看板があった。 わたしは売店に入った。いつものことだった。 まっすぐ所定の場所に行き、冷蔵庫の重い扉を開いて、缶コーヒ...全文を読む

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    天使を吊るせ 1-3

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.03 (Sun)

      扉を後ろ手に閉めると、わたしは肩をすぼめて病院の廊下を、今度は出口へと歩き出した。 小野瀬孝史がこうなったのは、わたしの責任ではない、といいきれるだろうか。遥美奈だったら弁護してくれるだろうか。 思いは頭の中で渦を巻いたが、きちんとした結論として結晶化してくれることはなかった。 どだい仮定の話に解答を求めることなど無理なのだ。 二年前、わたしは恐るべき化け物との死闘に巻き込まれた。魂を食らい、人...全文を読む

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    天使を吊るせ 1-2

    4 天使を吊るせ(完結)

    2010.01.02 (Sat)

     「もう一度いいます。なにをやっているんですか」 静かな声だった。静かではあったが、どんな無神経な人間でもたじろがせるだけの威厳が備わっていた。 わたしもたじろがざるを得なかった。「見舞いに……」「あなたが、どうして見舞いに来るんですか。いえ、どうして平気な顔をして来ることができるんですか」 小野瀬夫人はずいっ、と一歩踏み出して来た。 わたしはプリンを手にしたまま中腰になった。「わたしは……」「息子がこ...全文を読む

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