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    【  2010年06月  】 

    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・57

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.29 (Tue)

     「…………っ」 薄暗い教室。彼女は目を覚ました。机には、小さなチューブが載っている。ヘア・カラーだった。髪を黒く染めるものだ。 誰もいない、がらんとした教室を見渡した。さすがに、夕方ともなると、さびしいものだ。 帰るとするか……。 彼女は、鞄を取って立ち上がろうとした。 なかった。 鞄がなかった。 たぶん、親友が持っていったんだろう。まったくあの娘は……。 あの娘? 彼女は、名前が思い出せないことをいぶか...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・56

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.28 (Mon)

      その日、売れないフォト・ジャーナリストの下川文子は、愛用のカメラを手にして、ひとり夜の街をさまよっていた。 文子は小さく笑った。笑うしかなかった。原稿の締め切りは明日だった。明日までに、印象的な写真を一枚撮り、短い記事を書かねばならない。そうしなければ、今月は、不本意的なダイエット生活を送ることになるだろう。 文子は、シャッターをいつでも切れるようにしながら、魅力的な被写体を探した。「……だから、...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・55

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.27 (Sun)

     「どうする、文子?」「範ちゃん、どうするって、なにを?」 文子の答えに、範子はじれったそうにいった。「もちろん、この小説よ。わかるでしょう?」「わかるわけないよ! 前々から思っていたけどさ、小説においてメタフィクション的なものを導入するのは、一種の逃避でしかないよ、範ちゃん。逃げだよ、逃げ」「逃げなくてはいけない状況に追い詰められているのよ。だって、考えてごらんなさい、文子。このブログは、毎日更新...全文を読む

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    ネカフェより愛をこめて(またかい)

    未分類

    2010.06.27 (Sun)

     PCがまたも異常をきたし、セーフモードでも起動できなくなったので、ネカフェより書いています。成り行きしだいでは更新を数日休むかもしれません。うむむ寿命なのかPC?...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・54

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.26 (Sat)

     「勝っちゃったわね」「そうだね、範ちゃん。ワールドカップ予選リーグ……」 放課後の紅恵高校の教室。範子の言葉に、文子はうなずいた。「で、それなんだけど」 範子は机から身を乗り出した。「サッカーってどんなルールだったんだっけ?」 文子は椅子から転げ落ちそうになった。「範ちゃん、知らないの?」「そ、そりゃあ、知ってるわよ。単に聞いただけじゃない」「じゃあ、サッカーに関するルールをちょっといってみて」「え...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・53

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.25 (Fri)

     「範ちゃん」「どうしたの? 文子」 文子は、手に教科書を持っていた。「範ちゃん、明日からの期末テストだけど」「な……なんのことかしら?」 範子は妙に明るい声でいった。作っている感じありありである。 文子は律儀に続けた。「だから、明日からのテストが」「聞こえなーい。聞こえません。なに語、それ? あーあーあー」 耳を押さえて目をつぶる範子に、文子はあきれた、とでもいいたげな視線を向けた。「範ちゃん……現実...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・52

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.24 (Thu)

     「ああ……あ。さんごく……」 放課後の教室。どこか夢見がちな目をしていた範子に、文子は後ろの席から声をかけた。「三国がどうかしたの、範ちゃん?」「いや、ね」 範子は振り向いた。「昨日、徹夜して、三国志ものの漫画を読んだんだけど」「うん」「それで思ったのよ、三国一の美女に生まれたらいいだろうなあって」「?」 文子は首をひねった。「範ちゃん、範ちゃん、それって、つながり的におかしくない? 普通、三国志を読...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・51

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.23 (Wed)

     「いいわね」 範子は真剣な表情で短くいった。「もちろんいいよ、範ちゃん。いいに決まってるよ。だって、ただのラー油でしょう?」 文子は半ば呆れた調子で答えた。 それもそうだった。ふたりの前にあるのは、普通の弁当の白いご飯と、お茶の五百ミリペットボトル、それとひと瓶の、このごろはやっている『食べるラー油』というやつだった。「ただのラー油じゃないわ。よく見てみなさい。ラベルに、『ちょっと辛いようですごく...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・50

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.22 (Tue)

     「とうとう来たわよ」「範ちゃん、なにが?」 いつもの紅恵高校の放課後の教室で、文子はいつも以上に真剣な表情の範子に聞き返した。 範子は、当たり前のように答えた。「もちろん、このショートショートシリーズの第五十話よ」「五十話……」「そうよ。いちおう、今のところ作者は全百話を予定しているから、ちょうどこれでわたしたちは半分の地点にたどりついたことになるのよ」「がんばったよね、範ちゃん」「そう。わたしたち...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・49

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.21 (Mon)

     「範ちゃん」「なに?」「あれが食べたい」「あれじゃわからないわよ」 いつもの紅恵高校の放課後。今日は珍しく、文子のほうから話題をふっていた。「カレーだよ」「カレーね。そうね。たまに、猛烈に食べたくなるときがあるわよね」 範子は携帯を取り出した。「今度、うちに来ない、文子? そのときまでに、本場インドのスパイスのきいたカレーを用意しておくから……」「それじゃ間に合わないよ、範ちゃん。カレーを食べたいの...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・48

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.20 (Sun)

     「ダメなのよね……」「ど、どうしたの、範ちゃん。いつもの範ちゃんらしくないよ」 暗い顔でふさぎこんでいる範子に、文子はあわてた。「ダメなのよ……わたし、ダメな人間なのよ」「わたしはぜんぜんダメじゃないと思うんだけど、なにがあったのか、話してくれない、範ちゃん?」 範子はいつもと比べてまるでミイラのようにやつれた顔で答えた。「わたしね……趣味でブログをやっていて、相互リンク先の巡回をしてるんだけど」「ブロ...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・47

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.19 (Sat)

     「文子」 範子は鋭い目つきでいった。「どっちが本物の文子なの?」 それに対し、ふたりの文子は、まったく同じタイミングで、声を揃えていった。「それをいうなら、範ちゃんこそどっちが本物? まったくそっくりで、見分けがつかないよ」 ふたりの範子も、そろって顔を見合わせ、はあ、と大きくため息をついた。 いつもの紅恵高校の放課後だが、いつもと違って、教室にいるのは四人。文子がふたり、そして範子もふたり。「と...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・46

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.18 (Fri)

     「なにか~ら~なに~ま~で~まっく~ら~やみよ~」「どうしたの範ちゃん、そんな古い歌歌って」 文子の問いに、範子はうんざりした調子で答えた。「歌いたくもなるわよ。あたりを見てごらんなさい」 範子の声がヒステリックになる。「闇! 闇! 真っ暗闇の暗闇! 自分がほんとうにうちの高校の教室にいるのかどうかすらもわからないわっ! そのうえ文子の顔も見えないし! いったいどうしたらいいのよ、この状況。お~い...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・45

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.17 (Thu)

     「うっとうしい天気ねえ……」「そうだね、範ちゃん」 いつもの紅恵高校の放課後。文子はうなずいた。「こううっとうしいと、なにか、気晴らしをしたくなるわね」「そうだね、範ちゃん」「なにか、いい気晴らしはないかしら? お金がかからないで、楽しくて、時間つぶしになるようなやつ」「気晴らし……」 真剣に悩んでしまう文子だった。「オセロは?」「ちょっとパス。あれ、やりすぎて疲れた。それに、一度やったことをもう一度...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・44

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.16 (Wed)

     「範ちゃん。ワールドカップって興味ある?」 文子の声に、範子は椅子に座ったままかぶりを振った。「見る気もないわ」 がーん。文子の胸に衝撃が走る。「だっ、だって、世界的イベントだよ、世界中が注目しているイベントだよ!」「あのね文子。文子がいっているのは、サッカーのワールドカップで、ほかのスポーツのワールドカップじゃないと思うけど、あの蹴鞠遊びのおかげで、どうなったと思っているの?」「どうなった、って...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・43

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.15 (Tue)

     「ねえ、文子」「なあに、範ちゃん」「肩がこらない?」「え? 別に、こらないけど。どうして?」 いつもの放課後の紅恵高校の教室。範子は無言で文子の胸を見つめた。「え? ええ?」 文子は範子の目と自分の胸との間に視線を何度も往復させた。 理解がいったようである。文子は、首を振った。「範ちゃん、考えすぎだよ。肩こりなんて感じないし、わたしが肩がこるとしても、人並み程度だと思うよ」「そうお? ……ふうん」 ...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・42

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.14 (Mon)

     「来るわよ」「来る?」「わかるでしょう」 範子はいらいらとした調子でいった。 文子には、わかった。百二十パーセントくらい、よくわかった。「わかってるけど、範ちゃん」 文子は周囲を見回した。 真っ暗な、夜の教室である。そして外にはだだっ広い砂漠が。「確かに、わたしたちがいるのは放課後の教室には間違いないけれど、だからといって、『はやぶさ』が帰ってくるのを見るためだけに、こんなオーストラリアの砂漠で、...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・41

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.13 (Sun)

     「文子。歯医者さんに行く最高のタイミングは、いつだか知ってる?」「え……ええ? え?」 いつもの教室。文子は目を白黒させた。「範ちゃん、いったいどうしたの? 歯医者なんて。あんなところ、いつ行ったってつらいだけだよ」 文子は当然の答えをしたが、範子は満足しないようだった。「いや、それでも、いって楽しいタイミングとつらいタイミングがあるでしょ。それを聞いているのよ」「楽しいタイミング、ねえ」 文子は首...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・40

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.12 (Sat)

     「ひとーつ人の世、生き血をすすり」「ちょっ、ちょっと、どうしたのよ範ちゃん」「ふたーつふらちな、悪行三昧」「どこかで聞いたけど……なんだっけそれ」「三つ醜い浮世の鬼を、退治てくれよう桃太郎!」 範子の決めポーズに、文子はぽんと手を打った。「ああ、桃太郎ね。最近の昔話はそういう決め台詞をいうのね」 文子の言葉に、範子はずっこけて机で頭を強打した。「いたたた……文子、知らないの? 『桃太郎侍』って番組」「...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・39

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.11 (Fri)

      いつもの紅恵高校。二人の少女、宇奈月範子と下川文子は、顔をつきあわせて楽しく話をしていた。「だからね、文子。ミステリというのは、なにかの趣向を凝らさなくちゃいけないのよ」「トリックってこと?」「トリックだけじゃないわ。トリックを含めた上での、趣向よ」「趣向かあ」 首をひねる。「例えば?」「一例を挙げれば、倒叙(とうじょ)もの、というのがあるわ。普通のミステリでは、謎の犯人を、名探偵やら捜査陣が追...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・38

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.10 (Thu)

     「……しゃぶをやったら面白いと思うのよ……」 初夏の陽気のいまの季節に、暑さを覚えてぼおっとしていた文子は、範子の発した言葉に、はっと我に返った。「範ちゃん! なにをいってるの! シャブって、覚醒剤のことなの? そんなものに手を出したら、範ちゃん、わたし、範ちゃんと絶交するよ! お願いよ! お願いだから範ちゃん、正気に戻ってえ!」 胸倉をつかまれて激しく揺すぶられた範子は、舌を噛みそうになりながらも、...全文を読む

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    リンク先紹介

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    2010.06.09 (Wed)

     リンクをさせていただいているサイト様の紹介です。もし紹介内容に問題などありましたら、遠慮なくおっしゃってください。すぐに修正いたしますぅ。まるみみ画報 …… 私淑している女流ミリタリーギャグ漫画家の第一人者、ラスカルにしお先生のサイト。超辛口のアニメ評は姿勢を正して読むべし。ガンマン無頼帖 …… 各所で活躍しておられるミリタリー漫画家、松田道諭樹先生のサイト。わたしは勝手に先生のことを兄貴分みたいに思...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・37

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.09 (Wed)

     「文子」「なあに範ちゃん」……………………「文子!」「なあに範ちゃん」……………………「文子?」「なあに範ちゃん」……………………「文子ぉ」「なあに範ちゃん」……………………「あ・や・こ」「なあに範ちゃん」……………………「文子っ!」「なあに範ちゃん」……………………「あ~やこっ」「なあに範ちゃん」……………………「アヤコ?」「なあに範ちゃん」……………………「文子……」「なあに範ちゃん」……………………「文子~」「なあに範ちゃん」……………………「文子ぉ~ぃ」「なあに範ちゃん...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・36

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.08 (Tue)

     「範ちゃん」 文子は、力ない声でいった。「なあに、文子?」 範子も力ない声で答えた。「この、『やせ薬』だけど、欠陥商品だよ、これ」「わたしもそう思うわ……」 いつもの放課後の紅恵高校の教室。 二人の少女は、顔を見合わせて、はあっ、と、大きくため息をついた。「うちの研究所の報告では、見事なまでの急激な痩身効果が見られるってことだったんだけど」「そこだけは合ってるね、範ちゃん」 範子は親友の姿を見た。 ...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・35

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.07 (Mon)

     「こんなものを、うちの研究所が作ったわ」 放課後の紅恵学園の教室で、範子はごく小さなスイッチのようなものを文子に見せた。 文子はうさんくさげにそれを見た。「範ちゃん、なに、これ?」「これはね……」 文子はスイッチを押した。「範ちゃん、なにも起きないよ」「そうね。これ、壊れているんじゃないかしら。も一度ぽちっと」「やっぱりなんにも起きないよ。範ちゃん、これ、壊れているんじゃないの? その前に、いったい...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・34

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.06 (Sun)

      ぶーん。 ぶーん。「ねえ、文子」「なあに、範ちゃん?」 ぶーん。 ぶーん。「あたしたち、どうして、ハエになっているの?」「わからないよ、範ちゃん」 ぶーん。 ぶーん。 そうだった。この夕陽の当たる紅恵高校の教室で、花も恥らう二人の乙女は、その身を醜いハエと変えて、どこにいくこともできずにただ飛んでいたのである。 ぶーん。 ぶーん。「もうっ! ぶーんぶーんいって喜んでもらえるのは、夢野久作の『ドグ...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・33

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.05 (Sat)

      来ない。 文子は、自分の机で頬杖をつきながら、不安を感じていた。 今日は、範子は一日、学校を休んだのだ。 なぜかはわからない。範子の家に電話をかけたものの、範子は学校に行ったという話だった。 それならば、来てもいいはずだ。 しかし、来ない。 自分の目の前の席は空席だ。 どうして、来ないのだろう? 来られない理由ができてしまったのだろうか。 どんな理由なのだろうか? 学校がいやになったのか、交通事...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・32

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.04 (Fri)

     「お金がないわ」 範子は財布を逆さにして振って見せた。 中からは、ほこりがぱらぱらと落ちてきただけだった。「範ちゃん、なんとかいうカードを持っていたじゃない」 文子はのんびりと答えた。 範子のせっぱ詰まった顔は変わらなかった。「あれは不渡りになったの」「不渡り?」 文子もようやく真面目な顔になり、範子に向かい合った。「範ちゃん、それって……」 範子は蒼白な顔でうなずいた。「宇奈月財閥が……宇奈月財閥が...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・31

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.03 (Thu)

     「落語……」 範子は寝不足らしさが見える顔で文子にいった。「落語? 落語がどうかしたの、範ちゃん?」「作者が……」「作者が?」「作者が、落語を一本書いたのよ。三時間ぶっ通しでパソコンに向かって」「はあ」「当面発表する気もないようだし、相互リンク先の人のブログをもとにした二次創作落語だから原作者の了解も取らなくちゃならないし、もうたいへんで……」「それで、睡眠不足?」「だって」 範子は力なく指を立てた。「...全文を読む

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    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・30

    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    2010.06.02 (Wed)

      範子は、はっと目を覚ました。昨日は遅くまで宿題と格闘していた。そのせいで、さわやかな初夏の空気に、ついうとうとしてしまっていたらしい。 席の後ろを振り向くと、そこでは文子もまた気持ちよさそうに眠っていた。 範子はそんな文子の寝姿を見て、ほほえんだ。 文子を意識するようになったのは、いつごろからだろうか。小学校からのつきあいだが、そのころにはもう、文子に普通の友人としてだけではない「なにか」を感じ...全文を読む

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