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    【  2011年09月  】 

    あとがき

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.29 (Thu)

      今月は、最後の一日を除いて、まるまる潰してひたすら「紅蓮の街」強化月間にしよう、と誓ったのが先月。 そして書いてみたら、とても楽しかった。司馬遷も、「史記」を書いていたとき、「列伝」のほうが楽しかったんじゃないかな、とふと思う。 本編ではほんのわずかしか出ていないチョイ役や、話題の中にしか出てこない人、そして話題の中にも出てこない人、といろいろと遊んでみたのだが、本編を読んでいない人には意味不明...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/最後の男たち

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.29 (Thu)

     最後の男たち「ここにおられたのですか、公爵閣下」 バルテノーズ公爵家の家令、アードは老いてなお矍鑠としていた。 公爵は振り向かず、丘の上から夕闇に染まる終末港の街を見下ろしていた。「ガスはここから紅蓮に燃えるこの街を見下ろしていたのだったな、アード」 アードはうなずいた。「御意」「どのような光景であったのだろう」「同じ橙色でも、このような平和な光景ではなかったと存じます、閣下」「地獄か」「さようで...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十八番目の女

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.28 (Wed)

     二十八番目の女『帝国』辺境に近い宿屋で「黒い髪と白い肌の女? 三十年以上前? 覚えているやつがいるわけないじゃないか。そんな女なんか、このあたりには掃いて捨てるほどいるよ。なに? ものすごい根性悪? お客さんもわかってないねえ。そんな女、このあたりには掃いて捨てるほどいるってば。剣の達人? それだけじゃあねえ……そんな女なんて、このあたりには掃いて捨てるほどいるからねえ」『帝国』首都、『敬都』の酒場...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十七番目の女

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.27 (Tue)

     二十七番目の女「なぜですか、お父様」 その十歳の少女は、そう叫び、父親に食ってかかった。「わたくしは、『敬都』に生まれた人間です。それがどうして、『終末港』などという、田舎の街に行かなければならぬのですか」 父親は日頃の、娘のどんなわがままも聞いてきた父親ではなかった。「先方がぜひに、というのだ。わかってくれ、ヴァリアーナ」「でも、お父様」「決まったことなのだ。お前には行ってもらわねばならん。ガレ...全文を読む

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    コメ返っ!

    その他いろいろ

    2011.09.26 (Mon)

     溜まりに溜まったコメントに、まとめて返信であります。古い順から並んでますので、どうぞ覚えのある方はお読みください。元の記事は……ごめん。では一気どーん!9/20西幻響子さん なにせ舞ちゃんがぜんぶやってくれますからねえ……。親が親だと子は立派になるんですな(笑) あのサングラスの人はセミレギュラーメンバーですよ。実は舞ちゃんは心の中では(以下略(笑))limeさん このジェスという男は、終末港にたくさんい...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十六番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.26 (Mon)

     二十六番目の男 これ以上なにを話せというのじゃ……。 お前たちによって歯を一本残らず抜かれ、しゃべることもままならんわしに……。 なぜ、エリカ・バルテノーズを裏切ったのか? 金? 違うな。教会の財産は莫大なものじゃったし、この街の大司教であることだけで、使いきれんほどの金が入ってくる。 権力? 確かにガレーリョス家と組むことにより、世俗権力は増えるじゃろうが、そうでなくともわしは宗教の面ではこの街の最...全文を読む

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    PC戻りました

    その他いろいろ

    2011.09.25 (Sun)

     OSに問題があったとかでXPを入れ替え。ショップのかたがたありがとう。家へ持って帰ってから再セットアップがたいへん。手際の悪いこと悪いこと、メールの再セットアップとセキュリティソフトの設定にてんやわんやしながら二時間も。というわけで、今日は相互さんを回るので精一杯でした。明日から普通に更新します……って、あと五日で九月も終わり? うっそぉ~。(汗)...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十五番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.24 (Sat)

     二十五番目の男問 名前ハ。答 ゲイロ。スワルヴェ族ノゲイロ。問 ドコニ住ンデイタノカ。答 ココカラハルカ西ノ山岳地帯。ソコデ精霊トトモニ静カニ暮ラシテイタ。先代マデハ。問 先代ノコロニナニガアッタノカ。答 『帝国』ニヨル、ヤツラノイウトコロノ『文明化』ダ。問 ソレハナニヲ意味シタノカ。答 精霊ノコトヲ忘レテ、自分タチノ信ズル神々ヲ信ゼヨ、トイウコトダッタ。問 精霊トワレワレノ神々ハ両立デキナイノカ...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十四番目の女

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.24 (Sat)

     二十四番目の女「あなた」 その、ふくよかな、というにはでっぷりしすぎている中年婦人は、大きな声で亭主を呼んだ。「どうしたのだ、わが愛しの駒鳥よ」 二階から、のんびりとした声が返ってきた。中年婦人は、「愛しの駒鳥」とやらが聞いたら驚愕のあまりひっくり返りそうな体格でありご面相であったが、たしかに、身体全体からにじみ出る愛嬌はあった。 そのうえ、なんと、その婦人は、それを聞いて頬まで染めたのである。 ...全文を読む

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    ネカフェから愛をこめて

    その他いろいろ

    2011.09.24 (Sat)

     PCは明日の夜までには戻ってくることになりました。とはいえどうなるかわからんのがPCです。てことで今日も二日分UP(^^)コメ返できなくてつらいです。30分260円、けっこうシビアな額だぞ(^^;)...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十三番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.22 (Thu)

     二十三番目の男 余が武術を学ぶにおいて、かの師を得たのはまたとない幸運であった。 余は罪人である。 二十年前になるか、余がかつて五歳であったころ、余は忌まわしくも、口にするのもはばかられる物を食した。 これは取り消しようのない事実である。 その重さに気がついたのは、うかつにも師に武術を学び始めて三年後、余が八歳のときであった。 余は弓術の鍛錬をしていたとき、八歳には不向きな強弓を無理やり引かんとし...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十二番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.22 (Thu)

     二十二番目の男 いつごろからだろう。 おねえちゃんがきれいになったのは。 すくなくとも、ぼくが三つのころは、やさしいけれどおこらせるとおっかなかった。 ぼくより八つも年上なんだもの、ぼくがけんかでかなうわけがない。 だけれど、おねえちゃんは、けんかよりも、はたらいたり、べんきょうしたりすることのほうが大じだとかんがえているようだった。 そりゃそうだよね。 頭は……よかったのかなあ。 ぼくがいうのもな...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十一番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.22 (Thu)

     二十一番目の男 今宵の終末港の空はよく晴れている。星々がとてもきれいだ。 こんな星空を見ていると、明日のだいたいの天気もわかる。今は晴れていても、明け方までには雨が降り出し、止むのは陽が落ちるころだろう。 また仕事をしてしまった。おれは頭を振った。 「あいつは責任感の強い男だ」と、みんなはおれのことをいっていたものだったっけ。 それを見込まれたのか、先々代の伯爵閣下から、バルテノーズ家の空見衆とし...全文を読む

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    ごめんなさいませ

    その他いろいろ

    2011.09.22 (Thu)

     三日間で四回もPCがブルースクリーンエラーを出しやがりまして。ハードがいかれたのかもしれん、とショップへ。現在メンテナンス中であります。いつPCが戻ってくるか前途不明。というわけで、旅に出たわけでも台風で吹き飛ばされたわけでもないぞ(笑)。コメ返も少々お待ちください。おわびといってはなんですが、ワープロで書いた三日分の更新をUPします。以下どうぞー。...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/二十番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.20 (Tue)

     二十番目の男 舌さえあれば、生きていける。 それが男の座右の銘だった。 男の名はジェス。ヴェルク・ガレーリョス三世のいちばんの寵臣。 しかしそれも……。「昨日までのことだったぜ」 ジェスは、焼け跡の街を歩きながら、ひとりごちた。 それにしてもひどい火災だった。ひどい火災でも、自分に関係なければいいのだが、雇い主のヴェルク三世その人が、どうも母親ともども焼け死んでしまったらしいのだ。 これではどうにも...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十九番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.19 (Mon)

     十九番目の男 若者は、木の板につかまっていた。 若者の目には、海と空と太陽、そしてわずかばかりの雲しか映っていなかった。 若者は、もはやまともにものが考えられなくなっていた。 漂流をはじめてから二日が過ぎていた。 なりたての水夫見習いにとって、それはあまりに過酷な試練だった。そして神は、平気でこういう試練を下す、恐ろしい存在でもあるのだった。 若者は、特に、なりたくて水夫になったわけではなかった。...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十八番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.18 (Sun)

     十八番目の男「いいかい」 病床で、母は息子の嵌めた、黒く汚れた指輪を指し示して、苦しい息の下からいった。「これは、お前を怪物にしないための指輪だよ。もし、これを抜いたら、お前は怪物になってしまうよ。だから、わかったね。人並みの幸せが欲しかったら、決して、決して、抜くんじゃないよ」「わかったよ。……わかったよ、お母さん。だから、だから元気になってよ! ぼくは、ぼくは!」 少年の叫びは、扉を蹴破る音で断...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十七番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.17 (Sat)

     十七番目の男 父は、あの冬の年に死にました。身体がついていかなかったのです。 わたし、セズム・ウラズがウラズ子爵家を継げたのも、あの冬のせいでしょう。父と前後するように、兄ふたりが斃れたのですから。 毒を盛った、という噂が流れましたが、そんな馬鹿なことはしません。あの時期に子爵家などを継いだら、どこまで責任がかぶさってくるものか、噂をするものは知らないのです。 終末港の統治のために人を出し、それを...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十六番目の女

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.16 (Fri)

     十六番目の女 エリカ様のこと? そりゃ覚えてるわよ。忘れろってほうが無理ね。あんな人、これまでに見たことないわ。 最初に声がかかったときには驚いたわよ。 あたしが泊まっていた、安宿というもおろかな、路地裏にあるおんぼろな宿に、あたしたちの劇団のどんな衣装よりも上等な服を着た男と、それからあたしの知り合いだったガスって男が現れたんだからねえ。「旅芸人のフィム様とそのご一行でございますな。バルテノーズ...全文を読む

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    燃え尽きたぜ……真っ白にな……

    探偵エドさん(童話掌編シリーズ・完結)

    2011.09.15 (Thu)

     賞名:アルファポリス「第4回絵本・童話大賞」応募総数:83作品開催期間:2011年8月1日~末日 選考概要:編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「最弱ドラゴンの物語」「ゼペット」「しろいこうま」「17たま」「探偵エドさん」「りんごちゃんとかぜのこ」「なおちゃんとテディベアの不思議な冒険」「キツネノヨメイリ」の8作品。その後の最終選考においては各々推す作品がばらけたが、編集部全体として高い支持を得た「...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十五番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.15 (Thu)

     十五番目の男 おれ? ああ、昔は船長をしていたこともあるよ。でっかいガレー船のな。それで中型っていうんだから、『帝国』の海軍がいかに強力に武装していたかわかるだろう? 今はこうしてちんけな宿屋の亭主なんだから、おれが船長としてどんなもんだったか、わかりそうだがねえ。 それでも、おつむのほうは悪くないと思うぜ。少なくとも、海戦で生き残ったんだからな。不名誉だったけれど。 ケチのつきはじめは、オルロス...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十四番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.14 (Wed)

     十四番目の男 こんなあばら家へよく来たな。すまんね、客人をもてなすのにこんな木の実の粥しかなくて。このあたりじゃ、森の中で木の実をあさるくらいしか生きていく手段がなくてねえ。 オルロス伯について聞きたいんだって? いや、それはおれだって同じことだよ。十年以上前に、ガレーリョス家を追い出されてからというもの、終末港には足を踏み入れてないからねえ。 しかし、人間ってのはわからないもんだねえ。ガレーリョ...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十三番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.13 (Tue)

     十三番目の男 天才的な数学者、ガウマン教授は、スランプに陥っていた。 長年の研究テーマだった奇妙な方程式に関して、自分よりはるかに劣ると思っていた論敵に先を越され、それだけならまだしも、自分の取っていたアプローチが、方向性からしてまったくの間違いか、そうでなくとも先行きの見通しが暗いということを如実に示されてしまったのだ。 ガウマン教授は、もちろんこの研究がなくとも、それまでの実績だけで、数学史上...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十二番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.12 (Mon)

     十二番目の男  男は引き締まった表情をしていた。表情だけではない。身体つき、視線、そして言葉……全てのものが引き締まっていた。 男は杯を目の高さまで持ち上げた。「悪かったと思っている」 目の前の女は、すべてを諦めきったもののもつ、どこか気だるげな動きで、自分の持っている杯を一気に干した。「しかたないわね。あんたはしょせん、旅の傭兵。そしてあたしは……」 女がカウンターに杯を置くと、訳知り顔の店長が、樽...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十一番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.11 (Sun)

     十一番目の男  目の前には、岩があった。 ごつごつした、巨大な岩だ。 青年の前で、初老の男は、こういった。「まっぷたつに割れ」 それ以来、青年はここに立ち、考え続けていた。 青年は自分の力に自信を持っていた。その拳は、まだ子供の頃から、喧嘩では負け知らずであり、数多くの力自慢の顎や肋骨を砕いてきたのだが。「割れ」 青年は、この難問に、ただ岩を見つめることしかできなかった。 もちろん、青年は男に尋ね...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/十番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.10 (Sat)

     十番目の男「ゲゼ」 父の呼ぶ声に、また、説教が始まるのか、と、少年は思った。 鷹ノ目の村。人々が畏敬の念を込めてそうつぶやく村には、古くから弓の名人がそろっていた。その引く長弓に狙われて、命のある者はいなかった。 少年も、的に当てることについてはかなりの腕前だった。しかし、ひとつ、この村の人間にとっては致命的な弱点を持っていたのである。 目が悪いのだ。いや、そういいきってしまっては語弊があるかもし...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/九番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.09 (Fri)

     九番目の男親愛なる天才、アグリコルス博士へ 前置き抜きに書くことを許してくれたまえ。事態は、もはや一刻の猶予もない。 今年の天候は、はっきりいって異常だ。わたしは、これは詩にいう、二百年に一度の「沈黙の秋」の前兆だと思う。 わたしの友人に、この初夏の季節のアカマヨイグサの色のつき具合から、秋の小麦の収量を予測する方法を発見したといっているやつがいるが、そいつの見立てでは、今年の小麦の収量は二十分の...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/八番目の男

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.08 (Thu)

     八番目の男 青年は、空を見ていた。どこまでも高い、青い空を見ていた。 対して、その背に負われていた少女は、大地を見ていた。吐瀉物、ゴミ、そして誰のものとも知れぬ血の染み付いた、汚れきった大地を見ていた。 長い長い人の列だった。この街に入ろうとするものの列だった。それもそうだ。この街は『帝国』、いや『大陸』でも屈指の貿易港で、ひと山当ててやろうともくろむ人間たちが群がるようにやってくるのだ。 青年も...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/七番目の女

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.07 (Wed)

     七番目の女 わかる? 友達がさ、目の前で苦しみながら死んでいくのを見るっていうことが、どういうことか。 病気じゃないわよ。病気だったら、こっちもなんとか心の準備があるわよ。 その友達は、ミリっていうんだけど、とてもいい娘だったわ。 イルミール家にも女中がいっぱいいたけど、その中でも、あたしとウマがあってね。親友、みたいなものだったんだ。 そしてミリは死んじゃった。 あたしには、誰を恨めばいいのかわ...全文を読む

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    紅蓮の街・外伝/六番目の女

    紅蓮の街・外伝「彼らなりの詩(うた)」(掌編シリーズ・完結)

    2011.09.06 (Tue)

     六番目の女 今となっちゃ、誰も信じてくれないだろうけどさあ。あいつ、悪い男じゃなかったよ。 誰って? 『刻み岩』さ。 噂じゃ、ろくでもないことばかりしていたらしいね。イルミールの衛兵隊の副長としていばりちらして、ゆすりたかりはお手のもの、弱いものをいじめて、強いものにはへいこらする。 しかも、無類の女好きで、女と見ればとっかえひっかえ。 ははは、あたしがいうのもなんだけど、たしかにろくな男じゃなか...全文を読む

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