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    【  2012年10月  】 

    断片103「アパートのドアを開けた」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.31 (Wed)

      アパートのドアを開けた。「ただいまですよー」 真っ暗な部屋にそっと声をかけて、壁ぎわのスイッチをぱちりと入れる。蛍光灯が一瞬瞬いてからぱっと点き、部屋は明かりに包まれた。 迎えてくれたのは、最低限の家具と、年代ものの自分のウィンドウズマシン、それに冷蔵庫の第三のビールだった。 化粧を落としてパジャマに着替えるのもそこそこに、スーパーで買ってきた九十八円の焼き鳥缶をテーブルに置き、ビールとは名ばか...全文を読む

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    MRIその後

    その他いろいろ

    2012.10.30 (Tue)

     脳のMRIでは異常が見られなかったので、首のMRIを調べることに。 今日も病院へ行って、機械に入る。暖房がきいた部屋で、目を閉じて横になり、20分ばかりぐでーとするだけの検査なので、わたしには楽でしかたのない検査であるが、閉所恐怖症の人はたまらんだろうな。 結果。 首の骨が頸椎を圧迫していた。しっかり見えるんだから恐ろしいな現代医学。 医者の話だと、首の骨が一方向からだけ神経を圧迫しているので、まだ周り...全文を読む

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    断片102「学食で続由美子は」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.30 (Tue)

      学食で続由美子は、コロッケカレーを食べつつ、ぶつぶつ文句をこぼしていた。 文学部と法学部、立場は違えどサークルで同期だった、親友の高梨しずかが、苦笑いを浮かべながら、コロッケをばらして口に運ぶ由美子の姿を眺めていた。「……まったく、准教授も、あれだから自分の研究室を『中落ちラボ』なんて呼ばれることになるのよ」「『カバ研』のときから、まったく変わってないな、続は」 「カバディ研究会」。『カバディ』と...全文を読む

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    断片101「「あたし?」」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.29 (Mon)

     「あたし?」 続由美子は思わず叫んでいた。それぞれの席でPCに向かっていた他の研究員たちが、いっせいに非難のまなざしを送った。 きまり悪げになりながらも、なおも信じられない。「どうしたんだ? 続研究員」 遍教大学理工学部情報学科中島研究室、略称「中島ラボ」、学内での通称「中落ちラボ」の責任者、中島光三郎准教授が、席を立ってこちらに歩いてきた。「先生、見てくださいよこれ」 続由美子は憤懣を顔に出して...全文を読む

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    エドさんと緑の森の家・10月28日

    エドさんと緑の森の家(童話掌編シリーズ・完結)

    2012.10.28 (Sun)

     「便利屋さん。わたしは、あなたに謝らなくてはいけません」 珍しく司祭さまは、エドさんの家へやってきて、開口一番、そういいました。「謝る?」 エドさんとクロエさんは、顔を見合わせました。「なにか、わたしたち、司祭さまに謝られるようなことをしましたっけ?」「悪魔の存在についてです。彼らは、現実に存在しているのです。わたしは、それを思い知らされたのです。せいぜい、心の中の問題だと思っていたことを、あなた...全文を読む

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    断片006b「喜んで」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.27 (Sat)

     (欠落)喜んでこの生命を捧げましょう」 皇子アヴェル・ヴァールはルジェの返答に満足したようだった。「お前にはつらい定めではあろうが、やむを得ないのだ。われわれには、時間はいくらあっても足りることはないであろう」 皇子アヴェル・ヴァールは、何事かと雑音情報を飛び交わせる帝都の臣民に対し、蛇の叫びをもって沈黙させた。「連れて行け。わが忠実なる僕を、スヴェル・ヴェルームへ」 生ける皇宮スヴェル・ヴェルー...全文を読む

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    断片006a「わからなかったが」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.27 (Sat)

     (欠落)(不明。皇子アヴェル・ヴァールが、光をどう使うのかは、か?)わからなかったが、ルジェは、帝都を自由に歩けることを楽しんでいた。 刺青師としての(欠落)...全文を読む

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    断片005「帝都の雑踏」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.26 (Fri)

     (欠落)(ルジェは?)帝都の雑踏を歩いていた。買わなければならないものがあったのである。 しかし……。 なんとも、妙な光景だった。二重に情報が見えるのだから。知っていた「字」と違う、「文字」が、風のように視覚をふるえさす。 今、入ろうとしている店の戸口からは、慣れ親しんだ視覚メッセージとして「嗜好品扱います。香り扱います。煙扱います……」と読み取れたが、同時に、目には「くくくくく……」という「文字」が飛...全文を読む

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    断片004「従者に手渡した」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.25 (Thu)

     (欠落)(皇子アヴェル・ヴァールは杯を?)従者に手渡した。「飲むがよい。神酒ではあるが、飲みやすいように零情報を加えてある」 礼法にかなったやりかたでルジェは杯を受け取り、その液体を味蕾のうえで転がした。高濃度に圧縮された情報が喉と舌と脳細胞を焼く、生の神酒とは異なり、零情報、単なるゼロの羅列で割られたそれは、どこか芳香をも感じさせる舌触りだった。 ……だが、おれは生の神酒を知ってしまった。それより...全文を読む

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    断片003「身を包んだ皇子に」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.24 (Wed)

     (欠落)(皇族としての正装に?)身を包んだ皇子に、ルジェは謹んで針を返した。ルジェの身体も、皇族の従者としての正装に包まれていた。「よく耐えた」 襟元で鎌首を上げた蛇に、皇子アヴェル・ヴァールは受け取った針を飲ませた。蛇は口を閉じると、元の肩章に戻った。「ルジェ。わたしがなんのためにお前を従者としたか、わかるか?」 平伏していたルジェは、顔を上げて答えた。「おぼろげなことしかわかりませぬ。されど、...全文を読む

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    MRI

    その他いろいろ

    2012.10.23 (Tue)

      というわけで、手足のしびれとぞくぞくするようなイヤな悪寒に悩まされたわたしは、生まれて初めて脳のMRI検査を受けてきたわけではあるが。「まったく異常はありません。きれいな脳です」 じゃあこの身体の「イヤな感じ」はなんなんじゃい!「レントゲンから見るに、頸椎が歪んでいますね。来週、首のMRIを撮ってみましょう」 頸椎……じゃ、じゃあ、もしかしたらこの首ストラップが! 医者、爆笑。「そんなことあるわけ...全文を読む

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    しくしく

    その他いろいろ

    2012.10.23 (Tue)

     別の病院に遠出する意欲を根こそぎにする激しい雨……とほほ。でも行くけど。ちなみに、今のところ、おぞけというかしびれというか電気というかは、鳴りをひそめています。うううう。詐病と思われたらどうしよう(><)...全文を読む

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    カゼじゃないみたい

    その他いろいろ

    2012.10.22 (Mon)

     この五日というものの、アパートや家でひたすら寝て、眠れないときはとりあえずコタツ、という生活を続けていましたが、いっこうに悪寒というか妙な刺激が消えません。これは……。カゼではないのではないか? という結論に達し、医者と相談、専門医に診てもらうことにしました。紹介状をもらって、明日、別な病院へ行くつもりです。でも、なんだか、「外に出ているときは肌身離さず身に着けているスマホの首かけストラップのせいで...全文を読む

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    断片002「ルジェは賜った針を」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.22 (Mon)

      (欠落)ルジェは賜った針をおしいただいた。この小さな針の先端にごくわずかに付着した茶褐色の液体に、どれだけの情報が収められているものか! 殿下は戯れに自分を殺そうとしているのか、または残りの生涯を狂人として送らせようというのか、そのような考えが頭をよぎった。あまりの情報量に、脳細胞を焼き尽くした身の程知らずの話は、これまでも山ほど聞いていた。 幻想帝国において、貴人の命令は絶対ではない。それだけは...全文を読む

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    エドさんと緑の森の家・10月21日

    エドさんと緑の森の家(童話掌編シリーズ・完結)

    2012.10.21 (Sun)

      町の駅で、エドさんは、七月に会って以来の顔を見て、手を振りました。「グィドさん、お待ちしておりました」 グィド老人は頭を下げました。「伯爵閣下からの書簡です。閣下は、公務のため自分がここに来られないことを、深く嘆いてらっしゃいました」「そのことなんですが」「そちらからのEメールは読みました。わたくしに答えられることならば、いくらでもお答えいたします。その前に、アリントンさまは?」「入院中です。医...全文を読む

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    調子悪いです

    その他いろいろ

    2012.10.20 (Sat)

     風邪をひいたらしく、体調が悪いです。ご訪問できなくてすみません。寝床より。...全文を読む

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    断片001「皇子アヴェル・ヴァール」

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.20 (Sat)

      皇子アヴェル・ヴァールは酔っていた。肌を突き刺す針の痛みに、乳香と没薬が惜しげもなく使われた煙香から、結晶となって蒸着する自らの肌を彩る刺青に、その文様の作り出す蠱惑的なパターンの美しさに酔っていた……。 彫られていたもの、それは見事な蒼い龍だった。針のひと刺しごとに、立ちこめるガス状の色素が揺らめくごとに、龍は身をよじり、咆吼を上げるかのごとく姿を変えるのだった。若き皇子は、味蕾を浸透し、直接に...全文を読む

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    幻想帝国へようこそ

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    2012.10.19 (Fri)

      幻想帝国へようこそ。ここは、作者であるこのわたしが、書き出そうとして書き出せなかった、長編SFの舞台であります。 思い起こせばうら若かりし高校時代。コードウェイナー・スミスやジャック・ヴァンス、アルフレッド・ベスターにヴァン・ヴォクト、バリントン・ベイリーに荒巻義男、大原まり子に中井紀夫といった作家たちの紡ぎ出した豪華絢爛きらびやかな世界に魅せられて、いつかは自分もあんなSFを書いてやるぞ、と誓...全文を読む

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    こちらは身分抹消ネット販売でございます

    ユーモア

    2012.10.19 (Fri)

     「よくお越しいただきました。身分抹消ネットサービスサイトでございます。電子マネーのデータを入力し、アクセスボタンをクリックし次第、当社の優秀なオペレーターが、お客様の顔写真、ご本名、ご住所、メールアドレス、電話番号などの情報を、迅速かつ確実に、パソコン上からも、現実世界からも、完全に抹消いたします。いわば、あなたは、この瞬間に、いわば、あなたは死に、まったく新しい人間として、すべてのしがらみを振り...全文を読む

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    傾斜世界

    SF

    2012.10.18 (Thu)

      気がついたとき、測量士のおれは、なんともいえない嫌な感覚を覚えた。 理由もよくわからないまま身を起こし、ようやく、おれは違和感の理由に気がついた。 地面が傾斜しているのだ。商売がら持ち歩いている水準器で計ってみると、だいたい〇・五度ばかり、同じ方向に傾いている。いわば、緩い坂道の上に立っているようなもので、気持ちが悪いったらありゃしない。 おれは、上方に見える、町のようなものを目指して歩き始めた...全文を読む

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    人面瘤

    ホラー

    2012.10.17 (Wed)

      足の骨を折った。バイクに乗っていて子供と接触事故を起こしたのだ。バイクは廃車、わたしはギプスで入院生活、というはめに陥ったが、バイクがぶつかった小学四年の男の子には悲惨な未来すらも用意されていなかった。即死したのである。 どんな面を下げて謝罪に行けばいいものか。わたしは交渉のすべてを保険会社に任せることにした。逃げたのだ。 結局、賠償金は自賠責でなんとかなった。保険はかけておくものである。 わた...全文を読む

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    四季

    SF

    2012.10.16 (Tue)

     「ばあさん、見ろ、赤とんぼが飛んでおるわい」 老爺の言葉に、夫人と見える老婆は、お茶を湯呑みに注ぎながら笑った。「もう、すっかり秋ですねえ」「日本は、四季がはっきりしとるからのう」「梨をどうぞ」 老爺は爪楊枝で梨を一切れ突き刺し、口に運んだ。「まだ、若いな。でも、まだ、食える味だ」「今年は、秋が長くて良かったですねえ」「ああ、まったくだ。もうじき、夏が来る」 原因不明の気候変動により、地球の季節変...全文を読む

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    殺人焼き芋屋

    ミステリ

    2012.10.15 (Mon)

     「いしやーきいもーやーきいもっ」 寒風吹きすさぶ夜の街で、わたしは小腹が空くのを覚えた。「おじさん、一本、熱いのをくれないか」 リヤカーを呼び止め、冴えない中年男の焼き芋屋から、一本、熱々ではあるが、貧相な、という言葉がよく似合う芋を受け取り、食欲のままにかぶりついた。「あっちっち。うまいね」「そうでしょう。なにしろ、血と汗でこしらえたものですからね」 わたしたちは、世間話を始めた。当然のごとく、...全文を読む

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    エドさんと緑の森の家・10月14日

    エドさんと緑の森の家(童話掌編シリーズ・完結)

    2012.10.14 (Sun)

      村に一軒しかない病院の前には、緑の森の村人たちが心配そうな顔をして集まっていました。エドさんとクロエさん、それにグレンも、もちろんその中に含まれていました。気難しいがみがみおばあさんでしたが、みんな、アリントン夫人のことが心配でたまらなかったのです。 この病院の跡継ぎである、大学を出て五年目の若い医師が、村人たちの前に姿を現しました。「アリントンさんの脳梗塞ですが、病状はいい方向に向かっています...全文を読む

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    西幻響子さんイラスト!

    いただきもの

    2012.10.13 (Sat)

     「ロックンロール・ヘイズ」の西幻響子さんが、「探偵エドさん」の一篇、「車窓の少女」に、こんな素敵なイラストをつけてくれました! ありがとうございます! かっわいい~(^^)...全文を読む

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    何故に……

    ユーモア

    2012.10.13 (Sat)

      男は祈った。「主よ……世は荒れ危機に瀕し、主の栄光はまさに失われんとするに、未だ神の国来たらず、最後の審判も訪れず。なぜに我ら人の子はかくも苦しまねばならぬのか。主は我らを見捨てたるか。答えたまえ、主よ!」 答えはなかった。 女は祈った。「いまや、誰もみ仏の教えに耳を傾けず、世は堕落し、まさに末法の世です。この乱れきった世の中を、わたしたちはなぜに救いを求めて五十六億七千万年も待ち続けなくてはなら...全文を読む

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    地獄の沙汰も

    ユーモア

    2012.10.12 (Fri)

      本当だったんだ。 悪辣極まるやりかたで巨万の富を築き上げた男は、墓の中に大量の金銀宝物を入れておいた自分の用意周到さに、ほっと息をついた。 死んで地獄に堕ちることは覚悟していたが、今や目の前では、地獄の獄卒たちが男の財産をすべて数え上げ、満足したような顔で、判事になにやら報告しているではないか。「判決。被告人……」 判事がいった。「被告人は、本来ならばこの地獄で永遠の苦役をしてしかるべきところであ...全文を読む

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    初めての友達

    その他

    2012.10.11 (Thu)

      無口なやつだ、変なやつだ。不気味なやつだ。 それが、ぼくが津久井くんをはじめて見たときの印象だった。 同じ印象を、クラスの他の連中も感じたらしい。転校初日、普通なら、わっと取り巻く物好き連中も、その、他人を拒絶するような、人を寄せ付けない雰囲気に、誰ひとり近づこうともしなかった。 なぜだろう、と思わなかったといったら嘘になる。だが、その理由を聞くこと自体が、なんとなくためらわれてしまうのだ。 そ...全文を読む

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    バックアップ

    ホラー

    2012.10.10 (Wed)

      バックアップはまめにしないといけない。とはよくいわれるが、忘れやすいものである。ブログの今日の記事を書き終えたわたしは、昨今の嫌煙権運動で、おちおち吸えなくなった煙草を口にして、マウスをクリックした。バックアップを、外付けハードディスクに記憶させるのだ。 パソコンから離れて、ライターで火をつけ一服し、明日書くはずのネタを考えた。バックアップをネタに、なにかひとつ書けないかな……? アイデアはまとま...全文を読む

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    犯罪者は必ず……

    名探偵・深見剛助(冗談謎解きミステリ掌編シリーズ)

    2012.10.09 (Tue)

     「深見さん。この事件の犯人は、いったい?」 赤塚刑事の問いに、深見剛助は首を振った。「……すでに、われわれの手を逃れてしまったようです。犯人は、安全なところにいるといっていいでしょう」「すると、どうすることもできないわけですか」「ええ。しかし、犯罪者は、もう一度、現場に戻ってくる。これだけはいえます。何年後か、何十年後かは知らないが、必ず、現場に戻ってくる。われわれは、それを待つしかありません。そし...全文を読む

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