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    【  2014年02月  】 

    夢逐人 第一部 アキラ 8

    夢逐人

    2014.02.28 (Fri)

      山本は、うんざりするような宿題の山をぼくに出していた。今日の鹿澄夢刀流の稽古は、一人で軽く、昨日覚えた型の反復練習を行っただけ(祖父だっていつもぼくの相手ばかりをしていられるほどヒマではない。それに、鍛錬の方法は、なにも稽古着を着て刀を振るうだけではないし)だったが、宿題を全部片付け終わるころには、もう十一時をまわっていた。なんとか、かたをつけてから、風呂へ入った。まだ夏には遠いため、早めに入っ...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 7

    夢逐人

    2014.02.27 (Thu)

      昼休み。弁当を腹に収めた後、ぼくは、沙矢香の席を訪れた。「沙矢香」「なに、アキラ?」 どうやって切り出したものか、つい、口ごもった。「その、あの、なんか……」「聞きたいことはだいたいわかるわ」「え?」「一時間目の数学でしょう?」「わかったか。アクビなんかしていたけど」 ぼくは、わざと冗談めかしていった。沙矢香は、少しぼんやりした調子で答えた。「アキラだけじゃなく、あたしも寝不足だったのよ。変な夢を...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 6

    夢逐人

    2014.02.26 (Wed)

      ぼくはあくびをしながら微積分の授業を聞いていた。今朝は夜が明けるよりも遥かに早いころから起き出し、稽古着姿で模造刀を振り回していたのだから当然だ。黒板の文字はいつもよりわけがわからない。ニュートンもライプニッツもこんなわけのわからないことを考えるよりも、別に考えるべきことがあったのではないか? 例えば世界平和の方法とか。などと、くだらない考えばかりが頭をかけまわる。しかし、黒板に書かれる数式が消...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 5

    夢逐人

    2014.02.25 (Tue)

     「おじいちゃんにそうとうしごかれたみたいね」 そう、母さんはいって、ぼくに味噌汁の椀を渡してくれた。「平気だよ。ぼくはマゾヒストだから、痛みが快感に変わっているんだ」「およしなさい、そんなこというの。冗談としても、不健全でつまらないわ」「どうやら、ユーモアのセンスが歪んでいるのは、生まれつきみたい」 母さんは眉をひそめた。ぼくはそれを見てくすりと笑った。「いただきます」 味噌汁を痛む身体でひとすす...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 4

    夢逐人

    2014.02.24 (Mon)

      鹿澄夢刀流。ご存じだろうか。知っているような人は、とんでもない古武術マニアだから、お近づきには断じてなりたくない。 塚原卜伝で有名な、鹿島新当流と、もとをたどれば同じ流れを汲むらしいが、ぼくも伝え聞く範囲でしか知らない。 そんなわけでなんだが、まあ、それでもいちおう書いておくか。 戦国時代以前の、武将が相手の首を取るために編み出された剣術(介者剣術というが、ぼくはこの呼び方嫌いだ。でも他にいい呼...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 3

    夢逐人

    2014.02.23 (Sun)

      ここ一ヶ月、こんな夢ばかりだ。夢の中でぼくは、必ず、誰かを助けようとする、いや、誰かを助けなければいけないという衝動につき動かされている。そして、ぼくの目の前には、絶体絶命の危機に陥っているその誰か、がいるという寸法なのだ。 今日の夢は、まだよかった。曲がりなりにも相手を助けて目を覚ますことができたからだ。 しかし、そうでないときは……。 思い出したくもない。断末魔の叫び声、絶望に染まった瞳、そし...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 2

    夢逐人

    2014.02.22 (Sat)

      青啓高校というのは、市内にある私立の男子校である。名門だそうだが、どうせ十年くらい前に、どこかの成金が金に飽かせてこしらえた、インスタント名門高校に違いないだろう。そんな高校に通っているやつに、ロクな人間はいない。「日舞をやっていて、お人形さんみたいに綺麗な人なんだって。一年生がみんな噂してるわ。公認の彼女もいないらしいんだけど、もったいないことよね。アキラも、興味あるでしょう?」「ないね」 ぼ...全文を読む

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    夢逐人 第一部 アキラ 1

    夢逐人

    2014.02.21 (Fri)

     第一部 アキラ どろりとしたスープの海。黄色く染まった世界。そこであっぷあっぷしている二匹のハエ……じゃなかった、二人の人間。「どうせ殺されるんだったらハエ取り紙のほうがまだマシだ!」 二人のうちの一人であるぼくは、そう思いながら、ひどい抵抗の液体の中で抜き手を切っていた。学業に比べて運動にだけは自信があったのだが、通っている高校では、身体にまとわりつく粘液のプールで、二十五メートルを泳ぎきるような...全文を読む

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    夢逐人 プロローグ

    夢逐人

    2014.02.20 (Thu)

     夢逐人(ゆめおいびと)プロローグ「探せ……」 闇の中、蝋燭の明かりだけがぼんやりと灯っていた。他の明かりは一切入ってこない。どうやら地下室のようである。それもかなり広い。 中にいたのは、立っている、数人の、体格のいい男たちと、ほんの少し盛り上がった台座のようなところに、うずくまるように座った、一人の、枯れ木のようにやせ細った老人であった。 男たちは、まだ若かった。老人と比べれば、幼かった、といったほ...全文を読む

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    「夢逐人(ゆめおいびと)」主要登場人物

    夢逐人

    2014.02.19 (Wed)

     迫水(さこみず)晶 …… 高校二年生。国枝沙矢香 …… 高校二年生。迫水晶のクラスメート。西連寺望 …… 高校二年生。迫水才蔵 …… 迫水晶の祖父。迫水冴子 …… 迫水晶の母。迫水源伍 …… 迫水家の先祖。時形弘太郎 …… 西連寺望の祖父。...全文を読む

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    六年目を迎えて

    夢逐人

    2014.02.19 (Wed)

      このブログを初めて五年、毎日毎日書き続けたせいか、体力気力はもちろん、とうとう知性から根性まで疲弊してしまった。きちんと早寝早起きを心がけ、生活リズムをイチから立て直さないとマジで病気が悪化してしまいかねない。前みたいにひとりでふらふらと松戸まで川に身を投げに行くようなことになったらたいへんだ。いや本人にとっては楽だが周囲の人が大迷惑する。それだけは避けたい。 というわけで、しばし休息を取ること...全文を読む

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    ブログ五周年記念ショートショート!

    ささげもの

    2014.02.18 (Tue)

      というわけでこの「クリスタルの断章」もめでたく五周年である。よくもまあこんな無茶な更新が五年間も続いたものである。我ながら信じられん。 で、今回のお題小説であるが、非常に苦労した(^^;) あの記事に定時までにコメントしてくれたかたがたのうち逢ったことがあるのは矢端想さんだけ、ほかは顔さえ知らない。いってしまえば男か女かすらも正確なところはわからないのである。 失礼があってはならないので配慮をするこ...全文を読む

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    ピュアでナチュラル

    ユーモア

    2014.02.17 (Mon)

     「この『ピュアでナチュラルなメイクができる化粧品』、ちっともきれいにならないじゃないの!」「ほら、ピュアでナチュラルでしょう」※ ※ ※ ※ ※「ポールさん、今日の更新、これだけなんですか? つまらないジョークだし、手抜きにもほどというものがありますよ!」「しかたないんだ。わたしのピュアでナチュラルな文章力って、だいたいここらが関の山だから……」...全文を読む

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    人を感動させる文章

    ミステリ

    2014.02.16 (Sun)

     「なにを書いてるんだ」 三流スポーツ誌の雑然としたオフィスで、おれはパソコンに向かっている同僚にいった。目の前には、文芸書がうず高く積んである。珍しい。「お前もこんなの読むのか。芥川龍之介、川端康成、……おっとこいつはテニスの佐藤次郎の伝記か。それからこれはなんだ? 長沢延子『友よ私が死んだからとて』……おい、馬鹿なことを考えるのはやめろ!」 おれは同僚の肩をつかんだ。「ああ、なんだ、きみか」「なんだ...全文を読む

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    ネトゲ結婚時代

    SF

    2014.02.15 (Sat)

     「なんじゃこりゃ」 ぼくは現在人気上昇中のネットゲームの広告を穴が開くほど見た。『新機能! 好きなキャラクターと結婚できるようになりました!』 ネットゲームについては、いくらかかるかわからないのでタッチしないようにしていたが、「これってたしかシミュレーションゲームだったよなあ」 ぼくは首をひねった。五十秒考えて、理解するのをあきらめた。まったく最近のゲームというやつは、なりふりかまわずだなあ。 そ...全文を読む

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    「バグダッドの盗賊」見る

    映画の感想

    2014.02.14 (Fri)

      けさは5:00前に起きた。わたしにしてはてきぱきと朝食を作り、食べ、皿を洗い、薬を飲んでひと息ついた。 さて。 わたしは冷蔵庫から、昨日豆腐屋から買った豆腐を取り出した。パックを切って豆腐を皿にあけた。本来だったら重しをして水を切るところだが、そこは省略することにした。 箸を用意して、ドライブにDVDをセットした。 「忘却エンドロール」さんのところでやっている企画「ブログDEロードショー」に参加するため...全文を読む

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    その時

    SF

    2014.02.13 (Thu)

      ある年のある日のことだった。 ふいに「その時」は来た。 人類すべてが、「その時」が来たことを認識したのだ。 そしてその時以来……なにも変わらなかった。 「その時」になにが起きたのか、人間には理解する能力がなかったのだろう、と学者たちは結論づけた。 ただひとつ、人類すべてに共通していることといえば、「あんなことはもうたくさんだ」 という思いだった。 そしてやはり、それがなぜもうたくさんなのかを説明し...全文を読む

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    ただいま料理中

    その他いろいろ

    2014.02.12 (Wed)

      一時間前から、明日以降のおかずにするために、玉ねぎにんじんじゃがいも豚すね肉ブーケガルニマギーブイヨンを600ccの水でことこと煮ています。 さてここで問題が。 スーパーで買ってきた新じゃががメークインなのか男爵なのか確かめるのを忘れてしまった!(^_^;) ギャンブルであります。 わたしの明日の朝飯はどっちだ!(笑)...全文を読む

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    ヘイトスピーチ

    その他

    2014.02.12 (Wed)

     「おい、ほんとにやるのか、これ」 カメラを抱えたおれに、ディレクターのSはうなずいた。「今さらなにをびびってるんだ。今これを録らないで、なにを録るというんだ」「しかし、この空気……」 おれは周囲を見た。新大久保の街は、異様なまでの緊迫した空気に満ち満ちていた。「いいか、これをナマの形で残せるかどうかで、今後の日本の方向性が決まる。ヘタしたらおれの首も飛ぶかもしれん。政治利用もされるかもしれん。だが、...全文を読む

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    全量服用、失恋を癒す薬

    その他

    2014.02.11 (Tue)

      失恋してしまった。ずいぶんと手ひどくふられたもんだ。 立ち直れそうになかったぼくは、立ち直らせてくれそうな唯一の人物のもとへ行くことにした。友人というか恩師というか、とにかく偉い科学者である鰓井恵来博士のところだ。 研究室の扉を叩いて入れてもらい、熱いコーヒーを出されて、ここにきたわけをこれこれこうこうと話したら、博士はうなずいた。「なるほど、興味深いケースだ。ちょっと待っていたまえ」 博士は隣...全文を読む

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    SF

    2014.02.10 (Mon)

      ブログを更新するのをサボっているうちに、気がついたら十日が過ぎようとしていた。正確には九日と二十三時間五十八分四十五秒だ。 そのことに気づいたおれは、パソコンに飛びついて思い切りキーを叩いた。 とにかく、なんでもいいから早いこと書かないと、書かないと……! 送信のボタンを押したときには、無情にも時計の針は0:00を回っていた。 おれはがっくりと肩を落とした。画面には、男女のカップルを写したスポンサー広...全文を読む

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    挑戦されたら受ける!

    ささげもの

    2014.02.09 (Sun)

      limeさんのところで挑戦としか思えない記事を読みました。というわけで書いてみました。ちなみにお題のイラストはこちら。イラストはクリックすると大きくなります。※ ※ ※ ※ ※ねえ、アダム…… いつになったら目を覚ましてくれるの? うなされてるわよ。 嫌な夢を見ているのね。 わたしも嫌な夢を見たわ。創造主を名乗る愚昧な神、デミウルゴスの作った、地球という汚れたところで、肉体という牢獄につながれて、気の遠く...全文を読む

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    2114年冬季オリンピック那覇大会開会式

    SF

    2014.02.08 (Sat)

     「素晴らしい演出でしたね。マスゲームなんか、沖縄らしくていいじゃないですか。雪の首里城なんか、えもいわれぬ風情がありましたね」「まったくですな」 アナウンサーに対して、解説者の老人は、つまらなそうに答えた。「なにか問題でも?」「いわせてもらえば、なんでわれわれは那覇に行っていないのか、ですよ」 アナウンサーは首をかしげた。「でも、世界中どこでも同じものが見られるんですから、同じことでしょう」「ぜん...全文を読む

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    消費税十パーセント時代

    SF

    2014.02.07 (Fri)

      気がついたとき、わたしは妙に殺気だった商店街に立っていた。 最近、古いSFばかり読んでいるせいだろうか、変な世界に通じるなにかをくぐってしまったらしい。 わたしは歩道のゴミ箱に突っ込まれていた新聞を引き抜き、日付を確認した。「平成27年」と書いてあった。 そうか、わたしは未来に飛ばされたんだ。 そう考えると、緊張のせいか喉が渇いてきた。自販機がなかったので、店でコーラを買うことにした。 一本引き...全文を読む

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    シャーロック・ホームズの概念

    ホームズ・パロディ

    2014.02.06 (Thu)

      わたしは完全に行き詰まっていた。シャーロック・ホームズのパロディショートショートを書こうとしていたものの、どうしても新しいアイデアが浮かばないのだ。 わたしはホームズ譚を何度も読み、そのたびにどきどきしたが、どきどきしたからといってアイデアが浮かぶわけもないのだった。 わたしは藁にもすがる思いで、哲学書に手をのばした。学生時代以来読んでいなかったやつだ。 ページをめくったとき、「これだ!」という...全文を読む

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    2000記事到達!

    その他いろいろ

    2014.02.04 (Tue)

      えー、この記事をもちまして、ついにこのブログも「2000記事」に到達いたしました! ドンドンパフパフ~!! つきましては、かつてから宣言いたしておりましたとおり、 「記念小説のジャンル」(SFとか、ミステリとか)を募集したいと思います。 いつも通りに、早い者勝ちでこの記事にコメントしてくださったかたのご希望にお応えいたしますので、我と思わんものはいざ鎌倉! 小説は2月18日、ブログ五周年目の日に発表す...全文を読む

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    かみさまどうかやっつけてください

    ユーモア

    2014.02.03 (Mon)

     「うちのやつが、きみらをひどく恨んでいるんだ」 ロケ地の廃工場。わたしの部下にあたるバーニングブルー役の由樹は、びくっとしてこちらを向いた。「奥さんが? どうして?」 わたしは笑った。「女房じゃないよ。うちの三つになるせがれさ」「びっくりしました」 ブルーの横で汗をぬぐっていたバーニングピンク役の園華がおおげさに胸をなで下ろした。「……でも、どうしてお子さんがぼくたちを?」「あれだよ。『バーニング3...全文を読む

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    緑色の研究

    ホームズ・パロディ

    2014.02.02 (Sun)

      私は目を凝らした。「モリアーティーはどこにいるんだい、ホームズ。まったく見えやしない」 ホームズは緊張した表情で答えた。「きみに見つけられないのも無理はないよ。なにしろ見事な変装ぶりだからね」「私はなにをしたらいいんだい」「うむ。これから相棒のモランがやってくる。きみにはそちらを取り押さえてほしい。やつもまた変装しているだろうが、きみなら……ほら、やっこさんのお出ましだ」「どこに……いや、わかった」...全文を読む

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    自炊日記・その25(2014年01月)

    自炊日記(ノンフィクション)

    2014.02.01 (Sat)

     2014年1月1日 起きて家族と年始の挨拶をしておせちを食べて、パソコンの前に陣取ってブログ巡回とロボ・ウォーズ。ダメ人間である。訪問返しやコメントをしているうちに気がつけば自分の原稿を書いていなかった。ダメ人間である。ゲームのルールの和訳も進まず。ダメ人間である。本も読まず。ダメ人間である。そうでありながら自分は才能があるのだと心のどこかで確信している。ダメ人間である。気がついたら夜である。 ダ...全文を読む

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