「ショートショート」
    ファンタジー

    身分違いの恋

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    「おお、わたしはあなたをこんなに愛しているのに、この身分の差が呪わしい」

     少女は自分の生まれの不幸を呪ってさめざめと泣いた。

    「ぼくは、あなたと一緒になれないならば死んでしまいたい! 死者の国には、身分も何もないはずだから!」

     少年は、短剣を握りしめて叫んだ。

     ふたりは示し合わせ、夜中に家を抜け出すと、池へボートを漕ぎ出して、お互いの目を見つめ合った。

     それぞれの瞳の中には、愛の炎があった。

     短剣が構えられ、ふたりは喉を突き合った……。



     翌日発見されたふたりの心中は、国じゅうをひっくり返すような大スキャンダルになった。

    「なんとけがらわしいことだ!」

     ある者は死せるふたりを糾弾した。

    「いいえ、彼らは愛に生きたのよ。わたしは彼らがうらやましいわ」

     ある者はため息をついて、身分の差を乗り越えて愛を成就させたふたりを思った。

     そう、肉屋の家に生まれた少女と、魚屋の家に生まれた少年の間には、同じ平民であっても越すに越されぬ厳然たる「身分の違い」があったのだ。

     そして人々は、誰もそれがおかしいなどとは思わないのであった……。
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    ~ Comment ~

    Re: ダメ子さん

    わたしは両方食べたいんですが(^^;)

    メインディシュを魚にするか肉にするかで
    もめることを防ぐには必要かも?

    Re: ぴゆうさん

    ふたりの愛以前に、なんで「肉屋と魚屋」「網元と普通の娘」くらいの身分の差で結婚できないのか、という疑問と怒りが。

    なんじゃかんじゃいって、自由に恋愛でき自由に結婚できる建前の日本は、恵まれた世界のように思えます。それでどうして生涯未婚率が増加して出生率が低下してるのか、なんて考えたくもありません(^^;)

    私が母から聞いた実話。

    網元の息子と普通の家の娘。
    反対され駆け落ちをして昇汞水を飲み、心中をした。
    男の親が許してやればよかったと慟哭していたそうだ。

    人が愛しあうのはそれ相応の理由があるんだと思う。
    DNAが欲するんのかな。

    Re: 矢端想さん

    冷静に考えたら、ロミジュリってすさまじい話ですよねえ。あのクライマックスシーンっていしいひさいち先生の4コマみたいなものではないかなあ。

    それを悲劇として描き切ったシェイクスピアはやはり偉大であります。

    ちなみに、これ、ある意味実話にのっとってまして、カースト制度が凄まじく細分化されたうえ宗教宗派もさまざま、かつ言語も山ほどあるインドでは、「結婚情報誌」の分厚いサイズのものが毎号飛ぶように売れていたそうで……。

    こういうのって、なんで死ぬより前に「駆け落ち」考えないのかな。それができないから死ぬのか。
    ロミジュリなんてそんなつもりじゃなく心中になっちゃったけど。
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