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    「銀河農耕伝説(リレー小説)」
    細菌学部発酵学科編(完結)

    銀河農耕伝説(リレー小説)/第五回

     ←君はなにを見ていたのか? →動物虐待
     第五回目の原稿をいただきました!

     「黄輪雑貨本店」の黄輪さんからです!

     それではどうぞ!



    ※ ※ ※ ※ ※




    「クリスタルの断章」のポール・ブリッツさんから、リレー小説のバトンを受け取りました!
    ポールさん→自分→矢端想さん→ポールさん、と来て、また僕の番です。

    と言うわけで、どーん。(cでしたっけrでしたっけ)

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

      5

    「なっ、……なんと間の悪い!」
     青ざめていた顔をほころばせていた教授は、またも愕然とした顔になった。
    「解除はできないのかね!?」
    「ダメです! 一度起動させたら、電子的な解除は不可能とのことです!」
    「電子的なって、どういうこと?」
    「あ、えーと、……聞いてみます!」
     メリッサは再度、管制室と連絡を取る。
    「教授、テロリストはその場で拘束されたそうです」
    「そんなことはどうでもいい! 肝心なのは、解除方法じゃろうが!」
    「あっ、そうでした。……ええと、物理的には解除方法は無くもない、とのことなんですが」
    「無くもない?」
    「焼却の方法なんですが、まず、区画内にはテル・エタノール、通称『TE燃料』を流すためのパイプが張り巡らされているそうなんです」
    「テル・エタノール? ……って、鋼鉄を2分で個体の状態から沸騰させるって言う、あの高々火力燃料?」
    「らしいわ。
     そのTE燃料は、最大級システムが発令されると、パイプ各所にある噴出口からシャワー状に流され、区画内に撒かれる。
     そして撒かれて揮発し、区画全域に発火可能な状態にまで充満したと、各所の濃度計が判断した後、その濃度計から放電され……」
    「一気に火が付き爆発、……というわけか」
     話しているうちに、三人の鼻腔には、ガムから発せられるハニートーストの香りとは違う、粘つくようなアルコール臭が、わずかながらも流れ込んできた。
    「一度撒かれてしまえば、制御不能となるわけか。
     換気システムや、実験用のドラフトで、TE燃料を外へ排出することは……?」
    「準最大級、および最大級システム発動中は、作動しないようになっているわ」
    「では、濃度計を止めるか、その放電を……」
    「この区画内には、10基備え付けられているそうです。
     5分ですべてを解除することは、物理的に不可能です」
     メリッサの返答に、教授とジローは黙り込んだ。
    「……は、はは」
     間を置いて、ジローが力なく笑い出した。
    「TE燃料で焼かれれば、骨も残らないだろうな。まさか、こんな死に方をするなんて……」
    「あ、諦めてはいかん! まだ何か、方法が……」
     教授の言葉も、ジローの耳には入らない。
    「あるって言うんですか!? TE燃料の噴出は止められない! 濃度計も止められない!
     もう僕たちには、最後の晩餐としてガムを噛むくらいしか、できることは無いんですよ!?」
     泣き叫ぶジローに、教授は閉口しかけた。

     だが――教授はまたも、その表情をガラッと変えた。
    「ガム? ……ガムか!」
     教授はがばっ、とジローの肩をつかみ、その閃きを口早に伝えた。
    「ガムを使うのだ! 口に含んですぐ、というあの変化速度であれば、恐らく間に合う!」
    「え?」
    「よいかジローくん、メリッサくん。TE燃料、即ちテル・エタノールの主成分は、CHO基だ」
    「CHO……、アルコール類ですね」
    「そうだ! そしてこのガムに生きておるコウジカビは、味覚を変えるという、一つの指向性を持っておる!」
    「つ、つまり?」
    「食品の風味、つまり『におい』を変える性質を持っているということだ!
     濃度計はTE燃料の濃度を検出し、起動するようになっておる! ということは、『TE燃料ではない別のアルコール類』の気体が充満したとして、その臭いに反応し、起動すると思うかね?」
    「……あ!」
     聞くが早いか、メリッサは管制室に、TE燃料の収められているタンクの位置を確認する。
     教授はこう言い放ちながら、研究室を飛び出した。
    「コウジカビはまだ相当の量を、低温室に保管しておる! ジローくん、来てくれ!」
    「はっ、はい!」
     走り出した教授とジローの後ろから、メリッサも駆けてきた。
    「タンク、場所が分かりました! わたしも取りに行きます!」
    「うむ、急ぐのだ!」
     三人はうっすらとアルコール臭が漂い始めた研究所内を、勢いよく駆け抜けた。



    ※ ※ ※ ※ ※



     さあ、三人プラスコウジカビは無事脱出できるのか、それともTE燃料によりひとつかみのガスと化してしまうのか!

     事態はこれからどう転ぶのか!

     乞御期待!

     というところで矢端想さんに振るのでありました。

     どんな展開にしても収拾をつけてみせますから、第六回では思い切りクライマックスを盛り上げちゃってください!
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    ~ Comment ~

    Re: 矢端想さん

    書きましたぜい。

    できましたぜい

    ポール先生!
    「第六回」拙ブログにアップしました。
    いつでも回収にきてください!

    Re: 才条 蓮さん

    もとから全七回、30~40枚程度の短編にまとめるつもりでしたから。

    リレー小説は、長編を書こうとするとまず頓挫します。苦い経験がいくつもあります(^^;)

    本来だったら、あと3~4人勇者が欲しかったのですが、みなさんに敬遠されてしまったようで……(^^;)

    おお、あっとういう間にクライマックスですね。
    結局参加できる隙がなかったのか、あるいは時間的ゆとりがなかったのもありますけどね・・・。
    次の機会があればがんばりたいと思います。
    大変面白く見させて頂いております。

    Re: 矢端想さん

    矢端想さんが1880年代だったら、わたしと黄輪さんはファンタジーですぜ(笑)。

    いくらでも待ちますんでゆっくり書いてください。どんな展開でも収束させてみせます。(豪語)

    すごいなあ。黄輪さんもすごい。SFだなあ。
    旧人類の僕にはつらいなあ(だっていつも1880年代やってんだぜ)。
    今日は僕の身体そのものにアルコールが充満してるから待って。
    あ、明日も・・・。

    というわけで素面で書けるのはきっと明後日以降でございますのだ。
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