「ショートショート」
    その他

    結末

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     映画監督のヒッチコックの言葉だが、「スリルとサスペンスとショックの違い」というものがある。

    「どうしても乗らなければならない電車の発車時刻に間に合うか、渋滞の道をタクシーの座席ではらはらしながら待っているのがサスペンス。発車しかけた電車のドアに飛び込んで、タッチの差で間に合うのがスリル。電車の座席にやれやれと腰を下ろして周りを見たとき、乗るべき電車を間違えたことに気づくのがショック」

     うまいたとえ話だ。特に最後の「ショック」の部分、たとえ話ながらみごとな「オチ」になっていて心憎い。

     そしてわたしは「ショック」を与えるショートショートは大好きだ。ショートショートとは、その最後の「ショック」のためにだけあるような小説形態だと思っている。

     というわけで、わたしは「ショック」を与えるネタを、日夜探しているのであるが、この「ショック」というやつ、麻薬みたいなもので、味わえば味わうほど、次はもっと刺激が強いやつを求めるようになるのである。

     その結果、ショートショートにはブラックな内容のものが増えていくということになり、相互していただいている面白半分さんからは「最近人類をひどい目にあわせすぎ」、limeさんからは「爽快なショックを書いてください!」などとおしかりないし助言をいただくことになるのである。

     爽快なショックってどう書けばいいんだ、と、深刻な表情で悩みながらPCに向かってキーボードをなでていると、ミクシィのアプリのほうが気になってくる。しまったわたしが養っている宇宙人、ふにゃもらけにうどんを与える時間だ、それからバイトもさせねば、などと考え出すとそっちを開いてしまう。開いたら最後、延々と遊ぶわけで……。

     ああなんということだ、気がついたら今日の終わりまであと一時間もないではないか、これでは毎日更新が途切れてしまう、と、PCの前で蒼ざめる始末。

     ううどうしようどうしよう、このままではわたしのプライドが。病欠以外では休まないと決めたわたしのプライドが。予約投稿くらいはするけれど、そのストックも残ってないし。

     と思った時、天啓が訪れるのである。天啓としかいいようがない。どうやらわたしは、「締め切りが迫って来ないとなにもしない」人間らしい。

     即座にメモ帳を立ち上げ、猛烈な勢いで書き始める。頭に浮かんだアイデアに、にやにやしているヒマなどない。一時間の間に書き上げなければ、明日の朝わたしのブログを開いた人に無様なさまを見せることになるからだ。

     しかし、これは素晴らしいネタだ。こんなことを思いつくわたしは才能があるのではあるまいか。

     深夜十二時まであと十分。わたしは締めの句点を打った。

     次の瞬間。

     停電した……。
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    ~ Comment ~

    Re: ダメ子さん

    似たようなシチュエーションはいろいろ考えられますね。

    夏休みの宿題の問題集がなかなか見つからず、ようやく見つけてぎりぎり間に合わせ、ほっとしたときにそれが弟のだと…

    今日の分のネタができるだろうかと
    はらはらするのがサスペンス
    ぎりぎりに締め切りに書き上げるのがスリル
    書き上げた瞬間に停電するのがショック

    ということですね、勉強になりました
    私もリアルに体験したことが…
    (停電じゃなくてソフトウェアが落ちたんですが)

    Re: ぴゆうさん

    とりあえず、ペースを守って無茶しないことですね。

    毎日巡回も、毎日更新も、「とてつもなくヒマ」なわたしみたいな人間しかできませんので……(^^;)

    大相撲楽しみにしています。

    お久しぶりで御座いまーーす。
    うっきーーーー
    遅くなりすぎてきっと存在すら忘れられていルゥーーー
    キャーーーーー
    やっとこさ、元気になりました。
    いつも気にかけてくれて・・・
    コメもありがとう・・・
    なのにろくに返事もしないで・・・
    ごめんようーーーーー
    でもなんとか復活しました。
    挨拶回りも出来るようになりましたァーーーーー
    ここ強調するとこ。
    へへ
    1/11日に大相撲を再開します。
    暇があったら・・・いや是非に絶対に頼みますからお願いしますだーーー
    遊びに来てクレーーーー
    長々と失礼しました。
    待ってるホイ。
    ぴゆうりーぬより。
    ホッホホホホ。

    小説のコメはこれから、じっくりのんびりとさせてもらいやす。
    料理がまずそうで衝撃的だったわ。
    わたしもイワシ部隊が気に入った。
    へへ

    Re: 秋沙さん

    レストランのゲームですか? と、思わず身体が反応してしまう悲しい性(笑)

    パソコンは悪魔の箱です。アプリは悪魔のソフトです(笑)。

    Re: limeさん

    高村薫先生と赤江瀑先生の後には誰を持ってきても「二線級ピッチャー」のような気がして……(^^;)

    とりあえず図書館へ通います。

    いやん、ショックぅ(*^_^*)

    う~む、やはりマメにバックアップを取りましょう。
    って、いや、そんな、真面目に答えてどうする(^^;


    最近、大好きだったmixiのアプリが、システムが変わったことで無くなってしまいました。
    あ、だから、くちなしの墓が最後まで書けたんだ!(今気づいた)

    ありゃ、私の余計なひと言が、ポールさんを困らせましたか。
    いや、初心者の戯言なので、聞き流してくださいね。

    そういえば私も20歳くらいの時は、やたらとブラックなSSが好きでした。
    阿刀田高とか、筒井康隆とか。中島らもさんも好きだった。(彼はブラックではないけど癖がありました^^)
    今は、ちょっと歳をとったせいで、爽快なものが読みたくなっただけで。
    (でも、自分で書く分には、重いのがいいw)

    なんだかんだ、調子に乗って言っちゃいますが、ポールさんの作風は、ポールさん独特の味があります。
    ストイックに、毎日更新を続けるところもすごい。
    リレー小説で、切り返しの巧みも見せてもらいました。
    また来年も、がんがん突き進んでくださいね。

    で・・・面白い小説があったら、即教えてください。
    (私好みの!ですよ^^)

    Re: 才条 蓮さん

    こちらこそどうもありがとうございました。

    グッゲンハイムの華麗な歴史絵巻を読むのは楽しかったです。あそこまで設定をかっちり決められるというのはすごいと思います。

    どうか来年もよろしくお願いします。

    年末挨拶

    へえ~~~といいたくなりますね。
    確かに小説や物語を書くときの指針になりますね。確かにポールさんの小説に通ずるものがありますよね。
    私は過程を重要視する方なので、結末よりも過程の一風景に力を入れてますね。結末は。。。歴史ファンタジーなので適当にやっているところもあります。けれどそういうのも参考にすべきですね。


    今年一年、コメントなどありがとうございました。
    今年はブログで公開している小説をゲーム化して販売したりなど、など色々無茶なことをやった年ではありましたが、来年はもっと無茶ができるようにがんばってまいりたいと思います。来年もよろしくお願いします。
    • #6456 LandM(才条 蓮) 
    • URL 
    • 2011.12/27 08:42 
    •  ▲EntryTop 

    Re: 面白半分さん

    わたしはドストエフスキー描くところの、青白い顔して帝政ロシアの街を爆弾抱えて闊歩するテロリストだったのか(笑)。

    そりゃ笠井潔ファンだけど平和な良識ある男だぞ。(うそくせー(^^;))



    大人には停電してから始めることも(笑)問題は相手がいないことなのだが(爆)。

    そうか「最近人類をひどい目にあわせすぎ」なのは
    ショートショート構成上のことだったのか!
    てっきり私は
    ポール・ブリッツさんの終末願望からくる
    衝動のなせる技と思っておりましたよ!

    停電ってのも一種の終末ですね。

    Re: 黄輪さん

    停電でデータが飛んだくらいまだ牧歌的じゃないか、と、いまさっきテレビで震災と津波の番組を見ていて反省しました。

    悔しがる暇もなく亡くなられたかたがた、ごめんなさい……。



    ところでミクシィのアプリですが、

    あれは悪魔が作ったソフトです(笑)。

    悪魔の箱に悪魔のソフトがいるのです。

    そしてわたしは日参していたり(笑)。

    見事にサスペンス→スリル→ショックの流れですね。
    停電した時の絶望感、すごく良く分かります(´・ω・)

    ミクシィ、自分もやってます。
    アプリは時々、どっぷりハマってしまうものがあって、
    なかなか困りものですね。

    Re: 飛翔掘削さん

    今回は笑い話として書いたフィクションですが、機械の故障でなく自分の不手際でデータを飛ばしてしまった時にはパソコンを叩き壊してふて寝したいと思うことがあります(^^;)

    もっとくやしいのが、ハードの世代交代で、これまで使っていた機械のデータが読めなくなることですね。これまでワープロで書きまくった無数の2DDフロッピーのデータを泣きそうになりながら処分した時のことは今思いだしても痛恨であります(齢がばれる……(^^;))

    飛翔掘削

    「ざんねんながら ぼうけんのしょはきえてしまいました」

    データが飛ぶのは本当に精神的にキますよね。
    折角の苦労がパーですから、もうやる気が殺がれる殺がれる……(学校のレポート作成で経験がありまして)。

    Re: fateさん

    これノンフィクションじゃないですよ。(^^;)

    ショートショートですよ(^^;)

    ノンフィクションだったら「その他いろいろ」欄に入れますよ(^^;)

    うーむ説明不足だったか(汗)

    ほえ?

    なぜ、停電???
    地震でもありましたか?

    最近、震度5弱くらいまでの地震には驚かなくなり、寝ているときなんて、目も開けない。ああ、また地震か~
    酔うからやめてくれよ~とまた眠る。

    いつかきっと自然からしっぺ返しがくるに違いない(?)

    Re: 矢端想さん

    別な意味でのショックになてしまた!(笑)

    これはショックだ。
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