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    「ナイトメアハンター桐野(二次創作長編小説シリーズ)」
    2 闇は千の目をもつ(完結)

    闇は千の目をもつ 4-4

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     写真と、持ち込んできた高宮秋子の顔を、穴が開くほど見た。
     高宮秋子はとまどっているようだった。
    「あの……先生、なにか……?」
    「高宮さん」
     わたしは写真を指さした。
    「この人が……?」
    「そうですよ。あたしの前の夫です」
     はっと思い当たったように、
    「先生、お知り合いだったんですか?」
     その目に咎めるような色が混じったので、わたしはあわてて否定した。
    「知り合いではありません。が、しかし、似てるなあ」
    「似てる?」
     わたしは自分がよけいなことをいってしまったことを後悔していた。しかし、わたしは嘘をついて、それをそのまま押し切れるタイプの人間ではないのだ。裏切り者のこの顔が、すべてをバラしてしまう。
     わたしに不信感を抱きかけているだろう高宮秋子を刺激しないように、細心の注意をもって話した。
    「わたしが、昨日いきつけの店で飲んでいたときに、その写真の人とそっくりな人が転がり込んできたんですよ」
    「まあ」
     高宮秋子はかぶりを振った。
    「あの男、先生になにか迷惑をかけませんでしたか」
     わたしは昨日のことについてどう話したらいいものか迷った。
     考えた末の結論として、もうこうなったらしゃべれるだけしゃべってやろうという気になった。
    「わたしだけではなく、店にまで迷惑をかけていきましたよ、その人は。なにせ警察沙汰になったのですから」
    「警察沙汰?」
     高宮秋子は小首をかしげた。
    「あいつに、そんな甲斐性があったとは思わなかったわ。あたしの知っているあいつは、生きていることが不思議なくらいの、無気力でぼんやりとした、典型的な無能力者だったのに」
     ひどいいいようだな。
    「いや、警察沙汰になったというのは、暴れたとかそういうことではありません」
    「?」
    「その人は、店の中で行き倒れになったんですよ」
    「行き倒れ……」
     わたしは首を縦に振った。
    「そうです。今は魂も天上に召されているはずですよ。お心には沿わないことでしょうが、こうなった以上、警察に話さなくてはなりません。近いうちに、警察から身元照会の召喚状みたいなものが届くと思います」
    「来るんじゃなかったわ」
     高宮秋子はいった。
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    Re: 椿さん

    これでも伏線は張っているつもりです。

    機能しているかは別問題(笑)

    NoTitle

    なるほど、こうつながってくるとは。

    でも、行き倒れた男。前の晩、別れた奥さんの夢の中で「笑った」時にはもう死んでいた……ことになるのでは。

    不気味ですね……。うわあ、今、すぐ続きが読みたい気持ちと、じっくりお話を楽しみたい気持ちが、自分の中で戦ってます。
    今日また来ちゃったら、笑ってやってください(^_^.)

    Re: 有村司さん

    それは、先が読めないように書いておりますから。

    これから二転三転する物語をお楽しみください(^^)

    実はここらへんを書いているときは作者のわたしも先が真っ暗で

    えええ…!?

    あの、桐野先生に虎奇亜で、あの本を託す形になったあの人が!?
    うわあ予想外…!!
    これからも予想外の連続なんでしょうねえ…。

    >佐槻勇斗さん

    伸びきる以前に、こんな7月の暑いときにほっぽっといたものを食べたらおなかを壊して寝込みます(^^)

    行き倒れの男については、ご都合主義かもしれませんが、300枚しかないので「偶然」はフルに利用しないと話がまとまらないのであります。ご了承ください(笑)

    桐野先生の食べかけカップ麺、どうなったんだろう。。
    もうぶよっぶよに伸びきってしまったでしょうか。

    って、えー!!
    ここであの倒れた男が出てくるのですか。
    まったく予想していませんでしたよー^^;
    いやいや、今後どうなっていくのか楽しみですな♪
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