自炊日記(ノンフィクション)
自炊日記・その3
4月1日
ちょっと実家で食いすぎた。反省。とほほ。しかしそんなことに負けていたらこれからの人生どうなるっ、である。タフに生きられねば死ぬのみである。そんなことを極端にストレスに弱いわたしがいっても説得力はないが。
アパート帰宅後計量:体重 75.1kg
節食しよ……。
4月2日
いいかげん地震も収まってはくれないものか。こう、ひと月に何べんも、震度5クラスの地震が起きていたらおちおち眠ることもできない。土浦は震度3だったが、一昨年までとは重みがまったく違う。眠れん……と思っていたら道理で、昨晩寝る前に薬を飲み忘れた。いかん。
起床直後計量:体重 74.1kg
とりあえず朝食はすぐに作ってしまうことにする。シリコンスチーマーで鮭と野菜を蒸して、余りの野菜で味噌汁を作って、キムチと納豆を添えれば、あっという間に朝食の出来上がり。わたしはもしかしてマメな人間なのだろうか……絶対違うな。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし、玉ねぎ)
蒸しもの(塩鮭(甘塩)、キャベツ、もやし、玉ねぎ)
キムチ
納豆一パック
いつまでもじゃがいもの処分に困っている。そうだ。パンの耳に乗せるために買ってきたとろけるチーズがあるから、ベーコン……がないから豚コマといっしょに、じゃがいもに乗せて蒸してみるか。ついでに卵焼きかキムチチャーハンも作ってみよう。卵が残っているし。よしこれで今日の夕食決定。気宇だけは壮大な男であった……どこが壮大なんだ。
いつもどおり皿を洗って出撃。
午後遅く、豚コマの解凍を忘れていたことに気づく。バカである。かわりに行きつけのスーパーのパン屋でパンの耳発見。菓子パンと自販機のブラックコーヒーでカフェテラス気分にひたる。いつもながら思うのだが、この菓子パン代八十円をご飯にまわしたほうが経済的ではないだろうか。コーヒー七十円はいいとして。忘れずにピザソースも買う。小袋六袋入りで百七十八円也。
帰ってきて、計画を一部修正して料理に取り掛かる。料理とはいっても、シリコンスチーマーに大活躍してもらうのだが。
夕食のメニュー。
パンの耳 二十四枚
蒸しもの(ジャガイモ、キャベツ、玉ねぎ、チーズ)
まずはジャガイモ二個をむき、それぞれ八等分する。最初にやるべきことではないかもしれないが、わたしはめんどくさいことからやらないと必ず途中で飽きるタイプなのだ。次に玉ねぎを、半分にしてざくざく切る。それだけではなんとなくつまらないのでキャベツも三枚ほどざくざく切り、全部まとめてシリコンスチーマーに入れ、電子レンジで五分蒸す。
その間、パンの耳を食べながら待つ。やはり切りたては、パンの耳であっても小麦の風味がして実においしい。うーむ、この快楽を覚えてしまったらやめられん。
蒸しあがったら、蓋を開けてピザソースを塗り、その上にとろけるチーズを二枚敷いて改めて蓋をし、電子レンジで四分蒸す。こう書いていると、経験のもとに余裕でやっている、と思われるかもしれないが、マニュアルも何もなしで、即興で作っていたりする。まあ、キャベツと玉ねぎとジャガイモがピザソースやチーズに合わないわけがない、とも思うが、人生一寸先は闇、というのもまた真実なのだ。
その間パンの耳を食べながら待つ。やっぱりこの、「焼き立てを当日のうちに」というのが味と満足のもとなのだろうと思う。日本人なのだろうなあ。
蒸しあがったら、蓋を取り、チーズがよく溶けていることに満足しつつフォークで刺してひと口。思ったよりうまい。即興で作ったズボラ料理としてはなかなかではないだろうか。反省点としてはチーズを四枚ないし三枚にしたほうがよかったかもしれないが、血液検査でコレステロール値が高めに出てしまったのである。チーズは……うむむむ。うまい。コレステロールはどうだか知らないがうまい。
しかしそれにしても、思ったよりもうまいねこれ。でも人には見せられないね。シリコンスチーマーから直接食べているわけだから。まあうまいし簡単だし。また来週やろうかな。合間にパンの耳を。うむ。うまい。うますぎる。などと、士気を鼓舞しながら食べる。
パンの耳二十四枚および野菜の蒸しもの、完食。余は満足じゃ。満足したところで体重計に乗る。
食後計量:体重 75.3kg
微妙……。
チーズとソースでべたべたになってしまったシリコンスチーマーを漬け置き洗いしている間に「花のズボラ飯」二巻を読む。久住昌之先生、水沢悦子先生、この内容でこの展開は卑怯だ。泣きそうになってしまったではないか。早く三巻が読みたい。
4月3日
昔、「アニメイトカセットコレクション」というものがあって、そこで三石琴乃大先生が「朝起きたら夜だった」という名文句を吐いておられた。あんなバカゼリフを堂々とバカな役を演じきってしゃべれるとは、まさに天才である三石先生。
で、なにがいいたかったのかというと、寝ぼけて目覚ましを止めてしまったのか、起きる時間がやたらと遅かったということである。わはは。
起床直後計量:体重 74.3kg
普通に味噌汁を作ってシリコンスチーマーで蒸し野菜を作る、というのも考えたが、チャーハンを作る前提で冷蔵庫の中のものをスタンバイしていたから、今さら変更も効かない。かくして、第一次チャーハン会戦が始まる。史書にはそう書かれている。
朝食のメニュー。
チャーハン(米飯(〇・五合)、もやし(ひとつかみ)、玉ねぎ(四分の一ヶ)、豚コマ(七十グラム)、卵(一ヶ))
中華スープ(乾燥わかめ(ひとつまみ)、卵(一ヶ))
まずはもやしと玉ねぎと豚コマをみじん切りにする。なんで起きられなかったこのやろうこのやろうとやっていたらすぐにみじん切りができる。暴力的な頭で庖丁を使うと人間、獣性が出る。
ご飯を温める。温めたご飯に卵を落とし、卵ご飯にしてチャーハンを作ると、ご飯粒がくっつかないとかいう情報を信じたので、やってみる。
えーと、何から炒めるんだっけ……と思ったが、寝ぼけた頭がうまく働かない。まあ適当でいいや、と、乱暴にも油をひいたフライパンに、「全部まとめて」ぶち込んでひたすら炒める、という暴挙に出る。
本来だったらキムチを投入してキムチチャーハンにするところだったが、野菜を入れたのでどうでもよくなってしまい、キムチチャーハンの代わりに万能中華調味料「中華あじ」をどばっと投入して味付けする。
「味をみる? できんよ、こわくて……」などとエリア88の参謀みたいなことを呟いてひたすら炒め、塩コショウして、皿に盛る。心なしかべちゃっとしているような……。
気を取り直してスープを作る。乾燥わかめは椀に一杯の水でもどしてある。切るのがめんどうくさかったから直接鍋に入れ、火にかける。ただのわかめスープではつまらないから、もうひとつ卵を割り入れ、彩りと蛋白源にする。味付けはもちろん、「中華あじ」である。これで一袋使い切ったので、ほっとする。袋だから使いにくくてしかたなかったのだ。瓶を買ってあるので、これからは瓶にして、適宜詰め替えて使うことにしたい。
完成したから食べてみることにする。チャーハンは……やっぱりべちゃべちゃであった。でもこれって、うまくない? うまいよなうんうん、などといいながら元気に残さず食べる。スープはちと味が薄かったが、まあこんなもんだろう、と思いつつ飲む。
やはり朝に温かい食事はいいものだ。これからの皿洗いのことを考えなければ非常にいいものだ。とほほほ。
大嵐が来るとか聞いていたので半ば恐れをなしたまま外出。あっとご飯を仕掛けておかなくては。
なんとか大嵐になる前に帰ってこられた。それにしても某ダイソーで買ったポンチョ、まったくといっていいほど役に立たない。ゴミ箱に放り込み、次は普通にレインコートを買うと誓う。
夕食を作る。塩鮭を解凍しておいたからそれを使って、と。味噌汁の具は……もやしとこんにゃくがあるからそれでいいや。でも、こんにゃくを味噌汁に投入すると余るな。さてどうするか。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし、こんにゃく)
蒸しもの(塩鮭、キャベツ、こんにゃく)
キムチ
納豆一パック
こんにゃくの半分を薄切りにして味噌汁に投入。ついでにもやしも投入。とっておいた煮干のだしを加え、後はいつもの通りに味噌汁を作れるよう、みそをスタンバっておく。易きに流れる男である。
残りのこんにゃくはこれまた薄切りにしてシリコンスチーマーに敷き詰め、上にざく切りしたキャベツを載せ、醤油をかける。その上に塩鮭を乗せ、レンジで……七分もあればいいかな。と、適当に何の根拠もなく設定する。
キムチと納豆を用意し、後はご飯が炊けるのを待つだけである。適当にウーロン茶を飲み飲み待つ。
果たしてこんにゃくは蒸してもうまいのか。人類が未踏の世界にまた一歩足を踏み入れるチャレンジャー。
結論。蒸してもこんにゃくはこんにゃくだった。この独自路線を貫く態度はさすがであるこんにゃく。キャベツもキャベツだったし、塩鮭も塩鮭だった。まあそれなりに食えたからいいんじゃないのか。武田信玄公もいっているとおり、「勝ちは七分をもって上とす」である。
さて、体重計に乗ってみるか。
食後計量:体重 76.3kg
前日のチーズとじゃがいもとパンの耳のせいか、本日の朝のチャーハンのせいか、食事時にがぶがぶ飲んだウーロン茶のせいか、戦犯はどいつだあ!
4月4日
昨晩はさっさと寝たせいか、六時に起きても身体が軽い。身体は軽いが体重にそう変化がないことも経験上明らかである。もう何キログラムだろうとわたしは驚かないぞ、と思いながら体重計に乗る。
起床直後計量:体重 74.0kg
おおっ、けっこういい線ではないか。七十三キログラム台まであと一歩である。なんか領土問題でもめている国家みたい。
鼻歌を歌いながら朝食を作る。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし)
蒸しもの(塩鮭、とろけるチーズ二枚、もやし、キャベツ、玉ねぎ)
キムチ
納豆一パック
蒸しもののところに書いてある、とろけるチーズ二枚というのは別に書き間違いでもなんでもない。塩鮭にチーズを乗せてシリコンスチーマーで野菜といっしょに蒸せばうまいかな、という単なる思いつきである。思いつきで発言したり行動したりするのは、人文学の徒の得意技である。
味噌汁はいつものとおり、冷蔵庫で一晩寝かせた煮干のだしでもやしを煮、味噌を溶きいれるという、ほとんどインスタント・ミソ・スープの世界である。
さて食べてみよう。いちおうスチーマーは五百ワットのレンジで七分間蒸した。
塩鮭は……うーん、チーズとの相性がいいね。しかし、ちょっとしょっぱいかな? よく考えたら、チーズにも塩って入っていたな。確か。鮭の塩との相乗効果で、きつくなったのかなあ。まあ、ごはんのおかずだし、許容範囲だなもぐもぐ。今度やるときはとろけるチーズ一枚でやってみよう。野望がふくらむ男であった。塩をしていない普通の白身魚を買ってきて、チーズを乗せて蒸すとか、あっピザソースを塗ってもうまいかもしれん。……妄想力に果てしのない男である。
勝ちは七分をもって上となす。いい言葉だぜ信玄公。
さて洗濯だ。洗濯モードに入っているからしなければまずいのだが、風は今日になれば止むと思っていたのに。雲ひとつない空とまぶしい太陽を見つめながら、部屋に洗濯ロープを張って部屋干しする。とほほほ。
さて、スマホを買いに行くぞ。行くったら行くぞ。突貫!
突貫した結果、スマホを手に入れる。まだ使い方もなにもわからないので、とりあえず充電し、アパートに戻ってからじっくり遊ぶ、いや練習するつもりで、実家のPCでネット。スマホを買うときにいろいろと説明を聞いたせいもあり、時間が押していて、ブログ巡回途中でコメントもできずにPCを離れなくてはならなくなった。とほほ。
とにかくアパートへ帰ってまずやったことは、自分のブログの確認だった。
なぜだ……なぜ出てこんのだ、リンク! これでは巡回など及びもつかないので、また実家へ帰ったら、リンク集の日記を更新することにしよう。とほほ。
そして、さあコメントの返事を書こう……と思った時点で「すぐに充電してください」のマークが。あれ? したはずなのに……と、いろいろ考えた末、「電源を切らないと充電器に挿しても充電モードにならない」らしい、ということに気づく。そういうことはマニュアルにきちんと書けよ! と怒りながら、疲れたので寝る。寝る前に体重を量るのを忘れるところだった。
アパート帰宅後計量:体重 75.4kg
4月5日
この日は朝からスマホと格闘。とにかくキー操作に慣れなくては、と文字を打つ練習、すなわちコメント返信に没頭する。
返信していて思ったのだが、もしかしてわたし、一日二食しか食べていないのでは、と深刻な誤解をしているかたがおられるのではないか。大丈夫である。きちんと昼も食べている。リハビリ施設の昼食は、栄養満点であるし、味もそれほど悪くない。病院食ではあるが。実際に自分で作った食事でないと書いても意味がないだろう、ということで省略しているだけである。実家に戻ったときは昼も夜も食べているし。もし、一日二食であのメニューだったら、わたしはダイエットの前に栄養失調で点滴生活だ。誤解を招いたらごめん。
さて、時間を忘れてスマホに夢中になってばかりいてもしかたがないので朝食を作る。冷蔵庫から適当に……キャベツと玉ねぎでいいや。解凍した豚コマを、キムチの残りと炒めて、キャベツと玉ねぎの味噌汁とともにご飯をいただく。よし。これでいいだろう。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(キャベツ、玉ねぎ)
キムチ炒め(キャベツ、玉ねぎ、キムチ、豚コマ)
ここいらへんで三分クッキングというわけではないが、わたしの味噌汁について。だし。これは煮干で取る。だしの取り方はかんたんで、お椀一杯分の水に煮干を二匹入れて一晩以上冷蔵庫で寝かせる。これだけ。そんなズボラな方法でだしが取れるのか、といいたくなるかたもいるかもしれないが、わたしの使っている味噌はだし入りではない無添加のものなのだ。ざく切りにした野菜をこの汁で煮て、この味噌を溶くだけでそれなりの味の味噌汁を楽しんでいるのだから、心配されるには及ばない。問題があるとすれば、煮干を水に入れるのを忘れて寝てしまったときは、翌朝に地獄を見ることになることだが。なにしろ味の素の瓶がないもので。中華あじはあるけど。
とりあえず食って、スマホと格闘して、食器を洗って、スマホと格闘して、外出。
スーパーで買い物をしていると、今日が木曜日だったことを思い出す。豆腐屋が来る日である。鍋といえば湯豆腐が真っ先に頭に浮かぶ人間だから、当然のごとく湯豆腐のことしか考えられなくなる。そうだ昆布を買わなければ。カット昆布お徳用二百五十八円。ゲットだぜ! ついでにニラも買う。キャベツはまだ残っているが、明日の朝には食ってしまおう。白モツ……が売っていないから安売りのホルモンを買って、ミツカン追いがつおつゆを買って、唐辛子を勝って、にんにく……は使い切れないからチューブ入りのやつを買って、と。翌日夜の臨戦態勢はバッチリである。モツ鍋一直線である。なぜそこまで考えるのか、というと、わたしは湯豆腐が大好きだからである。
アパートに帰り、豆腐屋のトラックを待つ。来た見た買った。あらかじめ昆布を漬けておいた水の中に豆腐一丁を入れ、そのまま火をつけて待つ……のだが、どれだけ待ったらいいのかわからない。ねぎを刻んで薬味にし、冷蔵庫から醤油とポン酢を出す。そうこうしているうちに鍋が沸いてくる。まだかな、まだかな、もういいや、と鍋をこたつに持って行き、さっそくスプーンでひとすくいして醤油とねぎで食べる。
うまい。
さて、ご飯を温めるか。……ここで、賢明なる読者諸君は、疑問を抱くであろう。ほかのおかずはどこなのか? と。
お答えしよう。わたしは湯豆腐が大好きだ。湯豆腐の鍋があれば、半合のご飯くらい、おいしくいただけてしまうのである。
江戸時代、質素倹約を旨としたなんとか藩の殿様は、自分の食事に贅沢なものがあることを嫌い、飯と豆腐しか食べなかったといわれる。ちなみに、その殿様は名君といわれたが、早死にしたそうである。その例に倣いたくはないので、翌日はモツを食べて精力というか元気をつけよう、という作戦だ。
豆腐とだしがらになった昆布を食べ終わった後に、昆布の味が染みた汁をご飯にかけ、ポン酢をかけてさらさらと雑炊のようにいただく。至福の境地である。煮る時間が足りなかったのか、豆腐がちょっと中が冷たかったのがなんであるが……。まあいい。これから改善すればいいだけの話だ。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
湯豆腐(豆腐一丁、昆布、ねぎ)
雑炊の後も汁がうまそうだったので、醤油やポン酢で調味してスープのように飲み、気がつけば鍋一杯を飲み干していた。わたしはどこまで貧乏人なんだ。
食後計量:体重 75.8kg
そりゃああれだけ飲めば体重もねえ……。翌日は朝食からカロリー多めのヘビー路線で行くか。
4月6日
起床直後計量:体重 74.0kg
昨晩は遅くまでスマホでブログの巡回をしてしまった。皿を洗ったのは十一時半過ぎ。我ながら自制心がないというか、ひどいものだ。悪魔の箱というか悪魔の薄板である。というか一日に二回も充電するというのはユーザーとしてどうよ、だ。電池パックは消耗式なのに。
まあいいか、と朝食の支度。高カロリー高たんぱく作戦で行く。
朝食のメニュー。
スパゲティペペロンチーノ(スパゲティ百グラム、玉ねぎ二分の一ヶ、ペペロンチーノ用シーズニングミックス)
卵焼き(卵一ヶ、塩こしょう)
半熟ゆで卵(卵一ヶ)
まずはスパゲティをゆでる。今使っている鍋ではゆでるのには小さすぎ、ふきこぼれないように見張っていなくてはいけないのだが、ガス台の性能が性能だからずん胴鍋を買うわけにもいかない。ゆでるついでにゆで汁にスライスした玉ねぎも入れてしまう。いいじゃん死ぬわけじゃないし。
七分間ゆで、玉ねぎとスパゲティを油を敷いたフライパンに移す。このときゆで汁でシーズニングミックスを溶いておく。後は炒めるだけだ。そういえば、実家で、火を止めた後、スパゲティのゆで汁に卵を放り込んでゆで卵を作っていたなあ、と思い出し、真似してやってみる。……鍋の大きさがまるで違ったため、卵に水が半分くらいしかかからないことが判明。しかたないから、スパゲティを炒めて皿に盛ってから、水を加えてさらに火をつけて卵をゆでる。二度手間だとほほ。
もそもそと箸でスパゲティを食らう。このビンボくささがこのスパゲティにはぴったりだ、と思う。これを食っていると大学のころを思い出すのだ。あのころはすべてに絶望していたっけなあ……。
食っているうちに、そろそろ卵もゆで上がっただろう、と鍋を横に置き、ガス台に火をつけ、フライパンに油を敷かないで、塩こしょうした溶き卵を投入。鼻歌を歌いながら卵焼きを作る。卵がさっきのシーズニングミックスと油を吸ってくれるので、片づけが楽になる……と、どこかの本で読んだ気がするのだが。まあいいや。
卵焼きを食らう。やっぱり味付けしていると違うね。
余熱で卵がどうなったかな、と思い、引っ張り出して冷水につけ、殻のてっぺんを砕く。うまくいっているみたいだ。さっそくスプーンを持ってきて殻の中に突っ込み、中の白身と黄身をすくっては食べすくっては食べする。
至福……。
などと書いているうちにもリハビリ施設へ行かねばならぬ時間が来てしまった。このままでは遅刻だ!
リハビリ施設で過ごしてからアパートへ帰る。
ところで……人間は、「魂の味」というものをひとつふたつは持っていると思う。味だとか、栄養価とかは別個にして、それが人生の年輪に深くうがたれた傷のように、生涯ついてまわる「味」が。
わたしの場合、それが今日作る「モツ鍋」であった。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
モツ鍋(白モツ(ただしホルモンで代用)、キャベツ、ニラ、にんにく、輪切り唐辛子、めんつゆ)
ノンアルコールカクテル(ノンカロリー)
「覚えても絶対に役に立たない三分間クッキング」の時間です。今回は、「大学でやることなすことダメだったうえに人間関係ですら孤立していたときに作ってみたらうまかったモツ鍋」を作ってみましょう。
作り方は。まず、めんつゆを用意します。それを水で割るなりなんなりして、適量、鍋に注ぎます。そこに、モツと、ざく切りにした大量のキャベツと、適量のにんにくと唐辛子を入れます。にんにくは今回はチューブ入りのすりおろしを使いましたが、普通ににんにくを潰すなり切るなりして鍋に入れてもかまいません。今回は、うーん、どちらも大量ですねえ。チューブなんか、こんなに使っていいのか、やけになっているんじゃないのかこいつ、というくらい入れております。
蓋をして、ごくごく弱いとろ火にします。そのまま三十分以上煮ます。要するに放っておくのです。こんなのばっかりだなお前、などといってはいけません。最低限の動きだけで、後は機械だのガスだのが全部やってくれる、というのがいいのであります。ズボラなので。
適当なところでざく切りにしたニラを投入します。今回はスーパーから百二十七円で買ってきたニラを全部投入します。いい忘れていましたが、先に投入するキャベツもそれに見合うだけの量を用意しましょう。
ご飯が炊けるまで、ひたすらぼーっとして待ちます。
ご飯が炊けたら、そろそろいいでしょう。鍋を火から下ろし、熱いうちに食べます。七味を振ろうが、料理酒を入れようが、さらに醤油を加えようがかまいません。塩分過多といわれようが、食いすぎといわれようが、ニラとキャベツとモツをどっさり食べてください。汁にはご飯をぶち込むとおいしいですが、あまり使わないで、半分くらいは残しておきましょう。次の朝に、残りのご飯で雑炊を作るためです。そのためには、卵を一ヶ用意しておく、くらいの周到さも欲しいところですね。
にんにくが効いてきた。トイレ行こう。
食後計量:体重 75.4kg
皿を洗ったら、風呂に入って寝るか……。ちなみにあの鍋には地獄の罠があり、鍋の温度がまだ高いうちにぬるま湯かお湯で洗わなければ、がちがちにこびりついた肉の脂をこそげ落とすのがたいへんなのであった。とほほほ。
4月7日
起床直後計量:体重 73.9kg
一見、体重がいきなり減ったようにも見えるが、それはにんにくの偉大な力であって(以下略)。
とりあえず前日の鍋の残りの汁に冷や飯をどかっとぶち込んで火にかけ、煮立ったところで卵を入れて、丼に移し変えてがつがつと食らう。もしかしたらあの鍋のいちばんうまいところはここかもしれない。これを食べていると、あの昔の将来が真っ暗だったころが思い出されてくるのだ。詳細は書かない。人には隠したいこともあるのだ。
朝食のメニュー。
雑炊(前日の鍋の残り汁、米飯(〇・五合)、卵)
とりあえず実家に帰るか……。
4月8日
とにかく実家に帰ると食ってしまう。食ってしまうのである。人間、目の前に食べ物があると残さず食べてしまうように進化の過程でデザインされているのである。
おそるおそる体重計に。
アパート帰宅後計量:体重 73.9kg
なぜ減っているのだ……? これはリバウンド星人の罠に違いない。真の戦いは明日からなのだ。
豚コマを解凍。がんばろ。
4月9日
昨晩は不覚を取ってしまった。就眠前の薬を飲み忘れたのだ。道理で寝つきが悪いと思った。
起床直後計量:体重 73.3kg
七十二キロ台まであとわずかだ。でもドイツ軍のモスクワ侵攻みたいに寸前で挫折しそうな予感も。
豚コマと野菜を蒸すか、と思っていたところ、思いがけぬ伏兵が。そうだった、スーパーの三十八円の豆腐を買ってしまっていたんだっけ。賞味期限は明日だが、こういうものは早く食わないと。
冷蔵庫にはねぎが……豆腐の半分はねぎといっしょに味噌汁にするか。
ほかには、キムチ、とろけるチーズ……。
そのとき、電撃のようにわたしの脳細胞で一本の糸がつながった。キムチと豆腐と豚コマを乗せたスチーマーの上にチーズを乗せて蒸す。イメージとしてはすごくうまそうだ。
やってみよう。
生卵を卵かけご飯にまわして、と。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(豆腐、ねぎ)
蒸しもの(キムチ、豚コマ、ねぎ、豆腐、チーズ)
生卵一ヶ
で、トライしてみた。うーむ、なんというか、その、努力は認めるけど、うむ、惜しいね。惜しい。物足りないね。
と、はなはだ不満足に食べていたが、ふと思いついて醤油をたらしてみた。
数倍うまくなった。うむ。これなら。合格。うむ。いける。もうちょっと早く思いついていればねえ。
でもしばらくはやらない。スチーマーを洗うのがえらく大変だったからである。
洗濯をしてから外出。いい天気だったし。
リハビリ施設でリハビリして飯食って、帰宅後家賃を不動産屋に持って行く。
しまった、豚コマも塩鮭も解凍していない。
そのとき、わたしの脳裏に昔さんざん歌った歌が。
♪ 水をお鍋に八分~ おだしの豚を入れて~ ♪
名曲、「キャンプ料理」である。このレシピに基づいて味噌汁を作る。背に腹は換えられん。
豚コマはそれでいいとして、おかずは……卵だな。卵三個を溶いた中に「中華あじ」と塩こしょうを振りいれてフライパンで焼けば、中華風のオムレツみたいになるのではないか。
やってみよう。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
豚汁(豚コマ、にんじん、ぶなしめじ)
卵焼き(卵三ヶ)
納豆一パック
ノンアルコールカクテル カシスオレンジ味
やってみた。豚汁は、これなら普通に煮干で味噌汁作ったほうがうまい、と思える味だった。「キャンプ料理」、もう信じないぞ。
卵焼きは、食えなくはなかったが、振り入れた調味料が少なかったのか、ぼやけた味になってしまった。ついでに焦げが苦かった。
まあ、満腹したのでノンアルコールカクテルを飲む。というより、ノンアルコールカクテルとして売るより、普通にソフトドリンクとして売ったほうがいいんじゃないかなあ、これ。わたしは好きな味だし、ゼロカロリーだし、普通に売ってくれればなにも人目を気にすることも……。
食器を洗ってからひたすらスマホで遊ぶ。三百五十回の充電で電池がダメになる、といわれているのに日に三回も充電しているわたし、やっぱりやりすぎ?
就眠前計量:体重 74.0kg
4月10日
起床直後計量:体重 72.8kg
七十二キロ台突入。とはいえ戦線は体脂肪軍にに押し返されるんだろうな、と思いつつ朝飯を作る。ちょっとだれてる。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ぶなしめじ)
蒸しもの(キャベツ、にんじん、塩鮭)
キムチ
とりあえず惰性で解凍した塩鮭を、惰性で刻んだにんじんとキャベツの上に乗せ、惰性でチン。その間に味噌汁をこしらえ、キムチを小鉢に盛り、ご飯を電気釜から丼に移す。
黙々と食べる。食べた後はスマホを使ってブログの更新。遊びすぎて、缶ごみを出し忘れる。次の回収日は二週間後。
……携帯でブログの更新なんかするもんじゃない、早く胸を張ってネットにつなげる身分になりたいな、と思いつつ外出。眠い。
なんとなく眠くてふらふらしながら帰り、それでもスマホの電池が切れかかるまで遊んでから夕食をこしらえる。このころにはけっこう元気になっていたりする。夜型なのだろうか。
冷蔵庫を見ているうちに頭の中でなにかがひらめく。そうだ。卵もめんつゆも玉ねぎもあり、納豆がない今は、親子丼のチャンスじゃないのか? 鶏がないから卵丼か。そう思いながら冷蔵庫を見ていたら、「ミートボール」が残っていたことに気づく。これも立派な鶏肉だ。いけるじゃん親子丼。レシピは、確か「花のズボラ飯」の二巻にあったな。
でもそうすると、解凍した塩鮭は……食っちゃえ食っちゃえ! なぜか気分が高揚している。寝ぼけているらしい。
夕食のメニュー。
親子丼(米飯(〇・五合)、卵二ヶ、玉ねぎ二分の一ヶ、ミートボール一袋)
蒸しもの(塩鮭、キャベツ、にんじん)
味噌汁(ぶなしめじ)
思ったのだが、ガスコンロが一台しかないと、味噌汁を平行して作るときに非常に不便である。シリコンスチーマーの使用が異様に多いのも、レンジを使えるのでコンロが空くから、という理由が大半である。
いつかはコンロが二台ある生活に……上を望むときりがないのでできることをやる。
まずは鮭と野菜を入れたシリコンスチーマーをレンジにかけてから、ぶなしめじで味噌汁を作り、鍋をどけておく。試行錯誤の始まりである。それからフライパンにめんつゆを……しまった計量カップがない。適当に入れよう。今度のつゆは濃縮タイプだから三倍に薄めて……適当に水を入れる。砂糖はないので飛ばす。ミートボールのソースがそれを埋め合わせる甘さになるのではないかなあ(希望的観測)。沸騰させてから、玉ねぎと肉を入れる、と。どうせミートボールはそのままでも食べられる加熱調理済みだからなんとかなるだろう。弱火にしてじっくり煮、火が通ったら溶き卵を二回に分けて入れ、火を止めて待てば……びしゃびしゃだが大丈夫なのかこれ。余熱で卵を固まらせている間にご飯をチンする。フライパンをご飯の上にひっくり返して中のものを……うわっ底に卵がへばりついている、なんてもったいない。とはいいつつも、親子丼は……びしゃびしゃ。まあいい、食ってうまければ勝利だ。味噌汁を温めなおして、と。
なにも期待せずにいただく。
味噌汁は……ちと味が薄い、いや、温めなおして味噌とだしの味のバランスが壊れてしまったのか? ということは、前日の豚汁の失敗も、「♪ みそみそみそをとき ♪」の後の「♪ ぐらぐらぐらららら ♪」で煮立ててしまったから失敗したのか? まあいいや。この次やったときに轍を踏まねばいいだけだ。親子丼は、うん、まあ、いけるね。意外とミートボールがいい味出してるね。うん。うん。あとはこのびしゃびしゃをなんとかするだけだね。塩鮭と野菜は、うん、安定した味。今回の作戦は……。
「実質的勝利」だね。この言葉を発明したシミュレーションゲームのデザイナーには、ノーベル前向き賞をあげたい。
食後計量:体重 74.7kg
風呂にも入ったし、寝るか……。
4月11日
起床直後計量:体重 73.6kg
朝食のメニュー。
冷凍グラタン一ヶ
キムチ
面倒くさくなってきたのか、冷凍グラタンとキムチで軽いにもほどがある朝食。
実家に帰り、反動かやたらと食う。
この日はアパートに帰る予定だったが、雨足があまりにもひどくなったので一泊することにする。
4月12日
実家で朝食。それにリハビリ施設のいつもの昼食に加え、ついスーパーで買い食いを。いかんなあ。
この日は木曜日で豆腐屋がやってくる日である。買ったねぎを刻んで薬味にする準備は完璧。喉の渇きを覚えて、百円ショップで買ってきた手絞りのジューサーで、スーパーで買ってきた一ヶ八十七円のグレープフルーツを絞って飲む。うまい。グレープフルーツは、食べるのが面倒くさいが、これならはるかに楽である。またやろう。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
冷奴(豆腐一丁、ねぎ)
味噌汁(ねぎ)
食後計量:体重 74.4kg
4月13日
なんとなく疲れ気味。眠さのあまり、布団でうだうだを楽しむ……冷静に考えたら、そんな暇なんてないよ! これから外出しなくては!
無理やり起床。もう八時前だ。どうするわたし。
起床直後計量:体重 73.0kg
解凍しておいた鶏肉と、買い込んだねぎを使ってなにか作るか。というと、発想はひとつである。ねぎと、ついでにぶなしめじを、鶏もも肉といっしょにシリコンスチーマーに入れてチンである。これで主菜はオーケー。味噌汁は……ねぎばかりというのも芸がないから、キャベツだな。あとはキムチと納豆を食べれば……。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(キャベツ)
蒸しもの(鶏もも肉、ねぎ、ぶなしめじ)
キムチ
納豆一パック
味噌汁をひとすすりした後、鶏肉にいってみる。下味もなにもつけていない。鬼と出るか蛇と出るか。
うまい。下味をつける必要はなかった。そのままでいける。
野菜は……うーん、ちょっとなんだな。味が薄い。醤油をかけてみるか。うん。けっこういける。
後は一気に食らう。食らうといったら食らう。ごちそうさまでした。さて、皿を洗って、薬を飲んで……飲んだら眠くなる。ちょっと横に。
気がついたら時計の針は無情にも。とほほ。行ってきますであります。
この日は実家に帰った。
4月14日
この日は自炊的にはなにも書くことはない。人間、易きに流れるものである。
4月15日
この日も自炊的にはなにも書くことがない。人間(以下略)
アパート帰宅後計量:体重 74.9kg
4月16日
起床直後計量:体重 73.4kg
体重を量るや否やグレープフルーツを絞って飲む。頭すっきり。
鼻歌を歌いながら朝食を作る。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(キャベツ、玉ねぎ)
蒸しもの(鶏もも肉、ねぎ、にんじん)
納豆一パック
グレープフルーツジュース(一個をまるしぼり)
鶏もも肉は蒸すことと見つけたり。いや、ジューシーで柔らかくてうまい。またスーパーでもも肉を買ってくることを決意。
味噌漉しが欲しくなる今日この頃。その前にフックだな。
スーパーへ行ったら、低温殺菌牛乳がない。どこに行ったのかと思ったら、五百ミリパックで百五十八円に変わっていた。わ、わたしを殺す気かスーパー。
とりあえず一パック買う。喉が乾いたのでそのまま休憩所で飲む。ストローで飲んでも、あまりあの甘さは感じられなかったとほほ。
リハビリ施設で午後を過ごし、疲れきって帰る。
アパートでグレープフルーツをまる絞りにして飲む。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ねぎ)
蒸しもの(塩鮭、チーズ、キャベツ、玉ねぎ)
納豆一パック
食後計量:体重 75.6kg
グレープフルーツのせいだな……。
4月17日
起床直後計量:体重 74.0kg
前日、ネットで調べ物をしていたせいで七時過ぎに起床。ごはんはとっくに炊けている。これからどうするかについてだが……豚コマは解凍してある。キムチも残っている。納豆も卵も野菜もある、ときたら、豚コマキムチがすぐに連想されるが、そういつもいつも同じおかずを作っていていいものだろうか。それに、こっちには新兵器の「めんつゆ」があるのだから、使い慣れておかなければまずいだろう。早く使いきってしまいたいものでもあるし。
方針を転換する。豚コマとキャベツとにんじんを、めんつゆをかけて炒め、溶き卵を入れよう。世の中、和風だ和風!
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ねぎ)
豚肉と野菜の卵炒め(豚コマ、にんじん、キャベツ、卵二ヶ)
キムチ
グレープフルーツジュース(一ヶをまるしぼり)
納豆は出すのを忘れる。しかし、これだけ役者が揃っていれば、納豆には別に出てきてもらうこともないだろう。
さて、問題は野菜炒めのほうだ。「めんつゆ」の使い方のどこを見ても、「炒める場合」についての希釈率は書かれていない。カンだ。カンだけで全部やるのだ。
と、いうわけで、わたしはキャベツとにんじんをざく切りにし、解凍した豚コマといっしょにフライパンに入れ、その上から適当にめんつゆをかけ、炒めてみた。焦げ付かないフライパンという文句を信じて、油は投入しない。これでほんとうに炒められるのか。この作戦が失敗したら、時間的に別のものを作り直している暇はないぞ!
炒めているうちに、炒めているのか煮ているのかわからなくなる。めんつゆはそう簡単に水気を失ってくれないし、野菜からも水分が出るのだ。なるほど、よくリハビリ施設の昼食に出てくる「炒め煮」とはこれのことなのか、と妙なことに納得。違うかもしれないが。
いいかげん火も通ったろう、というところで、卵を投入。溶くのを忘れたので、フライパンに落としてから箸で潰す。ここらへんはもうなにも考えている余裕はない。卵がいい具合に固まったところで、ひと口味見。まあ、こんなものか。とりあえず皿に移し、味噌汁を作り始める。味噌汁についてはいつもやっていることなので詳述しない。今日の具はねぎである。
キムチを小鉢に盛り、ご飯をよそい、味噌汁を椀に入れてこたつの上に並べる。なかなかいい面構えのチームである。問題は実力のみだ。勝敗を決するのはうまいかまずいかでしかない。
食べてみる。まあこんなもんか。なかなかいけるんじゃないの。飯にかけて親子丼風に食べるのもいいかな、ちょっと苦味があるのはなぜだろう? などと考えながら完食。
最後に、最近の食後の楽しみである、グレープフルーツをジューサーで絞る。コップに移して、ときどき種や繊維を吐き出しつつ飲む。思うのだが、グレープフルーツをまる一個しぼっても、コップを満たすことすらできないということは、われわれが常日頃飲んでいるグレープフルーツジュースというのは……。怖い考えになってきたからやめる。
皿を洗って外出。わはは、もうリハビリ施設の開始時刻を大幅に過ぎているぞ。こんなことでいいのかわたし!
スーパーで買いだめしておくか、と、果物売り場に行ったら、グレープフルーツは一ヶ百二十七円にまで値上がりしていた。口惜しいが手が出ない。まあ、明日があるさ……。
夜は友人に、相談したいことがあって外食の予定。なんとか、近くのラーメン屋のギョーザ定食五百八十円にまで抑えておきたいところだ。それに、今日あのラーメン屋で食べると、友人知人からもらいまくったサービス券が十枚に達し、次回行ったときに胸を張って『ミソラーメンください!』といえるようになるのだ。一杯のミソラーメンのためには鬼となる男であった。とほほ。
貧すれば鈍すというか、雨まで降ってきた。とほほの自乗である。
ちなみにこのとき食したものは、別の店でぶつ定食七百円だった。うまいが、うむむ、家計が……。
アパート帰宅後計量:体重 75.0kg
わあい! 自業自得とはいえ、頭が……。
4月18日
起床直後計量:体重 74.2kg
目を覚ます。七時を回っている。こんなはずではなかったのに。しかしこんなときでも朝飯を作らなければならぬ。作って食べねば腹が減る。腹が減ると死ぬのである。死にたくはなくなってきているので解凍した鶏もも肉とキャベツの処理に頭を抱えることになる。
いつものごとくシリコンスチーマーで蒸すか。でも毎度毎度ではなあ。
……蒸す前にめんつゆをかけてみるのはどうだろう?
思い立ったらやってしまうのが得策である。孫子いわく「兵ハ詭道ナリ」「兵ハ拙速ヲ尊ブ」。やろうやろう。
まずはキャベツをざく切りにして、シリコンスチーマーの底にこれでもかとばかりに敷き詰める。その上になんとなくぶなしめじを散らす。最後に鶏肉を乗せ、電子レンジで……六分でいいかな。スタート。
その間に味噌汁を作る。具はねぎ。これでねぎは全部食べきってしまった。翌日までにキャベツを処分したら……豆腐屋も来ることだし、やってみようかな、あれを。なんでも寒くなるようだし。
まあそれはいいとして、味噌汁を作って椀に入れるまでに六分間は過ぎている。シリコンスチーマーをこたつに移し、味噌汁を持ってきて、今度は残りご飯を電子レンジで温める。その間にもキムチを小鉢に入れるのを忘れない。納豆を食いきってしまったことを忘れていたのである。マヌケ。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ねぎ)
蒸しもの(鶏もも肉、キャベツ、ぶなしめじ)
キムチ
グレープフルーツジュース(一ヶをまるしぼり)
問題は蒸しものだ。うまくいっていそうじゃないか。いい匂い。さてひと口。鶏肉は、まあ普通だな。キャベツは……。うまい。甘くてうまいし、めんつゆが染み込んだものはまたうまいし、底に溜まった、鶏の脂とめんつゆがマッチしたつゆにキャベツを浸して食べるとまたうまい。めんつゆ万能にもほどがある。
今にして思えば、蒸しものに輪切りのたかのつめを散らしておくんだった。反省。
よし、次の日もやるぞ。もも肉は高いから、安い胸肉かささ身を使うぞ。ビンボ。
最後に、デザート代わりにグレープフルーツジュースを。うまい。うますぎる。七十七円でこの満足感は大きい。同じ生の植物からのビタミン摂取でも、サラダは作るのがめんどくさいもんなあ。
洗濯をしてから図書館と実家へ。実家でネット三昧。ミクシィのアプリのゲームにはまってブログの更新に支障が出る。とほほ。
アパート帰宅後計量:体重 74.2kg
4月19日
起床直後計量:体重 73.8kg
朝だ。眠い。でも起きてしまったものはしかたがない。というわけで炊飯器に向かい、ご飯をほぐす。
今日は前日の成功に味を占め、「キャベツと鶏肉のめんつゆ蒸し」とでもいうものに挑戦してみることにする。すでに鶏肉は解凍済み……のはずだが、まだ溶け切っていないなこいつ。めんどくさいけど蒸せばなんとかなるだろう。
まだ残っているキャベツをざくざく切って、そこにぶなしめじもばらばら撒いて、めんつゆをかけ、鶏肉を乗せてはい準備完了。電子レンジで七分も熱すれば大丈夫だろう。その間に味噌汁を作り納豆を出し、キムチを小鉢に盛って味噌汁を作るのである。楽勝である。はずだ。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし)
蒸しもの(鶏むね肉、キャベツ、ぶなしめじ、たかのつめ(輪切り))
キムチ
納豆一パック
オレンジジュース(オレンジ一ヶをまるしぼり)
さて、蒸しものであるが、今回は、前回入れ忘れた唐辛子も入れてみた。楽しみである。
出来上がったものをひと口食べる。うーむ、ちょっと辛いな。たかのつめを入れすぎたらしい。まあわたしも辛いものは大好きであるが、この辛さには深みがない。どうせだったらにんにくも入れるべきだったか……って、今日も外出しなければならんのに、にんにくなど朝から食事に入れられるか!
まあ食えない味ではなかったので、納豆とキムチとともにがつがつ食べる。
さて、食後はデザート代わりに、オレンジを絞って飲むか。スーパーで一個五十八円だったのである。オレンジをふたつに割って、ジューサーで絞ると……うーむオレンジ一個ではコップ半分しかジュースが絞れないのか。大きさが違うから当たり前といえば当たり前だが、この量はちょっと残念である。……ということは、スーパーでよく売っている百パーセントオレンジジュースというものは。考えるとカロリー的に怖くなってきたので考えるのをよす。
今日は豆腐屋がやってくる日だ。前日はスーパーで安売りの塩鱈を買ってきたので、それを一切れ使って鱈ちりと行こうか。ポン酢もあるし。ということはキャベツではなんだから白菜が必要だな。高かったらねぎで代用しよう。ぶなしめじも投入しようかな。どんどん思考が主婦化していく今日この頃。
懐がヤバくなってきたので、リハビリ施設に行く前に、郵便局へ行こう。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
鱈ちり(塩鱈、豆腐、ねぎ、えのき、ぶなしめじ)
アパートに帰り、塩鱈を解凍していなかった自分に気がつく。バカかわたし。しかたがないから解凍と鍋の準備のため、鍋に張った水の底で眠っていてもらう。
スーパーでは白菜は高かったので、かわりに大量のねぎと、えのきを一パック買ったのだが、これでよかったのだろうか、と自問自答。
トラックで売りに来る豆腐屋が来たので、毎週楽しみにしている豆腐を買う。
この間に、いいかげん塩鱈も溶けたかな……って、溶けているわけがない。豆腐をこのままほっておいてもしかたがないから、大量のねぎとともに切って鍋に入れ、ついでにキノコも入れて、火にかける。タイミングがわからないから、とりあえず火は弱火。
たぎるまでとにかく煮よう、と、待つ。ひたすら待つ。延々と待つ。待ちくたびれて火を中火に。たぎってきたので、味と温度を見て、こたつの上に持って行く。下にはもちろん鍋敷きを敷く。
ねぎの残りを薬味にして、ポン酢の残りを全投入して、食べてみる。
わたし好きだったんだなあ、豆腐にねぎにポン酢……がつがつ食らう。鱈一切れと、豆腐一丁と、ねぎ三本にえのきにぶなしめじは食べすぎだと思います先生。
最後に残ったつゆで雑炊風にして食べるが、鍋のスープが余ってしまった。しかたがないので丼に移しかえ、冷蔵庫で保存。
食ったぜ……。
あまりの満腹感に体重を量るのをすっかり忘れそうになる。
就寝直前計量:体重 74.3kg
4月20日
起床直後計量:体重 73.8kg
朝食のメニュー。
雑炊(米飯(〇・五合)、ねぎ、前日の残りのスープ、味噌、卵一ヶ)
オレンジジュース(オレンジ一個をまるしぼり)
朝飯になにを作るか考えなくていい日は楽だ。というわけで雑炊を作る。何も具がないのは淋しいので、ねぎを一本ざく切りにして加える。味噌は一回投入したが味が薄かったのでさらに増量、再投入。それなりの味になり、ひたすらがつがつと食う。食わないと時間に間に合わんとほほほ。
オレンジジュースをしぼって飲むのもそこそこに、行ってきますであります。
百円ショップで味噌漉しを買う。おたまで味噌を溶くのがなんとも歯がゆいのだ。今晩さっそく使おう、と表向きはるんるん気分。だがしかし、舞台裏では家計簿がえらいことになっていた。うががが。
栄養士さんにこれまでのメニューを見せて相談。
「グレープフルーツをしぼるのはいいですけど、一回につき半分にしたほうがいいでしょうね」。酷ですとほほほ。半分だったらコップに三分の一くらいではないですかしくしく。
「一回に豆腐を一丁食べるのは食べすぎです」。だっておいしいんだもん。
「炒め物が多いですね。それと、肉を食べすぎではないですか。納豆もいっしょに食べていることだし、肉は控えたほうがいいでしょう」。酷だっうああああ酷だっ。
「緑黄色野菜も、にんじん以外になにか考えるべきですね」。その前にキャベツを食べきらせてくださいお代官様。
「全体的に、同じメニューが続いてしまうことがあるようですね。鶏肉、豚肉、魚肉とローテーションを組んで食べたほうがいいでしょう」。たしかにそれはそうですがうむむ。
「できれば食べた食材の重さを量ってもらえれば」。百円ショップに、安いハカリ、売っていたかなあ? それに、そこまでしたら、めんどくささのあまりにやる気が……。
などなど。まあ耳が痛いご意見が続いた。
というわけで、今回は、解凍してしまった豚コマ以外はごくシンプルに行く。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(こんにゃく、乾燥ワカメ)
炒め煮(こんにゃく、豚コマ、えのき、ねぎ)
納豆一パック
今回の主力はこんにゃくである。過去の戦訓で、こんにゃくはキムチとはさほど相性がよくないことがわかっているので、今回は新兵器のめんつゆで炒め煮にするのだ。こんにゃくからは水分が出るから、それを飛ばすという目的もある。いつもの通り、焦げ付かないと標榜しているフライパンを使うので、豚コマの脂以外は、油を使用しない。果たして成功するだろうかうむむ。
とりあえず炒める。なんとか形だけは出来上がる。皿に盛って、味噌汁に取り掛かる。こんにゃくと乾燥ワカメをだしに入れて煮る。ここで新兵器の味噌漉しを……うーむ、鍋が大きいのが災いして、味噌漉しがじゅうぶんだしにひたらない。これは盲点だった。それでもなんとか溶く。
さて、食べてみることにする。味噌汁をすする……ちょっと味噌を入れすぎた。でも、いつもに比べていくらか口当たりがなめらかであるような気がする。味噌漉しの力だろうか。よくわからん。
炒め煮のほうは、こんにゃくはもっと薄く切り、よく乾煎りして水分を飛ばしたほうがよかっただろうか。味がしみこんでいない、というより、こんにゃくだけ味が浮いている。豚コマとえのきとねぎはいい仕事をしてくれたのだが。今後の課題。こんにゃくはなかなかの難敵のようだ。
それでは、忘れていた食後の計量を。
食後計量:体重 75.6kg
エリ・エリ・ラマ・サバクタニ。(違うだろ)
4月21日
起床直後計量:体重 73.7kg
前日の朝より百グラム減った。ちょっとばかり気分がいいのでオレンジを一個絞って飲む。今日も元気だオレンジジュースがうまい。
今回は、かねてより計画していた作戦を実行に移すことにする。したがって、飯も炊いていなければスパゲティを使う気でもない。
本日の主役は、じゃがいもである。これをたっぷりのにんじんと、たっぷりの玉ねぎといっしょに、ピザソースをかけ、チーズを乗せてシリコンスチーマーで蒸そうという計画なのだ。チーズはけちらずに三枚投入。うむ。まずくなる理由が思い浮かばん。
ついでに、キャベツともやしが余っているのでそれを使って中華スープを作ることにする。
朝食のメニュー。
蒸しもの(じゃがいも二ヶ、にんじん半分、玉ねぎ四分の一、チーズ)
中華風スープ(キャベツ、もやし)
オレンジジュース(オレンジ一個をまるしぼり)
とりあえず野菜を切ることにする。じゃがいも、むくのがめんどうくさい。よく考えたら、前回、じゃがいもでチーズフォンデュをこしらえたときには、一回りくらい小さかったような気もする。二ヶも投入したのは戦力的に誤りだったか?
野菜と格闘の末、シリコンスチーマーに入れ、ピザソースをかけ、チーズを乗せて、レンジ投入。時間は迷ったが、五百ワットで十分あれば大丈夫だろう。
その間に、もやしとキャベツでスープを作る。異様に具だくさんである。「中華あじ」はひさしぶりの出番。めんつゆのほうが日本人むきだからなあ。
さて、できあがったものを食べてみる。うーん、ちょっとじゃがいもがあれだな。硬いかないくらか。チーズが……もっと投入するべきだったなあ。玉ねぎとにんじんは、まあこんなもんだろ。しかし、じゃがいもが多すぎた。次回やるときは一ヶにしよう。反省。
スープは……まあこんなものだね。キャベツがやたらと甘いな。芯に近いところを使ったからかな。
しかしそれにしても……蒸してチーズを溶かしたときは、シリコンスチーマーを洗うのがたいへんだなあとほほほ。
図書館へ寄って実家へ帰ってネットをやろう。
これでメモ帳が四冊目に突入した。もしかしたらわたし、むやみやたらと執念深い性格なのかもしれない。
ちょっと実家で食いすぎた。反省。とほほ。しかしそんなことに負けていたらこれからの人生どうなるっ、である。タフに生きられねば死ぬのみである。そんなことを極端にストレスに弱いわたしがいっても説得力はないが。
アパート帰宅後計量:体重 75.1kg
節食しよ……。
4月2日
いいかげん地震も収まってはくれないものか。こう、ひと月に何べんも、震度5クラスの地震が起きていたらおちおち眠ることもできない。土浦は震度3だったが、一昨年までとは重みがまったく違う。眠れん……と思っていたら道理で、昨晩寝る前に薬を飲み忘れた。いかん。
起床直後計量:体重 74.1kg
とりあえず朝食はすぐに作ってしまうことにする。シリコンスチーマーで鮭と野菜を蒸して、余りの野菜で味噌汁を作って、キムチと納豆を添えれば、あっという間に朝食の出来上がり。わたしはもしかしてマメな人間なのだろうか……絶対違うな。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし、玉ねぎ)
蒸しもの(塩鮭(甘塩)、キャベツ、もやし、玉ねぎ)
キムチ
納豆一パック
いつまでもじゃがいもの処分に困っている。そうだ。パンの耳に乗せるために買ってきたとろけるチーズがあるから、ベーコン……がないから豚コマといっしょに、じゃがいもに乗せて蒸してみるか。ついでに卵焼きかキムチチャーハンも作ってみよう。卵が残っているし。よしこれで今日の夕食決定。気宇だけは壮大な男であった……どこが壮大なんだ。
いつもどおり皿を洗って出撃。
午後遅く、豚コマの解凍を忘れていたことに気づく。バカである。かわりに行きつけのスーパーのパン屋でパンの耳発見。菓子パンと自販機のブラックコーヒーでカフェテラス気分にひたる。いつもながら思うのだが、この菓子パン代八十円をご飯にまわしたほうが経済的ではないだろうか。コーヒー七十円はいいとして。忘れずにピザソースも買う。小袋六袋入りで百七十八円也。
帰ってきて、計画を一部修正して料理に取り掛かる。料理とはいっても、シリコンスチーマーに大活躍してもらうのだが。
夕食のメニュー。
パンの耳 二十四枚
蒸しもの(ジャガイモ、キャベツ、玉ねぎ、チーズ)
まずはジャガイモ二個をむき、それぞれ八等分する。最初にやるべきことではないかもしれないが、わたしはめんどくさいことからやらないと必ず途中で飽きるタイプなのだ。次に玉ねぎを、半分にしてざくざく切る。それだけではなんとなくつまらないのでキャベツも三枚ほどざくざく切り、全部まとめてシリコンスチーマーに入れ、電子レンジで五分蒸す。
その間、パンの耳を食べながら待つ。やはり切りたては、パンの耳であっても小麦の風味がして実においしい。うーむ、この快楽を覚えてしまったらやめられん。
蒸しあがったら、蓋を開けてピザソースを塗り、その上にとろけるチーズを二枚敷いて改めて蓋をし、電子レンジで四分蒸す。こう書いていると、経験のもとに余裕でやっている、と思われるかもしれないが、マニュアルも何もなしで、即興で作っていたりする。まあ、キャベツと玉ねぎとジャガイモがピザソースやチーズに合わないわけがない、とも思うが、人生一寸先は闇、というのもまた真実なのだ。
その間パンの耳を食べながら待つ。やっぱりこの、「焼き立てを当日のうちに」というのが味と満足のもとなのだろうと思う。日本人なのだろうなあ。
蒸しあがったら、蓋を取り、チーズがよく溶けていることに満足しつつフォークで刺してひと口。思ったよりうまい。即興で作ったズボラ料理としてはなかなかではないだろうか。反省点としてはチーズを四枚ないし三枚にしたほうがよかったかもしれないが、血液検査でコレステロール値が高めに出てしまったのである。チーズは……うむむむ。うまい。コレステロールはどうだか知らないがうまい。
しかしそれにしても、思ったよりもうまいねこれ。でも人には見せられないね。シリコンスチーマーから直接食べているわけだから。まあうまいし簡単だし。また来週やろうかな。合間にパンの耳を。うむ。うまい。うますぎる。などと、士気を鼓舞しながら食べる。
パンの耳二十四枚および野菜の蒸しもの、完食。余は満足じゃ。満足したところで体重計に乗る。
食後計量:体重 75.3kg
微妙……。
チーズとソースでべたべたになってしまったシリコンスチーマーを漬け置き洗いしている間に「花のズボラ飯」二巻を読む。久住昌之先生、水沢悦子先生、この内容でこの展開は卑怯だ。泣きそうになってしまったではないか。早く三巻が読みたい。
4月3日
昔、「アニメイトカセットコレクション」というものがあって、そこで三石琴乃大先生が「朝起きたら夜だった」という名文句を吐いておられた。あんなバカゼリフを堂々とバカな役を演じきってしゃべれるとは、まさに天才である三石先生。
で、なにがいいたかったのかというと、寝ぼけて目覚ましを止めてしまったのか、起きる時間がやたらと遅かったということである。わはは。
起床直後計量:体重 74.3kg
普通に味噌汁を作ってシリコンスチーマーで蒸し野菜を作る、というのも考えたが、チャーハンを作る前提で冷蔵庫の中のものをスタンバイしていたから、今さら変更も効かない。かくして、第一次チャーハン会戦が始まる。史書にはそう書かれている。
朝食のメニュー。
チャーハン(米飯(〇・五合)、もやし(ひとつかみ)、玉ねぎ(四分の一ヶ)、豚コマ(七十グラム)、卵(一ヶ))
中華スープ(乾燥わかめ(ひとつまみ)、卵(一ヶ))
まずはもやしと玉ねぎと豚コマをみじん切りにする。なんで起きられなかったこのやろうこのやろうとやっていたらすぐにみじん切りができる。暴力的な頭で庖丁を使うと人間、獣性が出る。
ご飯を温める。温めたご飯に卵を落とし、卵ご飯にしてチャーハンを作ると、ご飯粒がくっつかないとかいう情報を信じたので、やってみる。
えーと、何から炒めるんだっけ……と思ったが、寝ぼけた頭がうまく働かない。まあ適当でいいや、と、乱暴にも油をひいたフライパンに、「全部まとめて」ぶち込んでひたすら炒める、という暴挙に出る。
本来だったらキムチを投入してキムチチャーハンにするところだったが、野菜を入れたのでどうでもよくなってしまい、キムチチャーハンの代わりに万能中華調味料「中華あじ」をどばっと投入して味付けする。
「味をみる? できんよ、こわくて……」などとエリア88の参謀みたいなことを呟いてひたすら炒め、塩コショウして、皿に盛る。心なしかべちゃっとしているような……。
気を取り直してスープを作る。乾燥わかめは椀に一杯の水でもどしてある。切るのがめんどうくさかったから直接鍋に入れ、火にかける。ただのわかめスープではつまらないから、もうひとつ卵を割り入れ、彩りと蛋白源にする。味付けはもちろん、「中華あじ」である。これで一袋使い切ったので、ほっとする。袋だから使いにくくてしかたなかったのだ。瓶を買ってあるので、これからは瓶にして、適宜詰め替えて使うことにしたい。
完成したから食べてみることにする。チャーハンは……やっぱりべちゃべちゃであった。でもこれって、うまくない? うまいよなうんうん、などといいながら元気に残さず食べる。スープはちと味が薄かったが、まあこんなもんだろう、と思いつつ飲む。
やはり朝に温かい食事はいいものだ。これからの皿洗いのことを考えなければ非常にいいものだ。とほほほ。
大嵐が来るとか聞いていたので半ば恐れをなしたまま外出。あっとご飯を仕掛けておかなくては。
なんとか大嵐になる前に帰ってこられた。それにしても某ダイソーで買ったポンチョ、まったくといっていいほど役に立たない。ゴミ箱に放り込み、次は普通にレインコートを買うと誓う。
夕食を作る。塩鮭を解凍しておいたからそれを使って、と。味噌汁の具は……もやしとこんにゃくがあるからそれでいいや。でも、こんにゃくを味噌汁に投入すると余るな。さてどうするか。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし、こんにゃく)
蒸しもの(塩鮭、キャベツ、こんにゃく)
キムチ
納豆一パック
こんにゃくの半分を薄切りにして味噌汁に投入。ついでにもやしも投入。とっておいた煮干のだしを加え、後はいつもの通りに味噌汁を作れるよう、みそをスタンバっておく。易きに流れる男である。
残りのこんにゃくはこれまた薄切りにしてシリコンスチーマーに敷き詰め、上にざく切りしたキャベツを載せ、醤油をかける。その上に塩鮭を乗せ、レンジで……七分もあればいいかな。と、適当に何の根拠もなく設定する。
キムチと納豆を用意し、後はご飯が炊けるのを待つだけである。適当にウーロン茶を飲み飲み待つ。
果たしてこんにゃくは蒸してもうまいのか。人類が未踏の世界にまた一歩足を踏み入れるチャレンジャー。
結論。蒸してもこんにゃくはこんにゃくだった。この独自路線を貫く態度はさすがであるこんにゃく。キャベツもキャベツだったし、塩鮭も塩鮭だった。まあそれなりに食えたからいいんじゃないのか。武田信玄公もいっているとおり、「勝ちは七分をもって上とす」である。
さて、体重計に乗ってみるか。
食後計量:体重 76.3kg
前日のチーズとじゃがいもとパンの耳のせいか、本日の朝のチャーハンのせいか、食事時にがぶがぶ飲んだウーロン茶のせいか、戦犯はどいつだあ!
4月4日
昨晩はさっさと寝たせいか、六時に起きても身体が軽い。身体は軽いが体重にそう変化がないことも経験上明らかである。もう何キログラムだろうとわたしは驚かないぞ、と思いながら体重計に乗る。
起床直後計量:体重 74.0kg
おおっ、けっこういい線ではないか。七十三キログラム台まであと一歩である。なんか領土問題でもめている国家みたい。
鼻歌を歌いながら朝食を作る。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし)
蒸しもの(塩鮭、とろけるチーズ二枚、もやし、キャベツ、玉ねぎ)
キムチ
納豆一パック
蒸しもののところに書いてある、とろけるチーズ二枚というのは別に書き間違いでもなんでもない。塩鮭にチーズを乗せてシリコンスチーマーで野菜といっしょに蒸せばうまいかな、という単なる思いつきである。思いつきで発言したり行動したりするのは、人文学の徒の得意技である。
味噌汁はいつものとおり、冷蔵庫で一晩寝かせた煮干のだしでもやしを煮、味噌を溶きいれるという、ほとんどインスタント・ミソ・スープの世界である。
さて食べてみよう。いちおうスチーマーは五百ワットのレンジで七分間蒸した。
塩鮭は……うーん、チーズとの相性がいいね。しかし、ちょっとしょっぱいかな? よく考えたら、チーズにも塩って入っていたな。確か。鮭の塩との相乗効果で、きつくなったのかなあ。まあ、ごはんのおかずだし、許容範囲だなもぐもぐ。今度やるときはとろけるチーズ一枚でやってみよう。野望がふくらむ男であった。塩をしていない普通の白身魚を買ってきて、チーズを乗せて蒸すとか、あっピザソースを塗ってもうまいかもしれん。……妄想力に果てしのない男である。
勝ちは七分をもって上となす。いい言葉だぜ信玄公。
さて洗濯だ。洗濯モードに入っているからしなければまずいのだが、風は今日になれば止むと思っていたのに。雲ひとつない空とまぶしい太陽を見つめながら、部屋に洗濯ロープを張って部屋干しする。とほほほ。
さて、スマホを買いに行くぞ。行くったら行くぞ。突貫!
突貫した結果、スマホを手に入れる。まだ使い方もなにもわからないので、とりあえず充電し、アパートに戻ってからじっくり遊ぶ、いや練習するつもりで、実家のPCでネット。スマホを買うときにいろいろと説明を聞いたせいもあり、時間が押していて、ブログ巡回途中でコメントもできずにPCを離れなくてはならなくなった。とほほ。
とにかくアパートへ帰ってまずやったことは、自分のブログの確認だった。
なぜだ……なぜ出てこんのだ、リンク! これでは巡回など及びもつかないので、また実家へ帰ったら、リンク集の日記を更新することにしよう。とほほ。
そして、さあコメントの返事を書こう……と思った時点で「すぐに充電してください」のマークが。あれ? したはずなのに……と、いろいろ考えた末、「電源を切らないと充電器に挿しても充電モードにならない」らしい、ということに気づく。そういうことはマニュアルにきちんと書けよ! と怒りながら、疲れたので寝る。寝る前に体重を量るのを忘れるところだった。
アパート帰宅後計量:体重 75.4kg
4月5日
この日は朝からスマホと格闘。とにかくキー操作に慣れなくては、と文字を打つ練習、すなわちコメント返信に没頭する。
返信していて思ったのだが、もしかしてわたし、一日二食しか食べていないのでは、と深刻な誤解をしているかたがおられるのではないか。大丈夫である。きちんと昼も食べている。リハビリ施設の昼食は、栄養満点であるし、味もそれほど悪くない。病院食ではあるが。実際に自分で作った食事でないと書いても意味がないだろう、ということで省略しているだけである。実家に戻ったときは昼も夜も食べているし。もし、一日二食であのメニューだったら、わたしはダイエットの前に栄養失調で点滴生活だ。誤解を招いたらごめん。
さて、時間を忘れてスマホに夢中になってばかりいてもしかたがないので朝食を作る。冷蔵庫から適当に……キャベツと玉ねぎでいいや。解凍した豚コマを、キムチの残りと炒めて、キャベツと玉ねぎの味噌汁とともにご飯をいただく。よし。これでいいだろう。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(キャベツ、玉ねぎ)
キムチ炒め(キャベツ、玉ねぎ、キムチ、豚コマ)
ここいらへんで三分クッキングというわけではないが、わたしの味噌汁について。だし。これは煮干で取る。だしの取り方はかんたんで、お椀一杯分の水に煮干を二匹入れて一晩以上冷蔵庫で寝かせる。これだけ。そんなズボラな方法でだしが取れるのか、といいたくなるかたもいるかもしれないが、わたしの使っている味噌はだし入りではない無添加のものなのだ。ざく切りにした野菜をこの汁で煮て、この味噌を溶くだけでそれなりの味の味噌汁を楽しんでいるのだから、心配されるには及ばない。問題があるとすれば、煮干を水に入れるのを忘れて寝てしまったときは、翌朝に地獄を見ることになることだが。なにしろ味の素の瓶がないもので。中華あじはあるけど。
とりあえず食って、スマホと格闘して、食器を洗って、スマホと格闘して、外出。
スーパーで買い物をしていると、今日が木曜日だったことを思い出す。豆腐屋が来る日である。鍋といえば湯豆腐が真っ先に頭に浮かぶ人間だから、当然のごとく湯豆腐のことしか考えられなくなる。そうだ昆布を買わなければ。カット昆布お徳用二百五十八円。ゲットだぜ! ついでにニラも買う。キャベツはまだ残っているが、明日の朝には食ってしまおう。白モツ……が売っていないから安売りのホルモンを買って、ミツカン追いがつおつゆを買って、唐辛子を勝って、にんにく……は使い切れないからチューブ入りのやつを買って、と。翌日夜の臨戦態勢はバッチリである。モツ鍋一直線である。なぜそこまで考えるのか、というと、わたしは湯豆腐が大好きだからである。
アパートに帰り、豆腐屋のトラックを待つ。来た見た買った。あらかじめ昆布を漬けておいた水の中に豆腐一丁を入れ、そのまま火をつけて待つ……のだが、どれだけ待ったらいいのかわからない。ねぎを刻んで薬味にし、冷蔵庫から醤油とポン酢を出す。そうこうしているうちに鍋が沸いてくる。まだかな、まだかな、もういいや、と鍋をこたつに持って行き、さっそくスプーンでひとすくいして醤油とねぎで食べる。
うまい。
さて、ご飯を温めるか。……ここで、賢明なる読者諸君は、疑問を抱くであろう。ほかのおかずはどこなのか? と。
お答えしよう。わたしは湯豆腐が大好きだ。湯豆腐の鍋があれば、半合のご飯くらい、おいしくいただけてしまうのである。
江戸時代、質素倹約を旨としたなんとか藩の殿様は、自分の食事に贅沢なものがあることを嫌い、飯と豆腐しか食べなかったといわれる。ちなみに、その殿様は名君といわれたが、早死にしたそうである。その例に倣いたくはないので、翌日はモツを食べて精力というか元気をつけよう、という作戦だ。
豆腐とだしがらになった昆布を食べ終わった後に、昆布の味が染みた汁をご飯にかけ、ポン酢をかけてさらさらと雑炊のようにいただく。至福の境地である。煮る時間が足りなかったのか、豆腐がちょっと中が冷たかったのがなんであるが……。まあいい。これから改善すればいいだけの話だ。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
湯豆腐(豆腐一丁、昆布、ねぎ)
雑炊の後も汁がうまそうだったので、醤油やポン酢で調味してスープのように飲み、気がつけば鍋一杯を飲み干していた。わたしはどこまで貧乏人なんだ。
食後計量:体重 75.8kg
そりゃああれだけ飲めば体重もねえ……。翌日は朝食からカロリー多めのヘビー路線で行くか。
4月6日
起床直後計量:体重 74.0kg
昨晩は遅くまでスマホでブログの巡回をしてしまった。皿を洗ったのは十一時半過ぎ。我ながら自制心がないというか、ひどいものだ。悪魔の箱というか悪魔の薄板である。というか一日に二回も充電するというのはユーザーとしてどうよ、だ。電池パックは消耗式なのに。
まあいいか、と朝食の支度。高カロリー高たんぱく作戦で行く。
朝食のメニュー。
スパゲティペペロンチーノ(スパゲティ百グラム、玉ねぎ二分の一ヶ、ペペロンチーノ用シーズニングミックス)
卵焼き(卵一ヶ、塩こしょう)
半熟ゆで卵(卵一ヶ)
まずはスパゲティをゆでる。今使っている鍋ではゆでるのには小さすぎ、ふきこぼれないように見張っていなくてはいけないのだが、ガス台の性能が性能だからずん胴鍋を買うわけにもいかない。ゆでるついでにゆで汁にスライスした玉ねぎも入れてしまう。いいじゃん死ぬわけじゃないし。
七分間ゆで、玉ねぎとスパゲティを油を敷いたフライパンに移す。このときゆで汁でシーズニングミックスを溶いておく。後は炒めるだけだ。そういえば、実家で、火を止めた後、スパゲティのゆで汁に卵を放り込んでゆで卵を作っていたなあ、と思い出し、真似してやってみる。……鍋の大きさがまるで違ったため、卵に水が半分くらいしかかからないことが判明。しかたないから、スパゲティを炒めて皿に盛ってから、水を加えてさらに火をつけて卵をゆでる。二度手間だとほほ。
もそもそと箸でスパゲティを食らう。このビンボくささがこのスパゲティにはぴったりだ、と思う。これを食っていると大学のころを思い出すのだ。あのころはすべてに絶望していたっけなあ……。
食っているうちに、そろそろ卵もゆで上がっただろう、と鍋を横に置き、ガス台に火をつけ、フライパンに油を敷かないで、塩こしょうした溶き卵を投入。鼻歌を歌いながら卵焼きを作る。卵がさっきのシーズニングミックスと油を吸ってくれるので、片づけが楽になる……と、どこかの本で読んだ気がするのだが。まあいいや。
卵焼きを食らう。やっぱり味付けしていると違うね。
余熱で卵がどうなったかな、と思い、引っ張り出して冷水につけ、殻のてっぺんを砕く。うまくいっているみたいだ。さっそくスプーンを持ってきて殻の中に突っ込み、中の白身と黄身をすくっては食べすくっては食べする。
至福……。
などと書いているうちにもリハビリ施設へ行かねばならぬ時間が来てしまった。このままでは遅刻だ!
リハビリ施設で過ごしてからアパートへ帰る。
ところで……人間は、「魂の味」というものをひとつふたつは持っていると思う。味だとか、栄養価とかは別個にして、それが人生の年輪に深くうがたれた傷のように、生涯ついてまわる「味」が。
わたしの場合、それが今日作る「モツ鍋」であった。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
モツ鍋(白モツ(ただしホルモンで代用)、キャベツ、ニラ、にんにく、輪切り唐辛子、めんつゆ)
ノンアルコールカクテル(ノンカロリー)
「覚えても絶対に役に立たない三分間クッキング」の時間です。今回は、「大学でやることなすことダメだったうえに人間関係ですら孤立していたときに作ってみたらうまかったモツ鍋」を作ってみましょう。
作り方は。まず、めんつゆを用意します。それを水で割るなりなんなりして、適量、鍋に注ぎます。そこに、モツと、ざく切りにした大量のキャベツと、適量のにんにくと唐辛子を入れます。にんにくは今回はチューブ入りのすりおろしを使いましたが、普通ににんにくを潰すなり切るなりして鍋に入れてもかまいません。今回は、うーん、どちらも大量ですねえ。チューブなんか、こんなに使っていいのか、やけになっているんじゃないのかこいつ、というくらい入れております。
蓋をして、ごくごく弱いとろ火にします。そのまま三十分以上煮ます。要するに放っておくのです。こんなのばっかりだなお前、などといってはいけません。最低限の動きだけで、後は機械だのガスだのが全部やってくれる、というのがいいのであります。ズボラなので。
適当なところでざく切りにしたニラを投入します。今回はスーパーから百二十七円で買ってきたニラを全部投入します。いい忘れていましたが、先に投入するキャベツもそれに見合うだけの量を用意しましょう。
ご飯が炊けるまで、ひたすらぼーっとして待ちます。
ご飯が炊けたら、そろそろいいでしょう。鍋を火から下ろし、熱いうちに食べます。七味を振ろうが、料理酒を入れようが、さらに醤油を加えようがかまいません。塩分過多といわれようが、食いすぎといわれようが、ニラとキャベツとモツをどっさり食べてください。汁にはご飯をぶち込むとおいしいですが、あまり使わないで、半分くらいは残しておきましょう。次の朝に、残りのご飯で雑炊を作るためです。そのためには、卵を一ヶ用意しておく、くらいの周到さも欲しいところですね。
にんにくが効いてきた。トイレ行こう。
食後計量:体重 75.4kg
皿を洗ったら、風呂に入って寝るか……。ちなみにあの鍋には地獄の罠があり、鍋の温度がまだ高いうちにぬるま湯かお湯で洗わなければ、がちがちにこびりついた肉の脂をこそげ落とすのがたいへんなのであった。とほほほ。
4月7日
起床直後計量:体重 73.9kg
一見、体重がいきなり減ったようにも見えるが、それはにんにくの偉大な力であって(以下略)。
とりあえず前日の鍋の残りの汁に冷や飯をどかっとぶち込んで火にかけ、煮立ったところで卵を入れて、丼に移し変えてがつがつと食らう。もしかしたらあの鍋のいちばんうまいところはここかもしれない。これを食べていると、あの昔の将来が真っ暗だったころが思い出されてくるのだ。詳細は書かない。人には隠したいこともあるのだ。
朝食のメニュー。
雑炊(前日の鍋の残り汁、米飯(〇・五合)、卵)
とりあえず実家に帰るか……。
4月8日
とにかく実家に帰ると食ってしまう。食ってしまうのである。人間、目の前に食べ物があると残さず食べてしまうように進化の過程でデザインされているのである。
おそるおそる体重計に。
アパート帰宅後計量:体重 73.9kg
なぜ減っているのだ……? これはリバウンド星人の罠に違いない。真の戦いは明日からなのだ。
豚コマを解凍。がんばろ。
4月9日
昨晩は不覚を取ってしまった。就眠前の薬を飲み忘れたのだ。道理で寝つきが悪いと思った。
起床直後計量:体重 73.3kg
七十二キロ台まであとわずかだ。でもドイツ軍のモスクワ侵攻みたいに寸前で挫折しそうな予感も。
豚コマと野菜を蒸すか、と思っていたところ、思いがけぬ伏兵が。そうだった、スーパーの三十八円の豆腐を買ってしまっていたんだっけ。賞味期限は明日だが、こういうものは早く食わないと。
冷蔵庫にはねぎが……豆腐の半分はねぎといっしょに味噌汁にするか。
ほかには、キムチ、とろけるチーズ……。
そのとき、電撃のようにわたしの脳細胞で一本の糸がつながった。キムチと豆腐と豚コマを乗せたスチーマーの上にチーズを乗せて蒸す。イメージとしてはすごくうまそうだ。
やってみよう。
生卵を卵かけご飯にまわして、と。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(豆腐、ねぎ)
蒸しもの(キムチ、豚コマ、ねぎ、豆腐、チーズ)
生卵一ヶ
で、トライしてみた。うーむ、なんというか、その、努力は認めるけど、うむ、惜しいね。惜しい。物足りないね。
と、はなはだ不満足に食べていたが、ふと思いついて醤油をたらしてみた。
数倍うまくなった。うむ。これなら。合格。うむ。いける。もうちょっと早く思いついていればねえ。
でもしばらくはやらない。スチーマーを洗うのがえらく大変だったからである。
洗濯をしてから外出。いい天気だったし。
リハビリ施設でリハビリして飯食って、帰宅後家賃を不動産屋に持って行く。
しまった、豚コマも塩鮭も解凍していない。
そのとき、わたしの脳裏に昔さんざん歌った歌が。
♪ 水をお鍋に八分~ おだしの豚を入れて~ ♪
名曲、「キャンプ料理」である。このレシピに基づいて味噌汁を作る。背に腹は換えられん。
豚コマはそれでいいとして、おかずは……卵だな。卵三個を溶いた中に「中華あじ」と塩こしょうを振りいれてフライパンで焼けば、中華風のオムレツみたいになるのではないか。
やってみよう。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
豚汁(豚コマ、にんじん、ぶなしめじ)
卵焼き(卵三ヶ)
納豆一パック
ノンアルコールカクテル カシスオレンジ味
やってみた。豚汁は、これなら普通に煮干で味噌汁作ったほうがうまい、と思える味だった。「キャンプ料理」、もう信じないぞ。
卵焼きは、食えなくはなかったが、振り入れた調味料が少なかったのか、ぼやけた味になってしまった。ついでに焦げが苦かった。
まあ、満腹したのでノンアルコールカクテルを飲む。というより、ノンアルコールカクテルとして売るより、普通にソフトドリンクとして売ったほうがいいんじゃないかなあ、これ。わたしは好きな味だし、ゼロカロリーだし、普通に売ってくれればなにも人目を気にすることも……。
食器を洗ってからひたすらスマホで遊ぶ。三百五十回の充電で電池がダメになる、といわれているのに日に三回も充電しているわたし、やっぱりやりすぎ?
就眠前計量:体重 74.0kg
4月10日
起床直後計量:体重 72.8kg
七十二キロ台突入。とはいえ戦線は体脂肪軍にに押し返されるんだろうな、と思いつつ朝飯を作る。ちょっとだれてる。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ぶなしめじ)
蒸しもの(キャベツ、にんじん、塩鮭)
キムチ
とりあえず惰性で解凍した塩鮭を、惰性で刻んだにんじんとキャベツの上に乗せ、惰性でチン。その間に味噌汁をこしらえ、キムチを小鉢に盛り、ご飯を電気釜から丼に移す。
黙々と食べる。食べた後はスマホを使ってブログの更新。遊びすぎて、缶ごみを出し忘れる。次の回収日は二週間後。
……携帯でブログの更新なんかするもんじゃない、早く胸を張ってネットにつなげる身分になりたいな、と思いつつ外出。眠い。
なんとなく眠くてふらふらしながら帰り、それでもスマホの電池が切れかかるまで遊んでから夕食をこしらえる。このころにはけっこう元気になっていたりする。夜型なのだろうか。
冷蔵庫を見ているうちに頭の中でなにかがひらめく。そうだ。卵もめんつゆも玉ねぎもあり、納豆がない今は、親子丼のチャンスじゃないのか? 鶏がないから卵丼か。そう思いながら冷蔵庫を見ていたら、「ミートボール」が残っていたことに気づく。これも立派な鶏肉だ。いけるじゃん親子丼。レシピは、確か「花のズボラ飯」の二巻にあったな。
でもそうすると、解凍した塩鮭は……食っちゃえ食っちゃえ! なぜか気分が高揚している。寝ぼけているらしい。
夕食のメニュー。
親子丼(米飯(〇・五合)、卵二ヶ、玉ねぎ二分の一ヶ、ミートボール一袋)
蒸しもの(塩鮭、キャベツ、にんじん)
味噌汁(ぶなしめじ)
思ったのだが、ガスコンロが一台しかないと、味噌汁を平行して作るときに非常に不便である。シリコンスチーマーの使用が異様に多いのも、レンジを使えるのでコンロが空くから、という理由が大半である。
いつかはコンロが二台ある生活に……上を望むときりがないのでできることをやる。
まずは鮭と野菜を入れたシリコンスチーマーをレンジにかけてから、ぶなしめじで味噌汁を作り、鍋をどけておく。試行錯誤の始まりである。それからフライパンにめんつゆを……しまった計量カップがない。適当に入れよう。今度のつゆは濃縮タイプだから三倍に薄めて……適当に水を入れる。砂糖はないので飛ばす。ミートボールのソースがそれを埋め合わせる甘さになるのではないかなあ(希望的観測)。沸騰させてから、玉ねぎと肉を入れる、と。どうせミートボールはそのままでも食べられる加熱調理済みだからなんとかなるだろう。弱火にしてじっくり煮、火が通ったら溶き卵を二回に分けて入れ、火を止めて待てば……びしゃびしゃだが大丈夫なのかこれ。余熱で卵を固まらせている間にご飯をチンする。フライパンをご飯の上にひっくり返して中のものを……うわっ底に卵がへばりついている、なんてもったいない。とはいいつつも、親子丼は……びしゃびしゃ。まあいい、食ってうまければ勝利だ。味噌汁を温めなおして、と。
なにも期待せずにいただく。
味噌汁は……ちと味が薄い、いや、温めなおして味噌とだしの味のバランスが壊れてしまったのか? ということは、前日の豚汁の失敗も、「♪ みそみそみそをとき ♪」の後の「♪ ぐらぐらぐらららら ♪」で煮立ててしまったから失敗したのか? まあいいや。この次やったときに轍を踏まねばいいだけだ。親子丼は、うん、まあ、いけるね。意外とミートボールがいい味出してるね。うん。うん。あとはこのびしゃびしゃをなんとかするだけだね。塩鮭と野菜は、うん、安定した味。今回の作戦は……。
「実質的勝利」だね。この言葉を発明したシミュレーションゲームのデザイナーには、ノーベル前向き賞をあげたい。
食後計量:体重 74.7kg
風呂にも入ったし、寝るか……。
4月11日
起床直後計量:体重 73.6kg
朝食のメニュー。
冷凍グラタン一ヶ
キムチ
面倒くさくなってきたのか、冷凍グラタンとキムチで軽いにもほどがある朝食。
実家に帰り、反動かやたらと食う。
この日はアパートに帰る予定だったが、雨足があまりにもひどくなったので一泊することにする。
4月12日
実家で朝食。それにリハビリ施設のいつもの昼食に加え、ついスーパーで買い食いを。いかんなあ。
この日は木曜日で豆腐屋がやってくる日である。買ったねぎを刻んで薬味にする準備は完璧。喉の渇きを覚えて、百円ショップで買ってきた手絞りのジューサーで、スーパーで買ってきた一ヶ八十七円のグレープフルーツを絞って飲む。うまい。グレープフルーツは、食べるのが面倒くさいが、これならはるかに楽である。またやろう。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
冷奴(豆腐一丁、ねぎ)
味噌汁(ねぎ)
食後計量:体重 74.4kg
4月13日
なんとなく疲れ気味。眠さのあまり、布団でうだうだを楽しむ……冷静に考えたら、そんな暇なんてないよ! これから外出しなくては!
無理やり起床。もう八時前だ。どうするわたし。
起床直後計量:体重 73.0kg
解凍しておいた鶏肉と、買い込んだねぎを使ってなにか作るか。というと、発想はひとつである。ねぎと、ついでにぶなしめじを、鶏もも肉といっしょにシリコンスチーマーに入れてチンである。これで主菜はオーケー。味噌汁は……ねぎばかりというのも芸がないから、キャベツだな。あとはキムチと納豆を食べれば……。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(キャベツ)
蒸しもの(鶏もも肉、ねぎ、ぶなしめじ)
キムチ
納豆一パック
味噌汁をひとすすりした後、鶏肉にいってみる。下味もなにもつけていない。鬼と出るか蛇と出るか。
うまい。下味をつける必要はなかった。そのままでいける。
野菜は……うーん、ちょっとなんだな。味が薄い。醤油をかけてみるか。うん。けっこういける。
後は一気に食らう。食らうといったら食らう。ごちそうさまでした。さて、皿を洗って、薬を飲んで……飲んだら眠くなる。ちょっと横に。
気がついたら時計の針は無情にも。とほほ。行ってきますであります。
この日は実家に帰った。
4月14日
この日は自炊的にはなにも書くことはない。人間、易きに流れるものである。
4月15日
この日も自炊的にはなにも書くことがない。人間(以下略)
アパート帰宅後計量:体重 74.9kg
4月16日
起床直後計量:体重 73.4kg
体重を量るや否やグレープフルーツを絞って飲む。頭すっきり。
鼻歌を歌いながら朝食を作る。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(キャベツ、玉ねぎ)
蒸しもの(鶏もも肉、ねぎ、にんじん)
納豆一パック
グレープフルーツジュース(一個をまるしぼり)
鶏もも肉は蒸すことと見つけたり。いや、ジューシーで柔らかくてうまい。またスーパーでもも肉を買ってくることを決意。
味噌漉しが欲しくなる今日この頃。その前にフックだな。
スーパーへ行ったら、低温殺菌牛乳がない。どこに行ったのかと思ったら、五百ミリパックで百五十八円に変わっていた。わ、わたしを殺す気かスーパー。
とりあえず一パック買う。喉が乾いたのでそのまま休憩所で飲む。ストローで飲んでも、あまりあの甘さは感じられなかったとほほ。
リハビリ施設で午後を過ごし、疲れきって帰る。
アパートでグレープフルーツをまる絞りにして飲む。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ねぎ)
蒸しもの(塩鮭、チーズ、キャベツ、玉ねぎ)
納豆一パック
食後計量:体重 75.6kg
グレープフルーツのせいだな……。
4月17日
起床直後計量:体重 74.0kg
前日、ネットで調べ物をしていたせいで七時過ぎに起床。ごはんはとっくに炊けている。これからどうするかについてだが……豚コマは解凍してある。キムチも残っている。納豆も卵も野菜もある、ときたら、豚コマキムチがすぐに連想されるが、そういつもいつも同じおかずを作っていていいものだろうか。それに、こっちには新兵器の「めんつゆ」があるのだから、使い慣れておかなければまずいだろう。早く使いきってしまいたいものでもあるし。
方針を転換する。豚コマとキャベツとにんじんを、めんつゆをかけて炒め、溶き卵を入れよう。世の中、和風だ和風!
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ねぎ)
豚肉と野菜の卵炒め(豚コマ、にんじん、キャベツ、卵二ヶ)
キムチ
グレープフルーツジュース(一ヶをまるしぼり)
納豆は出すのを忘れる。しかし、これだけ役者が揃っていれば、納豆には別に出てきてもらうこともないだろう。
さて、問題は野菜炒めのほうだ。「めんつゆ」の使い方のどこを見ても、「炒める場合」についての希釈率は書かれていない。カンだ。カンだけで全部やるのだ。
と、いうわけで、わたしはキャベツとにんじんをざく切りにし、解凍した豚コマといっしょにフライパンに入れ、その上から適当にめんつゆをかけ、炒めてみた。焦げ付かないフライパンという文句を信じて、油は投入しない。これでほんとうに炒められるのか。この作戦が失敗したら、時間的に別のものを作り直している暇はないぞ!
炒めているうちに、炒めているのか煮ているのかわからなくなる。めんつゆはそう簡単に水気を失ってくれないし、野菜からも水分が出るのだ。なるほど、よくリハビリ施設の昼食に出てくる「炒め煮」とはこれのことなのか、と妙なことに納得。違うかもしれないが。
いいかげん火も通ったろう、というところで、卵を投入。溶くのを忘れたので、フライパンに落としてから箸で潰す。ここらへんはもうなにも考えている余裕はない。卵がいい具合に固まったところで、ひと口味見。まあ、こんなものか。とりあえず皿に移し、味噌汁を作り始める。味噌汁についてはいつもやっていることなので詳述しない。今日の具はねぎである。
キムチを小鉢に盛り、ご飯をよそい、味噌汁を椀に入れてこたつの上に並べる。なかなかいい面構えのチームである。問題は実力のみだ。勝敗を決するのはうまいかまずいかでしかない。
食べてみる。まあこんなもんか。なかなかいけるんじゃないの。飯にかけて親子丼風に食べるのもいいかな、ちょっと苦味があるのはなぜだろう? などと考えながら完食。
最後に、最近の食後の楽しみである、グレープフルーツをジューサーで絞る。コップに移して、ときどき種や繊維を吐き出しつつ飲む。思うのだが、グレープフルーツをまる一個しぼっても、コップを満たすことすらできないということは、われわれが常日頃飲んでいるグレープフルーツジュースというのは……。怖い考えになってきたからやめる。
皿を洗って外出。わはは、もうリハビリ施設の開始時刻を大幅に過ぎているぞ。こんなことでいいのかわたし!
スーパーで買いだめしておくか、と、果物売り場に行ったら、グレープフルーツは一ヶ百二十七円にまで値上がりしていた。口惜しいが手が出ない。まあ、明日があるさ……。
夜は友人に、相談したいことがあって外食の予定。なんとか、近くのラーメン屋のギョーザ定食五百八十円にまで抑えておきたいところだ。それに、今日あのラーメン屋で食べると、友人知人からもらいまくったサービス券が十枚に達し、次回行ったときに胸を張って『ミソラーメンください!』といえるようになるのだ。一杯のミソラーメンのためには鬼となる男であった。とほほ。
貧すれば鈍すというか、雨まで降ってきた。とほほの自乗である。
ちなみにこのとき食したものは、別の店でぶつ定食七百円だった。うまいが、うむむ、家計が……。
アパート帰宅後計量:体重 75.0kg
わあい! 自業自得とはいえ、頭が……。
4月18日
起床直後計量:体重 74.2kg
目を覚ます。七時を回っている。こんなはずではなかったのに。しかしこんなときでも朝飯を作らなければならぬ。作って食べねば腹が減る。腹が減ると死ぬのである。死にたくはなくなってきているので解凍した鶏もも肉とキャベツの処理に頭を抱えることになる。
いつものごとくシリコンスチーマーで蒸すか。でも毎度毎度ではなあ。
……蒸す前にめんつゆをかけてみるのはどうだろう?
思い立ったらやってしまうのが得策である。孫子いわく「兵ハ詭道ナリ」「兵ハ拙速ヲ尊ブ」。やろうやろう。
まずはキャベツをざく切りにして、シリコンスチーマーの底にこれでもかとばかりに敷き詰める。その上になんとなくぶなしめじを散らす。最後に鶏肉を乗せ、電子レンジで……六分でいいかな。スタート。
その間に味噌汁を作る。具はねぎ。これでねぎは全部食べきってしまった。翌日までにキャベツを処分したら……豆腐屋も来ることだし、やってみようかな、あれを。なんでも寒くなるようだし。
まあそれはいいとして、味噌汁を作って椀に入れるまでに六分間は過ぎている。シリコンスチーマーをこたつに移し、味噌汁を持ってきて、今度は残りご飯を電子レンジで温める。その間にもキムチを小鉢に入れるのを忘れない。納豆を食いきってしまったことを忘れていたのである。マヌケ。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(ねぎ)
蒸しもの(鶏もも肉、キャベツ、ぶなしめじ)
キムチ
グレープフルーツジュース(一ヶをまるしぼり)
問題は蒸しものだ。うまくいっていそうじゃないか。いい匂い。さてひと口。鶏肉は、まあ普通だな。キャベツは……。うまい。甘くてうまいし、めんつゆが染み込んだものはまたうまいし、底に溜まった、鶏の脂とめんつゆがマッチしたつゆにキャベツを浸して食べるとまたうまい。めんつゆ万能にもほどがある。
今にして思えば、蒸しものに輪切りのたかのつめを散らしておくんだった。反省。
よし、次の日もやるぞ。もも肉は高いから、安い胸肉かささ身を使うぞ。ビンボ。
最後に、デザート代わりにグレープフルーツジュースを。うまい。うますぎる。七十七円でこの満足感は大きい。同じ生の植物からのビタミン摂取でも、サラダは作るのがめんどくさいもんなあ。
洗濯をしてから図書館と実家へ。実家でネット三昧。ミクシィのアプリのゲームにはまってブログの更新に支障が出る。とほほ。
アパート帰宅後計量:体重 74.2kg
4月19日
起床直後計量:体重 73.8kg
朝だ。眠い。でも起きてしまったものはしかたがない。というわけで炊飯器に向かい、ご飯をほぐす。
今日は前日の成功に味を占め、「キャベツと鶏肉のめんつゆ蒸し」とでもいうものに挑戦してみることにする。すでに鶏肉は解凍済み……のはずだが、まだ溶け切っていないなこいつ。めんどくさいけど蒸せばなんとかなるだろう。
まだ残っているキャベツをざくざく切って、そこにぶなしめじもばらばら撒いて、めんつゆをかけ、鶏肉を乗せてはい準備完了。電子レンジで七分も熱すれば大丈夫だろう。その間に味噌汁を作り納豆を出し、キムチを小鉢に盛って味噌汁を作るのである。楽勝である。はずだ。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし)
蒸しもの(鶏むね肉、キャベツ、ぶなしめじ、たかのつめ(輪切り))
キムチ
納豆一パック
オレンジジュース(オレンジ一ヶをまるしぼり)
さて、蒸しものであるが、今回は、前回入れ忘れた唐辛子も入れてみた。楽しみである。
出来上がったものをひと口食べる。うーむ、ちょっと辛いな。たかのつめを入れすぎたらしい。まあわたしも辛いものは大好きであるが、この辛さには深みがない。どうせだったらにんにくも入れるべきだったか……って、今日も外出しなければならんのに、にんにくなど朝から食事に入れられるか!
まあ食えない味ではなかったので、納豆とキムチとともにがつがつ食べる。
さて、食後はデザート代わりに、オレンジを絞って飲むか。スーパーで一個五十八円だったのである。オレンジをふたつに割って、ジューサーで絞ると……うーむオレンジ一個ではコップ半分しかジュースが絞れないのか。大きさが違うから当たり前といえば当たり前だが、この量はちょっと残念である。……ということは、スーパーでよく売っている百パーセントオレンジジュースというものは。考えるとカロリー的に怖くなってきたので考えるのをよす。
今日は豆腐屋がやってくる日だ。前日はスーパーで安売りの塩鱈を買ってきたので、それを一切れ使って鱈ちりと行こうか。ポン酢もあるし。ということはキャベツではなんだから白菜が必要だな。高かったらねぎで代用しよう。ぶなしめじも投入しようかな。どんどん思考が主婦化していく今日この頃。
懐がヤバくなってきたので、リハビリ施設に行く前に、郵便局へ行こう。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
鱈ちり(塩鱈、豆腐、ねぎ、えのき、ぶなしめじ)
アパートに帰り、塩鱈を解凍していなかった自分に気がつく。バカかわたし。しかたがないから解凍と鍋の準備のため、鍋に張った水の底で眠っていてもらう。
スーパーでは白菜は高かったので、かわりに大量のねぎと、えのきを一パック買ったのだが、これでよかったのだろうか、と自問自答。
トラックで売りに来る豆腐屋が来たので、毎週楽しみにしている豆腐を買う。
この間に、いいかげん塩鱈も溶けたかな……って、溶けているわけがない。豆腐をこのままほっておいてもしかたがないから、大量のねぎとともに切って鍋に入れ、ついでにキノコも入れて、火にかける。タイミングがわからないから、とりあえず火は弱火。
たぎるまでとにかく煮よう、と、待つ。ひたすら待つ。延々と待つ。待ちくたびれて火を中火に。たぎってきたので、味と温度を見て、こたつの上に持って行く。下にはもちろん鍋敷きを敷く。
ねぎの残りを薬味にして、ポン酢の残りを全投入して、食べてみる。
わたし好きだったんだなあ、豆腐にねぎにポン酢……がつがつ食らう。鱈一切れと、豆腐一丁と、ねぎ三本にえのきにぶなしめじは食べすぎだと思います先生。
最後に残ったつゆで雑炊風にして食べるが、鍋のスープが余ってしまった。しかたがないので丼に移しかえ、冷蔵庫で保存。
食ったぜ……。
あまりの満腹感に体重を量るのをすっかり忘れそうになる。
就寝直前計量:体重 74.3kg
4月20日
起床直後計量:体重 73.8kg
朝食のメニュー。
雑炊(米飯(〇・五合)、ねぎ、前日の残りのスープ、味噌、卵一ヶ)
オレンジジュース(オレンジ一個をまるしぼり)
朝飯になにを作るか考えなくていい日は楽だ。というわけで雑炊を作る。何も具がないのは淋しいので、ねぎを一本ざく切りにして加える。味噌は一回投入したが味が薄かったのでさらに増量、再投入。それなりの味になり、ひたすらがつがつと食う。食わないと時間に間に合わんとほほほ。
オレンジジュースをしぼって飲むのもそこそこに、行ってきますであります。
百円ショップで味噌漉しを買う。おたまで味噌を溶くのがなんとも歯がゆいのだ。今晩さっそく使おう、と表向きはるんるん気分。だがしかし、舞台裏では家計簿がえらいことになっていた。うががが。
栄養士さんにこれまでのメニューを見せて相談。
「グレープフルーツをしぼるのはいいですけど、一回につき半分にしたほうがいいでしょうね」。酷ですとほほほ。半分だったらコップに三分の一くらいではないですかしくしく。
「一回に豆腐を一丁食べるのは食べすぎです」。だっておいしいんだもん。
「炒め物が多いですね。それと、肉を食べすぎではないですか。納豆もいっしょに食べていることだし、肉は控えたほうがいいでしょう」。酷だっうああああ酷だっ。
「緑黄色野菜も、にんじん以外になにか考えるべきですね」。その前にキャベツを食べきらせてくださいお代官様。
「全体的に、同じメニューが続いてしまうことがあるようですね。鶏肉、豚肉、魚肉とローテーションを組んで食べたほうがいいでしょう」。たしかにそれはそうですがうむむ。
「できれば食べた食材の重さを量ってもらえれば」。百円ショップに、安いハカリ、売っていたかなあ? それに、そこまでしたら、めんどくささのあまりにやる気が……。
などなど。まあ耳が痛いご意見が続いた。
というわけで、今回は、解凍してしまった豚コマ以外はごくシンプルに行く。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(こんにゃく、乾燥ワカメ)
炒め煮(こんにゃく、豚コマ、えのき、ねぎ)
納豆一パック
今回の主力はこんにゃくである。過去の戦訓で、こんにゃくはキムチとはさほど相性がよくないことがわかっているので、今回は新兵器のめんつゆで炒め煮にするのだ。こんにゃくからは水分が出るから、それを飛ばすという目的もある。いつもの通り、焦げ付かないと標榜しているフライパンを使うので、豚コマの脂以外は、油を使用しない。果たして成功するだろうかうむむ。
とりあえず炒める。なんとか形だけは出来上がる。皿に盛って、味噌汁に取り掛かる。こんにゃくと乾燥ワカメをだしに入れて煮る。ここで新兵器の味噌漉しを……うーむ、鍋が大きいのが災いして、味噌漉しがじゅうぶんだしにひたらない。これは盲点だった。それでもなんとか溶く。
さて、食べてみることにする。味噌汁をすする……ちょっと味噌を入れすぎた。でも、いつもに比べていくらか口当たりがなめらかであるような気がする。味噌漉しの力だろうか。よくわからん。
炒め煮のほうは、こんにゃくはもっと薄く切り、よく乾煎りして水分を飛ばしたほうがよかっただろうか。味がしみこんでいない、というより、こんにゃくだけ味が浮いている。豚コマとえのきとねぎはいい仕事をしてくれたのだが。今後の課題。こんにゃくはなかなかの難敵のようだ。
それでは、忘れていた食後の計量を。
食後計量:体重 75.6kg
エリ・エリ・ラマ・サバクタニ。(違うだろ)
4月21日
起床直後計量:体重 73.7kg
前日の朝より百グラム減った。ちょっとばかり気分がいいのでオレンジを一個絞って飲む。今日も元気だオレンジジュースがうまい。
今回は、かねてより計画していた作戦を実行に移すことにする。したがって、飯も炊いていなければスパゲティを使う気でもない。
本日の主役は、じゃがいもである。これをたっぷりのにんじんと、たっぷりの玉ねぎといっしょに、ピザソースをかけ、チーズを乗せてシリコンスチーマーで蒸そうという計画なのだ。チーズはけちらずに三枚投入。うむ。まずくなる理由が思い浮かばん。
ついでに、キャベツともやしが余っているのでそれを使って中華スープを作ることにする。
朝食のメニュー。
蒸しもの(じゃがいも二ヶ、にんじん半分、玉ねぎ四分の一、チーズ)
中華風スープ(キャベツ、もやし)
オレンジジュース(オレンジ一個をまるしぼり)
とりあえず野菜を切ることにする。じゃがいも、むくのがめんどうくさい。よく考えたら、前回、じゃがいもでチーズフォンデュをこしらえたときには、一回りくらい小さかったような気もする。二ヶも投入したのは戦力的に誤りだったか?
野菜と格闘の末、シリコンスチーマーに入れ、ピザソースをかけ、チーズを乗せて、レンジ投入。時間は迷ったが、五百ワットで十分あれば大丈夫だろう。
その間に、もやしとキャベツでスープを作る。異様に具だくさんである。「中華あじ」はひさしぶりの出番。めんつゆのほうが日本人むきだからなあ。
さて、できあがったものを食べてみる。うーん、ちょっとじゃがいもがあれだな。硬いかないくらか。チーズが……もっと投入するべきだったなあ。玉ねぎとにんじんは、まあこんなもんだろ。しかし、じゃがいもが多すぎた。次回やるときは一ヶにしよう。反省。
スープは……まあこんなものだね。キャベツがやたらと甘いな。芯に近いところを使ったからかな。
しかしそれにしても……蒸してチーズを溶かしたときは、シリコンスチーマーを洗うのがたいへんだなあとほほほ。
図書館へ寄って実家へ帰ってネットをやろう。
これでメモ帳が四冊目に突入した。もしかしたらわたし、むやみやたらと執念深い性格なのかもしれない。
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~ Comment ~
すみません。大変、笑わせていただきました。
すばらしい、ダイエット日記っすね!
っていうか、自炊、スゴイじゃないすか!!!
あれですよ。
野菜と汁ものでお腹をいっぱいにすれば良いんすよ。
春って、特に、冬に貯め込んだ老廃物を排出せねばならん時期ですから、酢! とか、柑橘系の果物とか、ふきのとうのような苦味成分を取って、身体を綺麗にしませう!
ふふふふ。
っていうか、自炊、スゴイじゃないすか!!!
あれですよ。
野菜と汁ものでお腹をいっぱいにすれば良いんすよ。
春って、特に、冬に貯め込んだ老廃物を排出せねばならん時期ですから、酢! とか、柑橘系の果物とか、ふきのとうのような苦味成分を取って、身体を綺麗にしませう!
ふふふふ。
Re: レルバルさん
運動するのがイヤだから、食事でなんとかしようとしているのであります(^^;)
運動するのが好きだったら、こんなオタクになどなっていなかったものを(笑)
運動するのが好きだったら、こんなオタクになどなっていなかったものを(笑)
- #7816 ポール・ブリッツ
- URL
- 2012.04/24 07:05
- ▲EntryTop
Re: tomokoさん
おお、それは大発見であります!
有意性が確認されたらシステムを突き止めてノーベル賞をぜひ(^_^)/
有意性が確認されたらシステムを突き止めてノーベル賞をぜひ(^_^)/
- #7815 ポール・ブリッツ
- URL
- 2012.04/24 06:59
- ▲EntryTop
自炊、頑張っていらっしゃいますね!
ポール様ファンのウオッチャーとして気が付いたのですが、
ポール様が納豆を食された日にアップされるお話は、何故か私好みで心に沁みるんです…。
統計学的有意性を確認したいと思っております。
ポール様ファンのウオッチャーとして気が付いたのですが、
ポール様が納豆を食された日にアップされるお話は、何故か私好みで心に沁みるんです…。
統計学的有意性を確認したいと思っております。
- #7811 tomoko
- URL
- 2012.04/23 20:19
- ▲EntryTop
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Re: fateさん
それにしても実家で食べる野菜料理はうまいですねもぐもぐ。わたしも修行しなくちゃなあ……。