自炊日記(ノンフィクション)
自炊日記・その4
4月23日
起床直後計量:体重 73.6kg
スーパーで買い込んできたイワシをなんとかしなければならない。いやびっくりするくらい安かったんですから奥様。とりあえず、開いてわたを取って、塩コショウを振って蒸してみよう。いくらなんでも、火を通せば食えないこともあるまい。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
蒸しもの(イワシ一尾(60グラム)、もやし四分の一袋、長ネギ一本、塩コショウ)
味噌汁(もやしひとつかみ、味噌大さじ一杯(ただし計量用のスプーンではない))
オレンジジュース(オレンジ一個をまるしぼり)
さて、問題のいわし。……うん。うん。食えない味ではないな。むしろ、イワシらしくてうまいじゃないか。レベルがひとつ上がった感じである「ゆうしゃは いわしの たべかたを おぼえた! ゆうしゃは レベルが あがった!」
夕飯にはもっとレベルを上げてやろう。
喉が痛い。風邪かよおい。こんな時期に風邪は困るんだが……。外出。
リハビリ施設から帰ってくる。おやつにトマト(百グラム)をひとかじりしてから、スマホでネット検索して、煮魚のだいたいの作り方を頭に入れる。えーと、しょうがと、梅干しと……まあ適当にやるか。こちらにはめんつゆもあるし。
洗ってわたを取ったイワシを鍋に入れ、梅干しと、ショウガと、希釈しためんつゆを入れ、しばらく煮る……おおっうまくいきそうではないか。けっこう楽だったりする?
と思ったときにはすでに敵の思わぬ反攻があった。鍋がこげついたのだ。慌ててめんつゆと水を入れる。
一安心……かと思ったらさらに鍋がこげつく。もういいや、これだけ煮れば食えるだろう、と鍋から引き上げ、泣きそうになりながら食べる。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(長ネギ一本、すりごま)
煮魚(いわし一尾(60グラム))
納豆1パック(40グラム)
ものすごく濃い味を想像していたのだが、食べてみると、意外においしいではないか。ご飯のおかずにはなかなかいける。いわしと納豆だけでご飯をたいらげてしまった。人間、やってみるものである。
食後計量:体重 74.4kg
4月24日
起床直後計量:体重 74.4kg
喉が痛くて、体からどこか力が抜けるような感じがする。風邪だろうか。まあなんとかなるだろう、ということで、リハビリ施設に行ってみることにする。(それが大きな誤算だったことはすぐにわかるのだが)
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(玉ねぎ60グラム、にんじん40グラム、味噌大さじ一)
イワシ煮魚一尾(60グラム)
納豆一パック(40グラム)
トマト一ヶ(100グラム)
オレンジジュース(オレンジ一ヶまるしぼり、約100ミリリットル)
風邪っぽいのをビタミンCで退治だ! 今日は施設で「肉じゃが」の作り方の実地演習があるのだ! 行かずにいくものか! (というのが大きな誤算だったのがすぐにわかる)
リハビリ施設に行く。身体からの脱力感がひどい。頭も痛くなってきた。典型的な風邪である。ふらふらになってアパートへ。何しに行ったんだわたし。
アパートへ帰ってから、冷蔵庫の中の野菜をありったけぶち込んでミソラーメンを作り、即座に寝てしまうことにする。
夕食のメニュー。
インスタントミソラーメン(ラーメン一袋、玉ねぎ60グラム、長ネギ一本、えのき三分の一パック(?)、にんじん40グラム)
トマト(百グラム)
オレンジジュース(オレンジ一ヶまるしぼり、100ミリリットル)
食後計量:体重 74.7kg
こうして後から書いていると、もしかしたらわたしは律儀な性格なのかもしれない、と思う。
4月25~30日
この間は実家に帰っていたため、自炊のネタは残念ながらない。
5月1日
ずーっと実家で療養していたわけだが、まあ三日もするとROMくらいできるようになり、五日もするとがらがら声ながらショートショートを書けるくらいには回復するのである。というわけでひさしぶりにアパートに戻ってきたが、いや、汚いね。自業自得とはいえ、見るのがつらい。煮干のだしなんか、一週間前のものだぜ! 怖いので捨てる。もったいない。
近くの百円ショップに行ったら、見切り品であろうグレープフルーツが、二個で百五円で売っていた。安いので買う。今日明日とジュースにして飲んでしまえばいいのだし。なによりも風邪にはビタミンCだ。
ついでにレトルトカレーを買ってくる。ご飯を炊いて、カレーをかけて、卵を落としてソースをかけて夕飯にする。いいじゃないかうまいんだから。明日の朝は、ジャガイモとにんじんを細かく切って、チーズとピザソースを乗せてレンジで蒸して食べるか。これで食べきれるし。……と思っていたら納豆も残っていたのだった。ジャガイモとにんじんはおかずに回す。納豆の賞味期限は、やったぜ昨日だ! 明日は半分やけでご飯を食べよう。ジャガイモから芽が出てやがるよとほほほ。
まあ、明日はいいとして、問題は今日だ。味噌汁が使えない以上……「中華あじ」でスープを作るか。具はわかめ。ついでにゴマをひとさじ入れよう。
夕食のメニュー。
カレーライス(レトルトカレー(220グラム)、米飯(〇・五合)、卵(一ヶ)、ウスターソース適量)
中華風スープ(わかめ、ごま大さじ一、中華あじ適量、醤油適量)
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ一ヶをまるしぼり、200ミリリットル)
それを食べ終わったら……あれだな。体重。体重計に乗るのは、実に一週間ぶりである。テーマ音楽とともに、『あなたの知らない世界』が始まっちゃったりして。あの番組、いつ終わったんだろう?
体重を量る前に、このグレープフルーツジュースを飲ませてくれ。
食後計量:体重 74.7kg
風邪で失ったカロリーは全回復したようである。
5月2日
起床直後計量:体重 74.2kg
まあ実家へ帰る前よりはいくらか減ったかな……って、二百グラムしか減っていないではないか。まあ、食えるだけ食って寝ていれば、体重がそれほど増えるわけもないよな。
朝の気持ちいい光を浴びながら……なんだ曇り空か。曇り空でも、朝飯を作らねばならない。
冷蔵庫を開いて愕然とする。煮干を水に入れていない! 頭の中にホラー映画によく出てくるパイプオルガンの曲が流れてくる中、必死で善後策を探す。和風だし、和風だし……中華あじくらいしかないがどうするか……。
よし、この前、湯豆腐を作ったときに使った昆布があるから、それでだしを取ってみよう。食い物である以上、食えないということはあるまい。とはいえ、昆布って、どうやってだしを取るんだろう?
わからなかったので、とりあえず鍋に水を張り、カット昆布一枚を沈める。
ええと、じゃがいもがあったはずだよな、と思って野菜棚をひょいと見れば、じゃがいもの芽が大きくなっている。これは今日食わなければ、捨てることにもなりかねん。じゃがいも二ヶを食べてしまおう。ついでににんじんも食べてしまおう。
味噌汁の具は……そうだ切り干し大根がある。買ったままで、開けていないのだ。あとなんだっけ。そういや、栄養士からゴマを食えともいわれていたな。
タンパク質は納豆とチーズで……。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(昆布一枚、切り干し大根5g(乾燥時)、味噌大さじ一、すりごま小さじ一)
蒸し物(じゃがいも200g(合計)、にんじん60g、チーズ35g、ピザソース25g)
納豆一パック(40g)
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ一ヶをまるしぼり、約200ミリリットル)
とにかくじゃがいもはたいへんだ。芽を落として皮をむくのは、朝やるものじゃないなあ、と思いつつも、包丁をつかってごりごりむき、小さめに切ってスチーマーに入れる。ついでににんじんも小さめに切ってスチーマーに入れる。チーズを上に載せて、ピザソースを塗って、と。
電子レンジに入れ、「あたため」ボタンを押す。これは失敗だったことが後でわかる。
さて、その間に、味噌汁の方はどうなっているかな、昆布のだしは出ているかな、と味を見ようと思うが……本格的に使ったことがないからどうしようか悩む。懊悩の末、わたしは鍋に放り込んでおいた、水で膨れた昆布を食べてみた。ほとんど味はしなかった。よし、だしが出た証拠だ、と勝手に納得、コンロに火をつけて切り干し大根を適当に入れて煮る。すぐに沸騰したので、火を止めて味噌を溶き、どきどきしながら味を見ると……。
うまい。
投入した切り干し大根のせいか、甘くてうまい。わたし、こんな贅沢な味噌汁飲んでいいんでしょうか、と叫びたくなる。煮干とは違ったうまさのある味噌汁である。
鼻歌を歌いながら椀に注いでコタツに持っていく。レンジのほうでも芋が出来上がっていたようで、取り出してコタツへ。また、昨日の残りご飯をレンジで温める。その間に納豆を取り出して……。なかなか壮観ではないか、ふっふっふっ、と含み笑いをする。
ご飯が温まって、どんぶりに移し、いただきます。
スチーマーのふたを開けると、溶けたチーズが、小口切りにされたじゃがいもとにんじんに、ソースとともにからんでうまそうである。端のほうを食べると、うん、ほくほくしておいしい。よし、今度は内側の、チーズがよくからんでいるやつを……。
生煮え。
とはいっても食えない味ではなかったので我慢して食べる。ほくほくしたじゃがいもは、ピザソースやチーズとよく合うが、今回は、蒸し時間が足りなかったようだ。機械任せは、特にワンタッチの機械任せは危険だ。人生なにごとも勉強である。
納豆と味噌汁がうまかったのでもとは取れた、と考えるのが精神衛生的にもベストだろう。
百円ショップの見切り品のグレープフルーツ、早く食べないといけないような気がしたので、今すぐにジュースにしぼって飲んでしまうことにする。とはいえ、200ミリリットルはよく考えたら牛乳瓶一本分ではないか。ふいに自分がなにか非常に後ろめたいことをしている気分になる。
気分をリラックスさせるため200ミリリットルを飲んでしまう。まあ、今度から半分にしよう。ダメなやつの常套句である。
薬を飲むと眠くなったが、とにかく皿を洗って日記を書いて、これから風邪の細菌を追い出すために大掃除……。
とほほほ。
疲れ切ったので実家に帰ることにする。どうせこれからゴールデンウィークだし。パソコンしたいし。ロボ・ウォーズは面白いし。
ほんとダメ人間だなわたし! しかしこういうダメ人間でも開き直ればいくらでも生きていけるのだよ、とつぶやきながら本日を終わる。うううう。
5月3日~6日
実家に戻っていたため自炊の参考になることはとくになし。
アパート帰宅直後計量:体重 74.2kg
体重記録用のメモ帳を実家に忘れてくる。体重同様、進歩のない男である、つくづく。
5月7日
起床直後計量:体重 73.3kg
体重を量った後で、顔を洗い、頭をすっきりさせるべくグレープフルーツ半個をしぼって飲む。もとが小さかったこともあり、涙が出てくるような量しか取れない。しくしく。
で、まあ、今日の朝飯であるが。白菜とえのきを買ってきたため、解凍した鶏の胸肉といっしょに蒸すことにする。味付けはめんつゆ。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやしひとつかみ)
蒸しもの(白菜、鶏胸肉こま切れ60グラム、えのき50グラム)
納豆一パック(40グラム)
グレープフルーツジュース(半個をしぼる。100ミリリットル未満?)
トマト一ヶ(100グラム)
ちょっと蒸しものの味付けに使うめんつゆが多かった。でもまあいいや……いやよくない。薬味に唐辛子を使うのをすっかり失念。とほほ。
デザートにさっぱりしたものが欲しくなってトマト一個をまるかじり。うまい。が、もしかしてこれもオーバーカロリーなのか? 緑黄色野菜だからいいのだ、と、無理やり自分を納得させるのだが。
本日の夕飯のおかずはちょっと冒険をしてみたい。ぬた、すなわち野菜の酢味噌和えを作ろうと思うのである。手持ちの武器は味噌とすし酢に、野菜のにらとわけぎ。果たしてどうなることやら。
リハビリ施設に行く時間だ。急いで布団を畳んで外出だ!
にらとわけぎのぬたに、納豆でも食べるか、と思っていたが、リハビリ施設で、畑で作ったほうれん草を売りつけられて方針転換。鍋だ今日は鍋だ。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
豚肉とほうれん草の鍋(カット昆布一枚、豚コマ(凍結時100g)、ほうれん草(約120g)、えのき(約40g)、ポン酢)
豚コマはとりあえず解凍する。自然解凍だが、朝に解凍しておかなかったからなかなか溶けてくれない。
その間に、鍋に昆布と水を入れておいておく。適当な時間が来たら、昆布を引き揚げて食べてしまう。こんなことやっているから悪食だのなんだのいわれるのである。
腹が減っていらいらしてきたので、昆布を引き揚げて鍋に火をつける。そこに半解凍どころかほとんど凍っている豚コマを投入。ここらへんですでに間違っている気がするが、なんでもいいからやっちゃえである。
豚コマがほぐれたところで、鍋はアクだらけになっている。アクもそのまま食ってしまう中華料理に倣おうかとも思ったが、まあここは日本なのでアクを適当にすくい、捨てる。
入れたらうまいだろう、以外は栄養価も何も考えずにえのき投入。
えのきを煮ている間に、米飯をレンジにかけて温める。さらにほうれん草をよく洗ってざくざく切り、鍋にどばっと。いいかげんにもほどがある料理である。というか、これ、料理なのか? 深刻な実存的疑念を抱きつつまな板を見ると、あはは、真っ黒だ。よく洗ったつもりでも、けっこう泥が残っていたらしい。
……レンジが鳴り、ご飯をよそい、鍋を鍋敷きの上に乗せ、ポン酢を用意して、いざ。
ほうれん草がうまい。豚肉がうまい。えのきがうまい。ついでにご飯がうまい。しまった、ここは百円ショップでポン酢を買わずに、たとえ倍の値段でも普通のミツカンとかのポン酢にしておくんだった、とちと後悔。それでも食う。安い男である。
ご飯を平らげ、ほうれん草と豚肉とえのきを食らい、上澄みをポン酢で割ってスープのように飲んでからひと息。
ああ食った食った余は満足じゃ。
鍋を洗うと、底に砂利というか土が……。正露丸を飲んでおくか。
食後計量:体重 75.2kg
食いすぎらしいとほほほ。
5月8日
起床直後計量:体重 73.6kg
朝起きてまずは顔を洗い、グレープフルーツ半個をしぼって飲む。今日も朝から元気だぜ。ちなみに、元気だけれどやる気はゼロに近い。
塩鮭は解凍しておいたものの、なにを作るか決めていなかったが、もやしとえのきがわたしに「さっさと使え」といっているような気がしたので、使うことにする。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし(40g)、えのき(30g)、みそ大さじ一、すりごま小さじ一)
蒸しもの(塩鮭一切れ、もやし(40g)、えのき(30g))
納豆一パック(40g)
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ半個をしぼる)
トマト(100g)1ヶ
覇気の感じられないメニューである。卵がやたらと残っているので卵を食べたらよさそうなものだが、なんとなく気分が乗らない、
いつものごとく、シリコンスチーマーと鍋でなんとかする。ズボラである。
今日こそはにらとわけぎでぬたを作ろう、と心に決める。できるかなわたしに。心底不安だ。
というわけで帰宅後、にらとわけぎでぬたを作る。やりかたはよくわからんが、とにかくにらとわけぎを酢味噌であえればいいんだろ。
おやつがわりにトマト(100g)をひとかじりして料理開始。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし(60g)、すりごま)
にらとわけぎのぬた(にら40g、わけぎ40g、すし酢適量、みそ適量)
納豆(40g)
ゆで卵一ヶ
この場合の適量とは、適当な量、の略である。意味は説明するまでもあるまい。
まず、にらとわけぎを袋から出す。根本を落としてざくざくと切る。べつの碗ですし酢で味噌を溶き、鍋に移したにらとわけぎにざっとかけてひたすらあえる。ここで鍋を使ったのは、ボウルがどこかへ行ってしまったからである。高かったのに。百円ショップで。
こんなことでうまくなるのか、と思ってひと口味見。
う、うまい。そういや最近、生野菜はトマトくらいしか食べてないなあ、自炊では。
それにしてもたっぷりできてしまった。納豆とこれだけで一食たいらげられるんじゃないのか?
さっそくやってみる。とはいえ、わたしも味噌汁は飲みたい。ご飯を温めている間に、今日で賞味期限のもやしを使い、味噌汁を作る。栄養的にも味的にも、最後にゴマを入れるとうまいことがわかったので、ひとさじ最後に加える。
いただきます。がつがつと食う。いけるな、にらとわけぎのぬた。今度は普通の長ねぎでやってみようか。
ごちそうさま、とした後でもなんとなく腹がさびしいのでゆで卵を一個食べる。これだから太る。
恐怖の計量タイム。
食後計量:体重 74.9kg
うむむむ。前日よりは減っているとはいえ、微妙な数字だ……。
5月9日
起床直後計量:体重 73.5kg
ご飯を炊いておかなかったのでスパゲティをゆでることにする。
朝食のメニュー。
スパゲティペペロンチーノ(スパゲティ100g(乾燥時)、にら40g、サラダ油適量、シーズニングミックス適量)
目玉焼き(卵二ヶ、ウスターソース適量)
トマト(100g)一ヶ
グレープフルーツジュース(半ヶぶんをしぼる)
目玉焼きを作ったのは、なんとなくたんぱく質に不安を抱いたからである。食物繊維は、ニラを食べたからなんとかなるかな、くらいの気持ちで。
それだけでは口の中が油っぽいので最後にデザート代わりにトマトをまるかじり。
薬を飲んだら眠くなり、しばしうとうとと。
荷物を置きに実家へ帰る。昼夕と食事をし、風呂に入って帰ろうか、というところでとんでもない雨に。結局一泊する。雷がどかどか落ちているので、それによりパソコンが壊れたときのことを考えると、とても電源を入れられない。結局電源を切ってコードを全部抜く。とほほほ。
5月10日
アパートに帰って、グレープフルーツ半分をしぼって飲む。ちょっとだけ頭すっきり。荷物を整理して、さて出発するとするか。
今日は冷奴とねぎのぬたでご飯をいただくつもりだったが、タイミング悪く行きつけのパン屋でパンの耳を見つけたので買ってしまう。あそこの店のパンの耳は麻薬的な味がするのである。くそう、パンの耳だけ三十円とかいうコースはないのか。そのほうが個人的にはいいのに。くやしいから、実力を見てやる! とばかりにえいと六枚切りのパンを買ってしまう。ここまで来たら止まらない。オレンジママレードと、ピザ用チーズを買い、ついでに百円ショップでカットパインとグレープフルーツの見切り品にメモ帳をゲット。
ここまで買い物をしてしまうとは、よほど憤懣が溜まっていたらしい。
アパートへ戻るや否や、パンの耳をトースターで焼き始める。何度食べても、さくさくしていてうまい。そのまま食べても、ママレードをつけて食べてもうまい。今回はちょっと気が向いたので、おろしにんにくの残りをほんのわずかパンの耳に塗って焼いてみた。
ガーリックトースト風味でなかなかいける。ポイントとしては、にんにくの量は耳かき一杯分くらいのごく少量にとどめておくことだろうか。香りがつけばいいのだから。
夕食のメニュー。
パンの耳二十四枚(約200g)
オレンジママレード適量
おろしにんにく適量
コンビーフ一缶(100g)
カットパイン四切れ(パイナップルの四分の一カット)
まるで朝食みたいな夕食。食べ終わってから携帯でブログの更新をする。
さて、問題の体重だ。そうとう増えているであろう。なんとなく怖い。
食後計量:体重 74.0kg
自分の体重の変化がよくわからん。
5月11日
起床直後計量:体重 72.6kg
ようし順調だ。この調子で行く。
前日、六枚切りだと思って買ったパン、実は五枚切りだったことが判明。ガチガチの八枚切り主義者であるわたしとしてはちとがっかり。
ピザ用チーズを買ってあるので、細かく刻んだわけぎと一緒にパンに乗せ、インスタント・ピザ・トーストといってみるか。
いってみるかもなにも、やることはわけぎを刻むこととオーブントースターのスイッチを入れることだけだから、ズボラにもほどがあるのだが。
焼いている間、緑黄色野菜と、頭をすっきりさせる刺激が欲しかったのでトマトをかじる。トマト好きに産んでくれた両親に感謝。
一枚をいただく……うん。うまいね。和風でなかなか。でもちょっと足りないような……もう一枚いこう。ダメ人間である。
たんぱく質の補給もしなければ、と、卵をゆでる。そうなると果物も欲しくなる……どんどんダメ人間に磨きがかかる。
結局のところ、グレープフルーツまでしぼって飲んでしまった。
朝食のメニュー。
ピザトースト(パン二枚(80g×2)、わけぎ二本(20g)、ピザ用インスタントチーズ適量)
トマト(100g)一ヶ
ゆで卵一ヶ
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ半個をしぼる)
結論。パンもパンでよし。
結論が出たところで、前日からハマっている「倉庫番」の続きを……いやだめだ、あれは悪魔のソフトだ!
あっゴマを食べるの忘れた。
明日から大阪旅行である。体力がいる長旅である。というわけで、体力をつけるために、食パン二枚にピザチーズとわけぎをたっぷり乗せて飯にすることにする。
それだけではさすがに足りないのでトマトを二個ほどかじる。
それだけでもさすがに足りなかったので切り干し大根で味噌汁を作って、ゴマひとさじを入れて飲む。この味噌汁がいちばんうまかった。日本人らしい。
結局のところ。
夕食のメニュー。
ピザトースト二枚(食パン(80g)二枚、チーズ約30g、ソース適量、わけぎ20g)
トマト二ヶ(一ヶあたり80g、計160g)
味噌汁(切り干し大根5g、味噌適量、ゴマ適量)
いいのか、ここはご飯をがっちり食べるべきではないか、という考えが頭をかすめるが、みんなパンの耳を売っていたパン屋がいけないんだ、と開き直る。
食後計量:体重 73.8kg
よーし明日と明後日は食えるだけ食うぞー。予算五千円の範囲内でー。
……みじめ。
5月12日
起床直後計量:体重 72.5kg
パンのほうがやせるのだろうかわたし。まあいいや。外食をしすぎると太ることは経験ずみなので今朝は軽く。
朝食のメニュー。
ピザトースト一枚(パン(80g)、ピザチーズ16g)
トマト(80g)二ヶ
グレープフルーツジュース(半個をしぼる)
切り干し大根の味噌汁(切り干し大根5g、すりごま)
味噌汁がうまい。というか、切り干し大根ってこんなにうまいものだったんだっけ? いつもびしゃびしゃになるまで煮られたものしか記憶にないが……。
とりあえず午前中はゆっくり休むことにしたい。なぜならこれから大阪へ行くからだ。
まさかそこから帰ってくるとああなっていたとはとうていわたしの想像の及ばぬところであった。
起床直後計量:体重 73.6kg
スーパーで買い込んできたイワシをなんとかしなければならない。いやびっくりするくらい安かったんですから奥様。とりあえず、開いてわたを取って、塩コショウを振って蒸してみよう。いくらなんでも、火を通せば食えないこともあるまい。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
蒸しもの(イワシ一尾(60グラム)、もやし四分の一袋、長ネギ一本、塩コショウ)
味噌汁(もやしひとつかみ、味噌大さじ一杯(ただし計量用のスプーンではない))
オレンジジュース(オレンジ一個をまるしぼり)
さて、問題のいわし。……うん。うん。食えない味ではないな。むしろ、イワシらしくてうまいじゃないか。レベルがひとつ上がった感じである「ゆうしゃは いわしの たべかたを おぼえた! ゆうしゃは レベルが あがった!」
夕飯にはもっとレベルを上げてやろう。
喉が痛い。風邪かよおい。こんな時期に風邪は困るんだが……。外出。
リハビリ施設から帰ってくる。おやつにトマト(百グラム)をひとかじりしてから、スマホでネット検索して、煮魚のだいたいの作り方を頭に入れる。えーと、しょうがと、梅干しと……まあ適当にやるか。こちらにはめんつゆもあるし。
洗ってわたを取ったイワシを鍋に入れ、梅干しと、ショウガと、希釈しためんつゆを入れ、しばらく煮る……おおっうまくいきそうではないか。けっこう楽だったりする?
と思ったときにはすでに敵の思わぬ反攻があった。鍋がこげついたのだ。慌ててめんつゆと水を入れる。
一安心……かと思ったらさらに鍋がこげつく。もういいや、これだけ煮れば食えるだろう、と鍋から引き上げ、泣きそうになりながら食べる。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(長ネギ一本、すりごま)
煮魚(いわし一尾(60グラム))
納豆1パック(40グラム)
ものすごく濃い味を想像していたのだが、食べてみると、意外においしいではないか。ご飯のおかずにはなかなかいける。いわしと納豆だけでご飯をたいらげてしまった。人間、やってみるものである。
食後計量:体重 74.4kg
4月24日
起床直後計量:体重 74.4kg
喉が痛くて、体からどこか力が抜けるような感じがする。風邪だろうか。まあなんとかなるだろう、ということで、リハビリ施設に行ってみることにする。(それが大きな誤算だったことはすぐにわかるのだが)
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(玉ねぎ60グラム、にんじん40グラム、味噌大さじ一)
イワシ煮魚一尾(60グラム)
納豆一パック(40グラム)
トマト一ヶ(100グラム)
オレンジジュース(オレンジ一ヶまるしぼり、約100ミリリットル)
風邪っぽいのをビタミンCで退治だ! 今日は施設で「肉じゃが」の作り方の実地演習があるのだ! 行かずにいくものか! (というのが大きな誤算だったのがすぐにわかる)
リハビリ施設に行く。身体からの脱力感がひどい。頭も痛くなってきた。典型的な風邪である。ふらふらになってアパートへ。何しに行ったんだわたし。
アパートへ帰ってから、冷蔵庫の中の野菜をありったけぶち込んでミソラーメンを作り、即座に寝てしまうことにする。
夕食のメニュー。
インスタントミソラーメン(ラーメン一袋、玉ねぎ60グラム、長ネギ一本、えのき三分の一パック(?)、にんじん40グラム)
トマト(百グラム)
オレンジジュース(オレンジ一ヶまるしぼり、100ミリリットル)
食後計量:体重 74.7kg
こうして後から書いていると、もしかしたらわたしは律儀な性格なのかもしれない、と思う。
4月25~30日
この間は実家に帰っていたため、自炊のネタは残念ながらない。
5月1日
ずーっと実家で療養していたわけだが、まあ三日もするとROMくらいできるようになり、五日もするとがらがら声ながらショートショートを書けるくらいには回復するのである。というわけでひさしぶりにアパートに戻ってきたが、いや、汚いね。自業自得とはいえ、見るのがつらい。煮干のだしなんか、一週間前のものだぜ! 怖いので捨てる。もったいない。
近くの百円ショップに行ったら、見切り品であろうグレープフルーツが、二個で百五円で売っていた。安いので買う。今日明日とジュースにして飲んでしまえばいいのだし。なによりも風邪にはビタミンCだ。
ついでにレトルトカレーを買ってくる。ご飯を炊いて、カレーをかけて、卵を落としてソースをかけて夕飯にする。いいじゃないかうまいんだから。明日の朝は、ジャガイモとにんじんを細かく切って、チーズとピザソースを乗せてレンジで蒸して食べるか。これで食べきれるし。……と思っていたら納豆も残っていたのだった。ジャガイモとにんじんはおかずに回す。納豆の賞味期限は、やったぜ昨日だ! 明日は半分やけでご飯を食べよう。ジャガイモから芽が出てやがるよとほほほ。
まあ、明日はいいとして、問題は今日だ。味噌汁が使えない以上……「中華あじ」でスープを作るか。具はわかめ。ついでにゴマをひとさじ入れよう。
夕食のメニュー。
カレーライス(レトルトカレー(220グラム)、米飯(〇・五合)、卵(一ヶ)、ウスターソース適量)
中華風スープ(わかめ、ごま大さじ一、中華あじ適量、醤油適量)
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ一ヶをまるしぼり、200ミリリットル)
それを食べ終わったら……あれだな。体重。体重計に乗るのは、実に一週間ぶりである。テーマ音楽とともに、『あなたの知らない世界』が始まっちゃったりして。あの番組、いつ終わったんだろう?
体重を量る前に、このグレープフルーツジュースを飲ませてくれ。
食後計量:体重 74.7kg
風邪で失ったカロリーは全回復したようである。
5月2日
起床直後計量:体重 74.2kg
まあ実家へ帰る前よりはいくらか減ったかな……って、二百グラムしか減っていないではないか。まあ、食えるだけ食って寝ていれば、体重がそれほど増えるわけもないよな。
朝の気持ちいい光を浴びながら……なんだ曇り空か。曇り空でも、朝飯を作らねばならない。
冷蔵庫を開いて愕然とする。煮干を水に入れていない! 頭の中にホラー映画によく出てくるパイプオルガンの曲が流れてくる中、必死で善後策を探す。和風だし、和風だし……中華あじくらいしかないがどうするか……。
よし、この前、湯豆腐を作ったときに使った昆布があるから、それでだしを取ってみよう。食い物である以上、食えないということはあるまい。とはいえ、昆布って、どうやってだしを取るんだろう?
わからなかったので、とりあえず鍋に水を張り、カット昆布一枚を沈める。
ええと、じゃがいもがあったはずだよな、と思って野菜棚をひょいと見れば、じゃがいもの芽が大きくなっている。これは今日食わなければ、捨てることにもなりかねん。じゃがいも二ヶを食べてしまおう。ついでににんじんも食べてしまおう。
味噌汁の具は……そうだ切り干し大根がある。買ったままで、開けていないのだ。あとなんだっけ。そういや、栄養士からゴマを食えともいわれていたな。
タンパク質は納豆とチーズで……。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(昆布一枚、切り干し大根5g(乾燥時)、味噌大さじ一、すりごま小さじ一)
蒸し物(じゃがいも200g(合計)、にんじん60g、チーズ35g、ピザソース25g)
納豆一パック(40g)
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ一ヶをまるしぼり、約200ミリリットル)
とにかくじゃがいもはたいへんだ。芽を落として皮をむくのは、朝やるものじゃないなあ、と思いつつも、包丁をつかってごりごりむき、小さめに切ってスチーマーに入れる。ついでににんじんも小さめに切ってスチーマーに入れる。チーズを上に載せて、ピザソースを塗って、と。
電子レンジに入れ、「あたため」ボタンを押す。これは失敗だったことが後でわかる。
さて、その間に、味噌汁の方はどうなっているかな、昆布のだしは出ているかな、と味を見ようと思うが……本格的に使ったことがないからどうしようか悩む。懊悩の末、わたしは鍋に放り込んでおいた、水で膨れた昆布を食べてみた。ほとんど味はしなかった。よし、だしが出た証拠だ、と勝手に納得、コンロに火をつけて切り干し大根を適当に入れて煮る。すぐに沸騰したので、火を止めて味噌を溶き、どきどきしながら味を見ると……。
うまい。
投入した切り干し大根のせいか、甘くてうまい。わたし、こんな贅沢な味噌汁飲んでいいんでしょうか、と叫びたくなる。煮干とは違ったうまさのある味噌汁である。
鼻歌を歌いながら椀に注いでコタツに持っていく。レンジのほうでも芋が出来上がっていたようで、取り出してコタツへ。また、昨日の残りご飯をレンジで温める。その間に納豆を取り出して……。なかなか壮観ではないか、ふっふっふっ、と含み笑いをする。
ご飯が温まって、どんぶりに移し、いただきます。
スチーマーのふたを開けると、溶けたチーズが、小口切りにされたじゃがいもとにんじんに、ソースとともにからんでうまそうである。端のほうを食べると、うん、ほくほくしておいしい。よし、今度は内側の、チーズがよくからんでいるやつを……。
生煮え。
とはいっても食えない味ではなかったので我慢して食べる。ほくほくしたじゃがいもは、ピザソースやチーズとよく合うが、今回は、蒸し時間が足りなかったようだ。機械任せは、特にワンタッチの機械任せは危険だ。人生なにごとも勉強である。
納豆と味噌汁がうまかったのでもとは取れた、と考えるのが精神衛生的にもベストだろう。
百円ショップの見切り品のグレープフルーツ、早く食べないといけないような気がしたので、今すぐにジュースにしぼって飲んでしまうことにする。とはいえ、200ミリリットルはよく考えたら牛乳瓶一本分ではないか。ふいに自分がなにか非常に後ろめたいことをしている気分になる。
気分をリラックスさせるため200ミリリットルを飲んでしまう。まあ、今度から半分にしよう。ダメなやつの常套句である。
薬を飲むと眠くなったが、とにかく皿を洗って日記を書いて、これから風邪の細菌を追い出すために大掃除……。
とほほほ。
疲れ切ったので実家に帰ることにする。どうせこれからゴールデンウィークだし。パソコンしたいし。ロボ・ウォーズは面白いし。
ほんとダメ人間だなわたし! しかしこういうダメ人間でも開き直ればいくらでも生きていけるのだよ、とつぶやきながら本日を終わる。うううう。
5月3日~6日
実家に戻っていたため自炊の参考になることはとくになし。
アパート帰宅直後計量:体重 74.2kg
体重記録用のメモ帳を実家に忘れてくる。体重同様、進歩のない男である、つくづく。
5月7日
起床直後計量:体重 73.3kg
体重を量った後で、顔を洗い、頭をすっきりさせるべくグレープフルーツ半個をしぼって飲む。もとが小さかったこともあり、涙が出てくるような量しか取れない。しくしく。
で、まあ、今日の朝飯であるが。白菜とえのきを買ってきたため、解凍した鶏の胸肉といっしょに蒸すことにする。味付けはめんつゆ。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやしひとつかみ)
蒸しもの(白菜、鶏胸肉こま切れ60グラム、えのき50グラム)
納豆一パック(40グラム)
グレープフルーツジュース(半個をしぼる。100ミリリットル未満?)
トマト一ヶ(100グラム)
ちょっと蒸しものの味付けに使うめんつゆが多かった。でもまあいいや……いやよくない。薬味に唐辛子を使うのをすっかり失念。とほほ。
デザートにさっぱりしたものが欲しくなってトマト一個をまるかじり。うまい。が、もしかしてこれもオーバーカロリーなのか? 緑黄色野菜だからいいのだ、と、無理やり自分を納得させるのだが。
本日の夕飯のおかずはちょっと冒険をしてみたい。ぬた、すなわち野菜の酢味噌和えを作ろうと思うのである。手持ちの武器は味噌とすし酢に、野菜のにらとわけぎ。果たしてどうなることやら。
リハビリ施設に行く時間だ。急いで布団を畳んで外出だ!
にらとわけぎのぬたに、納豆でも食べるか、と思っていたが、リハビリ施設で、畑で作ったほうれん草を売りつけられて方針転換。鍋だ今日は鍋だ。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
豚肉とほうれん草の鍋(カット昆布一枚、豚コマ(凍結時100g)、ほうれん草(約120g)、えのき(約40g)、ポン酢)
豚コマはとりあえず解凍する。自然解凍だが、朝に解凍しておかなかったからなかなか溶けてくれない。
その間に、鍋に昆布と水を入れておいておく。適当な時間が来たら、昆布を引き揚げて食べてしまう。こんなことやっているから悪食だのなんだのいわれるのである。
腹が減っていらいらしてきたので、昆布を引き揚げて鍋に火をつける。そこに半解凍どころかほとんど凍っている豚コマを投入。ここらへんですでに間違っている気がするが、なんでもいいからやっちゃえである。
豚コマがほぐれたところで、鍋はアクだらけになっている。アクもそのまま食ってしまう中華料理に倣おうかとも思ったが、まあここは日本なのでアクを適当にすくい、捨てる。
入れたらうまいだろう、以外は栄養価も何も考えずにえのき投入。
えのきを煮ている間に、米飯をレンジにかけて温める。さらにほうれん草をよく洗ってざくざく切り、鍋にどばっと。いいかげんにもほどがある料理である。というか、これ、料理なのか? 深刻な実存的疑念を抱きつつまな板を見ると、あはは、真っ黒だ。よく洗ったつもりでも、けっこう泥が残っていたらしい。
……レンジが鳴り、ご飯をよそい、鍋を鍋敷きの上に乗せ、ポン酢を用意して、いざ。
ほうれん草がうまい。豚肉がうまい。えのきがうまい。ついでにご飯がうまい。しまった、ここは百円ショップでポン酢を買わずに、たとえ倍の値段でも普通のミツカンとかのポン酢にしておくんだった、とちと後悔。それでも食う。安い男である。
ご飯を平らげ、ほうれん草と豚肉とえのきを食らい、上澄みをポン酢で割ってスープのように飲んでからひと息。
ああ食った食った余は満足じゃ。
鍋を洗うと、底に砂利というか土が……。正露丸を飲んでおくか。
食後計量:体重 75.2kg
食いすぎらしいとほほほ。
5月8日
起床直後計量:体重 73.6kg
朝起きてまずは顔を洗い、グレープフルーツ半個をしぼって飲む。今日も朝から元気だぜ。ちなみに、元気だけれどやる気はゼロに近い。
塩鮭は解凍しておいたものの、なにを作るか決めていなかったが、もやしとえのきがわたしに「さっさと使え」といっているような気がしたので、使うことにする。
朝食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし(40g)、えのき(30g)、みそ大さじ一、すりごま小さじ一)
蒸しもの(塩鮭一切れ、もやし(40g)、えのき(30g))
納豆一パック(40g)
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ半個をしぼる)
トマト(100g)1ヶ
覇気の感じられないメニューである。卵がやたらと残っているので卵を食べたらよさそうなものだが、なんとなく気分が乗らない、
いつものごとく、シリコンスチーマーと鍋でなんとかする。ズボラである。
今日こそはにらとわけぎでぬたを作ろう、と心に決める。できるかなわたしに。心底不安だ。
というわけで帰宅後、にらとわけぎでぬたを作る。やりかたはよくわからんが、とにかくにらとわけぎを酢味噌であえればいいんだろ。
おやつがわりにトマト(100g)をひとかじりして料理開始。
夕食のメニュー。
米飯(〇・五合)
味噌汁(もやし(60g)、すりごま)
にらとわけぎのぬた(にら40g、わけぎ40g、すし酢適量、みそ適量)
納豆(40g)
ゆで卵一ヶ
この場合の適量とは、適当な量、の略である。意味は説明するまでもあるまい。
まず、にらとわけぎを袋から出す。根本を落としてざくざくと切る。べつの碗ですし酢で味噌を溶き、鍋に移したにらとわけぎにざっとかけてひたすらあえる。ここで鍋を使ったのは、ボウルがどこかへ行ってしまったからである。高かったのに。百円ショップで。
こんなことでうまくなるのか、と思ってひと口味見。
う、うまい。そういや最近、生野菜はトマトくらいしか食べてないなあ、自炊では。
それにしてもたっぷりできてしまった。納豆とこれだけで一食たいらげられるんじゃないのか?
さっそくやってみる。とはいえ、わたしも味噌汁は飲みたい。ご飯を温めている間に、今日で賞味期限のもやしを使い、味噌汁を作る。栄養的にも味的にも、最後にゴマを入れるとうまいことがわかったので、ひとさじ最後に加える。
いただきます。がつがつと食う。いけるな、にらとわけぎのぬた。今度は普通の長ねぎでやってみようか。
ごちそうさま、とした後でもなんとなく腹がさびしいのでゆで卵を一個食べる。これだから太る。
恐怖の計量タイム。
食後計量:体重 74.9kg
うむむむ。前日よりは減っているとはいえ、微妙な数字だ……。
5月9日
起床直後計量:体重 73.5kg
ご飯を炊いておかなかったのでスパゲティをゆでることにする。
朝食のメニュー。
スパゲティペペロンチーノ(スパゲティ100g(乾燥時)、にら40g、サラダ油適量、シーズニングミックス適量)
目玉焼き(卵二ヶ、ウスターソース適量)
トマト(100g)一ヶ
グレープフルーツジュース(半ヶぶんをしぼる)
目玉焼きを作ったのは、なんとなくたんぱく質に不安を抱いたからである。食物繊維は、ニラを食べたからなんとかなるかな、くらいの気持ちで。
それだけでは口の中が油っぽいので最後にデザート代わりにトマトをまるかじり。
薬を飲んだら眠くなり、しばしうとうとと。
荷物を置きに実家へ帰る。昼夕と食事をし、風呂に入って帰ろうか、というところでとんでもない雨に。結局一泊する。雷がどかどか落ちているので、それによりパソコンが壊れたときのことを考えると、とても電源を入れられない。結局電源を切ってコードを全部抜く。とほほほ。
5月10日
アパートに帰って、グレープフルーツ半分をしぼって飲む。ちょっとだけ頭すっきり。荷物を整理して、さて出発するとするか。
今日は冷奴とねぎのぬたでご飯をいただくつもりだったが、タイミング悪く行きつけのパン屋でパンの耳を見つけたので買ってしまう。あそこの店のパンの耳は麻薬的な味がするのである。くそう、パンの耳だけ三十円とかいうコースはないのか。そのほうが個人的にはいいのに。くやしいから、実力を見てやる! とばかりにえいと六枚切りのパンを買ってしまう。ここまで来たら止まらない。オレンジママレードと、ピザ用チーズを買い、ついでに百円ショップでカットパインとグレープフルーツの見切り品にメモ帳をゲット。
ここまで買い物をしてしまうとは、よほど憤懣が溜まっていたらしい。
アパートへ戻るや否や、パンの耳をトースターで焼き始める。何度食べても、さくさくしていてうまい。そのまま食べても、ママレードをつけて食べてもうまい。今回はちょっと気が向いたので、おろしにんにくの残りをほんのわずかパンの耳に塗って焼いてみた。
ガーリックトースト風味でなかなかいける。ポイントとしては、にんにくの量は耳かき一杯分くらいのごく少量にとどめておくことだろうか。香りがつけばいいのだから。
夕食のメニュー。
パンの耳二十四枚(約200g)
オレンジママレード適量
おろしにんにく適量
コンビーフ一缶(100g)
カットパイン四切れ(パイナップルの四分の一カット)
まるで朝食みたいな夕食。食べ終わってから携帯でブログの更新をする。
さて、問題の体重だ。そうとう増えているであろう。なんとなく怖い。
食後計量:体重 74.0kg
自分の体重の変化がよくわからん。
5月11日
起床直後計量:体重 72.6kg
ようし順調だ。この調子で行く。
前日、六枚切りだと思って買ったパン、実は五枚切りだったことが判明。ガチガチの八枚切り主義者であるわたしとしてはちとがっかり。
ピザ用チーズを買ってあるので、細かく刻んだわけぎと一緒にパンに乗せ、インスタント・ピザ・トーストといってみるか。
いってみるかもなにも、やることはわけぎを刻むこととオーブントースターのスイッチを入れることだけだから、ズボラにもほどがあるのだが。
焼いている間、緑黄色野菜と、頭をすっきりさせる刺激が欲しかったのでトマトをかじる。トマト好きに産んでくれた両親に感謝。
一枚をいただく……うん。うまいね。和風でなかなか。でもちょっと足りないような……もう一枚いこう。ダメ人間である。
たんぱく質の補給もしなければ、と、卵をゆでる。そうなると果物も欲しくなる……どんどんダメ人間に磨きがかかる。
結局のところ、グレープフルーツまでしぼって飲んでしまった。
朝食のメニュー。
ピザトースト(パン二枚(80g×2)、わけぎ二本(20g)、ピザ用インスタントチーズ適量)
トマト(100g)一ヶ
ゆで卵一ヶ
グレープフルーツジュース(グレープフルーツ半個をしぼる)
結論。パンもパンでよし。
結論が出たところで、前日からハマっている「倉庫番」の続きを……いやだめだ、あれは悪魔のソフトだ!
あっゴマを食べるの忘れた。
明日から大阪旅行である。体力がいる長旅である。というわけで、体力をつけるために、食パン二枚にピザチーズとわけぎをたっぷり乗せて飯にすることにする。
それだけではさすがに足りないのでトマトを二個ほどかじる。
それだけでもさすがに足りなかったので切り干し大根で味噌汁を作って、ゴマひとさじを入れて飲む。この味噌汁がいちばんうまかった。日本人らしい。
結局のところ。
夕食のメニュー。
ピザトースト二枚(食パン(80g)二枚、チーズ約30g、ソース適量、わけぎ20g)
トマト二ヶ(一ヶあたり80g、計160g)
味噌汁(切り干し大根5g、味噌適量、ゴマ適量)
いいのか、ここはご飯をがっちり食べるべきではないか、という考えが頭をかすめるが、みんなパンの耳を売っていたパン屋がいけないんだ、と開き直る。
食後計量:体重 73.8kg
よーし明日と明後日は食えるだけ食うぞー。予算五千円の範囲内でー。
……みじめ。
5月12日
起床直後計量:体重 72.5kg
パンのほうがやせるのだろうかわたし。まあいいや。外食をしすぎると太ることは経験ずみなので今朝は軽く。
朝食のメニュー。
ピザトースト一枚(パン(80g)、ピザチーズ16g)
トマト(80g)二ヶ
グレープフルーツジュース(半個をしぼる)
切り干し大根の味噌汁(切り干し大根5g、すりごま)
味噌汁がうまい。というか、切り干し大根ってこんなにうまいものだったんだっけ? いつもびしゃびしゃになるまで煮られたものしか記憶にないが……。
とりあえず午前中はゆっくり休むことにしたい。なぜならこれから大阪へ行くからだ。
まさかそこから帰ってくるとああなっていたとはとうていわたしの想像の及ばぬところであった。
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Re: tomokoさん
食いきってしまった後にまた買ったのですが、このたびのじんましん騒動により現在冷蔵庫の中で絶賛発酵中(^^;)
古漬けのほうがうまいんだ! と、「明日には食べよう」状態になっております。
ほかにも恐ろしいことになっているだろう食材は……(^^;)
古漬けのほうがうまいんだ! と、「明日には食べよう」状態になっております。
ほかにも恐ろしいことになっているだろう食材は……(^^;)
おはようございます^^
生のグレープフルーツジュースが飲みたい!^^
それにしても大変な事に^^;;
調子はいかがでしょうか?
じんましん、早く良くなると良いですね。
それにしても大変な事に^^;;
調子はいかがでしょうか?
じんましん、早く良くなると良いですね。
キムチが消えたような…。
「剣客商売」で熱いご飯に煎鴨+生卵+醤油+酒だけで新妻が旨さに驚く場面がありましたが、
男の人が作る料理って、雑で汚いけど味がすごくいいのは不思議。
「剣客商売」で熱いご飯に煎鴨+生卵+醤油+酒だけで新妻が旨さに驚く場面がありましたが、
男の人が作る料理って、雑で汚いけど味がすごくいいのは不思議。
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Re: YUKAさん
眠くなったので寝ます。ぐーすー。