FC2ブログ

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    断片007「結晶楼閣」

     ←エドさんと緑の森の家・11月18日 →この小説の構成について
    (欠落)

     (修飾語が存在したらしいが欠落により不明)結晶楼閣。それは錬金術師組合の総本部であり研究施設。

     名前は聞いたことがあったが、そこは知のためにすべてを投げ出す覚悟ができている賢者か、政のためにすべてを投げ出さざるを得ない皇子たちのほかには立ち入ることができない場所だったはずだ。

     それを、下賤なこの自分が訪れる日が来ようとは。

     ルジェは自分の緊張をわかっていた。スヴェル・ヴェルームのほんのわずかなかけらをなめただけでその恐るべきまでの情報量に圧倒されてしまった自分だ、ささいなことでも落ち度があれば、報復として錬金術師組合は情報でこの自分の精神を焼き尽くすだろう。そうなったら、余生は、あったとしても廃人だ。

     皇子アヴェル・ヴァールはかすかに笑った。

    「なにを恐れることがある。ルジェ、お前は幻想帝国の皇子に従者として選ばれた人間だ。遠い昔にわれらが滅ぼした、物理帝国の旧人どもならともかく、効率と利益を最優先で考えることを断固として拒むわれらは能力ある人間を選ぶことでは間違いをしない」

    「そうだとは思うのですが、不安なのです」

    「スヴェル・ヴェルームが吐き出したあの一連の印象のことだな」

    「はい。不敬も極まることに、あの『文字』で書かれたものには、帝国の滅亡とその後の粗野極まる世界が……殿下、『統制官』とはいかなるものでありましょうや。『統制文字』とはいかなるものでありましょうや」

    「ルジェ」

     皇子アヴェル・ヴァールはその貴腐葡萄酒の色にも似た黄金の瞳を従者に向けた。

    「生ける皇宮スヴェル・ヴェルームに仕えるわれら皇子たちにとってもわからぬのだ。手がかりは、あの文章に出てきた、『続由美子』という、その一続きの言葉のみ。賢者の導きがなければ、運命に身を委ねるしかないが……それをよしとしないがために、われらが祖先は不死の、生ける皇宮を作ったのだ。ふふ、それが『死ぬ』か。『骸』か」

     皇子の笑いの奥底に、いかなるものがあるのか、それはルジェにはわからなかった。

    「ついてこい。これからお前は、結晶楼閣の光り輝く姿を見ることになる。われらの造りしものの中で、生ける皇宮スヴェル・ヴェルームと唯一比肩しうる存在をな」

     ルジェは(欠落)
    関連記事
    スポンサーサイト






    もくじ  3kaku_s_L.png 風渡涼一退魔行
    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    もくじ  3kaku_s_L.png TRPG奮戦記
    もくじ  3kaku_s_L.png 焼肉屋ジョニィ
    もくじ  3kaku_s_L.png ご意見など
    もくじ  3kaku_s_L.png おすすめ小説
    もくじ  3kaku_s_L.png X氏の日常
    もくじ  3kaku_s_L.png 読書日記
    【エドさんと緑の森の家・11月18日】へ  【この小説の構成について】へ

    ~ Comment ~

    Re: ぴゆうさん

    ほんとはそこのところのビジュアル面でも微に入り細を穿つはずだったんですが、作者のイメージ力不足で(汗)。

    書きはじめたころはなんとかなるかと思っていたけれど、なんともならなかった、という……(汗汗)。

    まさにパズル。
    久々にルジェが出てきた。
    ビジュアルだと
    この幻想帝国ってどんな世界なのだろう。
    FF脳で考えるとワクワクするんですけど!

    皇宮スヴェル・ヴェルーム
    とんでもない情報量を抱え込んでいるだけなのかな?
    謎だわ。
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【エドさんと緑の森の家・11月18日】へ
    • 【この小説の構成について】へ