FC2ブログ

    幻想帝国の崩壊(遠未来長編SF・完結)

    断片014a「殿下が怒るのも無理はない」

     ←断片013「怒りを隠さなかった」 →断片014b「横になり印を組む」
    (欠落)

     殿下が怒るのも無理はない、そう思いながらルジェは情報素子が脈打つ、生ける皇宮スヴェル・ヴェルームのふもとに向かった。目的地は無論、光海の門である。結晶楼閣がそこにある、圧倒的なまでの論理と情報の中に身を沈めるには、この門の情報媒体注入装置から、精神をその場にふさわしいまでに研ぎ澄まさねばならない。

     しかし、「続由美子」がなんであるのか、錬金術師組合の賢者すらも知らなかったというのは意外だった。トリスメギストス師の前では取り繕っていたが、その後もらした、幻想帝国に対する不満や批判は、求めるものが得られなかったことに対する苛立ちだろう。

     そこまで考えて、ルジェは、ふと違う方向から考えてみた。

     もし、殿下のあのふるまいが、擬態だったとしたらどうだろうか?

     錬金術師組合の構成員が、「『続由美子』という言葉の意味を知っていること」を前提としたうえで、それでも彼らがあえて語らぬその理由を知るため、わざと手中の情報の一部を相手にさらしたのだとしたら?

     トリスメギストス師は、はたして、知っていて黙っているのか、いないのか?

     それとも、殿下は「すでにその言葉の意味を知っていて」、そのうえで錬金術師組合と、なにかの取引をしようとしているのだろうか?

     考えれば考えるほどわけがわからなくなる。

     まあそれはそれでいい。自分は、錬金術師組合の知識庫から、求める情報を引き出すのみだ。幻想帝国の皇子とも呼ばれるかたが、なにを考えているかなど、自分にわかるわけがない。

     ルジェは首をひとつ振り、低次の情報を踏みしだきながら、(欠落)
    関連記事
    スポンサーサイト






    もくじ  3kaku_s_L.png 風渡涼一退魔行
    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    もくじ  3kaku_s_L.png TRPG奮戦記
    もくじ  3kaku_s_L.png 焼肉屋ジョニィ
    もくじ  3kaku_s_L.png ご意見など
    もくじ  3kaku_s_L.png おすすめ小説
    【断片013「怒りを隠さなかった」】へ  【断片014b「横になり印を組む」】へ

    ~ Comment ~

    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【断片013「怒りを隠さなかった」】へ
    • 【断片014b「横になり印を組む」】へ