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    私家版オールタイム・ベスト(映画)

    邦画ベスト10「幻魔大戦」

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     普通だったらどこをどうやってもオールタイム・ベストにこの作品は入ってこない。角川映画だけあってハッタリのかたまりみたいな映画である。

     でも好きなものは好きなんじゃあ!

     これを見たのはまだうら若きころ……ああ懐かしいなあアニメブーム。恐ろしいことに、SFアニメの劇場版が三作も競合したのである。「宇宙戦艦ヤマト完結編」「クラッシャージョウ」そして「幻魔大戦」……小学生だったわたしは、タイトルのインパクトだけから「幻魔大戦」を選んだ。キャッチコピーもふるっていた。「ハルマゲドン接近!」当時の小学生は、「ハルマゲドン」っていったいなんだ、宇宙怪獣かなにかか、レベルの理解力しかなかったため、その「よくわからんけどすごい」インパクトに完全に心をわしづかみされていたのである。

     当時の小学生の(一部だけかもしれないが)心をわしづかみにしたものに、登場するサイボーグ戦士「ベガ」のデザインもあった。あれはかっこよかった! かっこいい以前に、あんなデザインが存在する、ということ自体が一種のカルチャーショックだった。これが大友克弘先生との実質的なファーストコンタクトだった。今となっては当たり前すぎて陳腐化してしまったデザインであるが、透過光で描かれた、サイオニクス戦士の放つ燐光のようなオーラの表現ともあいまって、自分の見ているものが「ただの映画ではない」と思わせるにじゅうぶんなインパクトがあった。

     そしてなんといっても音楽である。ドルビーステレオがまだそれほど一般的ではなかったときに、あの重低音がずんずん響く音楽は、語るのもおろかなほど心を揺さぶった。テーマ曲であるキース・エマーソンとローズマリー・バトラーの「光の天使」なんてもう最高である。それはそうだ、この時代において、こんな映画音楽のアニメ、今までなかったんだから。

     この映画に関していえば、そうした「時代背景」を抜きにしては語れない。

     今にして思えば、バブルの黎明期に大量の金とハッタリで見るものをたぶらかした、できはいいが半ば宗教映画みたいなもの、と評するのが正しいのだろうが、いったいそれがどうした。

     原作の小説やマンガのほうは……あまりわたしは好きではない。

     わたしが好きな「幻魔大戦」とは、あのベガであり、あの音楽なのだ。それだけでいいのだ。いってしまえば、サントラを聞いてあの大友克弘デザインのベガのアクションシーンを見ていることができさえすればそれでいいのである。

     しかし……。

     どうしてあの時サントラを買っておかなかったのだまったく。いくら金がないときだったとはいえ。不覚。不覚としかいいようがない。いまアマゾンで中古を買うと、出物が六千円からだもんなあ……。
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    ~ Comment ~

    Re: 西幻響子さん

    要するにわたしはローズマリー・バトラーとキース・エマーソンが好きだった、ということに落ち着きそうであります。

    今だったら商業主義のために「2」が作られて幻魔との戦いは別の道をたどったんじゃないかと(^_^;)

    私も見ました、幻魔大戦。
    従兄に連れられて、劇場まで見に行った覚えが……。

    たしかにベガはカッコいい!声もカッコよかった(最初に出てくる魔女みたいなおばさんの――美輪明宏の――声もかなりインパクトあったけど)。 

    あのテーマ曲には西幻もシビレた。何度も聴いたものです。

    Re: 矢端想さん

    あそこがピークというのもねえ……でありました。

    ニューヨークでのザメディとの戦いとか、ラストの最終決戦とかをしっかり盛り上がるように描いていれば、この映画の評価はもっと上がったのではと思います。

    それにしてもたしかにショボいハルマゲドンでした。音楽はドルビーがズビズビきてよかったのですが。

    サントラ盤ほしいなあ……。映画というよりキース・エマーソンに惚れたのかもしれんわたし(^^;)

    金田伊功の光芒表現とか大友克洋の絵をよく真似して描いたものです。
    当時原作を読んでいた友人に言われて映画のストーリーに当たる1~3巻だけ読みました。映画は丈がベガに追われる場面がピークでしたね。「ハルマゲドン」ってこんな小さなスケールだったのか・・・という。まあ2時間じゃしょうがない。「ハッタリのかたまり」とはうまいこと言いますな。
    数えてみたら高校の三年間だけで7本(併映数えず)も劇場用アニメを観に行ってます。ウチの地方では「マクロス」と「ビューティフルドリーマー」が同時上映だったんだぜ!それも本屋で前売り券買った足で映画館に行った。
    アニメの夢いっぱいの黄金時代でしたなあ。

    Re: 面白半分さん

    「光の天使」がまたいい曲でしたからねえ……。

    音楽はいいんですけど、2時間で幻魔大戦をやるのはやっぱ無理でしたねあの映画(^_^;) その無理っぽさも好きです。

    あのキース・エマーソンが日本のアニメを!
    と当時は別の意味で騒がれていたようですが
    結構サントラも売れたみたいですね。
    6,000円じゃ手も出せないですなあ

    Re: limeさん

    あの曲をYoutubeで聞いても仕方ないような気がする(^^;)

    あのころのアニメブームはすごかったですからねえ……いまとなってはブームといっても深夜テレビ番組の埋め草ですが、あのころは真面目に何かが変わるのではと思いましたからねえ……。

    もしかしたら、Youtubeとかに、あるかもしれませんよ?その曲。(どれかわからないので、探せないですが)

    幻魔大戦。懐かしいですね。
    私も小学生だったので、細かい部分は思い出せないのですが、とにかくすごい!と!
    感動しながら見た覚えがあります。
    ヤマトはもう、私の小学生時代のバイブルです。
    その後のガンダムブームに乗りそこなった私は、そっと、懐かしむ・・・。
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