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    コップの中の衰亡史

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     筆が止まった。一文字も書けない。

     わたしは無言のままスマホの白い画面とにらめっこしている。

     アイデアがないわけじゃない。ないわけじゃないんだが、考える端から、文章にする前に羽根が生え、気体となって飛んでいく感じなのだ。

     わたしはウーロン茶を飲んで頭をすっきりさせようとする。

     頭はすっきりするが、すっきりしたとたんに、頭の隅っこのほうにあったはずの「書きたいもの」が、どこかへすっきりと消えてしまっていることにも気づく。

     蹴り出して進むための、ザラザラした堅い地面がなくなり、フワフワツルツルした捕らえがたいなにかになってしまったかのようだ。ウィトゲンシュタイン先生の言葉がちょっとわかるような気分になった……というのはただの錯覚だろうが。

     わたしは頭をかきむしり、足の裏の皮をごりごり削ってみたりする。

     それでなにかが変わるわけもない。ずるずると書けないスパイラルは続き、わたしを深淵に引きずり込もうとする。

     あがくのをやめて、その下方への流れに乗ってやろうか、とふと思う。

     考えてもみろ。これまでの世界史で、滅亡しない国家があったか。そうした国家の衰退と転落は、すべて、このような「いくらあがいてもどうやっても前に進めない」という状態から始まっているのではないか。

     わたしも店じまいのときが来ている、ただそれだけのことではないか?

     そう考えると、気分がいくらか楽になる。誰でもたどる道が、ちょっと早く来たにすぎないからだ。

     「コップの中の嵐」という言葉もあるが、これは「コップのなかのローマ帝国衰亡史」だな、そんなことまで考える。

     だが、わたしはなぜだか更新をやめられない。

     考えてもみろ、国は滅んでも「民族」は残るのだ。

     そんな自分の中のデュオニソス的ななにかがある限り、わたしは更新をやめるわけにはいかないし、やめられないのだ。

     そんな本能だけで書いている文がいったいわたしをどこへ連れて行くのかは知らないが、まあ、ローマ帝国が滅んでもモンゴルがつぶれても、大英帝国が没落しても、世界はなんとなく続いているんだから、このブログもなんとなく続いて行くのだろうな。

     たぶん……。
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    ~ Comment ~

    Re: マーサさん

    四十の手習いをするには先立つものがない悲しい財布(^_^;)

    日々の生活に新しいものを見いだしていけばいいのでしょうけど、それはいうに易く行うになんとやらというもので。

    「コボちゃん」の植田まさし先生って、「アイデア製造機」を持っているって噂はほんとうなのかなあ(笑)

    Re: 安田 勁さん

    さすがにそのぼやきだけで長編を書けたらすごいですね(^_^;)

    わたしは個人的に使う携帯を持てるようになったのが遅いので、さて携帯を買おう、と思ったらほとんどがスマホになっていたのであります。

    ガラケーは家族共用だったからなあ(^_^;)

    Re: LandMさん

    そういう意味で考えると、現代人はずいぶんと進歩したものであります。侵略戦争がおおっぴらにできなくなったわけですからねえ。

    それでも、この二十年で事実上滅亡した国家も多いような。ソ連とか、リビアとか、イラクとか……。

    私はいまだガラケーですよん

    ネタって結局、自分の知識や経験からしか
    出てきませんからねえ。
    ということは、何か新しいことに
    挑戦すればいいのかもしれませんね。
    全然興味ないものに触れてみるとか。
    それ自体が結構勇気がいるというか、辛かったりしますけど。
    「何してんだオレ?」みたいな(苦笑。

    毎日更新って大変なのね…
    「書けないネタ」で長編書くっていうのは…無理か。

    いまだにパカパカ携帯使ってる私としては、
    「スマホの白い画面とにらめっこしている」のがとても格好よく思えてしまいます。
    どんだけコンプレックス抱えてるんだ、私。

    まあ、国家の存続の定義がなんなのかにもよりますが。
    今のご時世だと国が滅ぶことはないですが、昔だと結構ありましたからね。国家が滅んでも人も民族も生きていきますからね。人の機能を装置と言うように。

    Re: ダメ子さん

    もうネタなんて逆さに振っても鼻血すら出ない、という状況だったりします(^^;)

    それでも一度おほめのコメントをいただくと、麻薬のようなもので……脳内にすっかり快楽物質の回路ができてしまうのですな。恐ろしいことです(^^;)

    画力や文章力は積み上がっていく感があるのに対して
    ネタは減っていく感があるのがつらいところです

    Re: 和平明憲さん

    やっぱり本格的な更新は実家のPCを使わないとわたしにもできません。前にスマホで原稿用紙五枚のショートショートを入力した時にはバッテリー上がりでヒーハーいったもんなあ(^^;)

    もうちょっと入力しやすくならないかなあスマホ……今のテクノロジーではこれが限界だろうけどなあ(^^;)

    書けないことをネタにして、書くだけでもいいですね。w

    以前、スマホで更新していたときに文字化けなど、まだまだ環境が整っていなかったので、小説だけはスマホで入力して、PCで更新するようになりました。
    最近はクラウドのおかげで、便利になりました。

    ではでは!

    Re: limeさん

    いぢわるというよりも、これはもうわたし、一種のブログ中毒ですね。一日でも休んだら、誰も読んでくれる人がいなくなってしまうんじゃないかって、そんな強迫観念があるという。

    それが強くなる日にかぎってなにも書けない、まあ精神的に余裕がないから当たり前の話ですが。

    めんどくさいながらスマホで更新するのも、そういう強迫観念のせい……かもしれません(汗)

    ここで、「二日置き更新とかに、してみては?」と言ってあげたいところだけど、やっぱりその頑張りが見たくて、頑張ってと応援する私は、いぢわる?(w)

    それにしても、スマホで投稿って、とても真似できません。
    スマホ、一行打つのにものすごく時間と労力を費やします><
    まだまだスマホに変えられないなあ・・・。
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