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    「ナイトメアハンター桐野(二次創作長編小説シリーズ)」
    2 闇は千の目をもつ(完結)

    闇は千の目をもつ 19-4

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    『五月三十一日
     この島にいられる時間も残り少なくなってきた。いつものことながら、手ぶらで帰るのか。つらい。
     気のせいか、身体から力が抜けるように感じる。疲れているのだろうか』

    「飛ばします」

    『六月八日
     夢が、変な風に変わってきた。
     わたしは、夢の中にいる。森をさまよっている。そこまでは同じだ。
     だが、夢の中にいるわたしは……。
     わたしもまた、ペストの症状を呈してきているのだ!
     夢の中で、全身が痛み、しかも身体のリンパ節が膨れ上がっている。
     仕事から来るストレスが、こんな悪夢を見せているのだろうか?
     しかし、それにしては、あまりに異常すぎる。なにか得体の知れないものがこの島にあるのだろうか』

    『六月九日
     恐ろしいことがわかった。
     仕事をしている最中に、人差し指をとげで刺してしまった。それだけならばまだいいのだが、痛むのを抜く際に、皮をひどくめくり、わずかながら出血してしまった。
     その手で、例の筆ペンを握ると、なんということか、ノートに書かれる文字の色が、はっきりとわかるくらい濃くなったではないか!
     この本とペンは、もしかしたら、血を吸って生きているのではないか?
     これがペストの夢とどう関わりがあるのかはわからないが、尋常な代物でないことだけは確かだ。
     捨てる気にはなれない。ここで捨ててしまうには、あまりにも惜しい。
     実りのなさそうな島の調査を切り上げ、鹿児島のあの古道具屋に戻って、この本について聞いてみなければ』

    『六月十一日
     鹿児島に戻ってきた。この本を買った古道具屋に、来歴を聞いてみる。
     買ったのはひと月前の話なので、店主は迷惑そうな顔をしたが、それでも思い出せることは話してもらった。
     なんでも、この本は、戦時中の特攻隊員の持ち物だったらしい。
     わたしは仰天した。目の前にあるこの本は、三ヶ月前に製本されたといってもおかしくないくらいの新品に見えたからだ。
     それ以上のことは店主は知らなかったが、かつての持ち主の遺族の住所を聞き出せたので、調べてみることにした』
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    ~ Comment ~

    Re: 椿さん

    書いてるわたしもそのときまで思いもしなかった(笑)

    この小説、先のことをなにも考えずに書いていたことがよくわかる部分なので恥ずかしいですが……(^^;)

    NoTitle

    いよいよ本の秘密が明らかになってきましたね。
    勢いよく読んじゃってます。

    桐野先生、自分の夢に入っちゃうなんてスゴイ!
    そんなことが出来ると思いませんでした。

    >神田夏美さん

    そこはウソ八百です(^^;) さすがにどう調べろというんだ(笑)。でも、肉屋に頼めば、ブタの頭と生き血を売ってくれるそうなので(過激を売り物にしているロックバンドの中には、全国津々浦々で、「どこの肉屋がブタの頭と生き血を売ってくれるか」が完全インプットされているバンドもあるとか(実話))、肉屋の親玉みたいなと畜場でも売ってくれるんじゃないかなあ、と思って書きました。血液なんてソーセージでも作る以外は無用の長物だからなあ。わけてくれてもいいと思うんだけどなあ。

    島田さんは書いた当初はほんとにこんな女傑にするつもりはなかったんですが(^^;) 運命というものはわからん(爆)。

    では次回もお楽しみください~♪

    ロックバンドのステージで使うという理由で血液を分けてもらえるものなんですねえ……ああいうのってペンキとか使うのかと思ってました^^

    なるほど、血を吸うと文字が浮かび上がるというしくみだったのですね。てっきり本が血を吸うともっと恐ろしいことが起こるんじゃないかと思っていたので、島田さんが無事でよかったです^^
    それにしても本当に勇気がある人ですね~

    日記の内容と本の秘密も気になるので、また読みに参りますね。

    >佐槻勇斗さん

    どんな本の研究員だろう(^^;)

    ここらへんからものすごい駆け足になります。バランスなんか考えないで書いていたもので……(^^;)

    血+おばさん
    というと読んだある本の研究員を思い出してしまっていかんです(^ω^;)
    まったく普通(?)の実験をなさっていましたね笑

    いいところで区切ってくださいましたね!
    遺族がなにを語るのか、楽しみです♪
    ではでは
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