映画の感想

    「仁義なき戦い」見た

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     今月のブログDEロードショーは「仁義なき戦い」である。淑女の多いこの企画には珍しい、下品で暴力的な実録やくざ映画である。誰だこんな作品推薦したの……わたしだった(笑)

     推薦したのは、この映画が掛け値なしに「面白い」からである。充満する生命力と、それを象徴する、ディフォルメされた広島弁。粗い粒子とがくがく動く手持ちカメラの映像はこれがドキュメンタリーではないかとすら錯覚させる。つかみのタイトルバックからしてインパクトは絶大である。原子雲をバックにあのテーマ音楽がかかっただけでノックアウトされてしまう。

     キャストも最高である。よくもまあここまで味のある顔の俳優ばかり揃えたものである。21世紀の現在ではとうてい揃えられない俳優陣だ。主役の広能役の菅原文太の存在感はすばらしい。いや、キャスト全員が存在感のカタマリみたいなやつらばかりなのである。

     そうした生命力の過剰は、過剰なままでいることはできない。過剰なものは蕩尽されなければならない。この99分の映画は、その蕩尽そのものに焦点を当てた一種の祝祭の映画なのである。

     もちろん、祝祭が祝祭であり得るのは、これが映画だからであるのはもちろんだ。当時の広島に住んでいたら、この映画は祝祭どころではないだろう。勇敢な新聞社と記者たちの記録が残っていて、そこにはこの映画が避けていた抗争それ自体の臓物というべき部分までが書かれているそうだが(そして賞も受賞しているそうだが)、圧倒的な人気とともに百年後まで残るのはこの映画のほうであろう。

     それにしても、このシリーズ最大の悪役である山守組長を好演した金子信雄氏は、映画界に入ったときは水もしたたるいい男で、それがこんなおいしい役をやって、老後は「金子信雄の楽しい夕食」なんて番組を好々爺として持っていたんだから、映画俳優冥利というものだろうなあ。

     今日だけで2回も観てしまった。やはりいい映画だ。
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    ~ Comment ~

    Re: マミイさん

    あの人はいい演技をしてましたねえ。山守夫婦の悪役ぶりはシリーズを通して一貫していますので、余裕があったらぜひ第二部以降もご覧になってほしいものです。

    それにしても、「任侠もの」というカテゴリーにくくられてレンタル店に並んでいることが多いですが、そのせいで見ないで損している映画ファンはけっこう多いのではと思います……。

    NoTitle

    はじめまして。
    いまさらですが、ブログDEロードショーに参加させていただきました。
    随分前から観よう、観ようと思っていたのに
    なかなか観れなかった作品なので
    いい機会を与えていただいてありがとうございました!

    最初は登場人物の多さに名前も覚えられなかったものの
    段々とひきこまれていきました。
    金子信雄もさる事ながら
    奥さん役の木村俊恵もいい味を出していました。
    この時代の女性は大抵乱暴されたり
    情婦になったりしてるだけなのに
    時には泣き落とし、時には逆切れしながら
    自分たちのやりたい事をやっちゃう
    ずうずうしい山守の奥さんを好演していたように思いました。

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    Re: きみやすさん

    ほんと名言の宝庫ですよねこの作品。

    笠原氏の卓越した言語感覚にひれ伏すばかりです。(笑)

    山守組長のセリフではありませんが、

    「殺るんなら、なんでこのわしを殺りに来なかったんじゃ!」

    がいちばん印象的かなあ。

    間尺に合わん企画じゃったかのう(笑)

    NoTitle

    こんばんは!!
    >いや、キャスト全員が存在感のカタマリみたいなやつらばかりなのである。

    >そうした生命力の過剰は、過剰なままでいることはできない。過剰なものは蕩尽されなければならない。この99分の映画は、その蕩尽そのものに焦点を当てた一種の祝祭の映画なのである。

    なるほど!!

    >山守組長を好演した金子信雄氏は、映画界に入ったときは水もしたたるいい男で、それがこんなおいしい役をやって

    本当に、いい役ですよね~。
    涙を流したり、一転して「こ、こん外道が」とか言ったり
    “ポン”流してる言い訳してみたり
    坂井の鉄ちゃんに凄まれたら、引いてみたり。
    口を尖らして、何とも言えない表情をしてみたり。
    演じていて楽しかったろうな~と思います。

    あと『代理戦争』での
    「お父ちゃんは、お前の好きな ○の玉、二つもっとる」もある意味名言だと思います。
    それでは!!

    Re: take51さん

    あのオープニングは今見ても反則です(笑)

    もしサントラ盤を聴く機会があったら、このオープニングをフルバージョンで聴いてみてください。「ちゃらら~」以外にも聴かせどころがたくさんある名曲です(^_^)

    しかし音楽だけでここまで戦闘意欲がわいてしまう映画は、これと「燃えよドラゴン」くらいだよなあ(笑)

    NoTitle

    こんばんは!!!

    >原子雲をバックにあのテーマ音楽がかかっただけでノックアウトされてしまう。

     はい、ノックアウトされた口です(笑)
     恥ずかしながら、この曲がこの映画のだと知りませんでしたので、
     相当に熱かったです!!(^^♪

    実話に基づいているんですね。。
    凄い時代が日本にもあったモンです、変に感心しました。

    とにかく迫力満点で役者さんたちの演技にも
    感服してました!!いい映画のリクエストをありがとうございました!(^.^)




    Re: いもかるびさん

    風邪はその後いかがですか?

    それはそうと、わたしも金子氏とのファーストコンタクトが「楽しい夕食」のテレビだったので、この映画を見たときはたまげました。

    「楽しい夕食」ではハイファイセットの歌うエンディングテーマが最高で、探しているんですが、CD見つかりませんとほほほ。

    Re: LandMさん

    まあ東映の「どれだけ低予算でオールスターキャスト映画を撮れるか」という挑戦みたいなものであったから、今にしてみればちゃちに思えるところもありますが、全体としてみればやはりいい映画ですよこれ。

    深作欣二監督はこのシリーズだけでなにもかも許しちゃう。そのくらい溺愛している映画です。(^_^)

    NoTitle

    自分は東ちずるとの楽しい夕食のイメージのほうが強いです。
    というか実のところ当時普通に料理学校の先生と思ってました・・・。

    NoTitle

    あ、面白いですよね。
    ・・・少し時代を感じますが。
    まあ、あの頃の映画はエネルギーが満ち溢れていますからね。
    その中で、さらにあふれている作品ですよね。

    Re: 宵乃さん

    パロディによく出てきますよね~。やくざ映画にこの音楽は、雷雨の夜の西洋館に鳴り響くバッハみたいにぴったりしすぎているんだもん(笑)

    こないだの「飢餓海峡」といい、なんかちょっとすごく申し訳ありません(^^;)

    次回のリクエストはなににしようかなあ。

    「わたしがふだん見ないようなタイプの映画」のほうがいいのかもしれないなあ。 

    NoTitle

    おはようございます。
    リクエスト本当にありがとうございました。
    わたしの感想はちょっとポールさんに申し訳ないものになってしまったんですが、わたしが顔を見分けられないせいであって、この作品のせいじゃないのであしからず。
    あと、この作品の有名なテーマ曲がパロディに使われすぎというのもあるかも(笑)

    >圧倒的な人気とともに百年後まで残るのはこの映画のほうであろう。

    登場人物が多くてストーリーも把握できませんでしたが、エネルギーというか生命力みたいなものは感じました。
    多くの男性が惹かれるのもわかる気がします。

    いつか再見する機会があったら、次こそは頑張って置いていかれないようにしますね。
    本当にリクエストありがとうございました♪
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