「ショートショート」
    SF

    傑作

     ←友人 →ぽつり。
     その傑作がいつ書かれたのか、よくは知られていない。少なくとも、古代ギリシアでソロンの改革が行われていた時代にはすでに存在していたらしいが、推測の域を出ない。

     作者は不明である。ホメロスでさえ個人としての実在が疑われているくらいで、それより前の作品なのだ。わかるわけがない。

     タイトルについても諸説あるが、よくわかっていない。アリストテレスは「詩学」の中で、いくつかの例を指摘していたようであるが、その部分は欠落している。

     内容は、これまたよくわかっていない。傑作であることは確かなのであるが。

     実際は、詩なのか戯曲なのか、散文作品なのか口誦の物語なのかもよくわかっていないのである。

     そもそもこの作品は存在するのだろうか? 存在したのだろうか? そのようなことを考える学者もいる。

     その説が正しかろうと間違っていようと、われわれはその傑作を探し出すことに意味があると考えるし、現に探している。

     文学とは、その誰も知らず何も手がかりのない傑作を、「未来」に向かって探すことではないのか? としたら、われわれはそれを「過去」に向かって探しているのだ。

     何の違いがあるか。

     そして発見されたとき、即座にわれわれはまた別な「傑作」を探しにかかることだろう。

     過去へ。過去へ。遥かなる過去へ、幻とも思える宝物を探して。
    関連記事
    スポンサーサイト



     関連もくじ一覧 ▼ 
    総もくじ 3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ 3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ 3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ 3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ 3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ 3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    総もくじ 3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    もくじ  3kaku_s_L.png TRPG奮戦記
    【友人】へ  【ぽつり。】へ

    ~ Comment ~

    Re: LandMさん

    もっとすごいのは、「名前すら知られていないのに現代までその凄さが語り継がれている作品」ですね。

    ソフォクレスやアリストファネスといった戯曲の大家が詩の大会で優勝したと「伝えられているが原本がない」作品とか、

    アリストテレスが著書に断片を引用しているが「そこしか内容がわからない」哲人の著作とか。ヘラクレイトスの著作がもし完全な形で発見されたなら、哲学どころか世界中の人文学者がひっくり返って座りしょんべんしてバカになってしまうくらいの大騒ぎになるだろうからなあ……。

    NoTitle

    確かに。
    作者が分からなくても残っている作品は沢山ある。
    それはそれで素晴らしいですね。
    考えてみれば、作者不明で残っている作品が凄い作品だ。

    Re: かえるママ21さん

    サモトラケのニケの頭と腕、という話もあります。

    悲観的な人は、「もしそこまで現存してたら駄作になってただろう」といってますが……。

    NoTitle

    ミロのヴィーナスの腕の様ですね。

    「時間」の魔法というのは、文学作品にとっても謎でありエッセンスであり傑作ですね。(いつになく深いわ、わたくし。)

    Re: えむさん

    こちらこそご無沙汰していて……。

    せめてオタ句くらいは毎日詠もうと志を新たにするのであった(^_^;A)

    NoTitle

    こんにちは^^

    先日は嬉しいメッセージ ありがとうございます。
    お元気そうで何よりでしたよ〜!!!

    本当にありがとうございます♪

    Re: カテンベさん

    アイデアというやつは、いったいどこに転がっているのかわからないものです。

    過去の人間が、我々の知識の埒外にある「物語原型」をひとつでも持っていたら、その発見は素晴らしいことだと思います。

    時代を超える傑作、とは限らないのでは?

    当時としては傑作でも、現在の目からしたらたいしたことない、てなものかも

    そうだとしたら、見つけても気づかないかも
    逆に同時代の人間には評価されなかったけど、後世の人間からしてみたら、こりゃあ傑作やん、てなのが埋もれたまま、あるのかも
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【友人】へ
    • 【ぽつり。】へ