東西ミステリーベスト100挑戦記(ミステリ感想・やや毎日更新)
海外ミステリ3位 長いお別れ レイモンド・チャンドラー
とにかくいわせていただくと、わたしは村上春樹が好きではない。なんというかもう、すでに完成しているこの作品の和訳を改訳して「ロング・グッドバイ」などとするとは、僭越にもほどがあるだろコノヤロ。それだけでも怒り心頭なのにあの「さらば愛しき女よ」をあんな無残なタイトルに……。
まあいい。ここはそういう話ではなく、わたしが読んだミステリの感想を書く場である。冷静にならなければなるまい。
フィリップ・マーロウは、かっこいい。うーむ、それだけ書けば終わりのような気がしてきた。
とにかくかっこいい。真似がしたくてトレンチコートを買おうとしたことがある。もう流行らないからという理由で親に止められた。今にして思えば、「そりゃそうだよな」であるが、当時はけっこう悔しかったものである。そんな愚かな高校生(^^;)
しかし……名作であるのは確かなのだが……。もうひとつの高峰である「さらば愛しき女よ」のつもりで読むと、終盤の展開が、思った以上に現代的で、自分が読んでいるのはもしかしたらネオ・ハードボイルドなのだろうかという錯覚に陥る。
1940年発表の「さらば愛しき女よ」から1954年発表の「長いお別れ」の間には14年の月日が流れているのだ。そりゃー現代的にもなるよな。間に第二次世界大戦はさんだうえでさらに9年もの時間である。日本がサンフランシスコ平和条約で占領下から脱してからもさらに3年である。
同年代の作品を調べてみて愕然とした。松本清張が「点と線」を発表したのは「長いお別れ」よりも前なのである。
もしかしたら「長いお別れ」は戦前の私立探偵であったマーロウを戦後のこの時代にどうやってリアルに動かそうかと考えていたチャンドラーの果てしないあがきの始まりであり、ネオ・ハードボイルドの始まりと考えるべきなのかもしれない。
また読んでみようかな、もちろん「ロング・グッドバイ」じゃないほうを。
まあいい。ここはそういう話ではなく、わたしが読んだミステリの感想を書く場である。冷静にならなければなるまい。
フィリップ・マーロウは、かっこいい。うーむ、それだけ書けば終わりのような気がしてきた。
とにかくかっこいい。真似がしたくてトレンチコートを買おうとしたことがある。もう流行らないからという理由で親に止められた。今にして思えば、「そりゃそうだよな」であるが、当時はけっこう悔しかったものである。そんな愚かな高校生(^^;)
しかし……名作であるのは確かなのだが……。もうひとつの高峰である「さらば愛しき女よ」のつもりで読むと、終盤の展開が、思った以上に現代的で、自分が読んでいるのはもしかしたらネオ・ハードボイルドなのだろうかという錯覚に陥る。
1940年発表の「さらば愛しき女よ」から1954年発表の「長いお別れ」の間には14年の月日が流れているのだ。そりゃー現代的にもなるよな。間に第二次世界大戦はさんだうえでさらに9年もの時間である。日本がサンフランシスコ平和条約で占領下から脱してからもさらに3年である。
同年代の作品を調べてみて愕然とした。松本清張が「点と線」を発表したのは「長いお別れ」よりも前なのである。
もしかしたら「長いお別れ」は戦前の私立探偵であったマーロウを戦後のこの時代にどうやってリアルに動かそうかと考えていたチャンドラーの果てしないあがきの始まりであり、ネオ・ハードボイルドの始まりと考えるべきなのかもしれない。
また読んでみようかな、もちろん「ロング・グッドバイ」じゃないほうを。
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なかなか言えなかったのですが・・・私も村上春樹がいろんな意味で苦手で><
あ、ここはそういう事を言う場所ではなかったですよね。
「長いお別れ」は、いろんなところでタイトルを聞き、気になっていたんですがまだ読んだことがありません。
いつか読んでみたい作品の一つです。
あ、ここはそういう事を言う場所ではなかったですよね。
「長いお別れ」は、いろんなところでタイトルを聞き、気になっていたんですがまだ読んだことがありません。
いつか読んでみたい作品の一つです。
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Re: limeさん
フィリップ・マーロウは、ああいう知的な、一人称で「おれ」より「わたし」が似合う私立探偵の元祖みたいなもんですからねえ。ひとつひとつの比喩もかっこいいですし。
そこに多くの信奉者と、多くのアンチがいるわけでありますが。
わたしはどっちかというとですね(←この段階で既にバレている(笑))