東西ミステリーベスト100挑戦記(ミステリ感想・やや毎週土曜日更新)

    海外ミステリ4位 そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー

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     クリスティーはうますぎるので嫌い。そう思ったのはいつのころだったか。「スタイルズ荘の怪事件」を読んだときだったか「ゼロ時間へ」を読んだときだったか。とにかくもう、ミステリを書くために生まれてきたようなかたである。ミステリーの女王という名は伊達ではない、と、NHKで「名探偵ポワロ」を全話見て思った。「五匹の子豚」でのワインの瓶をめぐるあの逆転の発想なんて円熟期の作品とは思えない。

     そして、その「うますぎるので嫌い」の象徴的存在だったのがこの「そして誰もいなくなった」である。

     くさるほどにミステリガイドブックを読みまくっていれば、クリスティーの三大作品ともいえる「そして誰もいなくなった」「アクロイド殺し」「オリエント急行の殺人」のあらすじとオチは自然と耳に入ってくるもので、これはミステリガイドブックなんてものは読まないほうがいいということの証拠みたいなものである。ミステリと哲学はガイドブックなんて頼らずに直接本に当たれ、という点で共通している。というのはいいすぎかなあ。

     まあそんなわけで、本書も食わず嫌いのまま、へんな意地をはって長いこと読まなかったのであるが、根負けして数年前読んでみた。

     感想であるが。

     むちゃくちゃ面白かった。この順位もうなずける、というか当然。

     やっぱりクリスティーはうますぎるので嫌い! 長編「ABC殺人事件」と短編集「火曜クラブ」もうますぎて面白すぎるので読むときは注意するように! 戯曲「検察側の証人」を映画化した「情婦」なんて監督までうますぎて面白すぎるから要注意!(^^;)

     ミステリの女王がクリスティーだとしたら、大審問官はセイヤーズかな……。
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    ~ Comment ~

    Re: こみさん

    あらすじを知っていても面白いサスペンスです。

    クリスティのストーリーテリングが冴えわたってます。解説にあるように「長編の形をしたワンアイデアショートショート」なのですが、うますぎる文章がそれを感じさせません。

    ミステリファンなら一読されるべきです。展開をご存知ならば、クリスティの伏線に注意して読むと面白いと思いますよ(^^)

    NoTitle

    なんというか、ミステリーの重要なトリックは全部この人に取られちゃったかんじですよね。
    それにしても『そして誰もいなくなった』
    これほどオマージュの多い作品もないのではないでしょうか。
    で、私、まだ読んでないんです。
    映画では二種類見ちゃいましたねー。
    もはや、読むタイミングがわからなくなっちゃった感じ。
    うますぎて嫌い、なんてのはもはや告白に匹敵するような言葉ですね。

    Re: 面白半分さん

    クリスティのアイデアって、大技になると「なんでこれまでそんな当たり前のことに気がつかなかったんだろう」というものですから、後代に模倣者がたくさん出てくるんですよね。特に「アクロイド殺し」と「ABC殺人事件」に顕著ですけど。

    小説としての面白さはライバルのセイヤーズのほうが上ではないかと思いますが、読みやすさとバランスの良さ、それにアイデアの数で圧倒していますから、クリスティは永遠にミステリ界の女王でしょうね。しかもデイムとして貴族にまでなってますし(^^)

    真鍋博イラスト、わたしも好きです。でも今からでは、あのシリーズでは欠けている巻が出てきてしまうんでしょうね。ローダンと違って別なイラストレーターに真似て描かせるわけにもいかないし……。

    Re: 椿さん

    真似できるものだったら喜んで真似たい(笑)

    あの人のアイデアの無尽蔵さにはため息が出ます。

    店員「列車のおともに、なにかミステリでもいかがですか」

    客「かわりにお菓子をくださらないかしら。この売店にあるミステリ、全部私が書いたものなので」

    アガサ・クリスティー伝説で、いちばん好きなのはこれ。たぶんジョークでしょうけれど(^^)

    Re: blackoutさん

    「ABC殺人事件」とか、アイデア抜群の作品量産してますからねえあの人……。

    でも少年向けリライトでしか読んでませんが、初期の冒険小説もけっこう好きだったりします。『秘密機関』とか。

    まさにオールラウンドにミステリを書くために生まれて来たようなひとですなあ……。

    Re: limeさん

    どちらかといったら、同じ英国の女流ミステリ作家でも、limeさんには創元のドロシー・L・セイヤーズのピーター・ウィムジー卿シリーズのほうが向いているかもしれません。浅羽莢子氏の実に読みやすい訳がついており、分厚い長編の割にすいすい読めます。ただし、シリーズでも短編集のほうは、昔の創元の顔みたいな役者だった宇野泰三先生が訳したものがいまだに流通しており、これがまた読みにくいので注意。

    そうした謎解きミステリーよりも、limeさんにはハードカバーの短編集ですがE・W・ホーナングの「ラッフルズ」シリーズを読んでほしいであります。謎だサスペンスだトリックだ犯罪者を主人公にした記念碑的シリーズだというよりも、金も希望もない貴族の青年ふたりのあぶなっかしい素人強盗ぶりと、そこにあらわれる「絶対に取り戻せない友人とのキラキラした日々」を描いた青春小説として傑作だと思うので。

    論創から「二人で泥棒を」をはじめとして全三巻出てます。文庫には百年経ってもまずたぶん落ちることはないと思われます(^^;)

    http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%A7%E6%B3%A5%E6%A3%92%E3%82%92%E2%80%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%81%A8%E3%83%90%E3%83%8B%E3%83%BC-%E8%AB%96%E5%89%B5%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA-%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B0-E-W/dp/4846005135/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1446365595&sr=8-1&keywords=%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%A7%E6%B3%A5%E6%A3%92%E3%82%92

    NoTitle

    この三大作品のキモの部分は
    それこそガイドブックや、ましてや後発のミステリの作品内でさえ
    触れられていますが
    それでも実際読むと引き込まれますね。

    昔のハヤカワ文庫はイラストが真鍋博だったので
    そちらで復刻してほしいと
    思っております

    NoTitle

    私はクリスティー大好きなんですよね。十代後半はクリスティーばっかり読んでいました。
    あんまり理論的ではなく、どっちかと言うと舞台効果であっと言わせる系の方ですが、そこも好き。

    自分的には「そして誰もいなくなった」より、文中で上げてらっしゃる「五匹の子豚」や「ABC殺人事件」なんかの方が好きですが。
    でもこういう人を真似しようと思っちゃダメ。……っていうのを20年以上かけてやっと学びました(^_^;)

    NoTitle

    アガサクリスティは自分もいくつか読みましたね

    それも小学生とか中学生の頃に(汗)

    色々と理解できないはずなのに、印象にはやたらと残ってるっていうw

    でも、自分はミステリーは書けないんですよね(汗)
    とはいえ、間接的にその影響は作風に出てそうな気はしますが

    NoTitle

    ああ~、やっぱりアガサクリスティ―は面白いのですね。
    なんか、エラリーにハマった頃、アガサクリスティ―を絶賛する人が多かったので、なんとなく逆に読めなかったんですが。
    (高村ファンVS宮部みゆきファンみたいな? 違うか)

    そして誰もいなくなった、はやっぱり読むべきかなあ。
    和訳の文章が、ものすごく古く感じなかったら、読んでみようかなあ・・・。
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