東西ミステリーベスト100挑戦記(ミステリ感想・やや毎週土曜日更新)

    海外ミステリ8位 アクロイド殺し アガサ・クリスティー

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     この小説とも不幸な出会いをしている。これもまた小学生のころにこの本と出会ったゆえだった。

     押入れから発掘したクリスティーの本。あいにくとこれもまた昔の創元推理文庫版であった。読みにくい漢字や熟語がいっぱい使ってある文章を必死で読み、ひたすら食らいつき読んでいった。

     不幸な出会いというのはこういうものだろうか。わたしは小学四年生の知識と読書力でこの本を読んだ。もうストーリーを追うのだけで精いっぱいだった。そして読み切ってしまった。なんという悲劇か!

     頭の悪い小学生の浅はかさというか、わたしは読後「わー、ポアロすごいなあ。名探偵だなあ」という感想を持った。それだけである。

     わたしはこのミステリ史上最大ともいうべきクリスティーの離れ業のすごさに『まったく気付かずに』読み終えてしまったのである!

     たぶん高校、いや中学生の時読んだのだったら、その衝撃に熱狂的なクリスティーファンになっていただろうが、小学生にその驚きを求めるのは酷だったろう。

     かくして『どうしてこの作品が名作と呼ばれているのか』を再認識するには、中高生のころにミステリのガイドブックを読みまくるまで待たなければならなかったのである。

     だからクリスティーはうますぎて嫌いだ。

     これを書くにあたって、犯人をわかったうえでもう一度早川版を読み直してみたら、メイスンの「矢の家」を読んだときのようなこれ以上ない知的サスペンスが味わえた。「アクロイド殺し」は再読して面白いような作品ではない、と考える人がいたら、どこ読んでるんだこのバカ、といいたい。要するに一粒で二度おいしい作品なのである。クリスティーがほんとうに狙っていたのはそこではないか、とまで考えたくなる。

     ほんとクリスティーってうますぎて嫌い!
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    ~ Comment ~

    Re: 椿さん

    それはそれでマニアックな読みかたですな(笑)

    なんでも、マニアの中にはあの真相に反感を持つ人がいて、「犯人とされた人間は無実で、実は別人が真犯人なんだ」という考えのもと、分厚い本を書きあげてしまった人もいるそうで。

    http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%92%E6%AE%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%A0%E3%82%8C%E3%81%8B-%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4480837116/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1449234741&sr=8-7&keywords=%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89

    さあ図書館だ!(笑)

    NoTitle

    アクロイド殺しは10回くらい読んでますが、何度読んでも面白いですよー(クリスティ教信者)
    最近はお姉さん視点で読むのがマイブームです。

    出会う時期って大切ですよね……。しかし小学生で創元推理文庫を読み切るのもスゴイですね。

    Re: 面白半分さん

    できるかぎりネタバレしないように書くのがたいへんであります。

    それにしても後で書きますが「東西ミステリーベスト100」の小泉喜美子「弁護側の証人」の解説だけは読んではいけません。読むとこうなります。→ http://tabekube.blog6.fc2.com/blog-entry-1485.html

    「弁護側の証人」や折原一先生の諸作も、もとをたどればクリスティのこれに行きつくのかもしれませんね。(かなりネタバレのような気が(^^;))

    NoTitle

    『まったく気付かずに』って結構あるのかもしれません
    気付かずに ”つまらなかった”などと感想記事を書いている可能性もあり考えるだに恐ろしい。

    ちなみにアクロイドは(知りたくなくても)ネタを知ってしまった上で
    読みましたが面白かったです

    Re: blackoutさん

    乱歩といえば、「少年探偵団」しか知らないような人間に、「パノラマ島」はあまりに早すぎたです(^^;)

    「いけないものを読んだ」みたいな変な背徳感を……(^^;)

    まあその後、新潮の「江戸川乱歩集」を読んで、究極の変態小説「鏡地獄」などに出会うわけですが、しかしそのころにはすでにわたしの目はほかに向いていました。

    高木彬光「刺青殺人事件」「人形はなぜ殺される」です。

    思えばそれらとの出会いがわたしの人生の方向性の八割くらいを……。

    Re: limeさん

    小学生があまり背伸びしすぎるのも考え物ということで。

    でも再読した「アクロイド殺し」、犯人を知ったうえで読むと海外ドラマみたいなサスペンスの傑作になるんですよ。

    クリスティはただものじゃありませんほんと。

    NoTitle

    逆を言えば、そんな小・中学生にも読ませてしまう何かがあるってことでしょうかね

    ええ、自分もクリスティーはその時期にいくつか読んでしまいましたw

    で、某テレビ局で深夜枠でアニメ化されている江戸川乱歩も(汗)

    この時点で、自分の人生は決まってしまった気がしないでもないw

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    NoTitle

    やっぱり読む時期って言うのは大切なんでしょうね。
    その悔しさ、分かる様な気がします。

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