映画の感想
「戦火のかなた」見た
「ブログDEロードショー」の企画として立案。いや、「無防備都市」があまりにも素晴らしかったので、もっとみんな見ようよう、という個人的動機からスタートしたが、食いついてくれるだろうか。
まずはこの長いやつから。126分なので退屈したらどうしよう、などと別な意味でどきどきしながら見る。
感想。
面白かった。退屈するヒマなどなかった。戦中のイタリアの混乱する社会を6つのオムニバスでつづったものだが、そのひとつひとつがよくできている。
最初の話は、村娘を演じた女優さんがすてきだった。好みである。それだけにオチがやりきれない。
二番目の話は、黒人兵と少年のドラマだった。コメディとして作ったのではないかと思われるが、これがまたやりきれない話。いや想像はつくがやりきれん話である。
三番目の話は、「無防備都市」でも演じているマリア・ミーキが熱演している、これまたやりきれない話。個人的にはマリア・ミーキはそれほど好きな女優ではないのだが、ここまでやりきれない主人公を演じてくれたら許す。
四番目の話は、ゲリラのリーダーをしている恋人に遭うため、ゲリラとドイツ軍が激烈な戦闘をしているフィレンツェに飛び込んでいく看護婦の話。ご想像通り、やりきれない話である。まあ想像していたよりやりきれない話ではなかったのが救いなのかもしれないが、やりきれない話には違いない。
五番目の話は、戦火に耐えて生き残った修道院に、三人のアメリカの従軍牧師がやってくる話であるが、途中から語るも恐ろしいサスペンスになってくる。この中ではいちばん怖い話だった。結末がどうなるかはここにはあえて書かないでおこう。
六番目の話は、ドイツ軍の包囲下で抵抗を続けるパルチザンと、そこに加わることになった連合軍兵士たちの話。むろん、やりきれない結末に終わる。ラストのナレーションがこれまたやりきれなさの極致である。
これだけやりきれない話なのにこれだけ面白いってどういうことだ、と、ロッセリーニ監督の手腕に感嘆。
やっぱりこういうの見ていると、「負け戦の時政府に対抗して立ち上がったゲリラ」を持たなかった国って、不幸だよなあと思う。そういう国は敗戦をこじらせるからなあ。
必見。
ひと眠りしたら「ドイツ零年」も見よう。
まずはこの長いやつから。126分なので退屈したらどうしよう、などと別な意味でどきどきしながら見る。
感想。
面白かった。退屈するヒマなどなかった。戦中のイタリアの混乱する社会を6つのオムニバスでつづったものだが、そのひとつひとつがよくできている。
最初の話は、村娘を演じた女優さんがすてきだった。好みである。それだけにオチがやりきれない。
二番目の話は、黒人兵と少年のドラマだった。コメディとして作ったのではないかと思われるが、これがまたやりきれない話。いや想像はつくがやりきれん話である。
三番目の話は、「無防備都市」でも演じているマリア・ミーキが熱演している、これまたやりきれない話。個人的にはマリア・ミーキはそれほど好きな女優ではないのだが、ここまでやりきれない主人公を演じてくれたら許す。
四番目の話は、ゲリラのリーダーをしている恋人に遭うため、ゲリラとドイツ軍が激烈な戦闘をしているフィレンツェに飛び込んでいく看護婦の話。ご想像通り、やりきれない話である。まあ想像していたよりやりきれない話ではなかったのが救いなのかもしれないが、やりきれない話には違いない。
五番目の話は、戦火に耐えて生き残った修道院に、三人のアメリカの従軍牧師がやってくる話であるが、途中から語るも恐ろしいサスペンスになってくる。この中ではいちばん怖い話だった。結末がどうなるかはここにはあえて書かないでおこう。
六番目の話は、ドイツ軍の包囲下で抵抗を続けるパルチザンと、そこに加わることになった連合軍兵士たちの話。むろん、やりきれない結末に終わる。ラストのナレーションがこれまたやりきれなさの極致である。
これだけやりきれない話なのにこれだけ面白いってどういうことだ、と、ロッセリーニ監督の手腕に感嘆。
やっぱりこういうの見ていると、「負け戦の時政府に対抗して立ち上がったゲリラ」を持たなかった国って、不幸だよなあと思う。そういう国は敗戦をこじらせるからなあ。
必見。
ひと眠りしたら「ドイツ零年」も見よう。
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~ Comment ~
Re: 宵乃さん
戦後のイタリアの混乱状況をリアルなものとして切りとった映画、とでもいいますか。まるで生の映像を切りとってきたかのような演出をするのがわたしにはみずみずしく映りました。
個人的にはハリウッドスターだったあのイングリッド・バーグマンが家族もキャリアも捨ててロッセリーニ監督のもとへ走り子供まで産んでしまった、という気分もわからないではない、と思えます。
またイタリアの焼けあとが美しいんですよ。廃墟なのに美しいという、こればっかりは日本映画が真似できないところだと思います。廃墟なのに絵はがきの一枚に見えるからなあ……。
個人的にはハリウッドスターだったあのイングリッド・バーグマンが家族もキャリアも捨ててロッセリーニ監督のもとへ走り子供まで産んでしまった、という気分もわからないではない、と思えます。
またイタリアの焼けあとが美しいんですよ。廃墟なのに美しいという、こればっかりは日本映画が真似できないところだと思います。廃墟なのに絵はがきの一枚に見えるからなあ……。
NoTitle
やりきれない話なのに面白い。
そういう作品は私も作ってみたいですね。。。
やはり海外の映画は価値観がまた違うので鑑賞してみたいですねえ。。。
そういう作品は私も作ってみたいですね。。。
やはり海外の映画は価値観がまた違うので鑑賞してみたいですねえ。。。
NoTitle
この記事だけで「やりきれない」という言葉が何度出てくるのか(笑)
イタリア・ネオリアリズムって聞き慣れない単語でいまいち意味を把握してないんですが、この時期につくられたイタリアのやりきれなさを象徴したような作品という感じですかね?
>これだけやりきれない話なのにこれだけ面白いってどういうことだ
やはり、それだけ人間が描けているということでしょうか。人間がしっかり描けていれば、おのずとその時代の一面が見えてくるし、物語になりますからね~。
私は別の作品をチョイスしたので、この作品はいつか機会があったら観てみようと思います。
今回はリクエスト&ご参加、本当にありがとうございました♪
イタリア・ネオリアリズムって聞き慣れない単語でいまいち意味を把握してないんですが、この時期につくられたイタリアのやりきれなさを象徴したような作品という感じですかね?
>これだけやりきれない話なのにこれだけ面白いってどういうことだ
やはり、それだけ人間が描けているということでしょうか。人間がしっかり描けていれば、おのずとその時代の一面が見えてくるし、物語になりますからね~。
私は別の作品をチョイスしたので、この作品はいつか機会があったら観てみようと思います。
今回はリクエスト&ご参加、本当にありがとうございました♪
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Re: LandMさん
70年前のものだろ、と思うかもしれませんが、一度見て置いていい映画だと思いますねえ……。