映画の感想

    「ウンベルトD」見る

     ←野津征亨さんお誕生日プレゼント赤南パロディショートショート! →「自転車泥棒」再見
     ブログDEロードショーの一本として見る。これまたデ・シーカ監督のイタリアネオレアリズモ作品。

     すべてを失った老人の、一種の寓話と見るのが適当かもしれない。

     もとから財産などほとんどない年金暮らしの老人が主役なのだが、デ・シーカ監督、その老人からの「すべての奪いかた」が尋常ではない徹底ぶり。まことに容赦がない。

     老人の愛犬がこれまたいい演技をするのだが、デ・シーカ監督、犬にも容赦がない。

     犬と老人の前になにが待っているのか、ある意味、非常にサスペンスフルな作品である。

     見ている側の想像のさらに上を行くラストシーンをどう思うかだが、わたしはそこに「善意」とか「悪意」とかを通り越した運命の無目的さを感じた。

     ふと日本を振り返れば、この作品の老人が直面している状況は、日本全体が直面している問題ではないか。

     それ以前に、「人間が老いる」ことについての普遍的真理をこの作品はえぐり出しているのではないか。

     そんなことまで考えさせられる作品。

     日本だったら志村喬が演じるところだな、この老人。まだ見ていない黒澤明「生きる」と見比べたくなった。

     しかしどれもこれもとことんまでドライだなあイタリアネオレアリズモ作品……。
    関連記事
    スポンサーサイト



    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    【野津征亨さんお誕生日プレゼント赤南パロディショートショート!】へ  【「自転車泥棒」再見】へ

    ~ Comment ~

    Re: きみやすさん

    自分で判断しろ、といわれると、みんな列車に飛び込んでしまうんじゃないかと思います今の日本。

    なにせ「みんなの迷惑になるな」が合言葉みたいな国ですから。

    藤子F先生に「定年退食」というおっかない漫画がありますが、近い将来、もしかしたらリアルにそうなるのかもしれません。

    NoTitle

    こんばんは。

    実は、観たけども記事にしなかったのはこの作品だったんですよ。
    お書きになられているように。

    >ふと日本を振り返れば、この作品の老人が直面している状況は、日本全体が直面している問題ではないか。

    そして
    >それ以前に、「人間が老いる」ことについての普遍的真理をこの作品はえぐり出しているのではないか。

    もうこの二つの文章に集約されていて。

    今、この日本でも起きていることでもあり
    もし、(あえて)結論を出そうとするのならば
    自分の人生で出すしかないというか。

    “人事は棺を蓋うて定まる”しかないのかなと思った次第の作品でした。

    Re: LandMさん

    どうかなあ。

    今の日本では、「社会派」はウケない、と相場が決まっているからなあ(^_^;)

    ファーストシーンは老人たちのデモだし。

    Re: 宵乃さん

    これがまた味のある顔の方で。素人の大学教授を引っ張ってきたそうですけれど、まさに絶妙のキャスティング。

    宮崎駿監督がやろうとしていたのもこういう映画の見事なキャスティングとその効果、かもしれません。単に日本では声優が特化しすぎてしまい失敗しただけで。

    イタリアだけにとどまらず、「老い」を迎えた人間すべてが直面する問題でしょうね。とにかく、他人ごととは思えませんでした。

    NoTitle

    これを1950年代に描いたというのも先見の妙があるというか。
    日本の現状を表しているのは間違いないと思います。
    実際に日本の高齢者の単独世帯は増えていて、
    このような実情の中生活している人はいますからね。
    日本でリメイクするとある意味ヒットしそうな気がしますね。。。

    NoTitle

    連日、重くてドライなイタリアネオレアリズモ作品の鑑賞お疲れ様です!
    今度は老人が辛い目に遭うんですね…。日本なら志村喬さんと聞いたら、もう志村喬さんが追い込まれている姿しか思い浮かばない(笑)

    >ふと日本を振り返れば、この作品の老人が直面している状況は、日本全体が直面している問題ではないか。

    何気に今の日本、もしくは世界全体が、ネオリアリズモ作品に描かれたような荒んだ状況(こころ)に重なりますよね…。深いです。
    6作品目もご参加ありがとうございました!
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【野津征亨さんお誕生日プレゼント赤南パロディショートショート!】へ
    • 【「自転車泥棒」再見】へ