東西ミステリーベスト100挑戦記(ミステリ感想・やや毎週土曜日更新)

    海外ミステリ32位 暗殺者 ロバート・ラドラム

     ←ポーランドを愛するCさんへ →アルファポリスホラー小説大賞応援ありがとうございました
     誰かが、「ものすごく退屈なんですけど、なにか面白い本ありますか?」と聞いてきたときに備え、いつでも貸せるようアパートの押入れにしまってある本がこのラドラム「暗殺者」である。この本は実に危険な本で、何十回となく読んで筋が完璧に頭に入っていても、ついふらふらと手が伸びたら、気がつくと200ページくらい読みふけっていたりするのである。誇張も入っているが本気で書いている。そのくらい、一度読み始めるとやめられない本なのだ。

     最初に読んだのは中学生のとき。この「東西ミステリーベスト100」を図書室で読み、あらすじが気にいって即リクエストし、届いたのは受験シーズン真っただ中の、それも期末テスト直前だった。いちおう確保しておくが読むのはテストが終わってからにしよう、と借りて帰り、教科書を開く前にまあちょっと2ページくらいいいかな、とページを繰ったところ、気がついたら徹夜していた。当然テストの結果はボロボロ。これでよくもまあ志望校に合格したものだ、と今更ながら思う。

     とにかく読み始めた直後からぞくぞくさせるシーンの連続技でガンガン押してくる。繰り出される重量級のパンチを食らっているうちになにがなんだかわからなくなってしまい、謀略とアクション渦巻く逃避行をする主人公と視点が同じくなり、いつのまにかページめくりマシンと化してしまうのだ。まったくおそろしい本である。

     ラドラムは一時期「ラドラムの奇跡」と呼ばれるほど、出す本出す本ことごとくベストセラーになっていたそうであるが、なんというか、今読んでも面白いのは、その中でもこの「暗殺者」と「マタレーズ暗殺集団」と「狂気のモザイク」くらいではないかと思う。この人演劇関係出身で、それにより読者へのサービス精神が旺盛なのはいいのだが、同時に文章が大味なうえくどくなる傾向があって、面白い本はべらぼうに面白いが、つまらない本は20ページも読まないうちに眠くなるんだよなあ。

     ちなみに、この「暗殺者」は映画「ボーン・アイデンティティ」の原作でありますが、話の筋はまったく違います。そのうち映画も見に行こうというつもりだったのですが今の今までのびのびに。いかんなあ。

     調べてみたら、いまだ読まれている英語圏に対し、あれだけ新潮や角川が刷りまくっていたにもかかわらず、今では邦訳された50冊にもなんなんとする全作品が絶版品切れだそうで……。なんでやねん! 名作群は安いうちにアマゾンで買っておくか……でも厚いし……電子書籍にならないかなあ。
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    ~ Comment ~

    Re: limeさん

    ホラーテイストはあるけれど、基本的に幻想小説ですからねえ。

    自分としては小泉喜美子まつりをしたくなってきたところですが、あの人の作品、世評は高いのに絶版品切れ本が多すぎて……。せめて本作と「ダイナマイト円舞曲」くらいは再刊してほしいものです。

    図書館で短編集「太陽ぎらい」借りてこようっと(^^)

    Re: ひゃくさん

    両方を比べた友人は、「小説のほうが面白い」っていってましたが、好みにもよるんじゃないのかなあ、と思います。

    見なくちゃなあ、とも思っているのですが、わざわざDVD借りる映画かな、とも思うので(^^;)

    マーガレット・ミラーは「狙った獣」がいまひとつだった印象があるのでほかのには手を出していませんが、そんなにはまる作家だったのですか。読まんとなあ。

    Re: blackoutさん

    いったんはまると臨場感が半端ではないんですけれどね。

    英文で読むとまた違うのかもしれませんが。

    NoTitle

    さっきのコメ返のつづきです^^

    本の紹介ありがとうございました!
    さっそく買いました。
    文庫にしようと思ったけど、文庫の表紙が怖すぎでした!!
    だから単行本にしました!
    あの表紙はダメですよ。あんなのホラーですよ><

    単行本、届くのが楽しみです。
    ちょっと前に、レビューで絶賛の「新世界」を買って、少し読んで放置してあります。
    もう少し読んだら面白くなるのかな・・・。(どうも冒頭で心を掴まれないと、読み進められない我が儘読者です><)

    NoTitle

    中学生のくせに洋モノなんて、ませてたんですねー(笑)

    ロバート・ラドラムは名前だけは聞いたことありましたけど(というか本屋で名前を見たことがありますけど)、そうなんですか。『ボーン・アイデンティティ』の原作だったんですか。

    ポール・ブリッツさんがそんなに面白いって言うと、つい(積読本が壁となってるのに)読みたくなっちゃうわけですが、でもー、映画の方は、私、ちょっとイマイチだったんですけど、原作はどうなんです?
    なんだろ?主人公が、あまりにオールマイティすぎって感じだったのかな?(笑)

    > 全作品が絶版品切れだそうで

    日本は(というか世界の状況は知りませんけど)、売れる本のほとんどが新刊とその新刊の作者の本だっていいますからね。
    過去のベストセラー作家の本なんて読者は見向きもしないから、出版社はどんどん絶版にしちゃうんでしょうね。
    そう言う意味じゃ、古本が安い時こそチャンスと思って、積読覚悟で買っといた方がいいように思うようになりました。
    私、マーガレット・ミラーがみょぉーっに好きなんですけど、何で軒並み1円(アマゾンで)の時全部買っとかなかったんだろ?って、ずっと後悔してます(泣)

    NoTitle

    文章が大味でくどくなる、というのは、自分も映像の世界に身を置いていたことがあるので、なんとなくわかります(汗)

    浮かんだ情景や主人公の感情を文書に書くとき、つい書きすぎちゃう(汗)

    書かないと伝わらないっていう強迫観念が出ちゃうわけです

    初期の頃は、自分もその傾向があった気がします

    Re: マウントエレファントさん

    古本屋でもめっきり見なくなったなあ……とラドラムの未読「マトロック・ペーパー」を買ってしまいました。

    さて読むか(`・ω・´)

    NoTitle

    ボーン・アイデンティティの原作本なんですね。
    絶版となると、読めないかぁ。残念。
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