ウォーゲーム歴史秘話
番外編・黄輪さんの小説をゲームにしてみる
このブログを読んでいるかたなら「黄輪雑貨本店 新館」というブログをやっている黄輪さんについてはご承知だろう。
去年だったか、その作中に出てくる「白猫党の乱」とでもいうべき内乱について「あ、ゲームにしたいですね」という話をもちかけたことがある。そのときはむやみやたらに凝ったルールを作り、「どういう展開になるのかさっぱりわかりません」と落胆させてしまった(汗)
というわけで今回はむやみやたらに単純なルールを使うことにした。
まず、ここに、黄輪さんのブログから拝借した地図に、「その場の勢いとノリと直感で」わたしが根拠もなく勝手にエリア分けをしてしまったものがある。

小説ではこの地図の真ん中にある「クロスセントラル」で蜂起した白猫党が、この央北に大戦乱状態をもたらすのであるが、その醍醐味は戦術よりも戦略レベルで味わった方が面白いと思われる。しかもなにぶん読んだのがけっこう前なので、戦乱がどうなったかについて細部をよく覚えていない。
よって、中央で蜂起したこと以外は忘れ、自由度の高いシステムにすることにした。
ベースとしたのは、翔企画から昔出ていた初心者向け戦略級ボードゲーム「五虎三国志」である。ルールはわずか3ページ。


こんなに読まなきゃゲームできないのか、と唖然とするかもしれないが、このゲームシステムはゲームファンには「こんな単純なルールでシミュレーションゲームなどとよくいえたものだなあ」などと別な意味で唖然とするようなものなので、たぶんゲームファンのほうが異常なのだろう。
地図の各所に、その土地の動員力を書き入れ、セットアップしてみる。セットアップ時の写真を撮り忘れたのは失敗だった。
四方を敵にふさがれたこんな状態ではあっという間に全方向から攻撃されて白猫党が壊滅してしまうので、特別ルールをつける。
ルール変更点:
基本的に二人で行う。プレイヤーA:曹操 プレイヤーB:その他
曹操プレイヤー(白猫党)は自分の動員、戦闘、移動を終えた後、もう一度動員、戦闘、移動ができる。
また、赤プレイヤーは、その二度の手番のどこかで、振ったサイコロの目を好きな数字にできる。
ゲームの終了は、曹操コマ(予言者)が除去されるか、他の全君主コマが除去されるかのいずれかの状態になった時点とする。曹操が除去されていれば反白猫党の勝利、そうでなければ白猫党の勝利である。
前者の変更点は、周囲の国に欠けていたと思われる高度に集約された生産力と、自動車化されたことによる機動力の優越を再現したものである。後者は、白猫党の持っていた限定的な未来予測能力を再現したものである。ゲームの終了の変更は、白猫党の狂信性を再現したものである。
このルールで最初にテストプレイしたときには、予言者を前進させすぎたため、敵中に孤立し、討死してゲームがあっという間に終わってしまった。
今度のテストプレイでは写真を撮って本格的にやってみることにする。
クロスセントラルで白猫党蜂起! 中央の都市部を支配した白猫党は、敵がまだ戦闘準備を整えていないうちにウエストポートとノースポートの両司令部を攻めることによって、電撃的に央北北部を降伏させようとした。しかしその計画は頓挫する。

攻撃の失敗は、敵に戦闘準備を取らせることになってしまった。度重なる白猫党の戦術的敗北により、クロスポイントは優勢な敵から包囲されることに。
執拗に続く青、緑、黄の軍によるクロスポイント攻撃。だが白猫党はその攻撃に耐えた。その間に、補給を無視してトラス王国のの本拠、イーストフィールドに予言者は突撃し、数で勝る敵を撃破し、イーストフィールドを陥落させ、国王含め政府高官を捕獲、講和に持ち込むことに成功。これで紫の軍勢は攻撃も移動もできなくなった。

連合軍のクロスポイント包囲戦はまだ続くが、陥落させることができない。軍を転じた予言者は、サウストレードへと兵を進める。連合軍は連絡線を切断し、予言者を孤立させようとするも、白猫党の抵抗の前に失敗。

サウストレード陥落。黄の軍の抵抗も失敗に終わる。しかし、包囲戦の結果、クロスポイントは解放。緑の軍が進駐。その裏で、青の軍勢が危機的状況にあることに誰も気づいていなかった。

黄の軍勢も白猫党の軍門にくだる。だが連合軍は敵に倍する軍勢を……と誰もが思っていたのだが。

青の軍の脆弱なところを狙って白猫党は突撃。ウエストポート陥落。指導層は追い詰められる。

青軍講和。無人の野を行くように白猫党の精鋭部隊はノースポートに突進する。

緑軍、クロスポイント放棄。白猫党はクロスポイントなど目もくれず、緑軍の司令部を狙う。

緑軍、白猫党に最後の攻撃。敵将を戦死させるも、致命的なダメージを負ってしまう。

ノースポート陥落、緑軍は白猫党と講和。かくしてこの戦争は白猫党の勝利となった。

白猫党を強くし過ぎた気がする。それと、ここまで来るのに外交抜きで三時間かかっているから、三国がつぶれたところで白猫党勝利でもいいかもしれない。
などということを小説も書かずに……(^^;)
去年だったか、その作中に出てくる「白猫党の乱」とでもいうべき内乱について「あ、ゲームにしたいですね」という話をもちかけたことがある。そのときはむやみやたらに凝ったルールを作り、「どういう展開になるのかさっぱりわかりません」と落胆させてしまった(汗)
というわけで今回はむやみやたらに単純なルールを使うことにした。
まず、ここに、黄輪さんのブログから拝借した地図に、「その場の勢いとノリと直感で」わたしが根拠もなく勝手にエリア分けをしてしまったものがある。

小説ではこの地図の真ん中にある「クロスセントラル」で蜂起した白猫党が、この央北に大戦乱状態をもたらすのであるが、その醍醐味は戦術よりも戦略レベルで味わった方が面白いと思われる。しかもなにぶん読んだのがけっこう前なので、戦乱がどうなったかについて細部をよく覚えていない。
よって、中央で蜂起したこと以外は忘れ、自由度の高いシステムにすることにした。
ベースとしたのは、翔企画から昔出ていた初心者向け戦略級ボードゲーム「五虎三国志」である。ルールはわずか3ページ。


こんなに読まなきゃゲームできないのか、と唖然とするかもしれないが、このゲームシステムはゲームファンには「こんな単純なルールでシミュレーションゲームなどとよくいえたものだなあ」などと別な意味で唖然とするようなものなので、たぶんゲームファンのほうが異常なのだろう。
地図の各所に、その土地の動員力を書き入れ、セットアップしてみる。セットアップ時の写真を撮り忘れたのは失敗だった。
四方を敵にふさがれたこんな状態ではあっという間に全方向から攻撃されて白猫党が壊滅してしまうので、特別ルールをつける。
ルール変更点:
基本的に二人で行う。プレイヤーA:曹操 プレイヤーB:その他
曹操プレイヤー(白猫党)は自分の動員、戦闘、移動を終えた後、もう一度動員、戦闘、移動ができる。
また、赤プレイヤーは、その二度の手番のどこかで、振ったサイコロの目を好きな数字にできる。
ゲームの終了は、曹操コマ(予言者)が除去されるか、他の全君主コマが除去されるかのいずれかの状態になった時点とする。曹操が除去されていれば反白猫党の勝利、そうでなければ白猫党の勝利である。
前者の変更点は、周囲の国に欠けていたと思われる高度に集約された生産力と、自動車化されたことによる機動力の優越を再現したものである。後者は、白猫党の持っていた限定的な未来予測能力を再現したものである。ゲームの終了の変更は、白猫党の狂信性を再現したものである。
このルールで最初にテストプレイしたときには、予言者を前進させすぎたため、敵中に孤立し、討死してゲームがあっという間に終わってしまった。
今度のテストプレイでは写真を撮って本格的にやってみることにする。
クロスセントラルで白猫党蜂起! 中央の都市部を支配した白猫党は、敵がまだ戦闘準備を整えていないうちにウエストポートとノースポートの両司令部を攻めることによって、電撃的に央北北部を降伏させようとした。しかしその計画は頓挫する。

攻撃の失敗は、敵に戦闘準備を取らせることになってしまった。度重なる白猫党の戦術的敗北により、クロスポイントは優勢な敵から包囲されることに。
執拗に続く青、緑、黄の軍によるクロスポイント攻撃。だが白猫党はその攻撃に耐えた。その間に、補給を無視してトラス王国のの本拠、イーストフィールドに予言者は突撃し、数で勝る敵を撃破し、イーストフィールドを陥落させ、国王含め政府高官を捕獲、講和に持ち込むことに成功。これで紫の軍勢は攻撃も移動もできなくなった。

連合軍のクロスポイント包囲戦はまだ続くが、陥落させることができない。軍を転じた予言者は、サウストレードへと兵を進める。連合軍は連絡線を切断し、予言者を孤立させようとするも、白猫党の抵抗の前に失敗。

サウストレード陥落。黄の軍の抵抗も失敗に終わる。しかし、包囲戦の結果、クロスポイントは解放。緑の軍が進駐。その裏で、青の軍勢が危機的状況にあることに誰も気づいていなかった。

黄の軍勢も白猫党の軍門にくだる。だが連合軍は敵に倍する軍勢を……と誰もが思っていたのだが。

青の軍の脆弱なところを狙って白猫党は突撃。ウエストポート陥落。指導層は追い詰められる。

青軍講和。無人の野を行くように白猫党の精鋭部隊はノースポートに突進する。

緑軍、クロスポイント放棄。白猫党はクロスポイントなど目もくれず、緑軍の司令部を狙う。

緑軍、白猫党に最後の攻撃。敵将を戦死させるも、致命的なダメージを負ってしまう。

ノースポート陥落、緑軍は白猫党と講和。かくしてこの戦争は白猫党の勝利となった。

白猫党を強くし過ぎた気がする。それと、ここまで来るのに外交抜きで三時間かかっているから、三国がつぶれたところで白猫党勝利でもいいかもしれない。
などということを小説も書かずに……(^^;)
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Re: かえるママ21さん
作りたくなったけれど途中で座礁して海の藻屑となった自作ゲームは山ほどありますよ(^^;)
そもそも最初に作ったゲームからして海の藻屑だった。ゲームバランスというものを一切考えないで作ってしまったんです。普通のスゴロクですが、参考にしたのがドラえもんのひみつ道具『迷路スゴロク』だったもので(^^;)
そもそも最初に作ったゲームからして海の藻屑だった。ゲームバランスというものを一切考えないで作ってしまったんです。普通のスゴロクですが、参考にしたのがドラえもんのひみつ道具『迷路スゴロク』だったもので(^^;)
Re: カテンベさん
現実のわたしは、あれもやりたいこれもやりたいで結局何にもなれなかった人間ですので(^^;) まあこれから逆転のチャンスを待つわけですけど。
この小説はいちおう、「青春小説」を目指して書いてますから、話は現代まで行かないうちに終わります(^^)
この小説はいちおう、「青春小説」を目指して書いてますから、話は現代まで行かないうちに終わります(^^)
おはようさん
話が進んでいくと、このゲームもゲーマーのお話の中に登場することになるのかしらん?
それやと、ゲーマーやなくてゲームクリエイターになってまうから違うんかなσ(^_^;)
それやと、ゲーマーやなくてゲームクリエイターになってまうから違うんかなσ(^_^;)
- #17314 カテンベ
- URL
- 2016.05/30 08:11
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Re: 黄輪さん
今回のゲームも、最初は多人数プレイを想定していたのですが、ためしにやってみると白猫党が圧倒的に強くなりすぎ、1対4でも白猫党有利なゲームではないか、と……(^^;)