その他いろいろ

    ナーヴァ「The death of friends」備忘録日記

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    カリフォルニア大地震。ゲイの弁護士であるわたし、ヘンリー・リオスの住むサンフランシスコは大混乱に陥った。エイズで闘病中であるかつての恋人である友人、ジョシュ・マンデルのことを心配したわたしは、車で彼のいる病院へ行こうとするが、交通機関がマヒした今では不可能だった。めちゃくちゃになった家に戻ってきたわたしは、戸口で黒い髪の魅力的な若者が眠っているのを目にする。揺り起こしてみると、彼はザック・ボーエンと名乗った。わたしを訪ねてきたのだという。なぜ、と問うわたしに、彼は衝撃的なことを告げた。クリス・チャンドラーが殺された、というのだ。クリスはカリフォルニア高等法院の判事を務める、ゆくゆくは政界にも進出しようという男であり、二十年前の法科大学院時代に、わたしと肌を重ねた男だった。ザックは、今のクリスのボーイフレンドであり、クリス殺害の第一発見者だった。
     二十年前、クリスがわたしと別れた理由は簡単だった。彼はベイという女性と婚約したのだ。それが法曹界でのキャリアのためだということをクリスは認めていた。同時に、クリスはベイを愛していたのも事実だった。クリスにベイと引き合わされたわたしは、ベイが尊敬できる友人であり、クリスの伴侶にもふさわしいことを認めざるを得なかった。わたしたち三人は、その後も長い間友人としてつきあってきたのだが。
     わたしはザックに、クリスが殺された状況と、どうして警察に駆けこまなかったのかを尋ねた。ザックは、クリスの殺害現場をめちゃくちゃにしていた。ストリートチルドレンあがりのザックは、自分の度重なる逮捕歴から、警察が自分を逮捕したら罪を着せられることを考え、怖くなって、日ごろからクリスが口にしていた、ゲイの立場になって考えられるゲイの弁護士であるわたしを頼ることにしたというのだ。さらに質問をしようとしたわたしだったが、電気が回復したことから、ジョシュに連絡が取れないかとかけた電話を、警察への密告電話だとザックに誤解され、逃げられてしまう。追うにも、二十代の若者に対し、四十二歳のわたしの脚では無理だった。
     懇意にしている警察署長にそれとなく探りを入れてみると、クリスが殺されたというのは真実だった。翌日の新聞でも、カリフォルニア大地震の大見出しに隠れるように、クリスが何者かに殺されたことの記事が載っていた。
     すべてがザックに不利だった。だがわたしは、自分の長年の弁護士としての勘から、ザックの無実を確信していた。どう考えても、あの怯えた目の青年が、庇護してくれる人間を殺すようには思えなかったのだ。
     交通もある程度回復し、わたしは病床のジョシュを見舞った。エイズが進行し、骨と皮ばかりになったようなジョシュは、わたしの話を聞いた後、いった。「ザックがやったことだろうとなかろうと、見つけたらぼくのところへ連れてきてくれないか。会って話をしたいんだ」
     わたしはザックのことを調べるうちに、マクベスと名乗る黒人の女性刑事から尋問を受ける。マクベス刑事はコンピュータを駆使し、クリスがゲイであることをほぼ確信していた。判事であるクリスがゲイであることが知られたら、大スキャンダルになる。わたしはなんとかその場をはぐらかした。そのとき、電話がかかってきた。ジョシュの母親、サラ・マンデルからだった。ジョシュの病状が悪化したという。
     すぐにジョシュのもとに駆け付けたわたしだったが。ジョシュは眠っていた。サラとの話により、ジョシュの父親がいまだにジョシュを許していないことを聞かされた私は暗澹とした気分になるのだった。
     ザックの働いていたメキシコ料理店の店主であるミレットから、わたしはとんでもないことを聞いた。ザックはストリートチルドレンであったとき、サム・ブライという男のもとで、ゲイものポルノビデオに出演させられていたことがわかったのだ。わたしの脳裏に、高等法院を殺したのはゲイのポルノスターだった、ということになった場合どうなるかがまざまざと浮かんだ。ベイは大スキャンダルに巻き込まれることになる。
     わたしはザックと連絡を取ることに成功した。すぐにでも自分と一緒に警察に出頭しろ、というわたしに、警察を恐れるザックは夜まで待ってくれ、と答えるのだった。
     わたしはジョシュを訪ねた。酸素マスクをつけられたジョシュは、ジョークを飛ばしてはいたが、その衰えは隠しきれなかった。ジョシュの主治医から、ジョシュがもう余命いくばくもないことを聞かされ、わたしは自分に何ができるかを考えるのだった。
     夜になっても、ザックは約束の場所には現れなかった。代わりに、ベイから電話があった。マクベス刑事が家にあらわれ、わたしを交えて話すことがあるというのだった。
     わたしは二十年前のベイのことを考えていた。結婚式の数か月前、わたしとベイは酔った勢いでまちがいを犯していたのだった。

    ……第8章終わり、全体の24パーセントまで読了。
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    ~ Comment ~

    Re: limeさん

    ほんとにただの「覚え書き」ですから(^^;)

    たぶん誤読している可能性大(笑)

    意外と読みやすいので原書への初チャレンジには向いている作品だろうと思います。

    ちなみにジョシュの病気はこの時点ですでに「腎臓の壊死が始まっています」などと医者がいっております。どこまでひどくなるのかガクブル……。

    NoTitle

    うわ~~!もう、あらすじだけで大興奮です><
    (ベイとも間違いをおかしていてのか!え?バイだったの?)
    ザックのことも気になるけどジョシュが……(;_;)
    このまま最後まで読みたい(きっとネット上では無理なんだろうけど)
    でもやっぱり、ゲイってまだまだそういう位置にあるんですね。厳しいなあ~。
    ああ~、原文で読めるポールさんがうらやましい。
    また、ぜひ覚書を書いてください!(むりかなあ~><)

    Re: limeさん

    この記事は自分にとってのメモ用です。これがないとたぶん読んでる最中に高確率で「どんなストーリーだったか」忘れる(笑)

    次回予告:「犯人はヤス」!

    ……ウソです(^^;)

    わーー!!

    これですか!!
    いま職場から見て、興奮中です!
    帰ってゆっくり読もう(;_;)
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