その他いろいろ

    脳内対談:紅恵美

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    「で、なんであたしなのよ」

    「最近自分に自信が持てなくて、冷静な視点でのツッコミを」

    「作業所で仕事の研修始めて、一年続いているじゃない」

    「けれども物書きとしては、アマチュアですが、物書きとしては死んだも同然です」

    「考えすぎでしょ。ひと月に原稿用紙で25枚くらい書いているじゃない。普通の人はそんなことしないわよ、めんどくさくて」

    「ほんの三年前までは90枚は書けてたんです。三分の一以下です。発想の枯渇自体もさることながら、自分の書いているものはほんとに面白いのかと」

    「ははーん。こないだのネット募集のショートショートコンテストね」

    「渾身の作品だったんです」

    「しかしバットにはかすりもしなかったと。あなた正気? あのコンテストには7500通以上の応募があったのよ。入選佳作含めて3篇。単純計算で2500倍以上の倍率じゃない」

    「最終選考の30篇には残ると思ってたんです。それくらいの自信があったんです」

    「それでも250倍じゃない。アホくさ。どれだけ自分を過大評価していたのよ。さっさと別な小説書いて、また投稿したらいいじゃない。第一次選考の100篇には残ったけれど、そこで落ちたので名前は出てこなかっただけだって考えてさ。それでも75倍の競争率に勝ち抜いたことになるわよ」

    「そこまで楽観的になれません」

    「バカもたいがいにしろ、といいたくなるわね……」

    「わかってるんですよ。壁を砕くには、愚直なまでに石をぶつけ続けなくてはならず、その石がどれだけのダメージを壁に与えたのかは、崩れるまで外からはまったくわからない、ってことが。それでも人間、『ひびひとつ入らない』ってのを二十年もやってれば精神にダメージも来ます」

    「刺激がほしいんじゃないの? 最近『東西ミステリーベスト100』を読み返しているのもそれのあらわれでしょ」

    「刺激にはなりますけどね。ときおり思うわけですよ。この素晴らしい作品群は自分にはジャストミート的に届くけれど、それならなんで今売られていないんだ、って。86年のベスト100を今読んで面白いと思うことに何の意味が、と……かといって今のはやりのアメリカのエンターテインメント小説やら、日本のライトノベルを読んでも、『違う』としか思えないんです。おれはこういう……」

    「そこまで。困ったオタクねえ」

    「所長のその口ぶりのひとつひとつも、今のドラマやアニメやマンガからじゃないんですよ。80年代に読んだ小説群の会話体がベースになっている。今となっちゃ時代遅れのしゃべりかたです。しゃべりかたは同時にモラルにもつながる。所長は70年代以前の人間なんですよ、中身は」

    「だったら2010年代の人間の行動を学べばいいじゃない。映画見てアニメ見て小説読んでさ」

    「それでそのたびに、『違う』と思うことになるんです。おれはこういう……」

    「だからそこまで。だったらその70年代人物像とやらで、愚直に壁に石をぶつけ続けることね。それがいちばんよ」

    「それが、自分には……」

    「仕事が忙しくて、書くエネルギーがないの?」

    「いえその、えっちなソシャゲに、カネの代わりに時間を突っ込みすぎて」

    「…………」

    「…………」

    「竜崎。この腐れ外道をシメといて。関節の二、三本は折ってもいいわよ」

    「え? あの、ちょっと、あ、痛い、いたたた、いま、腕がぽきって、が、ががっ、それじゃ粉砕骨折、いた、ええええええっ、あぐあああああああっ!」
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    ~ Comment ~

    Re: blackoutさん

    信念というより、

    「自分の創作した文が載った雑誌が全国の本屋に並んでいる」

    という快感が強烈に脳内にインプットされてまして。

    高校のころは某マイナーボードゲーム誌の読者コーナーで常連してました。あそこで総ボツを食らっていたらここまでこじらせることもなかったと思います(^_^;)

    NoTitle

    以下みたいなのはどうでしょう?
    https://kdp.amazon.co.jp/signin

    FC2ブログも、いつの間にか電子書籍化なるメニューがあるので、いっそのことそれで書いた小説をデータ化して、上記で電子書籍化するのは

    自分は紙化するのに興味はなくて、もちろん出版側のウケがいいものを書こうという気もないので、このような手段を取ってます

    まぁ、ポールさんにはポールさんなりの信念があると思うので、もちろん押し付けはしません

    Re: limeさん

    お見苦しいところをお見せしました。

    ああいうのってじわじわ効いてくるものであります。

    立ち直れるか、立ち直ってモチベーションを再構築できるか、そこが……。

    ゴムヒモを引っ張っては戻し引っ張っては戻ししているうちに伸び切っちゃった印象……。

    ふう。

    NoTitle

    この相談者さんの気持ち、すごくよくわかります。
    渾身の作品が落とされた時って、どうやってモチベーションを上げればいいか、分からなくなりますよね。
    でも、その公募が単に、出版を目的にするコンテストだったら、とりあえず今、需要が見込めないからという理由で落とされたんだと思って、割り切ることができるかも。
    (でも、それ以外で公募が行われることは少ないから、本当に優れてるかそうじゃないかって言う判断は、むずかしいですよね><)
    ・・・なんか、前にも同じような事語ったような・・・。
    とにかく、モチベーションだけは失わないようにしなきゃ^^

    Re: ダメ子さん

    残念ながらお姉ちゃんが正しいようです。

    くそうRカードは全部処分だ。

    NoTitle

    商売は乗せやすい層に向けて、時代にあった物を売るのが基本で小説も商売である以上同じだから
    そうするとえっちなもの相手には勝ち目がない
    ってお姉ちゃんが言ってました
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