映画の感想

    「忠臣蔵外伝 四谷怪談」見た

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     今月のブログDEロードショーは恒例の「夏のきもだめし大会」である。みんなでホラー映画を見るという、怖がりのわたしにはけっこうこたえる企画だ。

     最初は、「ポルターガイスト」と「ポルターガイスト2」を見比べてみようかと思っていたが、図書館でDVDの棚を見ていたとき、この「忠臣蔵外伝 四谷怪談」のタイトルがひょいと目についた。「ただ」とか「無料」とかの言葉に弱いわたしは即座に借りることにした。それにしても何を考えてこれを入れたんだろう土浦市立図書館。

     で、どれだけ怖いお岩さんの因縁話かと思ったら、これがまたよくできた「忠臣蔵」ものの時代劇だったのだ。お岩さんも、「ホラー」という演出よりは「スーパーナチュラル」な存在として描かれており、「四谷怪談」というわりには、「まったく怖くなかった」のである。

     たしかに主人公は民谷伊右衛門であるのだが、主軸はむしろ、そんな男が自分にとって宿命の女と出会い、ぼろぼろな恋愛をする、という一種のハードなラブロマンスにある。そこに討ち入りの作戦を考える赤穂浪士たちのドラマと、もとの「四谷怪談」で民谷を誘惑する吉良の家臣伊藤喜兵衛の娘お梅の横恋慕とが絡み合い、前者の「男のドラマ」と、後者の「幻想譚」が複雑に入り交じり、「こんな忠臣蔵見たことがない!」と思わせられる凝ったドラマになっているのだ。深作欣二の、「ハッタリ」の効いた演出も見事である。顔を白塗りにした伊藤喜兵衛とお槇、お梅の親子が、怪演すれすれの幻想空間を作り出す演技をしている。実際、監督の色彩感覚はほんとうにどうにかなってるんじゃないかと考えてしまいそうな映像なのだが、見ていて実に美しいのだ。

     封切り当時は「こんなゲテモノ誰が見るんだ……」と思っていたが、映画館で見なかったのを後悔するくらいの出来だった。

     そんなわけでボディーブローみたいに後から「見てよかった」感がじわじわくる映画なのだが、いいのかなあ、また今年も「ホラー」でもないし「怖くもない」映画で……(^^;)
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    ~ Comment ~

    Re: 宵乃さん

    ここで気になるのが市川監督がゴリゴリのリアリズムで撮ったといわれる「四十七人の刺客」。

    同時期に上映されて、深作監督のこの映画と比較されてボロクソにいわれてましたけど、そんなにつまらないのかな。気になる(^_^;)

    NoTitle

    確かに怖くはないですよね~。
    四谷怪談は伊右衛門がサイコパスという強烈な印象を持っていたんですが、この作品のおかげで人間らしい一面もあるんだと思えました。

    >実際、監督の色彩感覚はほんとうにどうにかなってるんじゃないかと考えてしまいそうな映像なのだが、見ていて実に美しいのだ。

    ですよね~。最初はコワッと思ってたのに、だんだんとその妖しさに惹かれてしまいました。
    私も観て良かったと思えた作品です。

    怖くなくても幽霊が出てくるし大丈夫ですよ。今回もご参加ありがとうございました♪
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    映画「忠臣蔵外伝 四谷怪談」観ました

    製作:日本’94 監督:深作欣二 原作:鶴屋南北 ジャンル:★時代劇/ロマンス/ホラー【あらすじ】赤穂藩が取り潰しとなり、2カ月前に召し抱えられたばかりの伊右衛門は再び浪人の身に。彼はひょんな事から湯女宿のお岩と知り合い同居生活を始めるが、伊右衛門が吉良家家臣の孫娘・お梅に気に入られた事で彼の心は揺れ動き…。gyaoで鑑賞。 忠臣蔵と四谷怪談がどう混ざるのかと思ったら、伊右衛門は...
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