ゲーマー!(長編小説・連載中)

    1982年(3)

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     修也は、そのゲームがどのようなものか、非常な興味にかられた。しかし、ゲームはビニールにぴったりと覆われ、中を確認することはどうやってもできそうもなかった。

     修也はそれからもホームセンターへ行ったが、数週間、そのゲームは依然として沈黙の中にあった。

     ガンダムブームだった。町はガンダムのプラモデルで溢れ返っていた。修也も当然のごとくガンダムの再放送をテレビで見ていた。見ていないと学校での話についていけなかったからだ。だから、ソロモンというのが、ガンダムでのジオン軍の宇宙における防御拠点で、激戦が行われた場所であることも知っていた。

     その世界でモビルスーツに乗って宇宙戦争ができるゲームなのだろうか?

     だとしたらどういうゲームなんだろう?

     そしてついに明かされる日がやってきた。同じようなことを考えた、どこかの子供がビニールを破いたのだろう。いつの間にか、「ソロモン攻略戦」は箱が開けられるようになっていたのである。

     修也は、いささかの後ろめたさと、それに数倍する好奇心でもって、そろそろとその箱を開けた。

     細かい字がいっぱいかかれたルールブックがあった。修也は読んだ。

     くらくらしてくるほど理解できないルールだった。修也はその中で、「ガンダムの破壊」というルールに目をやった。

     プラモデルを買った修也は知っていた。ガンダムの腹部はコア・ブロックと呼ばれる脱出カプセルになっていて、コア・ファイターと呼ばれる単座戦闘機に変形して戦うことができるのだ。まあそんな細かいことは、ルールに……。

     なっていた。

     修也は驚いた。え? コア・ファイターになれるの?

     ルールにはしっかりと、コア・ファイターになるための必要条件と、コア・ファイターの性能について書かれていた。もちろん、コア・ファイターのコマがあることもルールにはしっかりと書かれていた。

     修也は夢中でルールブックを読んだ。

     「ソロモン攻略戦」は、「機動戦士ガンダム」の宇宙空間でのモビルスーツ同士の戦闘を扱ったゲームである。ツクダホビーが、アニメを題材として作った超精密なシミュレーションゲームのひとつだった。およそアニメに描写された中で再現されていないモビルスーツによる宇宙戦闘のルールはないといっていいほどの複雑なゲームで、先行発売された、地上戦を扱う「ジャブロー戦役」と組み合わせることで、「機動戦士ガンダム」に出てきたすべてのシチュエーションでの戦闘が可能になるのだった。

     修也は心地よいめまいを覚えた。こんなゲームの世界があったなんて!
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    ~ Comment ~

    Re: LandMさん

    当時は合体ロボットの黄金期で、クローバーと制作会社が「合体しないとカネは出さん!」と圧力をかけた結果、むりやり「脱出カプセル」という形で合体を入れたらしいですね。

    それでも低視聴率だったので「とにかく派手なメカで合体しろ!」と無理やり入れさせられたGメカを出したら視聴率が上がったという。まあ小学生のわたしもGメカ大好きでした。セイラさんの乗るGファイターとか。

    NoTitle

    コアファイター!!
    懐かしいですね。アニメでもよくありますたね~~。
    しかしロボットものが主流でコアファイターまで作るって考えてみれば練り込んでいるよな。。。
    ・・・とよく思います。
    最近はコアファイターがないガンダムが多いですけど。。。

    Re: 椿さん

    いや、あのコアファイターの設定がなかったら最終回でアムロが名誉の戦死を遂げてガンダムは終わっていただろうからあれはあれでいいのです。アムロがいなければ誰がシャアを止めるんですか(笑)

    ちなみにこのゲームについてもいろいろと引きずるんです。修也くんはめんどくさいところではひたすらめんどくさいガキなんです(笑)

    NoTitle

    すごいマニアックそう(^-^;
    でも面白そう。

    だけど地上篇と組み合わせることにより……って組み合わせたらどれだけ壮大なゲームになるんでしょうか……

    コアファイターって、当時は巨大ロボットは合体するのが当然だったから仕方なく入れた設定だったんだろうなーっていつも思います。
    合体シーンが毎回、アバンの使い回しシーンにしかないおざなりっぷりが記憶に強いです(笑)
    ……よくスポンサーが許したなあ……
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