映画の感想

    戦争映画ベストテン

     ←1983年(1) →海外ミステリ58位 野獣死すべし ニコラス・ブレイク
    相互リンクしているしろくろshowさんのブログ記事を読んでいたら、「男の魂に火をつけろ!」さんのところで年末恒例のベストテン企画をやっていたことに気づいた。今年は戦争映画ベストテンだとか。http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20161031

    面白そうなので参加してみることにする。

    1位:フルメタル・ジャケット(1987)スタンリー・キューブリック監督
    2位:日本のいちばん長い日(1967)岡本喜八監督
    3位:独立愚連隊(1959)岡本喜八監督
    4位:イントレランス(1916)D・W・グリフィス監督
    5位:機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙編(1982)富野喜幸監督
    6位:無防備都市(1945)ロベルト・ロッセリーニ監督
    7位:加藤隼戦闘隊(1944)山本嘉次郎監督
    8位:シンドラーのリスト(1993)スティーヴン・スピルバーグ監督
    9位:ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003)ピーター・ジャクソン監督
    10位:チップス先生さようなら(1939)サム・ウッド監督

    次点 シン・ゴジラ
    次点 ガメラ2 レギオン襲来


    1位は戦場における人間の狂気をこれでもかとばかりに描き出した「フルメタル・ジャケット」。この作品に比べたら、「地獄の黙示録」はまだマトモな精神の持ち主が登場するファンタジーにすぎない。キューブリックすごすぎる。これまでにケツからひり出された戦争映画の中でもっともファッキンでシットな比類なき作品。

    2位は岡本喜八監督の傑作「日本のいちばん長い日」(1967年版)。同じようなテーマでは「ヒトラー最後の12日間」もあるが、あんな状況になってまで戦争を続けようとする青年将校たちのキチガイぶりに比べれば、ヒトラー総統はまだマトモだった。これまた人間の狂気がこれ以上ないくらい描かれた恐るべき作品。

    3位はこれまた岡本喜八監督のアクション快作「独立愚連隊」。日中戦線で西部劇をやってしまおうという頭のおかしい作品だが、冒頭からムチャクチャカッコいいシーンの連続。常識的に考えるとウソにもほどがある設定なのだが、それを意識させないカッコいい日本兵。続編の「独立愚連隊西へ」は戦争を味わうというよりは純粋にコメディを楽しむべき映画だろうから外した。

    4位はD・W・グリフィス監督の「イントレランス」。これを戦争映画に入れるのか、といわれそうであるが、バビロン陥落パートは、古今東西の戦争映画中最狂のリアリティをもって迫ってくる戦争シーンである。なにせ実際にバカ高い塀と攻城塔をこさえ、しかも劇中でカット割りなしにその攻城塔をひっくり返してみせるのだ。発泡スチロールも発明されていない時代、こんな命がけの映画があるか。戦争シーンでは「国民の創生」の南北戦争パートも気が狂っているのだが、迫力的にこっち。グリフィス監督が第一次大戦のスペクタクル映画を撮れなかったのが惜しまれる。

    5位は富野御大の「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙編」。架空の戦争を描いたアニメ映画だが、ひたすらに美しい戦場を狂気のように美しく撮ってスクリーンにぶつけた、あらゆる意味でエポックメイキングな作品であった。この作品がなかったらあれほどリアルロボットものが流行することもなかったのではないか。第一作と「哀・戦士」は戦場の美しさの点で本作に及ばなかったので外した。

    6位はロッセリーニの「無防備都市」。レジスタンス映画のお手本のような作品。主要登場人物のことごとくが非業の死を遂げる陰惨な映画なのであるが、それでもところどころにはさまれたユーモラスなシーンが……やっぱり暗いか。でも面白いんだよ。

    7位は円谷特撮を楽しむという意味で「加藤隼戦闘隊」を入れた。「ハワイ・マレー沖海戦」もいいのだが、主人公を演じる藤田進がカッコいいのでこっち。

    8位はホロコーストを扱った映画ということで、スピルバーグの本作を。コメディにした「ライフ・イズ・ビューティフル」やドキュメンタリーの「夜と霧」もあるが、ホロコーストに正面から向かい合ったわかりやすい作品として、本作を挙げる。

    9位はCGとロケを駆使した、「イントレランス」へのアンサームービーとしか思えない、戦闘戦闘また戦闘の「ロード・オブ・ザ・リング」の中から第三部「王の帰還」を。天上のグリフィスがこの映像を見たらうらやましさのあまり涙を流すと思う。また、この映画を見ることで、「指輪物語」とは「指輪戦争」の物語なのだ、ということを再認識できた。

    10位はウケ狙いで、サム・ウッド監督、ロバート・ドーナット主演、グリア・ガースン助演の「チップス先生さようなら」1939年版を挙げることにする。なんといっても、第一次世界大戦が始まってからがすごい。これまでチップスを悩ましてきた悪ガキたちが、ことごとく出征しては戦死していくのを、「チップスのセリフ」だけで説明されるのだ。それが異様なリアリティを生み、ツェッペリン飛行船による空爆シーンもあいまって、この映画を一級の戦争映画にしている。

    次点の二作品は、もうどこから見ても戦争映画以外の何物でもないのだが、相手が「怪獣」なのでどう弁護しても戦争映画ではないため泣く泣く外した。悔しい。

    締め切りの12月10日までにこれよりすごい戦争映画を見る可能性は低そうなのでこれで行くことにする(笑)。あっ「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を忘れていた。でも、このランキングのどこにはめ込むわけにもいかんのでこれは番外で。
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    ~ Comment ~

    Re: かえるママ21さん

    今考えてみると、ドイツ映画の「橋」を落としていたのは失敗でした。見ると鬱になれる反戦映画の決定版です。

    機会があったら見てみてください。子役もいい演技してますし。傑作ですよ。ダメージでかいけど(^_^;)

    こんばんは

    「大日本帝国」とかディズニーの反日映画とか(題名忘れちゃったけど「パールハーバー」だったかな?)「山本五十六」「プラトゥーン」あと見れてないけど「野火」大岡昇平の小説だけで怖かったから映画見れないのですが、人肉食とか人間が狂っていく様を見れそうですね。
    「フォレストガンプ」が一番トラウマなく観れたかも。

    Re: miss.keyさん

    「二百三高地」がかかっていたころ、テレビのコントで、玄関で出征兵士を見送るシーンで兵士がいきなり胸を押さえて「うーっ!」と倒れて「戦地へ行く前に斃れた兵士もいた」ってナレーションが入るというやつをやっていて、死ぬほど笑ったであります。

    Re: ひゃくさん

    ハンバーガーヒルも見たいんだけれどレンタル屋になかった(泣)

    やっぱりフルメタル・ジャケットはエポックメイキングな作品だったと思うのでありますよ。でもそこから流れていくアメリカの戦争エンターテインメントは実は大嫌いだったりします。「ハート・ロッカー」なんてクソですな。

    フルメタル・ジャケットは前半のハートマン軍曹がほとんどすべてを持って行っている映画ではありますが、なにげに後半の展開も好きだったりします。

    構想通り三部構成で作ってほしかったなあ。

    300

    300
    好敵手
    二百三高地
    パトリオット
    ブレイブハート
    スターリングラード
    あまり思いつかんと思ったけど、結構あるね。

    NoTitle

    「フルメタル・ジャケット」は、ほら、それをロードショーしてた頃ってベトナム戦争の映画がよくやってて。
    「プラトーン」と「ハンバーガーヒル」は同じ頃ですよね。

    その2つは見たんですけど、「フルメタル・ジャケット」だけ見てないような気がします。
    ふーん。そんなに面白いんだー。
    見てみようかなぁ…。

    そういえば、プラトーンのウィレム・デフォー。
    顔からして悪役俳優って感じだったのに、プラトーンで悪役じゃない役やって、それからちょっと悪役から遠ざかってるイメージがありましたけど、最近は結局悪役に戻っちゃったみたいですね(笑)

    戦争映画っていうと何だろう?
    特に何が名作って思い浮かばないですけど、個人的には、「プライベート・ライアン」が、みんな最初の戦闘シーンばっかり語って、その後の肝心のお話を誰もが語ろうとしないのがスッゴク印象的な気がします(笑)

    あ、あと「パールハーバー」。
    あれは、長くてウンザリ(爆)
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