ゲーマー!(長編小説・連載中)

    1983年(14)

     ←「この世界の片隅に」見た →海外ミステリ73位 大穴 ディック・フランシス
     冬休みであった。

     修也はいそいそと、友達の家に「モスラ対ゴジラ」の箱を持って出かけた。

    「なんだよこれ」

     Aはうさんくさそうな声でいった。

    「ゴジラは知ってるだろ」

    「うん」

    「メカゴジラも知ってるだろ」

    「うん」

    「それが戦うゲームなんだよ」

    「でも箱にはモスラ対ゴジラって」

    「とにかくやってみようよ」

     修也は勝手に部屋にボードを広げ、それぞれの怪獣のスタート位置にゴム人形のコマを置いた。

    「ヘックスってなに?」

    「この六角形のマスのこと。それで、怪獣はこのどれかの線に向けて置いて。ゴジラとメカゴジラどっちやる?」

    「ゴジラ!」

    「で、ゴジラはここからメカゴジラを目指して進むわけ。ここに書いてある数字のぶんだけ進むことができる。動かしかたはこうで……」

    「めんどくさいな」

    「すぐ終わるって。熱線放射のやりかたはこうで、サイコロを振って決める」

    「めんどくさいな」

    「取っ組み合いのやりかただけだから。自分の番になったら宣言して、宣言された側はこのカードを一枚選んで、伏せる。それに対して攻撃側の怪獣は……」

    「めんどくさいなあ」

     なんとかルールらしいものを飲み込ませるまでには一時間かかった。小学生の頭の程度などそういうものである。

    「じゃあ、ゴジラから動かして」

    「わかったよ」

     しぶしぶ、といった調子でAはゴジラのコマに手をかけた。

    「ミサイル発射!」

     修也はサイコロを振り、ミサイルを発射した。

    「メカゴジラずるいぞ!」

    「ロボットだもん!」

     しかしゴジラはメカゴジラに比べて素早く移動できるのだ。弾幕を突破し、メカゴジラに文字通りに食らいつく。

    「取っ組み合いするね!」

     修也は防御カードの内容を見た。よし、正面からの格闘戦だ。修也はカードを選び、ゴジラの攻撃に備えた。ゴジラは修也の思った通りのコースでやってきて、待ち構えていた修也のメカゴジラと格闘になった。

     修也のメカゴジラは、それなりの格闘能力をもっているが、敵を正面にとらえたゴジラの攻撃力はさらに上をいっていた。

     メカゴジラはかなりのダメージを受けた。

    「ミサイル発射!」

     修也はうろたえつつサイコロを振った。
    関連記事
    スポンサーサイト



    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    【「この世界の片隅に」見た】へ  【海外ミステリ73位 大穴 ディック・フランシス】へ

    ~ Comment ~

    Re: miss.keyさん

    そりゃあバンダイ製でもシミュレーション「ゲーム」ですから、ゲームとしてのバランスもとりますよ(^^;)

    キングギドラが強かったですねえ。映画と同様、純粋な殴り合いなら、ゴジラとモスラとラドンが組んでようやくなんとか、というところですね。空を飛んでいるうえに格闘能力が最強なので、うかうかしていると3匹がかりでも各個撃破されてしまうという……。

    Re: 椿さん

    ゲームのレベルがちょうど「背伸びしたい小学生」に向いていたんでしょうね(^^)

    それで「GAME for ADULT」とはよく言ったバンダイ(笑)

    Re: 宵乃さん

    まあ、ボードゲームはある意味、映画以上に「マニアしかいない」ホビーですから(笑)

    今日、「人魚伝説」見ました。すごい映画でした。だけれども、家族で見たり地上波で流せるような映画ではない、というのも事実でした。ついでに一般ウケも絶対にしないタイプです。生まれながらのカルト映画(^^;)

    Re: ECMさん

    この頃はコンピュータではまだ思考ルーチンがものすごく長くかかってしかもグラフィックがしょぼい、というシミュレーションゲームばかりでしたしねえ(^^;)

    信長の野望が出たのがこのころだったかな。とても小学生に手の届くゲームではありませんでした。その頃のゲームパソコンは非力でしたねえ……。

    TTRPGならやりましたが

     こういうボードゲームってしたことなかったですなぁ。しかしゲームでとは言えゴジラが負けるというのは考えにくいです。大概、掠り傷一つつけられれば御の字位の戦績でしたもんねぇ、敵役。

    NoTitle

    おー、友達が付き合ってくれて良いですね。
    やっぱり一緒にいる相手がいないと楽しめませんものね。

    NoTitle

    友達とボードゲームは、ほぼしたことがないです。TRPGなら一度だけしたことがあるけど、恥ずかしがり屋なので無理でした(汗)

    ところで、いよいよ来週末は「人魚伝説(1984)」ですよ~。新しいやり方についても書きましたので告知記事をご確認下さい。
    今月も映画を楽しみましょうね♪
    http://anoken.blog18.fc2.com/blog-entry-1599.html

    NoTitle

     めんどくさいなといいながら、つきあってくれる友達がいていいですなぁ。
     私はこの手のゲームはコンピューターでしかしないので、サイコロをふったり、判定をしたりする手間はなかったです。
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【「この世界の片隅に」見た】へ
    • 【海外ミステリ73位 大穴 ディック・フランシス】へ