ゲーマー!(長編小説・連載中)

    1983年(15)

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     メカゴジラは1回の手番に2回のミサイル攻撃をすることができた。

     修也にとっては残念なことに、ミサイルはあさっての方向に飛んでいったらしい。

     Aは勝者だけに許された一種の慈悲深さを伴った声でいった。

    「取っ組み合いするね」

     修也は考えた。今のメカゴジラの低下した攻撃力ではゴジラと肉弾戦をやるのはあまりにも不利だ。ここはカードを使ってうまくかわし、ミサイル攻撃でゴジラの体力を削るべきだろう。

     修也は考えた末、防御カードの「一歩前進」を出すことにした。もし、ゴジラがメカゴジラの弱点である背後を狙って動いてきたら、このカードを使えばかわすことができる。そしてミサイル攻撃をするのだ。

     修也はこわばった声で尋ねた。

    「どう移動するの?」

    「しないよ」

     メカゴジラの正面からゴジラが動かなければ、メカゴジラが前進することはできないではないか。

     Aはサイコロを振った。メカゴジラに痛烈なダメージ。

     修也はアンテナチェックのサイコロを振った。

     映画の通り、メカゴジラの首がへし折られた。格闘戦をしての勝ち目はもうない。しかたがない、ミサイル攻撃にすべてを託すまでだ。修也はミサイルを撃って撃って撃ちまくったが、善戦むなしく映画の通りの結末となった。

     その日修也とAとはこの「ゴジラ対メカゴジラ」のシナリオを3回行った。修也の1勝2敗だった。

     Aの住むアパートの階段を降りると、外はもうオレンジ色になっていた。

    「木幡」

     Aがいった。

    「なに?」

     Aはいった。

    「今度はキングギドラをやらせてくれよな。ぼく、キングギドラが好きなんだ」

     修也はうなずいた。

    「もちろん!」

     紫がかった空の下、修也は跳ねるように家へと帰った。負け越したことなど、どうでもよかった。いや、どうでもよくなかったが、どうでもよかった。

     Aは明日はそろばんだから、今度はMの家に行ってみよう。いや、OやSの家でもいいな。あいつも怪獣が大好きだから。

     修也は冬休みの空いている時間は全部を利用して、回れる限りの友達の家を回ってみるつもりだった。

     なにせ怪獣はまだまだいるのだ。キングギドラ、ガイガン、モスラ、アンギラス、ラドン。

     修也は明日が待ち遠しかった。
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    ~ Comment ~

    Re: LandMさん

    そうやって子供は社会性というものを育てていくものですからね。

    ……わたしみたいに社会性を育てるのに無残に失敗したやつも多々おりますが(笑)

    NoTitle

    昔は色々な家に行って遊んだものです。
    懐かしい。。。
    ・゜・(つД`)・゜・

    そういう思い出は大切ですねー。

    Re: 椿さん

    ここで遊んでもらえなかったら現世を悲観して清く正しいまともな人間になっていたかもしれないが、修也くんの青春はまだ始まってもいないのだった(^_^;)

    ほんとに完結するのかこの小説(^_^;)

    NoTitle

    友達も楽しんでくれましたね!
    ゲームは負け越しても「また遊ぼう」の言葉は嬉しいですね。
    友達と遊ぶのっていいなあ(*'▽')
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