映画の感想

    「オペラ座の怪人(1925)」見た

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     今回のブログDEロードショーは毎年恒例の「きもだめし大会」である。ホラー映画を見ると本気でおびえるわたしには楽しみながらも頭の痛い企画だ。

     というわけで、モノクロサイレント映画を見ることにした。今回は、ブックオフで投げ売りされていた「オペラ座の怪人」。前にミュージカル版を見たあれである。

     で、今回見てわかったことだが、原作のガストン・ルルーが書きたかったのは、「サイコスリラー」ではなかったのだろうか。それほどまでに、この映画の怪人・エリックは救いようのない変態でサイコで殺人鬼である。そのうえ、マスクの下の顔のすごいこと。ロン・チェイニー、まさに「怪物」だ。いくら歌姫クリスティーヌを手塩にかけて鍛えたとはいえ、これではクリスティーヌが気の毒だ、と思えてしまう。

     恋愛映画だったミュージカル版に対し、この映画のクリスティーヌとエリックの間には「愛情」が介入する余地はみじんもない。怪人エリックのサイコな支配欲と、おびえるクリスティーヌがいるだけだ。オペラ座の地下五階の怪人のアジトも、あのミュージカルのようなロマンチックなものではない。殺人の罠がごろごろしている、まさに「怪人のねぐら」。そんなところに連れ込まれたら、そりゃクリスティーヌもビビるわな。

     それでもエリックに恐怖しか感じてないクリスティーヌはひどい、って? いや、無理やり連れ込まれた怪人のねぐらで、豪奢なベッドで目が覚めて、横に「あつらえられたかのようにサイズぴったりな衣類と靴」がいくつも置いてあったら、そりゃどんな女性だって怖いと思うんですが。(^_^;) それ以前に、この「オペラ座の怪人」って、東大に合格できるほど熱心に勉強を見てくれた塾の先生が、「ぼくは前から君のことを」って、彼氏のいる女子高生を自宅に拉致する話だから、顔のいかんを問わず、日本語ではこういうやつを変態のサイコと呼ぶ(笑)

     そして、話はクリスティーヌとその恋人が、なんとか怪人の支配から逃れてオペラ座を脱出しようとするところから速度を増し、先手を打ってクリスティーヌを地下のアジトに拉致した怪人を、内偵していたフランス秘密警察の刑事とともに恋人が奪還に行くところからは冒険活劇の様相を呈してきてスリル満点。

     ここには詳細は書かないが、ミュージカル版とはまったく違った壮絶なクライマックスと結末には、思わず息を呑んでしまった。

     前半はたるいけど、後半だけでも一見すべきであります。

     面白かったなあ。これで伴奏を、無声映画伴奏には定評がある柳下美恵さんがやってくれたら、死ぬほど怖いんだろうなあ。

     こんな面白い映画だと知ってたら二千円払っても、伴奏つきの上映会に行くんだった。バカ! わたしのバカ!(^_^;)



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    ~ Comment ~

    Re: 椿さん

    そういや椿さんマニアックの人だったか(笑)

    ロン・チェイニーの顔がものすごいんですよほんと。

    あれに比べれば、ミュージカル版のファントムなんて、ただの一般人ですな(断言(笑))。

    攻略は面白いかもしれません(笑)。

    NoTitle

    原作を読んでエリックにはまった人が通ります。
    ミュージカル映画は俳優さんがイケメン過ぎて「ないわー」と思ったので(^-^;、この映画は一度見てみたいですね。ウェバーの音楽は好きなんですけど……
    「腕を上げて」があるとうかがって、それもすごく嬉しいです。

    やはりファントムは醜くないと!(持論)

    Re: miriさん

    たぶん会社の方で混乱があったのでしょうね。わたしが持っているDVDには、「オペラ座の怪人」となっています。日本公開当時、および主要な文献には「オペラの怪人」だったのでしょうが、今回はDVDの表記を優先しました。

    ちなみにこのディスクは、「今回のきもだめし大会で見よう」と、半年も前から準備していたもので、miriさんのあのご推奨コメント読んだときには「あかん、バレてる」と(笑)

    映画はめちゃくちゃ面白かったですよ! 好みとしては歌うシーンよりも、アジト潜入作戦のほうが印象深いですね。「片手を上げるんだ!」(^^)

    Re: miss.keyさん

    問題は、ファントムさんは星一徹と化してクリスティーヌを鍛えたいうことでしょうか。

    それだけに悔しさと妙な所有意識と、自分で信じているところの「純愛」感がにじみ出てきて、怪人に妙なリアリティと人間的奥行きが表現されているんですよね。

    ロン・チェイニー、単に顔が怖いだけの俳優じゃありません(^^)

    Re: 宵乃さん

    そしてまたエリックがつけている仮面ですら、センスもなにもないような不気味なやつでしたからねえ……。

    当時としては「羊たちの沈黙」みたいなノリの映画だったのかな(^^;)

    こんばんは☆

    これはもしかして私がお勧めしたような気が・・・
    違っていたらごめんなさい!
    「オペラの怪人」と理解しています。 過去記事追加しました。

    >ミュージカル版とはまったく違った壮絶なクライマックスと結末には、思わず息を呑んでしまった。

    もう鑑賞してからずいぶん経つので・・・6年?
    詳細は忘れましたが、ラストが違うことはハッキリと覚えています☆

    それにサイレントでものすごい迫力(特に歌うシーン)だと思いました。
    いつか機会があれば再見したいと思います♪


    .

    押し付けは迷惑千万

     あの投手はわいが育てたんやー。酔漢がスタンドからヤジ飛ばすのは育てるとは言いまへん。
     ファントムはんも所詮酔っぱらいのスタンド男や。ま、読んだ事無いんですけど。

    結構前に一度

    見たことがあります。確かにこの作品のファントムは醜さをしっかり描いてましたよね。クリスティーヌが怯えるのも当然。細かいところは忘れてしまいましたが、ピッタリサイズのドレスはホント「引くわ!」と思いました(笑)
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