映画の感想
「白蛇伝」見た
今回のブログDEロードショーはファンタジー特集だそうだ。この際だから、茨城県が誇る天才映画監督深作欣二が「面白さ」以外は何も考えずに監督したオールスターノンジャンルファンタジー映画「魔界転生」を見てやろうと思ったら貸し出し中だったので、代わりに借りてきた、日本アニメの黎明期に作られた野心的フルカラー長編アニメーション作品「白蛇伝」を見ることにした。
で、78分間見たわけであるが。
きつい(笑)。
面白いことは面白いし、表現も当時としては神がかり的なことをやっているのはわかるのだが、正直見ていてきつい(笑)。最初の30分は「なるほど、こういう話か」とうなずいて見ていられるが、それをすぎるとてきめんに頭がクラクラしてくる。とにかく「先の予測がつかない」脚本なのである。今の目からしたら一周まわって「新鮮」ではあるのだが、それにしたって、という展開が続出する。
キャラクターもキャラクターだ。貴公子の許仙、白蛇の妖精である白娘、妖怪変化の類を憎んでやまない高僧法海の三人ですら頭のネジがどこか外れたような人間であるうえに、それを取り巻く魚妖の少青、許仙のおとものパンダの類に至るまで、「どこをどうしたらそんなキャラクター設定ができるのかわからない」という、固定観念をぶち壊してくるやつらばかりである。
当時は「声優」という職業が確立していなかったせいか(なにせ昭和33年作品なのだ)、声を森繁久彌と宮城まり子のふたりだけでやっているのもいい味を出しているのだが、いまのアニメを見慣れている人間には聞き取りやすい音声だとはお世辞にもいえないだろう。78分で一人十役はやりすぎだ。
この物語は、そうしたすさまじい脚本のドラマを、タガの外れた登場人物たちが縦横無尽に駆け回って演じきった、78分作品とは思えぬ波乱万丈の代物である。正直、どう評価したらいいか自分でもわからぬ。「黎明期」ゆえの作品というか、「実験作」というか。まあそれはそれとして、2019年現在では、どういったところで「怪作」以外の感想は抱けまい。こればかりは「見てくれ」としかいえぬ。
「アニメは見飽きた」などといっているかたにぜひ見てもらいたい作品。
(追記) ぐぐってみて元ネタの中国文学を調べたら、このアニメよりもっと波乱万丈のすげえ内容だった。よく78分にまとめたと思う脚本家と監督。
で、78分間見たわけであるが。
きつい(笑)。
面白いことは面白いし、表現も当時としては神がかり的なことをやっているのはわかるのだが、正直見ていてきつい(笑)。最初の30分は「なるほど、こういう話か」とうなずいて見ていられるが、それをすぎるとてきめんに頭がクラクラしてくる。とにかく「先の予測がつかない」脚本なのである。今の目からしたら一周まわって「新鮮」ではあるのだが、それにしたって、という展開が続出する。
キャラクターもキャラクターだ。貴公子の許仙、白蛇の妖精である白娘、妖怪変化の類を憎んでやまない高僧法海の三人ですら頭のネジがどこか外れたような人間であるうえに、それを取り巻く魚妖の少青、許仙のおとものパンダの類に至るまで、「どこをどうしたらそんなキャラクター設定ができるのかわからない」という、固定観念をぶち壊してくるやつらばかりである。
当時は「声優」という職業が確立していなかったせいか(なにせ昭和33年作品なのだ)、声を森繁久彌と宮城まり子のふたりだけでやっているのもいい味を出しているのだが、いまのアニメを見慣れている人間には聞き取りやすい音声だとはお世辞にもいえないだろう。78分で一人十役はやりすぎだ。
この物語は、そうしたすさまじい脚本のドラマを、タガの外れた登場人物たちが縦横無尽に駆け回って演じきった、78分作品とは思えぬ波乱万丈の代物である。正直、どう評価したらいいか自分でもわからぬ。「黎明期」ゆえの作品というか、「実験作」というか。まあそれはそれとして、2019年現在では、どういったところで「怪作」以外の感想は抱けまい。こればかりは「見てくれ」としかいえぬ。
「アニメは見飽きた」などといっているかたにぜひ見てもらいたい作品。
(追記) ぐぐってみて元ネタの中国文学を調べたら、このアニメよりもっと波乱万丈のすげえ内容だった。よく78分にまとめたと思う脚本家と監督。
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~ Comment ~
子供の頃に
たぶんBSアニメ特選で見たかも。「西遊記」とか「ユニコ」と同じ時期に観た気がするので。
ぜんぜん覚えてないですが、女の子は可愛かったような。
>78分で一人十役はやりすぎだ。
それはすごい(笑)
リメイクするなら山寺宏一さんと林原めぐみさんのお二人にやってほしいですね!
ぜんぜん覚えてないですが、女の子は可愛かったような。
>78分で一人十役はやりすぎだ。
それはすごい(笑)
リメイクするなら山寺宏一さんと林原めぐみさんのお二人にやってほしいですね!
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Re: 宵乃さん
音源リマスターしようにも昭和33年作品だからなあ。声優業界総出でなんとかならんか。