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    映画の感想

    「男と女」見た

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    今回のブログDEロードショーのお題は「感涙映画」だそうだ。けっこう難しいぞこれ。山ほどある映画の中から「自分の涙腺にジャストミートする作品」をチョイスするわけだが、わたしの涙腺のストライクゾーンはけっこう狭いんじゃないかという気がする。

    今回も図書館のDVDコーナーで、延々迷った末、フランスの恋愛映画なら泣けるだろう、と安易に考えて「男と女」を選んだ。なんせカンヌ映画祭のグランプリだし、そうとう人の心を打たないとそんなものに選ばれないはずだ。

    というわけで見たのだが、これがもう、ムチャクチャ面白い映画だった。「ダバダバダ」と男と女がいちゃついて、いちゃつきすぎた結果別れるだけの話、と思っていたが、日本映画でありがちな無駄な声の張り上げと愁嘆場もなく、アンヌを演じたアヌーク・エーメはひたすら美しく、しかもアクションシーンまであるのだ。作品の4分の1がレースシーンなのである。これにはびっくりした。最初の「ダバダバダ」が流れてから、二回目に「ダバダバダ」が来るのは1時間45分の作品である本作において実に1時間20分後であり、いやあ、見てみるものである。ラストシーンの処理もわたし好みだ。まさに大人のために作られた大人が見る映画。これに比べたら、日本の恋愛映画なんて、「ガキ」がわめいているだけの耳障りでうるさい代物である。

    というわけで、部屋の片づけそっちのけで見入ってしまったのだが、うーむ、残念なことに、この映画は、私の「涙腺のストライクゾーン」を華麗によけていく作品だったのである。少なくとも、この映画で「泣け」というのは無理だ。困難だ。「シェルブールの雨傘」よりも困難である。いい話なのになあ。これなら、グリフィス監督の「東への道」のほうがまだ泣ける。いい話なのになあ。

    というわけで、「ひさしぶりに泣いてみるか」と思ったわたしとしては、非常に「不完全燃焼感」が残る視聴体験となった。やっぱり、当初の予定通り、「人間の條件」を一週間かけてたっぷり見るほうがよかったのだろうか。いや、黒澤明の「生きる」という手もあったな、前回見ようとして失敗したやつ。

    ぬぬぬ、今月中にリベンジをしてやるぞ! と妙なところに力こぶを入れるのであった。オチはない。

    この映画で個人的に好きなところは、車を飛ばして主人公の男が女に会いに行くシーンで、端正な顔でクソマジメな顔で車を運転しながら、内心では、「女を尋ねて行ったときに相手がどうして自分がどうするか」のシミュレーションを執拗に行うところ。日本だと、絶対男に顔で芝居させるんだろうけど、本作ではそんな安易な手段は取らず、ひたすらまじめ腐った顔で車を運転している、というのが「あ、この感じ、わかる!」と(笑) で、まじめに車を運転しながらパリのアパルトマンについたら、いてもたってもいられず、車を飛び出して、階段を駆け上がって女の部屋に行くところ。この感じも「よくわかる」(笑) 女は留守で、「どこに行ったんだ」「ドーヴィルに娘さんを迎えに」といわれてドーヴィルまでまた延々車を飛ばすところ(笑) これをギャグにしないでやっているのがカッコいい、とマジで思う。
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    ~ Comment ~

    Re: さらば愛しきひゃくよさん

    相互してくださっている映画ブログの企画で、今月は「泣ける映画をみんなで見よう」なので(^^)

    でも一度見た映画をもう一度見るのはなあ、と。貧乏人根性であります。

    Re: 面白半分さん

    あまりにも有名なのでもっと「ダバダバダ」いってるのかと思ったら、作品中で3回くらいしかかかりませんでした。

    映画は面白いのでご覧になることをお勧めします(^^)

    NoTitle

    「男と女」って、ブリッツさんのことだから本当にそっちの「男と女」だとは思わなかったぜ。
    アッハッハ(^^ゞ

    あの頃のフランス映画は、女性のファッションがカッコイイから見ていて楽しいですよね。

    ていうか、ブリッツさん。
    「ひさしぶりに泣いてみるか」って、どーしたの???
    風邪でもひいた?(^^;
    • #20069 さらば愛しきひゃくよ 
    • URL 
    • 2019.04/21 15:59 
    •  ▲EntryTop 

    NoTitle

    映画は見ておらず「ダバダバダ」しか知りません。
    いろいろなコンプレーションCDにこの曲自体は収録されているのですが
    カバーバージョンばっかりでオリジナルバージョンになかなか巡り合えません

    Re: miriさん

    映画撮影に関していえば、単に監督が、ヒロインが「夫と共同作業のできるインテリ芸術家」になれる職業を探していて、「舞台」か「音楽」か「映画」か、くらいしか選択肢がなくて、勝手知ったる映画撮影をネタにした、だけのような……(身もふたもない(笑))

    >他界した人への
    >主人公とヒロインは

    それまで上映時間の80パーセントくらいを使って盛り上げてきた恋愛をわずか5分くらいでぶっ壊すんだから思い切った脚本もあったものだなあ、と思いました。しかも、凡百の映画だったら「それで終わり」にするところにあのラストシーンですから、いや、最後まで目が離せないです(^^) しかもセンチメンタルにしないところがいい。フランス映画、やはりそういうことの達人である民族が作った映画なんだなあ、と実感しました(^^)

    >天井桟敷の人々

    今日は再び図書館から黒澤映画でいちばん泣けるという「生きる」のDVDを借りてきました。さて、「天井桟敷の人々」とどっちを見るか……(-ω-;)ウーン

    おはようございます☆

    機会があれば見ると書いたのですが、
    昨年9月にBS3でオンエアしたらしく、BDに入っていて(笑)
    8年ぶりの鑑賞となりました。

    ポールさんの記事がなければずっと先でしか見なかったと思うので
    良い機会を有難うございました☆

    感想と言うか、映画製作のシーンが
    覚えていたよりずっと短くてビックリしました!

    多分、再見時は「この監督は映画を作る映画が好きだねえ」と
    半ば呆れて見ていたんでしょう(笑)。

    今回は他界した人への心がどうしても吹っ切れない女ごころに
    一緒に映画製作に携わった者同士としての強いつながりも感じました。

    主人公とヒロインは結局結ばれていないんだろうなということも
    やっと気づく始末で(笑)鈍感です(笑)。

    あのラストシーンからまた始まるんでしょうね。
    やはりあの二人は(役柄の上で)サイコーのカップルですね♪

    >フランス映画では「天井桟敷の人々」がまだ積みDVDなので、それをなんとかしたいです(笑) 年内には見ようと思ってます(笑)

    長いのでご無理なく・・・。
    第1部第2部と分かれているので、一つずつ見ても良いかもですね???


    .

    Re: miriさん

    あ、あのシーン、わたしも好きです(^^) モンテカルロラリーに参加した車でパリを経由してドーヴィルまで来てうろうろ探し回って、ようやく見つけたらあの砂浜のシーンに移って、この世の至福って感じで、実に素晴らしい演出でした。

    映像詩人か。さすが淀川先生、いい表現するなあ。

    フランス映画では「天井桟敷の人々」がまだ積みDVDなので、それをなんとかしたいです(笑) 年内には見ようと思ってます(笑)

    Re: 宵乃さん

    なんたって子連れで連れ合いをなくした、若いといってもあと一歩で中年にさしかかるような男とあと一歩で中年にさしかかるような女のラブロマンスですから、そういう呼吸がわからないと面白くないでしょうしね。ど中年のわたしはいいタイミングで見られたと思います。(笑)

    邦画の絶叫ぐせはほんとなんとかしてもらいたいです。でも、根強い需要があるんでしょうねえ……。叫べばいいだろ、ってもんでもないと思うのですがねえ。うむむ。

    コメントを有難うございました☆

    >「ダバダバダ」と男と女がいちゃついて、いちゃつきすぎた結果別れるだけの話、と思っていたが、

    まあ、それだけの話と思う方もいらっしゃるとは思います(笑)。

    ルルーシュ監督は映画を作る話が多いし、自分を投影していると疑える作品も多いですが、私にとっては若い頃からずっと変わらずに好きでいるホントに少ない監督さんの一人です。
    (多分、存命なのは一人きりのように思います)

    映像詩人、と、淀川さんはずっと言っていましたね。
    私ももう内容はボケてきたけど、あの霞みがかったような曇り空の下でお互いの子供と一緒に浜辺で遊ぶ?シーンなんか好きです☆

    機会があれば再見したいです。
    ポールさんもフランス映画をまたご鑑賞くださいませね~♪


    .

    NoTitle

    おはようございます。
    この作品の内容はもう覚えてないですが、泣けるタイプではなかったですね(笑)
    若い頃に見たので面白さもわかりませんでした。いつか再見してみようかな。

    >日本映画でありがちな無駄な声の張り上げと愁嘆場

    そうそう、大河ドラマとかもこれが嫌で、邦画もドラマも敬遠してます。声を張り上げれば感情を表現できると思ってるんですかね…。

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