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    東西ミステリーベスト100挑戦記(ミステリ感想・やや毎日更新)

    海外ミステリ124位 ロシアから愛をこめて イアン・フレミング

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     イアン・フレミングである。もちろん、いわずと知れた007であり、ジェームズ・ボンドである。中学生の時は図書館の本棚にあった。学生にはけっこう読まれていたほうではないかと思う。しかし、そのころのわたしは、完全に「食わず嫌い」だった。007なんか読むよりは、「宇宙英雄ローダン・シリーズ」を読んでいたほうがまだはるかに文化的にも優れた行いだと信じていたのである。また、試しに、と、読んだ本もまずかった。もし読むとしたら年代順に、と、「カジノ・ロワイヤル」を読んだのだが、創元の訳文はちょっと古かった。次にもう、なんだっていいや、と思って読んだ「007は二度死ぬ」が、読んだ人ならわかるが、なんというか……まあ……な作品だったのである。すっかりわたしはボンド嫌いになり、大学に入るまで映画すらまともに見なかったのであった。なんたって、当時はロジャー・ムーアが死んでから、ティモシー・ダルトンに移る間の空白期間であり、何をとち狂ったか、もういい年のショーン・コネリーを引っ張り出して「ネバーセイ・ネバーアゲイン」なんて映画まで出てきて、もう、「迷走」としかいいようのない状態になっていたのである。この状況で映画を見に映画館に行くやつがいたら、それはただの「信者」だ。

     そんなわけで、大学に入ってビデオデッキを買い、「ドクター・ノオ」と「ロシアより愛をこめて」を見たのであるが、どちらも自分としては「ふーん……」だった。映画の出来というよりも、これはむしろわたしの当時の精神状態に由来するものだろう。哲学なんてやってるやつは、どうやったって世間からはみ出した人間ばかりだが、そんな哲学科からもこぼれ落ちる、もう救いようのないほどどうしようもない人間たちがいて、そのひとりがたまたまわたしだった、というだけだ。抑鬱的になっている人間は、楽しめるものも楽しめないのだ。

     まあそんな恨みつらみを思いながら初読である。……のだが……当時としてはがんばっていたほうだろうけど、正直、つらい。作品の前半半分を使って、ソ連側の状況を徹底的に書き込んでいるのだが、なんとなく、「バランスを欠いた」感じがする。ボンドの冒険自体も、謎めいたソ連からの亡命志願者とともにオリエント急行に乗っての本格的な冒険が始まるのが、小説の残り五分の一くらいから、というのはどうよ、と思ってしまう。だからといってつまらないわけではないのだが、レン・デイトンの「ベルリンの葬送」なんていうこってりした地味なスパイ・スリラーの後で読むと、どうも印象が悪いのだ。

     やっぱり、007は映画で見るもの、であって、読むものではないなあ、と思っていたのだが……高校生のころ、ホビージャパン主催のコンベンションで、特売で売っていたので買ったTRPG「ジェームズボンド007」をこの前プレイする機会があり、どうせ積みゲーだし、とやってみたら、もう、「ものすごく面白かった」のである。その面白さは、まさに麻薬的というにふさわしかった。自分がGMで「ドクター・ノオ」と「ゴールドフィンガー」を遊び、自分がプレイヤーとして「オクトパシー」を遊んで、わたしはこの蠱惑的な世界にめろめろになってしまった。ワインや絵に対するうんちくを語りながら、アクションシーンでは手に汗握る駆け引きを繰り広げ、敵の陰謀に震撼し……もうめちゃくちゃ楽しいのである。

     結論。ジェームズ・ボンドの世界は、自分が主人公になって、「体感」するのが正しい。そのうえでの映画であり、小説だ。もちろんエージェントは超美形。出てくる美女を片っ端から誘惑し、悪と戦うスーパーヒーロー気分を満喫するのだ。だから遊ぼーじぇー(どこで?)
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    ~ Comment ~

    Re: miss.keyさん

    うん、そこらへんもよくできてるのよ。超美形とか、肉体的に特徴のあるスパイは目立つからいろいろなところで不利になるようになっていて、「超美形」は異性を誘惑するとき以外は「弱点」でしかないの。「ごく平凡な顔」がゲーム的には一番有利。だけど、「ジェームズボンド007」のゲームで、誰が好き好んで顔が悪いスパイをやるんや!という(笑)。そういう意味でもよくできているゲームなんだ(笑)。

    すっぱい

     甘いマスクで女とっかえひっかえのスパイってどうなのよ。目立っちゃダメだろ(笑
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