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    映画の感想

    「クボ 二本の弦の秘密」見る

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    日本を模したオリエンタルな世界での冒険ファンタジーを、偏執的ともいえる恐るべきアニメーション技術で撮ったものすごい作品。

    いやー、これを見ていなかったというのは不覚である。というのも、わたしが見なかった理由は、主役の少年「クボ」の設定が母子家庭の子で大道芸人であり、なおかつ逃亡者である、となると、日本的な物語だと、絶対村人や社会から誤解を受けて迫害されねばならん役割になるからだ。だからこのあらすじを聞いた時には、絶対に悲劇だと思い込んでしまったのである。わたしは村に災厄を招き入れたクボが、「ザンボット3」の神ファミリーみたいになっちゃうんじゃないかとハラハラしながら見てしまったが、そんなことはまったくなかった。本作品の村人は、村を焼かれたにもかかわらず、あたかも「フレッシュプリキュア!」のクローバータウンの人々みたいに、「寛容」すぎるほど寛容な、底抜けのいい人たちである。絶対トラヴィス監督、日本のムラ社会の恐ろしさと「ケガレ」思想の恐ろしさを過小評価して話作ってると思うんだけど、わたしみたいに、そういう展開が苦手で見てない人は、恐れずに見てください(いないよ)。

    しかしもう、目を見張るようなものすごい美術。オリエンタルでファンタジーで、しかもこんなもの見たことがない、という光景が、次から次へと惜しげもなく出てくる。村を出てからの冒険パート、もうすげえすげえと口を半開きにして圧倒されるしかなかった。それでもって、動いているキャラクターはさっきもいったとおり偏執的なストップモーション。こんなものを見た後で、いまだ未見の「ダーククリスタル」を見たとして、はたして感激できるのか、「テラホークス」を見た後で「サンダーバード」を見るようなことになるんじゃないか、と少々不安である。

    結末は、わざとあいまいにぼかされているが、まあ画面をそのまま受け入れるわけにもいかないだろう。あれをそのまま現代の日本ファンタジーアニメふうに受け入れては、ハンゾウの死んでいった部下たちになんといっていいかわからないからだ。たぶん、クボはあのあとでもたくましく生きていくに違いない。悲劇的な人物は出るがバッドエンドではないのだ。

    吟遊詩人を主人公にファンタジーものを書く場合には、絶対参考にすべき作品だろうと思う。魔法のアイデア、効果、もろともに文句なし。もしかしたらシンケンジャーからパクったのかな(いやそれはない(笑))。D&Dで三味線を片手にダンジョンを歩き回りたくなった、といえばいいすぎか。

    少年向けの清く明るく正しいファンタジーとして、文部省推薦で見せてもいい映画。

    面白かった。余は満足じゃ。
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    ~ Comment ~

    Re: miriさん

    痛快でスカッとしますよね。最後にはもう、みんないい人ばかりで、ほんとにほっとします。

    あと、欧米人の思う「古き日本の良さ」というものがどんなものなのか感じられたのもよかった。絶対、わびさびを誤解していると思うけど(笑)。

    傑作ですね。

    こちらにもお邪魔いたします☆

    >しかしもう、目を見張るようなものすごい美術。オリエンタルでファンタジーで、しかもこんなもの見たことがない、という光景が、次から次へと惜しげもなく出てくる。

    たしかにそうでした!

    >村を出てからの冒険パート、もうすげえすげえと口を半開きにして圧倒されるしかなかった。

    ああ、分かります☆

    >結末は、わざとあいまいにぼかされているが、まあ画面をそのまま受け入れるわけにもいかないだろう。

    それぞれの見た人ごとに受け取って良い感じですね。
    この映画はいつか先にもう一度見たいような気もします。


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