読書日記
「学園シャンプー」読む
望月三起也といえばもちろん、「少年キング」の黄金時代を「秘密探偵JA」と「ワイルド7」でもって支え抜き、少年画報社が現在の「ヤングキング」に至るまで継続する基を作った作家であるが、その合間に、こうしたものも書いていた。
最初に読んだのは、小学生のころ。飯を食いに行った先の中華料理店の書棚に「少年キング」が置いてあったのである。当時は純真で、「少年キング」のことなど聞いたこともなかったが、パラパラとめくって「超人ロック」の、現在の第一巻に当たる部分を読み「何だこのすごいマンガは!」とビビり、その後でこの「学園シャンプー」の、猫型宇宙人の口から語られる「モアイ」に関する想像を絶する真の意味を聞いて「何だこのすごいマンガは!」とさらにビビった。あまりにビビりすぎて、「この本は自分が読むマンガ雑誌ではない」と悟り、元のコロコロコミックの生活へ戻ったわけであるが、40年近く後の現在、モアイ関係のTRPGのシナリオをゲームマスターすることになり、あの衝撃のモアイ像を、もう一度見れないか、と思ってアマゾンを調べたら、Kindleに発見、ほくほく顔で即買いした次第。
あの一期一会以来、どんな内容なのかもわからないできたわけだが、40年ぶりに初めてその内容に触れたわけであるが……が……。
「誰だよ望月三起也にSF描かせたやつ」
望月三起也といえば、誰でも知っている通りに「秘密探偵JA」であり、「ワイルド7」であり、「最前線」であり、サッカー漫画だったりするわけだが、そのメカ描写の才能と、アクションシーンの才能と、ストーリーテリングの才能をもってしても、「SFマインド」だけはカバーできなかったのだ。
「学園シャンプー」は、京都にある仏教系のマンモス中学で、硬派なのだろうがどこか変な少年グループに入っている超能力者の少年が、やれグループ同士のけんかだとか、学校を覆う悪辣な陰謀などに、あまり強くはない超能力を駆使してアクションに次ぐアクションで解決していく、というストーリーなのだが、正直な話、「超能力」が存在しないほうが面白いマンガになったんじゃないか、と思わざるを得ない内容である。まあなんというか、当時の「SFブーム」ってのが背景にあったんだろうなあ。それに、聖悠紀の「超人ロック」と松本零士の作品と合わせて、「SF」で売れば売れる! と、当時の編集部も盛り上がっちゃったのではなかろうか。
全三巻だが、三巻の前半分までは、超能力少年がアクションするそれなりに面白い作品になっているのだが、後半になると、おそろしいことに、「パラレルワールド」ものの異世界SFになるのである。そのパラレルワールドと、理論づけるSFガジェットの使い方が……なってないというかもう。残念というか、ちぐはぐというか。
たしかにこれならコミックス半分で連載打ち切りになるな、ということがよくわかってしまう内容で、まあ、いいんだよ、自分は「モアイ」に関する真実が知りたくてこの漫画を買ったんだから。
それにしても、モアイのくだりは、望月先生の画力ゆえか、当時の印象そのままだったのが懐かしい。「スリルとサスペンスがたまらない!」モアイを使った、人類とエイリアンが知略のかぎりを競うそのゲームに興味がある人だけ、読んでね、だな。あれはいまだに破壊力があるからなあ。
最初に読んだのは、小学生のころ。飯を食いに行った先の中華料理店の書棚に「少年キング」が置いてあったのである。当時は純真で、「少年キング」のことなど聞いたこともなかったが、パラパラとめくって「超人ロック」の、現在の第一巻に当たる部分を読み「何だこのすごいマンガは!」とビビり、その後でこの「学園シャンプー」の、猫型宇宙人の口から語られる「モアイ」に関する想像を絶する真の意味を聞いて「何だこのすごいマンガは!」とさらにビビった。あまりにビビりすぎて、「この本は自分が読むマンガ雑誌ではない」と悟り、元のコロコロコミックの生活へ戻ったわけであるが、40年近く後の現在、モアイ関係のTRPGのシナリオをゲームマスターすることになり、あの衝撃のモアイ像を、もう一度見れないか、と思ってアマゾンを調べたら、Kindleに発見、ほくほく顔で即買いした次第。
あの一期一会以来、どんな内容なのかもわからないできたわけだが、40年ぶりに初めてその内容に触れたわけであるが……が……。
「誰だよ望月三起也にSF描かせたやつ」
望月三起也といえば、誰でも知っている通りに「秘密探偵JA」であり、「ワイルド7」であり、「最前線」であり、サッカー漫画だったりするわけだが、そのメカ描写の才能と、アクションシーンの才能と、ストーリーテリングの才能をもってしても、「SFマインド」だけはカバーできなかったのだ。
「学園シャンプー」は、京都にある仏教系のマンモス中学で、硬派なのだろうがどこか変な少年グループに入っている超能力者の少年が、やれグループ同士のけんかだとか、学校を覆う悪辣な陰謀などに、あまり強くはない超能力を駆使してアクションに次ぐアクションで解決していく、というストーリーなのだが、正直な話、「超能力」が存在しないほうが面白いマンガになったんじゃないか、と思わざるを得ない内容である。まあなんというか、当時の「SFブーム」ってのが背景にあったんだろうなあ。それに、聖悠紀の「超人ロック」と松本零士の作品と合わせて、「SF」で売れば売れる! と、当時の編集部も盛り上がっちゃったのではなかろうか。
全三巻だが、三巻の前半分までは、超能力少年がアクションするそれなりに面白い作品になっているのだが、後半になると、おそろしいことに、「パラレルワールド」ものの異世界SFになるのである。そのパラレルワールドと、理論づけるSFガジェットの使い方が……なってないというかもう。残念というか、ちぐはぐというか。
たしかにこれならコミックス半分で連載打ち切りになるな、ということがよくわかってしまう内容で、まあ、いいんだよ、自分は「モアイ」に関する真実が知りたくてこの漫画を買ったんだから。
それにしても、モアイのくだりは、望月先生の画力ゆえか、当時の印象そのままだったのが懐かしい。「スリルとサスペンスがたまらない!」モアイを使った、人類とエイリアンが知略のかぎりを競うそのゲームに興味がある人だけ、読んでね、だな。あれはいまだに破壊力があるからなあ。
- 関連記事
-
- 「傷心」読む
- 「学園シャンプー」読む
- 「魔術王をたおせ!」読む
スポンサーサイト
もくじ
風渡涼一退魔行

もくじ
はじめにお読みください

もくじ
ゲーマー!(長編小説・連載中)

もくじ
5 死霊術師の瞳(連載中)

もくじ
鋼鉄少女伝説

もくじ
ホームズ・パロディ

もくじ
ミステリ・パロディ

もくじ
昔話シリーズ(掌編)

もくじ
カミラ&ヒース緊急治療院

もくじ
未分類

もくじ
リンク先紹介

もくじ
いただきもの

もくじ
ささげもの

もくじ
その他いろいろ

もくじ
自炊日記(ノンフィクション)

もくじ
SF狂歌

もくじ
ウォーゲーム歴史秘話

もくじ
ノイズ(連作ショートショート)

もくじ
不快(壊れた文章)

もくじ
映画の感想

もくじ
旅路より(掌編シリーズ)

もくじ
エンペドクレスかく語りき

もくじ
家(

もくじ
家(長編ホラー小説・不定期連載)

もくじ
懇願

もくじ
私家版 悪魔の手帖

もくじ
紅恵美と語るおすすめの本

もくじ
TRPG奮戦記

もくじ
焼肉屋ジョニィ

もくじ
睡眠時無呼吸日記

もくじ
ご意見など

もくじ
おすすめ小説

もくじ
X氏の日常

もくじ
読書日記

~ Trackback ~
卜ラックバックURL
⇒
⇒この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
Re: miss.keyさん
電子版でももう一度読んでこうかなあ。