FC2ブログ

    睡眠時無呼吸日記

    睡眠時無呼吸日誌 番外 「連邦の炊飯器具は化け物か!」

     ←炊飯作戦ですが →睡眠時無呼吸日誌 番外 「レッドフォックス作戦」
     前回書いた、ガスが止まったときのためにご飯が炊ける道具であるが、勘のいい人はわかっていたとおり、メスティンとストーブである。メスティンとはトランギア社というヨーロッパのメーカーが開発した、炊飯専用に作られた飯盒のことだそうな。

     飯盒炊飯は、学校のキャンプの時にやらされた覚えがあるが、とにかくかまどを用意したり、吊るすための棒を用意したり、薪を用意したりと、もうえらい手間が掛かって、完全にアウトオブ眼中だった。それならトラベルクッカーの電熱器でご飯をたくわい、と。

     だがトラベルクッカーはそれなりに値が張るし、電気も食うし、ガスと同時に電気まで止まったらそれこそアウトである。そのことを人に話したら、「携帯燃料とコンロを買ってはどうか」といわれ、あの旅館の夕食でひとり鍋を煮るやつか……あんなもんでご飯が炊けるのか? と半信半疑でネットを開いたら、さまざまなメーカーから、メスティンが売り出されていることを知った。アルミ製の携帯用飯盒で、固形の携帯燃料一個で一合のご飯が炊ける、アウトドア界ではすでに当たり前の道具になっているらしい。それになんといっても安いのだ。付属用品一式付きで、1720円。

     1720円なら、ダマされても諦めがつく、と注文し、百円ショップで固形燃料とライターを買ってきた。固形燃料は3個で110円。リーズナブルなお値段である。ライターも百円のシガレット用。よく考えたら、火をつけるのにはこのタイプのライターよりも、チャッカマンとかの方が明らかにマシであるが、チャッカマンタイプのライターはけっこうお高い。ええい、災害時に常にチャッカマンがあるとは限らん、このタイプのシガーライターしか手元にない、とかいうことも十分考えられる。そのときのために準備をするのだ、と、強引に理屈をつけてこの百円ライターで挑戦することとした。買ってしまった後なので返品がきかぬのだ。

     アマゾンからは2日後に届いた。意外とコンパクト、というかほとんど弁当箱である。昔ながらの飯盒のでかさを想像していたので、ちょっと期待外れだったが、固形燃料一個で飯を炊こう、というコンセプトからすれば、コンパクトな方が火の回りがよくて能率的だろう。

    2020120411d.jpg

     飯盒の中には、収納された、コンパクトに畳めるストーブのほかに、網も入っていた。水を底に張って網を乗せれば、あっという間に蒸し器に早変わりするらしい。今回はそこまでは凝らぬ。

     今回の戦略目標は、固形燃料2個でご飯を炊いて別な鍋でカレーを温め、昼飯のカレーライスを食べることとする。固形燃料1個が残るが、それは夕食時のペペロンチーノ作戦に向けての予備とする。本作戦がもしも失敗したとすれば、それは必然的に救出作戦であるレッドフォックス作戦を要請せねばならぬことになり、帝国軍の士気は崩壊し、帝国はこの戦争を失ってしまうであろう(ヨワい帝国である)。

     メスティンを使う前に、下準備が必要だそうなので早めにやっておく。米のとぎ汁を使って煮てから、油で野菜くずを炒めるのだそうだ。要するに皮膜を作るわけだな。うちの無洗米でもとぐか……と思ったが、いろいろとサイトを読んでみると、ぬか成分が重要らしいのだ。無洗米だからぬかなどほとんどない。かといってぬかだけ買ってきても、ぬかみそをつけるほどのマメな性格ではないので、持て余すことは必定。しかたない、スーパーに行って、500gくらいの普通のお米を買ってこよう。

     スーパーに行ってみると、一番安いのでも2kg770円だった。それ以下はさすがにないようである。まーそりゃ、単純計算で4分の1にしても200円を割ってしまうような食品を売っても、ペイしないだろう。だが、こっちはすでにメスティンを買っているので後がない。泣く泣く770円で2kgを買う。必要なのは1合なのに、13合も買うことになって、当分はご飯を食べるときにはお米をとがなくてはなるまい。これから本格的な冬なのに、きついなあ。

     で、買ってきたので、まず米をとぐ。別に洗ったメスティンを、とぎ汁に漬け込んで、煮るそうな。

    2020120411a.jpg

     ぐつぐつ。

     乾かしてから、といだ先ほどのお米一合と、水190ミリリットルをメスティンに入れ、付属品のストーブに乗せ、固形燃料に火をつける。

    2020120411b.jpg

     後は何もしないで待つだけらしい。

     蓋から吹きこぼれる可能性もあるそうなので、蓋に乗せる重しとして、お湯を沸かして温めるつもりだったカレーもこうしてのっけて、と。

    2020120411c.jpg

     固形燃料の炎が自然に消えるまで待ってから、保温用の手ぬぐいでくるんで15分蒸らす。

    2020120412a.jpg

     ストーブの方はこういう具合に。固形燃料も漏れ出すとかなくてよかった。

    2020120412b.jpg

     15分蒸らしてから、机に持ってくる。

     蓋を開く……おおっ、炊けてる!

    2020120412c.jpg

     蓋に乗せておいた、レトルトカレーをかけて、カレーライス完成! 今回は練習もかねて一合食べるので、卵はあえて乗せない。

    2020120412d.jpg

     がつがつ。

     完食して驚愕した。飯盒への焦げがほとんどない! 茶色く見えるのもほとんどさっき投入したカレーである。

    2020120412e.jpg

     これで火力は固形燃料1個のみ。EUの炊飯器具は化け物か!

     キャンプ用だけではなく、ひとり所帯が電気ガスが止まったときに使える場所を取らない非常用調理器具としてまさに満点、大日本帝国の児玉源太郎だったら即座に陸軍の正式装備として採用してもおかしくないほどに優秀な代物である。

     今晩はこれでパスタを作ってみよう。うーむ、どうやら日本人は米の食い方でさえもヨーロッパの後塵を拝してしまったようである……。

     そんな感慨を覚えながら仕事をし、終わったころにはとっぷりと日が暮れている。腹が減っているので、早速パスタに取りかかる。

     まずは固形燃料に火をつけて湯を沸かす。

    2020120417.jpg

     パスタはあらかじめ水につけておいた。「1分パスタ」とも「塹壕パスタ」ともいわれ、戦場で短時間でパスタをゆでるために編み出された方法らしい。これをお湯に放つと、あっという間にパスタがゆであがるのだ。

    2020120417b.jpg

     ああ見えて、パスタはある意味米よりも優秀な軍用食品である。まず軽く、場所を取らず、日持ちし、栄養学的に見ても例えば白米などと比べても遜色なく……と調べてみて驚いた。白米なんぞとは比べものにならぬ高カロリー高タンパク、ビタミンBの含有量もはるかに引き離し、戦争をやるために発明されたとしか思えぬ食品である。怖いなあイタリア人。前にビンラディンを取り上げた何かの雑誌で読んだのだが、乾燥パスタは、ゆでて食べる意外に、スープに入れてスープの実とする食べ方があるし、そのままポリポリかじっても、乾燥の過程で炭水化物がアルファ化されていておなかを壊すことがない、などと書かれていたが、ほんとかなあ。実験していないので、チャレンジしたい方は自己責任で。

     まあそんなアホなことをいっているうちに湯が沸く。貧弱だけど沸いたことにしとこう。

     水漬けされたパスタを投入……なかなか色が変わらない。

    2020120417c.jpg

     3分くらいで諦め、ざるにとって湯を捨て、油を引いてパスタを炒める。調味料は、もちろんいつもおなじみスパイスミックスのペペロンチーノだ。

    2020120417d.jpg

     できあがったらしい。

     ガツガツ食らう。……さすがに底にはこびりつきがあった。まあこれは、過酷な運用をしたこちらに責任があることである。

     こびりつきを剥がしながら食べ、ここであきらめた。すごいことに、固形燃料の火はまだ消えていない。

    120417e.jpg

     水につけて30分して洗った。恐ろしいことにナイロンたわしでやさしくこすっただけでこれこの通りである。これからは、アルミの鍋を使うときは、最初に料理をする前に、米のとぎ汁を20分間煮よう……。

    2020120418.jpg

     棚に載せて乾かしてからなんとなく自信がわいてきた。

     この飯盒と固形燃料があれば、一週間くらいなら、アパートに蓄えてある米とスパゲティでなんとかなる!

     さて、使わなかった固形燃料が一個余ったわけだが。

     この燃料は翌朝を期して、レッドフォックス作戦のために使用せねばならないだろう。レッドフォックス作戦の成功のためには、410ミリリットルの湯を沸騰させねばならない。わずか1個の固形燃料に、それだけのことができるか?

     待て! 明日!
    関連記事
    スポンサーサイト






    もくじ  3kaku_s_L.png 風渡涼一退魔行
    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    もくじ  3kaku_s_L.png TRPG奮戦記
    もくじ  3kaku_s_L.png 焼肉屋ジョニィ
    もくじ  3kaku_s_L.png ご意見など
    もくじ  3kaku_s_L.png おすすめ小説
    もくじ  3kaku_s_L.png X氏の日常
    もくじ  3kaku_s_L.png 読書日記
    【炊飯作戦ですが】へ  【睡眠時無呼吸日誌 番外 「レッドフォックス作戦」】へ

    ~ Comment ~

    Re: 椿さん

    小学生がキャンプで飯盒炊飯をやるときは、もうこれでいいんじゃないかと思います。無洗米を持って行って、炊く1時間前にメスティンに入れて分量の水に浸し、吸水している間そこらへんの原っぱで適当に遊んでから、固形燃料一個を入れたストーブにかけて待つだけ、工夫も手間もいらぬ……。ゴミもそれほど出ないし、洗い物も楽。薪を集めるよりは教室で手作りの固形燃料を作らせた方が荷物にもならないし。

    ヨーロッパのほうでは、油で野菜くずを炒めてコーティングをする方法の方がメジャーみたいですけど、そちらはやり方がよくわからなかったので……。

    お湯で米をとぐことについては、ちょっと前に流行った「野菜の50度洗い」という方法を、このように応用したものがあるみたいです。うまいかどうかは知らぬ。
    https://cookpad.com/recipe/4691962

    パスタもそこそこいけましたが、どうしてもへばりついちゃいますねえ……。

    NoTitle

    おお! ごはん美味しそう! すごい!
    今は便利な道具があるものですねえ。これはいいですわ。
    レトルトカレーを一緒に温められるのも良いですね。

    無洗米にまさかの罠があったとは。ヨーロッパではさすがに無洗米は流通してないのかもしれないですね。しかし米ぬかにそんな使用法があるとは。

    関係ないですが私は冬場は湯沸かし器の温水でお米を研いじゃっているズボラ主婦です。冷水だと手が痛くなるし。たぶん味は変わらない……と思っています。
    (米の味にうるさい旦那から文句が出ないから大丈夫じゃないかと思いますが、私の舌は当てにならないということは申し添えておきます)

    パスタもおいしそうですね。次の作戦結果も楽しみにしております^^
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【炊飯作戦ですが】へ
    • 【睡眠時無呼吸日誌 番外 「レッドフォックス作戦」】へ