TRPG奮戦記
「炎の神殿」プレイ
D・モーリス&O・ジョンソンによる「ゴールデンドラゴンゲームブック」シリーズの三冊目である。今回は聖騎士になって、ジャングルのまっただ中にあるカタク神の神殿から力ある神像を持ち出そうとする、というお話。だがその遺跡にたどり着くと、なんたることか、その神像がらみで自分を裏切った魔術師ダモンティールが先回りしていたではないか、ようしついでに復讐だ、となってくる、いい雰囲気のゲームである。
いつものようにTRPGサイトを開いて、メモを取りながらダイスをふりふり挑戦したわけだが……。
厳しい。厳しすぎる。とにかく戦闘があまりにも厳しい。D・モーリスのゲームブックをいくつかプレイしたが、基本的に、個々の戦闘は圧倒的優位~辛勝レベルで、プレイヤーが有利になるように作ってある。だがしかし、このデザイナーは、「体力回復地点」というものを基本的に作らない人だったのだ! その結果どういうことになるかというと、毎回毎回、主人公は敵を確実に倒していくのだが、少しずつヒットポイントが削られていく。そしてヒットポイントは容易には回復しない。じりっじりっと削られていって、最後にはヤスリですり切れたように主人公は秘密まであと一歩、のところで力尽きてしまうのだ。
しょうがないから、もう、インチキして、「正しい道」を探りまくり、そして「正しい道」を見つけましたよあなた。そしてサイコロをふりふりプレイしてみたら、それでも主人公は何度となくヒットポイントをすり減らして倒れてしまうのでありました……厳しすぎる! ようやくサイコロの目に助けられてゴールにたどり着いたときは万歳しましたがな。なにしろ、途中では回避不能な形で、××(削除)××な敵が現れて、そいつがある意味最強なんだからもう。
このゲームに比べたら「火吹山」も「バルサス」も「ソーサリー」も、正しい道を歩んでさえいれば大過なくゴールにたどり着けるわけで、非常にユーザーフレンドリーな作りだ、といえる。たぶん作者はそういうのを「ぬるい」と感じたんだろうなあ。戦闘のひとつひとつをスリリングなものにしなければ「冒険」じゃないだろう、という考えだったんだろう。後期ファイティング・ファンタジーのイアン・リビングストンのようにモンスターを理不尽なまでに強くする、というのも作者には「安易」としか思えなかったんだろうなあ。その結果が、このシビアなバランスのゲームブックだった、というわけだ。それとも要求したのは編集者サイドかな? 「吸血鬼の洞窟」はたしかにダイス的には簡単なゲームブックだったので、編集がテコ入れして無理矢理難易度を上げたのかもしれぬ。今となってはわからない。
いちおう、いろいろと手を尽くして全6巻を残さず手に入れたけど、残り3冊は、「このゲームブックよりも難易度が上がっている」そうなのだ。やる前から力が抜けそうである。雰囲気はいいんだけどねえ。サイコロを振って「薄氷を踏む」タイプのゲームを楽しみたいのならおすすめである。競馬ミステリーのディック・フランシスの解説で「イギリス人のサド・マゾヒズム傾向を抜きにしては語れない」とかいう文章を読んだけど、いやー、イギリス人、ゲームブックでもこういうの作ってるし、やっぱりそういうとこあるもんなんだねえ。とほほ。
いつものようにTRPGサイトを開いて、メモを取りながらダイスをふりふり挑戦したわけだが……。
厳しい。厳しすぎる。とにかく戦闘があまりにも厳しい。D・モーリスのゲームブックをいくつかプレイしたが、基本的に、個々の戦闘は圧倒的優位~辛勝レベルで、プレイヤーが有利になるように作ってある。だがしかし、このデザイナーは、「体力回復地点」というものを基本的に作らない人だったのだ! その結果どういうことになるかというと、毎回毎回、主人公は敵を確実に倒していくのだが、少しずつヒットポイントが削られていく。そしてヒットポイントは容易には回復しない。じりっじりっと削られていって、最後にはヤスリですり切れたように主人公は秘密まであと一歩、のところで力尽きてしまうのだ。
しょうがないから、もう、インチキして、「正しい道」を探りまくり、そして「正しい道」を見つけましたよあなた。そしてサイコロをふりふりプレイしてみたら、それでも主人公は何度となくヒットポイントをすり減らして倒れてしまうのでありました……厳しすぎる! ようやくサイコロの目に助けられてゴールにたどり着いたときは万歳しましたがな。なにしろ、途中では回避不能な形で、××(削除)××な敵が現れて、そいつがある意味最強なんだからもう。
このゲームに比べたら「火吹山」も「バルサス」も「ソーサリー」も、正しい道を歩んでさえいれば大過なくゴールにたどり着けるわけで、非常にユーザーフレンドリーな作りだ、といえる。たぶん作者はそういうのを「ぬるい」と感じたんだろうなあ。戦闘のひとつひとつをスリリングなものにしなければ「冒険」じゃないだろう、という考えだったんだろう。後期ファイティング・ファンタジーのイアン・リビングストンのようにモンスターを理不尽なまでに強くする、というのも作者には「安易」としか思えなかったんだろうなあ。その結果が、このシビアなバランスのゲームブックだった、というわけだ。それとも要求したのは編集者サイドかな? 「吸血鬼の洞窟」はたしかにダイス的には簡単なゲームブックだったので、編集がテコ入れして無理矢理難易度を上げたのかもしれぬ。今となってはわからない。
いちおう、いろいろと手を尽くして全6巻を残さず手に入れたけど、残り3冊は、「このゲームブックよりも難易度が上がっている」そうなのだ。やる前から力が抜けそうである。雰囲気はいいんだけどねえ。サイコロを振って「薄氷を踏む」タイプのゲームを楽しみたいのならおすすめである。競馬ミステリーのディック・フランシスの解説で「イギリス人のサド・マゾヒズム傾向を抜きにしては語れない」とかいう文章を読んだけど、いやー、イギリス人、ゲームブックでもこういうの作ってるし、やっぱりそういうとこあるもんなんだねえ。とほほ。
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おつかれさまでした。
こういうバランスのシビアなゲームブックはちゃんとダイスを振ってプレイしてこそだろうと思いますが、私は途中でくじけそうです(^^;
そう思うと、コンピューターゲームのノベルゲーは楽なんだなって思いました。
こういうバランスのシビアなゲームブックはちゃんとダイスを振ってプレイしてこそだろうと思いますが、私は途中でくじけそうです(^^;
そう思うと、コンピューターゲームのノベルゲーは楽なんだなって思いました。
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Re: 椿さん
ゲームブックの中には、まれに「サイコロを振れとの指定を馬鹿正直に守っていたら生き残れる確率が0.1パーセント未満」、というようなものもあります。そういうゲームブックに限って非常に精密な戦闘ルールがついていたりするのですが(笑) 「暗黒教団の陰謀」のことだなんて口が裂けても言えません(笑)