FC2ブログ

    「ショートショート」
    SF

    カッサンドラは誰も信じない

     ←無限遡行―『神』の犯罪 →ナイトメア・ハンターの掟
     テレビ画面に大写しになった、和平派の若き代表、リンダ・コーディル議員は悲壮な顔で語りかけた。
    『……敵の異星人は、人類に比して、はるかに進んだ科学技術と、豊富な兵力、それに高い士気を持っています。われわれ太陽系連合は、いや、人類は、今や、死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされているのです。死ぬとは、完全な絶滅を意味します。われわれは、戦うことを選ばずに、今、降伏すれば、少なくとも生命だけは保証されるでしょう。採るべき道ははっきりしています。今現在の屈辱を受け入れて、明日に再起の日を求めるべきです。皆さんの賢明なご決断を……』
     画面を見ていた老婆は顔をしかめ、リモコンを取るとテレビを切った。
    「まったく、なにを考えているのかしらねえあの女。降伏なんかしてごらんなさいな、男はみんな殺されて、女はみんな奴隷にされちまうのがわからないのかねえ。あんな女に耳を貸すんじゃありませんよ、おじいさん!」

     人類のうち誰か一人でもこの老婆の言葉を信じていれば、人類はこんな悲惨な歴史を歩まずに済んだのであるが……。
    関連記事
    スポンサーサイト






     関連もくじ一覧 ▼ 
    総もくじ 3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ 3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ 3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ 3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ 3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ 3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    総もくじ 3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 風渡涼一退魔行
    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    もくじ  3kaku_s_L.png TRPG奮戦記
    もくじ  3kaku_s_L.png 焼肉屋ジョニィ
    もくじ  3kaku_s_L.png ご意見など
    もくじ  3kaku_s_L.png おすすめ小説
    もくじ  3kaku_s_L.png X氏の日常
    もくじ  3kaku_s_L.png 読書日記
    【無限遡行―『神』の犯罪】へ  【ナイトメア・ハンターの掟】へ

    ~ Comment ~

    Re: YUKAさん

    少なくともわたしにとってはバイブルのひとつでした。

    ショートショートなんか書いているのも、星先生の影響かもしれません。眉村先生のショートショートも好きですが。

    そして高校に上がってミステリとSFの中にどっぷり浸かって今のわたしになったわけですが、そういうことを語り始めると「趣喜堂」が一篇書けてしまう、という(笑)

    おはようございます^^

    あぁ。。。

    感想を書く前にお二人のコメントを読んでしまった(笑)
    なるほど~~~などと感心して
    おかげで感想が書けなくなってしまいました(笑)

    私も星先生の作品は、中学生のときに夢中で読みました。

    中学生のバイブル?

    ・・・・・・なわけないか(笑)


    Re: のくにぴゆうさん

    いかにも星先生が書くような含蓄のある話ですね。

    星先生をむさぼり読んだのは遠く中学高校のころなのでほとんど忘れてしまいましたが、どれもこれも奇跡のように面白い話ばかりだったなあ。

    分厚いショートショートの全集が図書館にあったはずだから、ひさしぶりに読もうかなあ。

    ちなみにこの小説は、リンダ議員がカッサンドラ(トロイ落城を予言した女予言者)役かと思ったら実は老婆のほうがカッサンドラ役だった、というどんでん返しを短い中で狙ったものです。しかし、あまりに短すぎて、みんな「自然に」読んでしまい、どんでん返しをどんでん返しだと気づいてくれる人がほとんどいなかったらしい、というところが悔しい作品です。個人的には気に入っているのですが。

    うむむ。

    NoTitle

    星新一の本だっけかな。
    やっぱり異星人が来襲するんだけど、女の人を誘惑するの。
    それはそれは魅力的なんだよね。
    「自星では女性がいないので子孫が絶えてしまうので是非、我が星に」
    で、一人がついていく、そうなると我も我もと、たった一人の女を残して皆行ってしまった。

    そして、美しい宇宙人がやってくる。
    「私達の星では男がいなくなったので、どうしても子孫が作りたかったのです」
    地球の男達は大喜び、幸せに暮らしましたとさ
    旅立った女達は宇宙にゴミのように放り出されていた。
    元々の目的が女性の抹殺みたい。
    たった一人の女性はどうなったのかは忘れてしまったけど、
    何か思い出しました。
    判断って難しい。
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【無限遡行―『神』の犯罪】へ
    • 【ナイトメア・ハンターの掟】へ