「範子と文子の驚異の高校生活(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)」
    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・2

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     その日はやたらと暑かった。
    「だるいわーだるいーだるいー」
     宇奈月範子は机でとろけていた。
    「範ちゃん、範ちゃん、いくらなんでも教室でとろけるのはよしたほうがいいよ」
    「うあー?」
     範子はめんどくさそうに身を起こし、後ろの席を振り向いた。
    「文子、暑くないの?」
     すらりとした、黒髪の少女、下川文子は手で自分の喉もとをあおった。
    「暑いに決まっているよ、範ちゃん。でも赤色巨星なんだからしかたが」
    「赤色巨星?」
    「え?」
     範子は窓の外に広がる青空と、ぎらぎら輝く太陽を指差した。
    「太陽がいつから赤色巨星になったのよ!」
    「え……ええ……えええ?」
     文子はばたんと立ち上がると、窓に駆け寄った。
    「どういうこと……わたしたち、なんとかいう星のなんとかいう工業大学に通っていたんじゃ……」
    「なにをいってるのよ。ここは日本で、わたしたちが通っているのは私立の紅恵高校じゃないの」
    「だって……だって!」
    「いいこと」
     範子は文子のそばまで行くと、その肩に手を置いた。
    「昨日は昨日、今日は今日よ。昔、ドリフターズがやっていたお化け番組を知ってる?」
     文子は上を向いた。
    「ええと……『8時だョ! 全員集合!』だったっけ?」
    「よくできたわね。その中で、冒頭の生コントの舞台は毎週変化して、ドリフの面々も役柄が毎週変わるけれど、ドリフのメンバーは全員、ドリフのメンバーであることから変わらない。あたしたちも同じよ」
     範子の言葉に、文子は呆然としていた。
    「じゃ、じゃあ、これからも、わたしたちは……」
    「成り行き次第でどこに行かされるかわかったもんじゃないわね」
    「っていうことは?」
    「あるときは、人跡未踏のジャングル、またあるときは、人跡未踏のツンドラ地帯、またあるときは人跡未踏の砂漠、またまたあるときは」
    「ストップ! ストップ! もういいよお」
     あまりといえばあまりな自分たちの境遇に、文子は涙が流れそうだった。
    「これもバカ小説の宿命よ、文子」
    「えーっ、そんなのひどいよお。たまには、風光明媚なバリ島の海岸かなんかに教室が移って、わたしたちは水着でパラソルの影にある椅子に寝転がって、こう、トロピカルドリンクみたいなものを傾けながら、波の音を聞いている、とかいうシチュエーションくらいないのかなあ」
    「……三日で飽きるわよ」
     範子は一蹴した。
    「あー、範ちゃん、範ちゃんちってお金持ちだったね」
    「そういうシチュエーションが好みだったら、後でいくらでも連れて行ってあげるわよ」
    「わーい!」
     喜ぶ文子の前で、範子は時計を見た。
    「いけないわ」
    「どうしたの?」
     時計を文子に突きつける。
    「あと二分しかないのに、未だにオチにたどりついていないわ!」
    「ど、どうしよう、範ちゃん。まだシリーズ二回目なのに!」
    「しかたがないわ。あれをやるわよ」
    「あれって、もしかしたら夢オチ……」
    「冗談いっちゃいけねえ」
     まてっ、範子! 放送媒体に落語が乗ることで生まれた「冗談落ち」はそれはそれで反則であり、やっちゃいけないことだぞ! ……ってやってしまった。うわー……。
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    ~ Comment ~

    Re: ひゃくさん

    筑波山に登るにはバスで片道一時間……(^_^;)

    NoTitle

    > これを書いていた頃はマジで毎朝三十分で書いていたと思う

    それは、スゴイ!
    ていうか、スゴすぎ!

    > と、昔は体力があったんだなあ、と……嗚呼……。

    この際、毎朝筑波山に登ってみるとか…

    Re: ひゃくさん

    これを書いていた頃はマジで毎朝三十分で書いていたと思うと、昔は体力があったんだなあ、と……嗚呼……。

    NoTitle

    > 「……三日で飽きるわよ」

    てか、30分じゃなかったでしたっけ?(笑)

    Re: 小説と軽小説の人さん

    こういう話があと98回続きます(^^;)

    どうか呆れられないでおつきあいください(^^;)

    しかしこれを書いていたころは体力あったな……今はへろへろだけれど、昔はこういうムチャがきいたんだなあ……。

    こう言う馬鹿馬鹿しいの好きです。特典映像とかアニメ予告の、次回予告に全く関係ない話みたいですね。
    予告での最後、面白くて続きが期待せずには居られませんでした。

    • #10638 小説と軽小説の人 
    • URL 
    • 2013.06/08 09:36 
    •  ▲EntryTop 

    Re: トゥデイさん

    トゥデイさんに面白がっていただけたとは嬉しいです(^^)

    YoutubeにUPしても面白い動画にはならないような。

    なにせコタツで暗い顔をした男が、PCの時計を気にしながらひたすらキーボードを叩いているだけですからねえ。

    ピカソやジャクソン・ポロックだったら絵を描いている瞬間も見るものにある種の感動を与えますが、わたしなどでは単にタイクツなだけでありますよ(^^)

    オチは今後どんどんひどいやっつけ的なものになると思いますので覚悟してください(笑)。

    Re: がたがたさん

    バカでしょ?(^^)

    こーゆーのも大好きでして。

    シリアスもいいですけどね、書いていて疲れるんですよね。

    まあギャグに飽きたらシリアスに戻りますが。

    Re: ネミエルさん

    さすがに「シャボン玉ホリデー」までは見たことがないので大きなツラができないのがつらいです。(ええええー)

    バカな子ほど可愛い。
    なんかバラエティ番組の「執筆中」みたいな企画ですね。面白い。
    いっそ執筆風景をYouTubeに上げてみては。
    そしてオチは何でもいいです。
    散々変なこと繰り広げて最後「どうですか?」「別に…」で締めたコントだってあるんですから。

    NoTitle

    この企画、こっそり楽しませていただいてるのですが


    なんぞこれwwwwwwwwww

    NoTitle

    八時だよ全員集合・・・

    古い・・・

    年齢が・・・分かっちゃいますね(笑)
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