「範子と文子の驚異の高校生活(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)」
    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・6

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     紅恵学園の2-Aの教室、平凡な放課後。
    「範ちゃん、範ちゃん!」
    「なあに、文子」
     そんな中でレザーアーマーにショートソードという格好の範子は、これまたローブに杖という格好の文子に対してどこか投げやりに答えた。
    「どうしてわたしたち、こんな格好しているわけ?」
    「それはね」
     範子はあきらめ顔だった。
    「作者の人気取り作戦よ」
    「人気取り作戦?」
     文子は首をひねった。
    「そうよ、文子。いい? この作者は、FC2ブログランキングに登録するに当たって、カテゴリを、『自作小説』『二次小説』『SF』『ミステリ』『ファンタジー』に登録したのよ」
    「うん。それで、それ……えっ、ええ?」
     なにかを悟って愕然とした表情の文子に、範子は疲れきった声で答えた。
    「そうよ。あのバカは、『ファンタジー』に登録した義理返しに、この小説にファンタジー風の味付けをすることにしたのよ」
    「だっ、だって……それにしても、こんな前世紀のRPGブームの遺物みたいな格好をさせなくても……」
    「この作者は」
     範子はびしりといった。
    「こないだ久しぶりに昔の第一世代RPGのひとつ、『トンネルズ&トロールズ』というゲームをやったところ、けっこう面白かったらしくて、実は自分の中でマイブームらしいのよ。まったく、なにを考えているのかしら」
    「じゃ、じゃあ、これから、わたしたちは?」
    「陳腐なファンタジーRPGみたいな旅をすることになるんでしょうね」
     範子の言葉に、文子は座り込むと泣き出した。
    「ええ~、やだよ~。どうせRPGの冒険をさせられるんなら、もっと凝った設定の、かっこいい衣服や装備のゲームのほうがいいよ~。しくしく」
    「泣きたいのはわたしも同じよ、文子。だけどここまで来たらしかたないわ。さあ、立つのよ文子。立って冒険するのよ! どうせ冒険の範囲はこの教室の中だけだろうし」
     文子は泣きやんだ。
    「教室の……中?」
    「そうよ。これまでも、そうだったでしょう。わたしたちの行動の範囲は、この教室から一歩も外へ出たことはないじゃない。あくまでも基本的に、だけど」
    「ということは?」
    「ちゃっちゃっとそこいらへんを適当に回れば、このつまらない冒険とやらも終わりになるってわけよ」
    「そういえばそうだね、範ちゃん!」
    「そうと決まれば行くわよ。探検開始!」
    「範ちゃん、範ちゃん」
    「どうしたの、文子?」
    「ここに『DRINK ME』って書いてあるラベルの飲み薬が二人ぶんあるよ」
    「ドリン……手を触れないほうがいいわよ、文子。無事でいたいならね」
    「どういうこと?」
    「これは罠よ。どう考えても罠よ。きっと映画の『アリス・イン・ワンダーランド』でも見たに決まっているわ」
    「そんなお金があの人にあるのかなあ」
    「きっと財布を抱えて『世の中銭だけズラ』とかいってるに決まっているわ」
    「古いドラマを持ち出すこともないんじゃない、範ちゃん?」
    「どうでもいいけど、それは無視して教室を隅から隅まで歩くわよ」

     そして……それからどうなったかを作者のわたしも知らないのである。
     この教室の広さは縦横ゆうに一光年を数え、そこには無数の障害やモンスターがうろついているのである。
     そんな中で、剣と杖といささかの魔法しか知らない二人が、はたしてどこまで生き延びていくことができるだろうか……。
     コンピュータRPGではないのでゲームで確かめることもできず、真相は全て闇の中である。
     さて、この続きは……続かないっ!
     必殺投げっぱなしエンディング!
     三十分間でどこまで書き続けることができるだろうか、という試練の前には、ハードカバー二十冊を超えて続くであろう壮大なサーガの存在など、ケチョンのパーなのだっ!
     さあ、範子、文子! 君たちの前にはゴブリンが三匹現れた! 戦え!
     範子の剣は命中! ダメージのサイコロを振って! 文子のマジックミサイルも命中! ゴブリンの攻撃! 
     戦いはこれからだぞ!
     コンティニューできません。
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    ~ Comment ~

    Re: ひゃくさん

    まさかこれが続くとは(笑)。

    NoTitle

    えぇーっ。
    続き、読みたーい(笑)

    Re: 小説と軽小説の人さん

    そして実はこの話は思いもかけなかった伏線になるのだった。

    ……伏線?(^^;)

    TRPGは楽しいゲームですよ。昔は気軽にできる文庫版ゲームとかが普通に書店で売ってたんだけどなあ……(^^)

    ポールさんとテーブルトークRPGやると面白そう。(簡単な知識だけでやった事ないですが)

    飲んだほうが帰れたような……。
    馬鹿の行動は大概裏目に……ごほんごほん。
    • #10667 小説と軽小説の人 
    • URL 
    • 2013.06/16 16:08 
    •  ▲EntryTop 

    Re: 神田夏美さん

    いえちょっとお金と気分の不足でバートンのアリスは見ていません。映画館は遠いし、財布は軽いし、ほんと、レンタルビデオに客を取られて映画が斜陽産業になるのも無理ないや。

    「DRINK ME」はファンタジー小説書きの基礎教養みたいなものですので、ギャグみたいなものであります。

    毎朝三十分くらいしかブログ小説を書く時間が取れない……ラブコメファンタジー難航中。あと14枚がなぜ書けぬ。うむむ。

    NoTitle

    オチに笑いました^^教室広っ!(笑)
    やっぱり三十分というのは大変そうですねえ、でもとても楽しそうです(笑)

    アリスの映画観られたのですか?私はブログにアリスの小説があるというのに未だに観ていないという体たらくです(爆)そのうち暇とお金ができたら観たいものです……♪

    Re: 佐槻勇斗さん

    ぽちっとしてくれてありがとうございます。

    鎧を着てあちこち動き回るのにはレザーアーマーくらいが限界ではと思っているんですけどねえ。

    まあ、それこそ、「ファンタジー」なのでどうでもいいんですが。

    わたしが持っている「指輪物語」というTRPGでは、ショートソードのほうがロングソードなどよりはるかに使える恐るべき武器だったりします。史実でもローマ兵はショートソードと投げ槍で世界の覇者となりましたからねえ。

    ローブはいいですよね。魔法使いの基礎であります。でも杖よりはダガー派だなあわたしは。

    NoTitle

    まだランキング登録なさっていなかったんですね!
    おめでとうございますー、さっそくぽちっとしておきますね♪

    レザーアーマーにショートソードの組み合わせは初期設定で今もありがちですけどね。
    ローブに杖の組み合わせは佐槻好きですよ(´∀`)

    Re: ネミエルさん

    並行してマルチタスクでやるんです(^^)

    ついでに学校の勉強もみっちりやるのがよろしい(^^)

    いつ寝るんだ、という話はおいといて……(笑)

    だってせっかく買ったのに遊ばないで家に寝かしておくのもつらいじゃ~ん?

    Re: れもんさん

    ぽちありがとうございますm(_ _)m

    登録して以来、自分もあちこちをポチしてまわるようになりました。

    てっきりあの手のランキングって、訪れた人の数がそのまま票になるものだとばっかり思っていたので。

    ポチしないとだめだったんですね。うむむ。

    あるときは教室は恐ろしく広いであります。ふふふ。

    NoTitle

    僕の小説はどうなるんですか?

    NoTitle

    ブログランキングに参加したんですね★早速ぽちしときました★

    エンディング投げっぱなし・・・(笑)
    というか、教室の広さ・・・え、コンティニューできないんですか?あ、そうか・・・

    NoTitle

    ここで取り上げている「トンネルズ&トロールズ」というゲームは、コンピュータRPGではなく(コンピュータRPGにもなっているが)、ゲームマスターと呼ばれる人間とついたてとサイコロと鉛筆と消しゴムが必要な、いわゆるテーブルトークRPGである。
    ほんとうにしばらくぶりにプレイしてみたらけっこう面白かったので、最新版のルールに買いなおそうかと思ったら1800円もしやがった。とても買えないので、旧版のルールで我慢することにした。ビンボ。

    ちなみに最後の戦闘シーンの光景は、そのゲームとはなんの関連もない。どちらかといえば旧版の「ダンジョンズ&ドラゴンズ」に近い。こないだホビーショップに行ったらとても買えないようなプレミアがついていてめげた。

    ほんとに楽しいからネミエルさんもダマされたと思って友達を誘って例のあれをやってみましょう。最初にプレイするシナリオは超がつくほど簡単なものにするのがコツです。
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