「範子と文子の驚異の高校生活(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)」
    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・21

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    「風が語りかけます」
    「ど、どうしたのよ、範ちゃん」
    「うまい、うますぎる」
    「だからどうしたっていうのよ範ちゃん!」
     文子は突如わけのわからないことをいい出した範子の肩を揺すぶった。
    「埼玉銘菓十万石まんじゅう」
    「どうしちゃったのよ範ちゃ~ん! 範ちゃんがどうにかなっちゃったら、わたしまで……」
    「落ち着いて文子。わたしはまともだから」
    「まともには聞こえなかったよさっきのせりふ! いったいなにがあったの?」
    「天からの指令があったのよ、文子」
    「天からの指令? それって……」
     文子の顔色がさっと曇った。
    「命令電波とか毒電波ってやつ? しっかりしてよ範ちゃん! 範ちゃんしっかりしてえ!」
    「だからわたしはしっかりしてるってば!」
     範子はかなり心を害したようだった。
    「毒電波でもなんでもないわよ。もっとメタフィクションがかった理由。わかるでしょ? 作者がね……」
    「作者が、いったいなにを?」
     文子はほっと胸を撫で下ろした。作者がからんでいるということは、今回もまた変なことをやらされるのだろうが、それには一本理屈が通っているはずだ。
    「それがね……」
     範子はちょっといいよどんだ。
    「さっきの、埼玉銘菓十万石まんじゅうのコマーシャルのせりふから、話をひとつ組み立ててオチまでつけろというのよ。しかも三十分以内で」
     文子は叫んだ。
    「だったら、急がなきゃ、範ちゃん。すでにもう十分以上回っているよ!」
    「だから急いでいるでしょ、文子。十万石まんじゅうから、いったいなにをどうすれば……」
     文子はしばし下を向き、黙した。
    「なにか思いついた?」
     範子は尋ねた。
    「ダジャレ……」
     文子はキッと顔を上げた。
    「え?」
    「ダジャレしかないわ」
    「十万石まんじゅうで?」
    「だってそれ以外に、こんなムチャな条件下で、オチのつけようがないもの」
    「なにか締め切りに追われて四苦八苦する水木しげる先生みたいになってきたわね。知ってる? 先生は、締め切りに追われてどうしようもなくなったとき、アシスタントの、『もんじゃ焼きが食いたいですね』というひとことから、『よし、次の話は「ナンジャモンジャの巻」だ!』ということにしてしまったそうよ」
    「そんなトリビア誰も聞きたくないよ範ちゃん!」
    「……ごめん」
    「でも、どうしよう。こんなローカルCMネタ、たぶん誰もわからないし、それでダジャレをやったって、おもしろいものになるわけがないよね」
    「文子」
     範子はきっぱりといった。
    「面白いものにする必要は必ずしもないのよ。わたしたちに課せられた使命は、なにをおいても『毎日更新を続けること』なんだから!」
    「でも作者はPCを修理に出すつもりなんでしょう?」
    「そうだけど……まずいわ。残り十分を切ったわ。早く考えないと」
    「範ちゃん、今日のお昼、なににする?」
     急な文子の言葉に、範子は面食らった。
    「え? なんでもいいけど」
    「わたしは、『牛丼・特・天重』にするわ」
    「牛丼の特盛と天重? そんなに食べたらおなかとダイエットが……ああ、十万石まんじゅうのダジャレね。なるほど」
    「いいと思わない?」
    「でも、オチにするにはちょっと物足りないわ」
    「でも、三十分まであと五分ちょっとしかないよ」
    「考えるのよ。考えるのよわたし……」
    「できた?」
    「ちょっと待って。今考えてる……文子も考えて」
    「うん。考える。うーん、うーん……」
     二人は悩んだ。期末テストの数学の問題を解くよりもはるかに頭を使って悩んだ。しかし、うまいダジャレはどうしても浮かんでこないのだった。
    「どうしよう。お手上げだよ、範ちゃん」
     文子は顔色を青ざめさせていた。
    「そんなに青くなる必要もないわよ。わたしたちがお払い箱になることもないんだから」
    「……ほんとうに?」
    「わからない」
     範子はそう答えざるを得なかった。
     二人は、沈思に戻った。
     あきらめかけていたとき、文子の顔がパッと明るくなった。
    「できたの?」
     範子のおそるおそるの問いに、文子は首を振った。
    「できかけよ」
    「でも、どんなの?」
     文子ははっきりと発音した。
    「シャレがわかりかけます」
     範子も応じた。
    「うまい、うますぎる!」
     作者はつぶやいた。
    「これはひどい」
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    ~ Comment ~

    Re: ひゃくさん

    おれ(笑)。

    NoTitle

    って、ホントんとこ、誰がひといねん?

    Re: ネミエルさん

    いやー、それにしてもあの最後のオチはダジャレにしてもくだらなすぎたかと(^^;)

    SF界においてダジャレの名人といったら、なんといっても横田順彌先生ですね。横田先生のくだらないにもほどがあるハチャハチャSFをもう一度読みたいなあ。横田先生新作書いてくれないかなあ。

    Re: 佐槻勇斗さん

    十万石まんじゅうはわたしも食べたことがありません。
    コマーシャルはいやというほど見ましたが。(うちにはなぜかテレビ埼玉も入るので……デジタル化されたら消えますけれど)

    文明堂はあのコマーシャルが強烈でしたからねえ。
    ♪カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂
    あれで人形がラインダンスしたら、もう買わざるを得ません。
    そういや最近あのコマーシャル見てないなあ。どうしたんだろう?

    Re: 蘭さん

    こちらでははじめまして。ようこそおいでいただきました。

    この「範子と文子の三十分一本勝負」は、ええ、もう、なんというか、ほんとうにしょーもないシリーズで……(^^;)

    毎日しょーもないシリーズを書いていたら、落ち込みがちな気分も明るくなるんじゃないかと思ってやっておりますが、蘭さんに喜んでもらえてとても嬉しいです。

    根性で毎日更新を続けておりますが、はたして体力と気力がどこまでもつやら。

    とりあえずゆるゆるがんばりまーす。

    NoTitle

    これはひどいwwww

    いや、大丈夫、大丈夫。

    僕の文章に比べたらまだまだいけます。

    NoTitle

    十万石まんじゅう。
    食べたことはないんですけど有名ですよねb
    埼玉のお菓子と言えば佐槻は 文明堂のカステラ が浮かびます。よく頂くので(´∀`人)
    あれはウマイ!!

    はじめまして^^

    当方への訪問&コメント、ありがとうございましたv-290
    ぴゆうさんの所から来てくださったんですね~。嬉しいなぁe-266

    どんなお話なのかと思って、目次を一生懸命検索して、あれやこれやと悩んだのですが、まずは最新のお話を読んでみるのが一番!と思って読ませていただきましたv-290
    本当に真剣に読みましたv-290


    ・・・・・・・ぶはーーーーーーっe-2e-330

    思わず、朝から飲んでたお茶を、吹き出しそうになりましたよ(笑)。
    ・・・面白過ぎる・・・・・・・i-237
    まだ1話しか読んでいないので全体像が把握出来てませんが、ちょっと長居させて色々読ませていただきますねv-343

    えっと、近々PCを修理に出されるのですか?
    とても楽しい内容みたいなので、もしかして休載・・・って事になったら、すんごく残念だなぁ・・・・v-406v-406
    でも、本当に正直に! あまりの面白さに、朝から腹筋鍛えられましたよ~~。
    私、こういったのは大好きなんですv-9
    ・・・常連になりそう(-o -;ボソッ
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