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    「範子と文子の驚異の高校生活(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)」
    範子と文子の三十分一本勝負(ギャグ掌編小説シリーズ・完結)

    範子と文子の三十分一本勝負:FIGHT・55

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    「どうする、文子?」
    「範ちゃん、どうするって、なにを?」
     文子の答えに、範子はじれったそうにいった。
    「もちろん、この小説よ。わかるでしょう?」
    「わかるわけないよ! 前々から思っていたけどさ、小説においてメタフィクション的なものを導入するのは、一種の逃避でしかないよ、範ちゃん。逃げだよ、逃げ」
    「逃げなくてはいけない状況に追い詰められているのよ。だって、考えてごらんなさい、文子。このブログは、毎日更新しているから、今も更新し続けていられるのよ。その更新を一日でも休んだら、自転車みたいに、ぱたんと倒れて二度と起き上がれないわ」
    「そんな自転車操業いやだよ」
    「……でも、作者がなにも話を思いつかないのよ。である以上、わたしたち自身がやるしかないでしょ」
    「うーん……」
    「じゃ、文子から、始めて。お題は、『小説の登場人物として生まれるなら、こういうシチュエーションに生まれたかった』よ。それでどう?」
    「それでどうもこれでどうも……どんどんメタフィクションになっていくね、範ちゃん」
    「まずは、文子、あなた、女に生まれたかった、男に生まれたかった?」
    「そんな基本的なところから聞くんだ! なんか本格的だね、範ちゃん。えーとわたしか。男に生まれるっていうのも面白そうだけど、でも、女である以外の自分なんて、想像もつかないよ」
    「そういうところが普通かもしれないわね。わたしも、女であるほうがいいか男であるほうがいいか、っていわれたら、……うーん、迷うわね。女として向かい合ったほうがいいか、男として向かい合ったほうがいいか」
     範子は真剣な表情になった。
    「範ちゃん、なんで、わたしの顔と身体の上で視線を往復しながらしゃべるの? ちょっと、ものすごい不安になるんだけど」
    「やっぱり、世間体もあるし、男のほうがなにかと問題は少ないわね」
    「問題って、どんな問題なの、範ちゃん? ……身に危険が迫っている感じがひしひしとするんだけど」
    「まあ、男女の別はこれでいいとして。年齢は?」
    「うーん、高校生活も楽しいけど、高校生活はこれはこれでなんだからなあ。やっぱり、独り立ちしたときのほうがいいよね。大学を卒業して、世間にも慣れた、二十五くらいがいいかなあ?」
    「……意外ね。けっこう自立しているのね、文子って。それじゃ、わたしも、二十五くらいの若者ってことで」
    「範ちゃん、さっきから気になっていたんだけど、先に答えるのはいつもわたしだよね。それって不公平だと思うんだけど」
    「じゃ、次はあたしが答えるわ。容姿だけど、わたしは、もちろん、美形!」
    「わたしも美形!」
    「それで、問題はないわね」
    「範ちゃん、ずるい問題設定だよ。それ以外の選択肢、いわれてもすぐに思いつかないよ」
     文子は不服そうにいった。
    「じゃあ、こっちいってみようか。職業は?」
    「わたしは、ジャーナリストかライターがいいかな。カメラマンでもいいな」
    「どっちなの?」
    「うーん、あいだを取ってフォト・ジャーナリスト。範ちゃんは?」
    「実業家ね。うちの家族を見ていれば、ほかの仕事よりも断然面白そうだもの」
    「範ちゃん、フォト・ジャーナリストのほうが、面白い職業だと思うよ。でも、まあいいか」
    「今度は先に答えるのは文子の番ね。年収はどれくらい?」
    「え? ……どれくらいっていわれても、そんな年収規模なんか知らないし。お金を持っていても使いかたなんか知らないし、うーん、悪の道に踏み出さない限りの、生活に困らない額」
    「現実的なのか夢想的なのかわからない反応ね。わたしは、それなりに確固たる地盤を固めて、どんどん仕事で『強気の攻め』を行なうことができるだけの金額がいいわね」
    「そっちこそ、現実的なのか夢想的なのかわからないよ。でも、どうして、いきなり、こんなことを聞き出したの?」
    「それはですねえ……」
     範子はにやりと、意味ありげな笑みを浮かべた。
     文子はぼうっとしていたが、不意になにかに気がついたらしかった。
    「範ちゃん、もしかして! ちょっと、ダメだよ、それは、この小説のフォーマットに反するよ。掟破りもいいところだよ! 考え直してよ!」
     考え直さない。
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    ~ Comment ~

    Re: ひゃくさん

    性別は男です。

    もし女に生まれるなら「エスカレーション」の早川ナオミとして生まれたい、と考えるくらいに男です(笑)

    NoTitle

    え?
    ブリッツ氏は、もし女だったら、何をしたかったんです?

    というか。
    性別、男…、なんですよね?
    (こういう時、ネットは怖いwww)

    分かんね。
    そもそもこのシリーズのフォーマットっての忘れました。

    ネタはとりあえず何か用語を作っとけばそれなりに乗り切れると思います。
    演劇部の先輩も劇中劇「武闘派少女マジカル兄貴」をどれだけ引っ張ったか…

    NoTitle

    えーっと、つまり・・・?
    55までやってきたけどもう限界。
    設定かえちゃうもんねーっ☆
    へっへっへーっ☆

    ってコトですか?
    要約すれば・・・?
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