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    映画の感想

    水戸旅行日記・その2

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    杉作少年の活躍もあり、城内の地下牢前で大立ち回りの末、鞍馬天狗は大阪城からの脱出に成功。そんなに強いんだったらどうしてつかまったんだ(笑)。

    しかし、そんな天狗と杉作を取り囲むように討手が。

    「杉作、けして離れるでないぞ」

    鞍馬天狗、その言葉とともに討手と再び大乱闘、その場を脱出する。このチャンバラもすごい迫力である。アラカンかっこええ。

    いろいろあって舞台は京の都に移る。

    当時、京には幕府方の治安組織として、新撰組と見廻組があり、互いに反目しあっていた。

    そんな中、忠実な従僕の家で、鞍馬天狗は自分を慕う娘のお露、そして杉作ら角兵衛獅子の子供たちとひとときの平穏な生活を楽しんでいた。

    ある日、従僕の娘で、今は新撰組の手先となって近藤勇のために働いている悪女、「暗闇のお種」が父の家を訪ねてくる。

    この「暗闇のお種」さんがもうすごくかわいい(^^) わたし好みの美人なのはもちろんのこと、懐に拳銃を隠し持ち、ここぞというときにぶっ放す、おっかないお姐さんなのでありますなあ。活弁士の澤登翠先生も乗りに乗って、ぽんぽんと啖呵を切りまくる。かっこいい! 

    とはいえ、ここは愁嘆場でありますので、お種は憐れみを乞うような声で、戸口越しに父にひと目顔を見せてくれるよう哀願するのであります。もちろん、鞍馬天狗や仲間をかくまっている以上、父も娘を中に入れるわけにはいきません。結局お種は泣く泣くその場を離れるのであります。

    家を後にしたお種を、その家を見張っていた見廻組の侍が取り囲み、尋問する。

    ここで、さっきとは打って変わった伝法な口調で、「あんたらの探している侍は、あの家にいるのさッ」と、父に許してもらえなかった腹立ちもあって、あることないことしゃべってしまうお種さん。ちくしょうかわいいぜっ!

    見廻組はさっそく本部(?)にとって返し、組長の佐々木只三郎に報告を入れる。この佐々木只三郎、近藤勇と違って人気がないせいか、ものすごい悪人として描かれていて、ちと気の毒(笑)。

    佐々木は偽の書状を作り、鞍馬天狗を寺におびき寄せて、だまし討ちにしてしまおうと陰謀を企む。

    計画は見事図に当たり、偽書状と見抜けなかった鞍馬天狗は、寺におびき出されてしまうのだった! 

    鞍馬天狗が家を出た後に、その従僕の家を訪れた桂小五郎は、「この書状は真っ赤な偽物だッ」と叫び、急いで勤皇の志士を集めて、鞍馬天狗を救うため寺へと走る。

    桂小五郎の叫びを聞いた杉作たちは、「天狗のおじちゃん」を救うため、近所中の子供を集めて寺へと走る。

    見廻組の陰謀は、新撰組の近藤勇の耳にも届き、見廻組が汚い手段で手柄を立てようとしていることに怒った近藤勇と新撰組の面々も、寺へと走る。

    寺の座敷のひとつに通された鞍馬天狗は、どんどん強くなってくる殺気から、敵の陰謀に気づいたものの、もはやどうすることもできない。とにかく剣を取り、斬って斬って斬りまくり、血路を開いて脱出しようと刀に手をかける。

    障子のかげからいきなり槍が突き出され、それを間一髪かわした鞍馬天狗の前に、見廻組の精鋭たち数十人が現れ、剣を突きつける。

    「観念しろ鞍馬天狗!」

    勝ち誇る佐々木只三郎の声に、鞍馬天狗は怒りの叫びを。

    「卑怯者めが!」

    クライマックスの剣戟シーン! 次から次へと押し寄せてくる見廻組の刺客。

    しかし鞍馬天狗は強い。もうムチャクチャに強い(^^)

    見廻組を斬って斬って斬りまくる鞍馬天狗。

    カットバックで差し挟まれる、寺へと向かって走る勤皇の志士、子供たち、新撰組。ここのサスペンスは強烈。

    とはいえ、鞍馬天狗の強さはそんなサスペンスなど吹き飛ばすようなものだった(^^)

    見廻組の剣士たちを片っ端から斬って捨て、死屍累々、寺は死体だらけ。

    「心身綿のように疲れ……」と活弁士の声が流れる。それも当然、あれだけいた手下が全員やられ、残るは親玉の佐々木只三郎ただひとり。講談の荒木又右衛門の三十六人斬りでもあるまいし、何十人も斬ったらそりゃ疲れるよ(^^)

    佐々木只三郎が刀を抜き、鞍馬天狗とにらみ合う。

    そのとき、寺の山門では、駆けつけてきた桂小五郎をはじめとする勤皇の志士たちと新撰組と、さらには子供たちが鉢合わせしていた。

    さあどうなる!?

    といったところで、驚愕のオチが待っていた。

    画面に大きく「?」の文字が現れたのであります。「次回に続く!」ということですな(笑)

    こんなところで終わられたら、昭和三年の日本に住んでいなくても続きを見に映画館に足を運んでしまう(^^)

    しかし、残念ながら、この続きは現存していないのであります。

    この1928年の映画の次に古いのは、これから十数年後のトーキー版になってしまうのですな。

    これには、映画会社のネガフィルム倉庫を灰燼に帰してしまった関東大震災と、東京などの都市に対する大空襲が行われてまたしてもフィルムが灰燼に帰してしまった第二次世界大戦と、(これがいちばんひどいのですが)はじめからフィルムを文化遺産として保存しようなどとはカケラも考えていなかった当時の映画会社の無責任な体質によって、当時の邦画作品のほとんどが見られなくなっている、という悲しい事情がありまして……。

    (映画を見終わった後どうしたかについてはまたまた続く)
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    ~ Comment ~

    Re: 矢端想さん

    国内現存最古は存じませんが、わたしが完全な形で見た、一番古い国内作品は、1925年(大正14年)の大傑作、「雄呂血」です。このチャンバラシーンも悲壮で強烈でありました。

    それ以前の作品の断片も、京橋にあるフィルムセンターの博物館でちらりと見ましたが、舞台劇をそのまま写したみたいなものでありました。

    有名なフランスのシネマテークなどで、フィルムを精力的に保存している海外がうらやましくてなりません。リュミエール兄弟の「工場の出口」という作品まで保存しているくらいだからなあ。

    NoTitle

    1928年とはすごいですねえ。国内現存最古ぐらいでしょうか。

    米国では「最初の劇映画」と言われる1903年の西部劇「大列車強盗」が今Tubeでも観られます。とても短い作品ですが、それを観られた事実に感動しました。そんなの消失していると僕は勝手に思っていたのです。何しろ西部劇も当時はほぼ「現代劇」の時代ですからねえ。

    Re: ぴゆうさん

    とにかく、あの時代の無声映画を弁士伴奏つきで見たら、今の時代劇なんかかったるくて見てられませんな(^^)

    なにせ斬り合いに参加する人数が違う。敵方十五人なんて当たり前、十重二十重という言葉がぴったりくるくらいの数が主役を取り囲むのを、高いところから(梯子とかかけたんだろうなあ……)俯瞰して撮るのが実に新鮮で。

    チャンバラシーンのアイデアも凝ってるし。

    黒澤明監督は偉大だけれど、こういう映画を見ると、そういったリアリズムによって切り捨てられた部分も多いような気がします。

    とにかく痛快な映画だったなあ……。

    丹下左膳は大河内伝次郎の当たり役ですが、その名声を決定づけた、日本映画史に残る傑作「新版大岡政談」も、名前だけ伝わっていて現物は喪われて残っていません。十パーセントでも見つけたら映画界が震撼する大ニュースなんですが……。

    ちなみに大河内のもうひとつの当たり役、国定忠次の末路を描いた「忠次旅日記・御用篇」は、まるでギリシア悲劇でも見ているかのようなものすごい作品です。もし活弁伴奏つきで見る機会があれば、団栗銭10万個と引き換えにしても見に行かれることをお勧めします。すごいよ~♪

    NoTitle

    余程面白かったとみえる。

    剣劇ってやっぱり面白いよね。
    特に多勢に無勢がいい。
    バッタバッタと倒れていく。
    数が多過ぎでわからないくらい。

    後ねぇ~~
    遠景なのよ。
    セットを使わずに、そのまま使用していたんだろうと思える風景。
    たまらなくいい。
    どこまでも続く一本道。
    松が生えていたりして。
    無声映画はあまり馴染みがないけど、(丹下佐膳くらい)昔の時代劇は好きだぁ~~
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