FC2ブログ

    ささげもの

    ケータイメール

     ←美姫の勇者 →短期集中連載企画:選ばれなかったものの英雄譚4
    送信者:みなっち

    件名:いろいろと考えたんだけど

    受信時刻:23:30



    どう書こうか迷ったけど、真剣に読んでもらったほうがいいよね。

    最後まで読んでほしいから。

    マジな話をするよ。

    あたし、緋色と、これまでのような友達でいることはできそうにない。

    いくら考えても、だめ。今までのように緋色を見ることができない。

    理由は、緋色もわかってるよね。

    あたし、あの現場を見てたんだ。

    びっくりしたよ。

    そして、怖かった。

    あたしが、緋色を見て、こんな怖い思いをするなんて、考えたこともなかった。

    あたしに隠していたことも、どうでもよかった。

    ただひたすら、怖かった。

    緋色があいつをぶっ飛ばしたときも、その後、ヒーローがその場を納めたときも、あたしは緋色を見て、ぶるぶる震えているしかなかったんだ。

    ほんとだよ。

    例えば、緋色の隣の家に住んでいる、どこから見ても元課長かなにかのおじいさんが、家に大量の拳銃と実弾を隠していたら、そしてそれがなにかの拍子に、たとえば泥棒を退治するとか、そんな目的のために使われて、みんながそれを目撃したら、どう思う?

    たとえ人がひとりも傷つかなくても、みんな、その人をもとの目では見られないと思うよ。

    それと同じ。

    あたしは、緋色をこれまでと同じ目では見られない。

    もちろん、緋色のこともわかってるつもりだ。

    緋色って、自分で思う以上におっちょこちょいで細かい考えがまわらないたちだから、自分にあんな力があるなんて知らなかったんだと思う。知っていたら、もっと緋色の印象って、変わっていたと思うしね。

    それに、ヒーローだって、緋色のことを認めてくれた。あの女の子だって、緋色のことを認めてくれた。

    それはわかってる。

    だけど、周りの人はどうだろう。ヒーローが、緋色を自分の娘だと認めているとはいえ、内心では、緋色が怖くてしかたないんじゃないかな。

    だってあたしがそうだもんね。

    あたしは怖い。

    緋色が怖い。

    だから、これまでのような友達のままでいられるとは思えない。

    だけど。

    だけどさ。

    別に、これまでのような友達でいることもないんじゃないかと思うんだ。

    これまでのような友達じゃなくて、もっと、なんていったらいいかわからないけれど、緋色のことを理解したうえでの、新しい友達としての関係を、ううん、これまでよりもっといい友達としての関係を築くことができるんじゃないかと、あたしはそう思うんだ。

    だから、昨日までの緋色とは、さよならしようよ。

    明日からは、あたしと緋色で、新しい友達としての第一歩を踏み出そうよ。

    お互い、今はぎこちないだろうけど、すぐに、いい友達になれると思うよ。

    だって、最初に会ったときがそうだったじゃん。

    だからさ。

    これからも、いろいろなことを話したり、メールしたりしようよ。

    それにつきあってくれれば、緋色のことも怖くなくなると思うんだ。

    あたしが怖くなくなれば、町の人たちも怖くなくなると思う。そりゃ、昔みたいにはならないだろうけど、それでもさ。

    なんとなく気恥ずかしいけど、いわせてね。

    はじめまして、ヒーローの緋色さん。

    あたしと友達になってくれますか?



    ※ ※ ※ ※ ※


     この小説は、月刊アフタヌーン2010年7月号付録の小冊子に掲載された、雨松先生の四季賞受賞作「ヒーローの娘」という漫画を読んでいないと理解不能だろう。

     雨松先生は、「あめふらしのあまやどり」というブログをお持ちで、わたしと相互リンクしていただいている。

     現在は、「コミックアーススター」で、初の連載作品をこなしておられる。

     で、雨松先生に拝みこんでイラストをいただいたお礼として、なにか、と考えたところ、ひらめいたのがこの小説のアイデアであった。

     もしかしたら、雨松先生の作品では、イラスト以外の、ストーリーをもった、初の「二次創作」の栄誉を受けられるかもしれない。

     そう思うと、わたしの創作意欲は止まらなくなっていた。

     突貫工事にしてはなかなかいい作品に仕上がったと思う。

     えー、ちなみに。

     あと数時間でなにか書かないと、ブログの更新が途切れてしまう、ということに焦って、書簡体小説ならいくらか楽に書けるかなあ、などと考えた末……では断じてないのでそう思うように。

     それでこれが緋色ちゃん。(クリックすると大きくなります)

    緋色ちゃんイラスト

     かわいいであります~♪
    関連記事
    スポンサーサイト



    もくじ  3kaku_s_L.png 風渡涼一退魔行
    もくじ  3kaku_s_L.png 鋼鉄少女伝説
    総もくじ  3kaku_s_L.png ほら吹き大探偵の冒険(児童文学)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 夢逐人(オリジナル長編小説)
    総もくじ  3kaku_s_L.png 残念な男(二次創作シリーズ)
    総もくじ  3kaku_s_L.png ショートショート
    総もくじ  3kaku_s_L.png 紅探偵事務所事件ファイル
    総もくじ  3kaku_s_L.png 銀河農耕伝説(リレー小説)
    もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
    もくじ  3kaku_s_L.png リンク先紹介
    もくじ  3kaku_s_L.png いただきもの
    もくじ  3kaku_s_L.png ささげもの
    もくじ  3kaku_s_L.png その他いろいろ
    もくじ  3kaku_s_L.png SF狂歌
    総もくじ  3kaku_s_L.png 剣と魔法の国の伝説
    もくじ  3kaku_s_L.png 映画の感想
    もくじ  3kaku_s_L.png 家(
    もくじ  3kaku_s_L.png 懇願
    もくじ  3kaku_s_L.png TRPG奮戦記
    もくじ  3kaku_s_L.png 焼肉屋ジョニィ
    もくじ  3kaku_s_L.png ご意見など
    もくじ  3kaku_s_L.png おすすめ小説
    【美姫の勇者】へ  【短期集中連載企画:選ばれなかったものの英雄譚4】へ

    ~ Comment ~

    Re: あめふらし先生

    どうぞどうぞお持ちください(^^)

    「ヒーローの娘」は面白い漫画でした。早くコミックスにならないかな。そのためにも先生には短編もバリバリ書いていただいて、短編集も出していただきたいです。今のままでは「幻の作品」になってしまうのではと(^^;)

    しかし、こういうふうに膨らませることができるのは、先生の原作が面白くて奥が深いからです。

    これからの「TRACE」にも期待します(^^)

    NoTitle

    ということで、頂きに上がりました(^◇^)

    まさか、みなっち視点で来るとは…!!!

    二次創作と言うか、これはまさに本編で私が描き切れていなかった部分(周りの人間・特にこれまで緋色と関わりがあった人間との関係の変化)を補完して下さってるじゃあないですか…!

    後日談…というよりも、本編のラストシーンの後にでも挿入されてても(もしくはラストシーン間近に被ってナレーションされてても)おかしくない内容ですよ、これ!(^◇^)

    ということで、思いもよらなかったプレゼントをありがとうございます!

    ありがた~く頂いていきますね♪

    あ、うちのブログの記事に転記して紹介してしまってもいいですか?(笑
    管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

    ~ Trackback ~

    卜ラックバックURL


    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    • 【美姫の勇者】へ
    • 【短期集中連載企画:選ばれなかったものの英雄譚4】へ